キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「左利きグッズの日」だそうですよ。
由来は「レ(0)フ(2)ト(10)」と読む語呂合わせからだそうです。
本来は世界的に8月13日が「左利きの日」とされているそうですが
日本ではお盆の時期でイベントが開催しづらいとの理由で
2月10日となったそうです。
私も生粋の左利きで書くのもお箸も左ですが…
左利きグッズって例えば何なのよ?と思ったら
ハサミやカッター、定規、鉛筆削り、扇子、急須、
フライ返し、コルク抜き、スライサー、缶切り、
ギター、草刈り機、マウス、キーボードなどの商品があるそうです。
いや、ここにあがったものほとんどここにあるけど
全て右利き用を左で普通に使ってるな…(笑
あ、ギターだけは右利き用を右利きとして使ってるか…
まぁ小さい頃から周りには右利き用しかなかったし
慣れてしまえば大抵のものが左でそのまま使えますねぇ
今更左利き用を入手しても逆に使いづらいような…
スマホなんかも右利き用にできてますが
もう右手に持つのが慣れましたね…
スマホと言えば自動改札も右利き用にできてますね
意外と無意識に右で慣れてしまっているものも結構ありますね。
左利きの人の割合は世界的に見て約10%なのだそうです。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のキャノンの中級機です。
前モデルのFTまでは絞り込み測光でしたが
F-1の発売と合わせて開放測光対応のFDレンズが登場し
それに合わせて「Fシリーズ」の主力機種である「FT」も
開放測光対応の「FTb」にモデルチェンジされました。
「F-1」とほぼ同時開発だっただけに
F-1との共通項も多いですが
そもそも「F-1」が機械的な基本構造は「Fシリーズ」の強化版で
主に耐久性と拡張性を格段にグレードアップしているカメラなので
通常の「Fシリーズ」と「F-1」の共通項は元々多いですね。
シャッターや巻上の基本構造もそうですし
コンデンサレンズ裏にCdSを配置する
独特の中央部分測光も共通です。
お得意の「QL」クイックローディングだけは
裏ブタ交換の必要のない通常の「Fシリーズ」のみの装備です。
これがあるとやはりフィルムの争点が簡単で失敗がありません。
その機構もまずトラブルが起こることもありません。
よく考えられたいい機能だと思います。
それでもデータバックの普及等で
裏ブタが取り外しできないといけなくなるので
「Fシリーズ」や「キャノネット」までの機能となってしまいますが…

お預かりしている「FTb」はまずは見かけ上
一通りは動作しています。
ただやはり各部の動きは本来のものとは程遠く
1/1000、1/500の高速シャッターは開いていない状況で
1/250、1/125も開いてはいるものの精度的には問題のある状態です。
低速シャッターはスローガバナの粘りにより
やはり不安定な動きになってしまっています。
巻上等にも油切れの兆候もありますので
やはり全体的な整備が必要な状態です。

そしていつものことですがプリズム抑えのモルトは
ボロボロでかなり分解されてしまっています。
プリズムカバーにも随分付着しています。
その隙間から画像では見えにくいのですが
プリズム表面にも隙間にあたる部分に白いシミができてしまっています。
これが内部まで浸食すると「Fシリーズ」定番の縦に流れたような
プリズム腐食が発生してしまいます。
今回はプリズムの塗装面の影響のみにとどまっていて
鏡蒸着にはまだ影響が出ていません。
あと数年放置していればプリズムもダメになっていたと思われます。
そのあたりの処置も含め
全体的な整備をこれから行っていきます。
ちなみに今回の「FTb」は正確に言うと1973年発売の
マイナーチェンジ版「FTb-N」ですね。
ファインダー内にSS表示がされるようになり
セルフタイマーレバー部やレリーズボタン、巻上レバーのデザインが
変更されたモデルです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。