ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「文化の日」ですね。
これに関連していろいろな文化の記念日が制定されています。
「まんがの日」「文具の日」「アロマの日」
「世界コスプレの日」「ビデオの日」等々…
ここに「フィルム写真の日」とか「フィルムカメラの日」とか
入ってほしいような気もしますねぇ(笑
そんな中に「レコードの日」がありますね。
私がレコードからCDに移行したのは高校生くらいの頃でしたね
でもいまだにレコードが聴ける環境は維持していますし
当時から持っているレコードに加えて最近でも
レコードを買ってきて聴いています。
オーディオマニアではないので音質云々はよくわかりませんが
手間がかかる部分も魅力…というのは
フィルムカメラに通じる部分がありますね。
私レベルでは音質はどちらもいいものがありますが
手軽にクリアな音質が聴けるのはやはりCDですよね。
レコードでも相当いい音は出せますがそれなりに手間と
環境が必要です。ここもフィルムカメラに似てますね(笑
今夜は自分のカメラ弄りながらレコードに針を落としますかね…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラで超大ヒットした一眼レフです。
そのため現存数も非常に多く
今からフィルムカメラを何か手に入れて始めようとすると
必ず候補に入るカメラではないかと思います。
カメラ自体も使いやすく機能的にも良いカメラですが
使用マウントがユニバーサルマウントでもある
M42ねじ込みマウントと言うことで
ペンタックス純正レンズ以外にも使用できるレンズが
メーカーの枠を超えて世界中に存在します。
それも人気の要因かと思われます。
大ヒットしたカメラなので家から出てきたカメラが
「SP」なんてパターンも多いと思います。
基本的にはシンプルで丈夫なカメラですが
さすがに発売から60年経過するカメラなので
そのままで普通に撮影できる…というわけには
いかないことがほとんどです。

お預かりしている「SP」もご依頼者様の自宅で
かなり長い間眠っていたのだと思われます。
当時のカメラとしては少々めずらしいブラック塗装のSPです。
使い込まれた感もあって非常に魅力的ですが
残念ながらさすがにいくつかの問題点を抱えています。
まずはファインダーのを覗いてみると
中央少し下横方向に黒い線が浮かび上がっていて
視野を大きく邪魔しています。
定番のプリズム腐食です。
プリズムをぐるりと囲むように巻かれている
遮光材の劣化と分解によりプリズムの蒸着までも
剥がしてしまっている状態です。
こうなるとプリズムを交換するのが一番確実な対処法です。
シャッターは動作してはいるものの
やはり動きは本来の状態ではなくシャッタースピードの精度は出ていません。
そしてこれも定番ですが露出計が全く動きません。
電池室にもそれなりに緑青がみられましたが
酷いのは電池室裏の端子部分で
そこはびっしりと緑青に覆われています。
これではさすがに通電するわけもありません。

見えにくいですがプリズム腐食も写っていますね。
本格的な分解はここからさらに進めていきます。
機械的な駆動部分は洗浄清掃して注油した上で調整
電気的な通り道は磨いて処理して安定した導通を確保していきます。
依頼数の非常に多いカメラなので
見慣れた光景ではありますが
集中して慎重に作業を進めていきます。

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