オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「節分」です。
「立春」の前日で、冬の節が終わり、春の節に移るということです。
この時期だけでなく、本来は「立夏」、「立秋」、「立冬」の前日を
それぞれ「節分」というのだそうです。
ただ、太陰暦(太陰太陽暦)では「立春」を年の初めと定めており
「立春」の前日すなわち「大寒」の最後の日にあたる
この「節分」を特に重視しているのだそうです。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていたため
それを追い払う意味で「豆まき」が行われるのだそうです。
「節分」といえば2月3日のイメージですが
今年は「立春」が2月3日のため、節分は2月2日です。
2021年も「節分」は2月2日でした。
その前に「節分」が2月2日だったのは
124年前の1897年2月2日だったそうです。
ところで、節分に関係なく煎りたての大豆は美味しいですよねぇ
子供の頃にはばあさんがよく豆を煎ってくれて
熱々の豆をおやつ代わりに食べていたものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
「ペンFシリーズ」は世界的にも珍しい
ハーフ判の一眼レフカメラです。
ハーフ判の利点を最大限に活かすため
通常の35mm判の一眼レフとは全く異なる構造を採用し
ロータリーシャッター、他で同様のものを見ないファインダー光路等々
機械構造的にも見どころ満載のカメラです。
その特異な構造でデザインも独特のモノとなり
いわゆるペンタプリズム部の出っ張りをもたない
フラットな上カバー面に巻き戻し側に大きくオフセットした
レンズマウント、前面に配置されたシャッターダイヤル等
こちらも特徴的で魅力満載のカメラです。

最初に巻上ダブルストロークの「ペンF」が登場し
その後3年後の1966年に登場したのが今回の「ペンFT」です。
CdS使用の露出計を内蔵とセルフタイマーが追加されて
巻上はシングルストロークとなっています。
その巻上ですが巻上角が非常に大きく
ストラップに引っかけてしまうことも多いので
ストラップ使用時には少々注意も必要です。

お預かりの「ペンFT」は巻上がロックした状態で
お預かりしました。よくあるパターンとしては
ミラーアップしたまま固着してしまっているというパターンですが
今回はミラー云々ではなくレリーズとシャッターとの
連動に問題があるようです。
巻上ロック自体はとりあえずは分解整備時に解除できたのですが
それも含めて今回はなかなか一筋縄ではいかない状況でした。

一通りの修理整備は既に完了していて
テストを行っている段階です。
まずシャッターユニットは相当弄られていて
ロータリーシャッター回転軸にある
逆回転防止の爪が破損していて既に使い物にならない状態でした。
その他にもかなり強引に分解された形跡があり
シャッターユニットは中古良品と交換で対処しました。
ミラーボックスは調整で何とかなりましたが
ミラー角度が大きく狂っていてこちらも調整が大変でした。
ペンFTではCdSに光を送るため第三反射面に
ハーフミラーを使用していてここの劣化が
問題になることが多いのですが
これも今回の個体でははハーフミラーの蒸着を剥がしたうえで
ハーフミラーシールを貼ったようなものが使われていました
ここも中古良品と交換です。
加えて露出計の配線もでたらめでそのために露出計は不動の状態でした。
現在は露出計も普通に動作しています。

「ペンFT」は状態の悪い分解品が多いような気がします。
正しい姿に戻すためにかなり時間と部品と手間がかかりました。

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