ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ボンカレーの日」だそうですよ。
1968(昭和43)年のこの日に
日本初のレトルト食品である
「ボンカレー」が発売されたことに由来しています。
今年で57年なのですね。
現在のパッケージもだいぶ見慣れてきましたが
やはりボンカレーといえば松山容子さんの
パッケージのイメージがいまだに強いですね…
「ボンカレー(Bon Curry)」の名前の
「ボン」はフランス語の形容詞「bon」
(よい、おいしいの意味)に由来するそうです。
一人暮らしの独身男性でも温めるだけで簡単に食べられることから
「独身男性のカレー」という意味で
「チョンガーカレー」という案もあったそうです。
仮にもし「チョンガーカレー」になっていたら
間違いなく現在まで続く
ロングセラー商品とはなっていなかったでしょうね(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。ボンカレー発売の前年ですね。
それまでの「ニコマートFT/FS」の後継機で
ニコマートシリーズでは初めて開放F値補正操作を取り入れ
レンズの絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了します。
いわゆるニコンのガチャガチャです。
それまではレンズ交換の際には装着するレンズの開放F値を
手動でセットしてやらないといけなかったのです。
開放F値をボディ側に伝えてやらないと
TTL内蔵露出計が正しく動作できません。
ニコマートFTNでは加えて測光方式がそれまでの平均測光から
中央部重点測光へと変更が行われています。
さらにファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
使い勝手の面で格段に進歩したというわけですね。
ニコマートシリーズの中では最も生産されたカメラではないかと思います。
現存台数も非常に多く加えて非常に丈夫なカメラでもあるため
現在でもつかわれている方が多いカメラだと思います。
搭載されるコパルシャッターは耐久性安定性共に優れていて
未整備の個体でもシャッターだけは切れる…というものも多いですが
多くの個体はやはり本来の動きをしていないものが多いようです。

お預かりしている「ニコマートFTN」も
おそらく何十年も使われないまま
仕舞い込まれていたものと思われます。
シャッターは何とか切れているものの
シャッターの精度は出ておらず
加えてミラーの動きが明らかに悪く
シャッターが切れるときもミラーの動作はかなりゆっくり目です。
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーが動かずそのままシャッターも
切れなくなってしまうこともあります。
露出計も入ったままの酸化銀電池のガスの影響か
端子や配線に腐食が起きてしまっていて
何とか断線直前で繋がってい入るものの
接触不良が起きてしまっています。

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
外像もかなり汚れてしまっているので
できる限り磨き上げてキレイに仕上げていきます。
画像には写っていないのですが
装着されていたオート50mmF1.4レンズの
状態がかなり悪く盛大なカビと汚れ曇りで
まともにレンズを通して対象が見えないような状態です。
曇りの完全除去は難しいかもしれませんが
そちらもできる限り清掃を行って
通常使用に問題のない状態に仕上げていきます。

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