今日は「成層圏発見の日」なのだそうですよ。
1902(明治35)年のこの日に
フランスの気象学者テスラン・ド・ボールによって
成層圏が発見されたそうです。
空と宇宙は無段階につながっているのですから、
どこからが空で宇宙とかいう境目があるわけではありません。
それでも一つの目安として
大気がほとんど無くなる100kmから先を宇宙としているそうです。
その中で地上から対流圏、成層圏、中間圏、熱圏と分かれています。
成層圏では気温が一定していて気象の変化がなく
約50kmの厚さで地球を取り巻いている大気の層のことだそうです。
成層圏は雲がなくいつも快晴であり、
ジェット機が飛んでいるのもこの成層圏です。
また、成層圏の中にオゾン層が存在し、太陽からの紫外線を吸収しています。
成層圏と対流圏の境目は対流圏界面と呼ばれます。
(高度は極地で約8km、緯度が低くなるに従って高くなり赤道付近で約17km)
世界一高いエベレストだって地表から8kmちょっとなのに
空はどこまでも高いですよねぇ…
でも成層圏まで約10kmと仮定すると
地表水平面に置き換えると新宿から北は赤羽あたり
南は大井町あたりなのですよねぇ
そう考えると大したことないような気も…(笑
さてさて
本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマート少しひさしぶりですね。
ニコンFの時代の中級機を担うのが「ニコマートシリーズ」です。
機械制御の「FT系」と電子制御の「EL系」に大きく二分され
「FT系」は登場順から「FT」、「FS」、「FTN」、「FT2」、「FT3」が
存在します。
「FTN」は「FT」をベースに開放F値補正操作を取り入れ
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
いわゆるニコンの「ガチャガチャ」ですね。
またニコマートシリーズで初めて中央重点測光が取り入れられています。
現存するニコマートシリーズの中で最も数が多いのが
この「ニコマートFTN」かと思われます。
それだけ大ヒットしたカメラでもあります。
フラッグシップの「F」ほどの造りこみではありませんが
ニコマートFTNも非常に堅牢性の高いカメラです。
コストダウンも行わなければならないためその一環として
コパルスクエアSシャッターを採用していますが
このシャッターユニットがまた非常に丈夫です。
巻上機構やミラー駆動部の丈夫さとも合わさって
このカメラで根本的にシャッターが切れないなんてことは
あまりないと思われるカメラです。
登場して50年以上経過するカメラなので
さすがにシャッタースピード精度は狂っているものも多いですが
全く動かないなんてことが少ないカメラだと思います。
今回お預かりしているFTNも
シャッターはなかなか快調に動いています。
さすがに羽根汚れや駆動部の油切れ等もあり
高速シャッターの精度はイマイチですがそれでも
撮影にそれほど支障が出るほどではありません。さすがですね。
ただし露出計はやはり精度にもズレがあり
若干不安定です。
そして内部モルトも含めモルトは全滅で
光線漏れも起こしているようです。
ファインダーの内部にもモルト屑がたくさん入り込んでいます。
この時代のカメラなのでファインダースクリーンの清掃も
プリズムを降ろして行わないとなりません。
露出計指針の周りにもモルトが使用されており
それの劣化した屑がファインダー内にまき散らされてしまいます。
やはり全体的にも清掃整備が必要な状態ですね。
露出計回路は非常にシンプルでわかりやすいものですが
今回は大丈夫でしたが
マウント側の抵抗に問題を抱えている場合もあり
その場合は少々アクセスが大変です。
ファインダー内SS表示に糸連動もあったりしますが
通常の整備ではそれをあまり気にすることもありません。
シャッターユニットの整備性もよく
前板と一体となったミラーボックスの脱着もやりやすいです。
こういう整備性の良さはさすがニコンといった感じです。
画像はまだ分解に取り掛かったばかりの段階ですが
ここからミラーボックスの脱着、
シャッターユニット、巻上機構の整備と取り掛かっていきます。
見た目も使い心地も武骨な印象が強いですが
信頼性の高い玄人好みのカメラだと思います。
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