ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「靴の日」だそうですよ。
1870(明治3)年のこの日に
実業家・西村勝三が東京・築地入船町に
日本初の西洋靴の工場「伊勢勝造靴場」を
開設したことに由来するそうです。
外出するうえで靴は本当に大事ですよねぇ
「ちょっとそこまで…」くらいであれば
ある程度のものなら何でも良いと思いますが
1日履き続けるような場合は靴の良しあしによって
本当に調子が大きく左右されると思います。
単純に良い靴とか悪い靴とか問題よりも
「きちんと合っている」かどうかが重要かと思います。
私も今はもうすっかり縁遠くなってしまいましたが
山歩きで1日重いリュック背負って歩くような場合は
ある程度の靴でなければならないのは当然として
厳密に合っていないとちょっとした不具合が
何時間後に大きな悪影響になることが多々ありました…
日によって足の大きさって微妙に変わるのが
また厄介なのですよねぇ…
よく靴下や中敷きで微調整もしていました。
今でも毎晩のウォーキングに使う
スニーカーのサイズ感は割と気になります…
歩くことや足のコンディションって
全身のコンディションに繋がっていくので
キチンと合った靴で気持ちよく歩くことをおススメします!

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
このカメラの整備依頼もコンスタントに多いです。
それだけ現行機種当時に売れていたということと
現在でもしっかりしているものが多く
使いやすいという両面があると思います。
1967年発売のカメラでこの時代ですから
中級機としては比較的大柄でそれなりに重いのですが
その分、非常にしっかりと造られて堅牢性に優れるカメラです。
ひどいショック品や水没品でなければ
致命的な故障や破損をしているものは極々稀で
ノーメンテでもいまだにとりあえずは動作する個体が
多いかとも思われます。
しかしながら登場から既に50年を優に超えている機械であり
さすがに未整備では本来の動きとはいかず
動きにくい身体を無理やり健気に動かしているような
個体も多いのなるべくキチンとした整備を
行ってあげたいものですね。

お預かりしているニコマートは
シャッターが切れたり切れなかったりの状態です。
シャッターユニットの動き自体は
それほど大問題があるわけではないのですが
ミラー駆動部に積年の汚れや古い油脂の影響と思われる
動作不良を抱えていてレリーズしてもミラーが動かない状況に
結構な頻度で陥ってしまいます。
ミラーが動かないと当然ながらシャッターの駆動に繋がらないので
レリーズしてもシャッターが切れない状態になってしまいます。
シャッターが運よく切れた場合でも
ミラーの動きは目視で明らかに鈍い状態です。
これではシャッターが切れてもシャッターレスポンスが悪く
シャッターチャンスを逃してしまいます。
シャッター自体の動きに大きな問題はないものの
汚れに影響を受けやすい金属羽根はやはり多少粘りもあり
高速シャッターの精度は出ていない状態です。
加えて露出計もマイラー抵抗の汚れかと思われますが
指針の動きが非常に不安定です。

ユニットシャッターを使って
コストダウンしている部分があるとはいえ
さすがはこの時代のニコン機といえる部品の丈夫さと
整備性の良さを兼ね備えています。
積年の汚れ等で動きが悪くなってしまうのは
致し方ないですがしっかり整備清掃を行えば
本来の動きを取り戻せるカメラだと思います。
画像はまだ取り掛かり始めの状態ですが
これからしっかりと分解整備を行っていきます。

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