ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジ開通記念日」だそうです。
1993(平成5)年のこの日に
東京で東日本最大のつり橋「レインボーブリッジ」が開通しました。
今や東京タワーとかに負けないほどの東京のシンボルですねぇ
上層が有料の首都高速道路11号台場線で
下層が無料の臨港道路・遊歩道とゆりかもめの二層構造になっています。
上層の首都高11号線を車やバイクでマジックアワーとかに走ると
トワイライトに浮かぶ夜景がめちゃくちゃキレイなのですよねぇ
今やクルマもバイクもないので
随分ご無沙汰してしまっていますが…
台場あたりからライトアップされた姿を見るのもなかなかステキです。
ただレインボーブリッジって
力学的にはとてもバランスが悪いつり橋なのですよね。
ケーブルで構成される中央のアーチ部分が長いのに対して
両脇のアーチ部分が異様に短いのです。
東京湾の周辺の土地が狭く両脇のケーブルを長く引くための
間隔を取ることができなかいことと
東京湾は船が頻繁に通るため、
海上に立つ柱の間隔を500m以上あけなくてはならなかったためです。
いろいろな制約の上で苦労して成り立っていることがよくわかります。
それでも美しい橋であることにもちろん変わりはないですが…

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
先行発売されていたペンタックスAPやペンタックスKの
普及版としてデビューしましたが
生産設備や生産効率の見直しでかなり価格も抑えられていたため
非常にヒットしたモデルです。
普及機ということでSS最高速は1/500に抑えられているものの
前面にあった低速側シャッターダイヤルを廃し
その後の標準仕様となる低高速を統合した
「1軸不回転式シャッターダイヤル」を採用し
機能性ではペンタックスKを上回っています。
最終的にはマイナーチェンジでSS最高速も1/1000に変更されます。
非常にコストパフォーマンスに優れたカメラです。

しかしながらSPより前のペンタックス機は
既にシャッター幕の劣化が進んでいるものが非常に多いのです。
今回のS2も全体的なコンディションは悪くなく
外観もなかなかキレイなのですが
シャッター幕の劣化…というか硬化がかなり進んでおり
シャッター幕がまともに走行できない状態になっています。
酷いコンディションのものになると
幕が破れたり穴が開いていたり裂けていたりと
明らかに撮影できないと一目でわかるようになるのですが
今回のS2はそこまでは酷い状態ではありません。
とはいえ、正確な露出で普通に撮ろうとすると
この状態でもさすがに無理かと思われます。
特に後幕の走行状態が幕が硬いため不安定で
測定しなくても見た感じでも明らかに走行スピードが遅いのがわかります。
やはり近年に幕交換されているものでもない限り
AP~SVあたりのカメラは
幕交換を前提とした方が良いかと思われます。


これから幕を外して交換していきます。
今回のように従来のシャッター幕が裂けたりせずに
形として残っている場合には
単純に全く同じ形状の幕を切り出して
全く同じ位置に貼れば交換は完了するはずです。
。。。と言葉で言えば簡単なのですが
これがなかなかの重作業です。
作業自体が難しいとか特殊な技術が必要なわけではなく
慎重に丁寧に根気よく行うことが要求されます。
それではこれから集中して取り掛かっていきたいと思います。

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