今日は6月10日…「時の記念日」ですね。
私も子供のころから知っている
歴史もあって由緒正しい記念日なのだから
思い切って祝日にすればいいのに…と、
この日が来るたびに思います。
6月は祝日ないですし…
まぁ祝日になったとしても個人的にはあまり関係ないのですが
嬉しい方もたくさんといると思いますし…
…それとは全く関係の話で今日は「路面電車の日」でもあるのですね。
「ろ(6)でん(10)」(路電)と読む語呂合わせからですね。
この日には各地で路面電車の利用促進のための
キャンペーンやイベントが行われているそうです。
私は広島出身なので路面電車(チン電)は割と身近な乗り物ですが
広島出身と言っても呉なのでさすがにチン電に乗って
通学とかまではなかったですが
社会人になって広島市内で働くようになるとなんだかんだで
頻繁に利用していました。
本数も多いし駅間も短いし
めちゃくちゃ気軽に乗れるのですよねぇ
バスよりも間違いなく便利です!
私も生まれ育った呉にも私が生まれる少し前まで
実家のすぐ目の前に「呉市電」が走っていたのですよねぇ…
残念ながら写真でしか見たことないのですが…
実際に見てみたかったですねぇ…
さてさて
本日は「キヤノンダイアル35」のカメラ修理を行っています。
ちょっと変わり種なハーフカメラです。
モデル名の由来は、もう見たまんまで
CdS受光部となる感度設定ダイヤルが
電話のダイアルに似ていることからこのネーミングとなっています。
全体的にもちょっと縦長で
昔の公衆電話みたいですものねぇ
同じ年にキャノンを代表するハーフカメラ「デミ」がデビューしていますが
意外に初代デミとは共通項が少ないのです。
初代デミはセレン光電池を利用するプログラムシャッター機ですが
ダイアル35は受光体はCdSで電池を必要とします。
そして露出モードも基本的にはシャッタースピード優先オートで
絞り設定もマニュアルで可能です。
そして何といってもゼンマイ仕掛けの自動巻上を装備しています。
独特のグリップ部がゼンマイ巻上ノブとなっています。
このフィルム装填後にゼンマイ巻上を行うと1枚目まで
自動的にフィルム送りが行われるオートスタート機構も搭載されています。
奇抜な見た目だけではなくなかなか機能的にも
充実したカメラです。
ただし、このダイアル35、機能的に充実しているのはいいのですが
正直に言ってトラブルもいろいろ多いカメラです。
もちろん現行モデルの頃はそんなことはなかったと思われますが
さすがに登場からほぼ60年になるカメラですし
堅牢性を重視するようなタイプのカメラではありませんから
トラブルは多くて当たり前かもしれません。
その上に独特の形状ということもあり
デミとかに比べると整備性がかなり悪いのです。
お預かりしている「ダイアル35」もまず電池室は腐食で
どうにもならない状態になっています。
端子は腐食でどうにも復旧できない状態になっていましたので
今回はいろいろ手間をかけて電池室はほぼ作り直しとなりました。
メーター本体とCdSは何とか無事だったので
整備調整で何とか使用に問題ないレベルに仕上げられました。
巻上のゼンマイ機構はグリスの劣化でこちらも固着気味です。
シャッター羽根には粘りがあり
レンズ・ファインダーにも汚れ・カビ・劣化が見受けられます。
シャッターは一通りの整備でオート機構も含め問題ない状態に改善し
レンズ・ファインダーはできる限りの清掃で対応します。
コーティングの劣化等は復旧不可ですが
通常の撮影に問題ないレベルには仕上げられました。
ダイアル35の修理は毎回いろいろと苦労が多いのですが
今回も何とか問題ないレベルに仕上がりました。
これから一通りのテストとチェックを行い
問題なければ完成となります。
でもやはりこの独特のフォルムは魅力ありますね。
グリップを握って構えるとホールディングもよく
意外と理にかなったデザインであることもわかります。
調べてみるとやはり現在でも人気は高いのですね…
中古市場でもなかなかの価格が付いているようです。
ただフィルム室はもちろんのこと
内部モルトもかなり使われているので
分解整備済品でもないかぎり
そのまま快適に使える個体は非常に少ないと思われます。
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