今日は6月5日で「ろう(6)ご(5)」(老後)
「ろうごの日」なのだそうですよ。
日本の高齢化率(ここでいう高齢者は65歳以上)は
1970年(昭和45年)に7.1%でしたが
2015年(平成27年)には過去最高の26.7%となり
「4人に1人が高齢者」の超高齢社会となっています。
2035年には高齢化率が33.4%となり、
「3人に1人が高齢者」になると推計されているそうです。
私はまだかろうじて高齢者ではないですが
確実に身体が老化しているのはひしひしと感じています。
加えて頭がいかれて身体の一部が不自由になってからは
特にそれを感じてしまいます。
昔は何事も練習すれば練習しただけ上手くなっていたものですが
今は練習しようが運動しようが現状維持すら難しく
それでも少しずつ衰えて行ってしまいますものねぇ
それを感じることが日々多くて何だか悲しくなってきます(苦笑)
まぁ、それを嘆いてもしかたがないので
できるだけ衰えるスピードを抑えるように
これまで以上にいろいろなことに気を付けながら
毎日努力していかなくてはいけませんねぇ
さてさて
本日は「リコーフレックスⅥ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックス自体は1940年頃から続く
二眼レフのシリーズですが
1950年発売の「Ⅲ」以降
一般的に見かける「リコーフレックス」の特徴である
ギアによる前玉回転式ピント調節、
プレスボディー、中枠を外すフィルム装填の形となり
大ヒット商品となっていきます。
日本全体のカメラ生産量の50%以上をリコーフレックスが
占めるほどのベストセラーとなり
二眼レフブームを巻き起こしたカメラでもあります。
今回の「Ⅵ」は1953年の発売で
このモデルから裏蓋ロックが装備されています。
シャッターはリケンシャッターで
1/25・1/50・1/100の3速にBとなっています。
レンズはリコーアナスチグマット80mmF3.5です。
お預かりしている「Ⅵ」は
おそらくかなりの長期間、
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
シャッターは完全に固着しており
レリーズしようとしても全く動きません。
レンズにもカビやクモリがかなり発生しています。
ギアリングのピント調整はこれもお決まりの固着で
かなり強めに力を入れると少し回りますが
あまり無理すると何かしらの部品が破損しそうです。
外装の貼り革は全体の1/4くらいしか残っておらず
ほぼ剥がれてしまっています。
その影響もあり裏蓋部の赤窓は枠ごと欠落して
紛失してしまったようです。
ファインダーミラーは当然ながら腐食が酷く
ファインダースクリーンもカビやクモリが盛大に発生しています。
ファインダーフードの開きも悪く
拡大用のルーペは一部のカシメが破損して
取れかかっているような状態です。
なかなか大変な状況ですが
ルーペのカシメや赤窓は中古良品の部品を使って交換を行い
ファインダーミラーは新品と交換
貼り革も新たに貼り直し
あとはできる限りの清掃と整備で
普通に使える状態にはできるかと思われます。
セルフコッキング等がなく、
巻き止めもないシンプルな構造なので
整備性自体は良好です。
レンズボードからボディ側への連動が一切ないので
ネジ4本で簡単にレンズボードは外れます。
ここからさらにシャッターユニットを降ろして
シャッターの整備を行い
ピントギアは外してレンズも外してレンズ清掃
前玉回転部の清掃とグリスアップを行います。
分解時に半分固体化したような酷い状態のグリスが
たっぷり出てきました…(苦笑)
シャッター羽根は案の定、油滲みによる固着です。
これも羽根は洗浄し、シャッターユニットも洗浄し
駆動部には最小限の注油を行います。
プレスボディーでシンプルな構造ということもあり
ブローニー判を使用する二眼レフの中では
非常に軽量コンパクトなカメラです。
機能も最低限なので使いこなしに慣れは必要ですが
その潔いシンプルさが逆に魅力のカメラです。
しっかり整備して生まれ変わった状態で
ご依頼者様には存分に使いこなしていただきたいと思います。
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