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コニカⅢAのカメラ修理

今日は「噴水の日」らしいですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が
作られたことが由来となっています。
この季節に涼しげな噴水はピッタリですね!
公園とかにある噴水池では
水遊びができるようなところも多く
子供の頃に呉市内の中央公園の噴水池で
バシャバシャ遊んでいたことを記憶のかなたに
うっすらと思い出せます(笑
話がそれますがその呉市中央公園は現在リニューアル中で
シンボル的存在だった噴水がなくなってしまうのだそうです。
いろいろ考えた末の結論でしょうが
やはり少し寂しいですね。
昨年の時点でなくなることがもうわかっていたので
最後に写真を撮ってきました。
もう水は出ていませんでしたが…
日常の風景も時代が進むとどんどん変化していきます
当たり前のなんでもない日常風景でも
とりあえず写真に残しておくことは
大事かもしれないな…と思うことが最近多いです。
まぁそれだけ歳をとってきたということですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
セルフコッキングを装備し
鏡胴脇から生える独特の巻上レバーを
ダブルストロークで巻き上げる「Ⅲ」をベースに
「生きているファインダー」と当時言われていた
パララックス/画角自動修正機能付等倍ファインダーを装備したカメラです。
いつも思うのですが「生きている…」はちょっと大げさかと…(苦笑)
距離計連動機構からさらにリンクしてブライトフレーム枠を
動かすことによって自動修正を実現しています。
それも大きな機能ですがそれよりも精度の高い
等倍ファインダーが搭載されたことが一番の特徴かと思います。
通常のⅢではハーフミラーを使う部分に
ごっそりと豪華にプリズムが鎮座しています。
これによって非常にクリアで見えの良いファインダー像となっています。
等倍なので右目でファインダーを覗きながら
左目で視野外も同時に見ることができます。
両目で見ていると通常の目視の視野に
ブライトフレームが浮き上がってみるような感覚です。
特に動くものを追う際には視野外まで広く同時に確認できるのは
非常にありがたい機能です。
両目で見るには少しばかり慣れも必要ですが
慣れてくると非常に便利なことがよくわかります。
等倍ファインダーの最大の魅力です。

お預かりしている「ⅢA」は定番トラブルともいえる
シャッター羽根の粘りを抱えた状態です。
レリーズするとゆっくりと羽根が開いていくような状態です。
何度か繰り返し作動させると
見た感じでは普通に動き始めるのですが
しばらくたってからまた動かしてみると
またゆっくりと開閉してしまいます。
さすがにこのままでは全く撮影に使えません。
絞り羽根にも油滲みがみられるので
こちらもかなり心配です。
いつもかきますが粘った状態で絞り羽根を動かしていると
かなりの高い確率で絞り羽根の破損に繋がります。
特にコニカⅢ系ではよくあるトラブルです。

過去に分解歴のある個体で
調速カムの抑え部分とかが一部破損した箇所も発見されました。
実は整備前にSSリングの動きが
ちょっとおかしいな…と思っていたのですが
このあたりが原因だったようです。
今回は何とか修復できましたが
最近市場に出回っている個体は
思いもかけない人為的トラブルを
抱えている個体が多く常に注意が必要です。
特にフリマサイト、オークションサイトで入手した個体は
その確率が高いと思われます。
今回はそれほど重篤なトラブルではなかったので
問題はないですが入念に隅々までチェックして
問題のない状態に仕上げていきます。

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コニカオートS1.6のカメラ修理

今日は「蚊の日・モスキートデー」だそうですよ
ちょっとイヤな記念日ですねぇ(苦笑)
1897(明治30)年のこの日に
イギリスの細菌学者ロナルド・ロスが
羽斑蚊(ハマダラカ)類の蚊の胃の中から
マラリアの原虫を発見したことに由来するそうです。
今となっては数は少ないとは思いますが
蚊に刺されることで様々な感染症にかかる場合があります。
そうでなくても蚊に刺された後はかゆくって
下手に搔きむしると痕になってやっかいなことになりますものねぇ
蚊が媒介するといえば個人的には
「日本脳炎」のイメージが強いのですが
予防接種の普及もあってかなり激減したようです。
それでも国内で年間10人くらいは発症するのだそうです。
手っ取り早く蚊を撃退…となるとやっぱり「蚊取り線香」ですよねぇ
個人的なやはり「金鳥」かな…
いまだに夏なると毎年お世話になっています。
蚊取り線香の香りを感じながらビールを飲んでいると
「あー夏だなーーーー」と思いますよね(笑

さてさて

本日は「コニカオートS1.6」のカメラ修理を行っています。
コニカのレンズ固定式のレンジファインダー機は
コニカブランドとしては最初のカメラとなる
コニカ・スタンダード(コニカⅠ)に始まり
最初のⅠ・Ⅱ・Ⅲまでのシリーズから
デザインを角型にガラッと変更した「コニカSシリーズ」が登場し
さらにその「Sシリーズ」から派生して
「オートSシリーズ」が誕生します。
シリーズ名通り「シャッタースピード優先オート」を搭載し
「S」ではセレンが主だった受光体も
「オートS」では登場時からCdSを搭載します。
最初のSではCdSは上カバー部肩の前面に配置されていましたが
2代目となる「オートS2」ではレンズ上に移設され
フィルター使用時も含めより正確な速攻が可能となりました。
今回の「オートS1.6」は「S2」のレンズ(ヘキサノン45mmF1.8)を
ヘキサノン45mmF1.6に変更したモデルです。
それ以外の部分は基本的に「S2」と共通です。

お預かりしている「オートS1.6」は
まずはシャッターが切れません。
巻上げてレリーズしても何も起こりません。
シャッターも動かず作動音もなしです。
シャッター羽根が完全に固着しているものと思われます。
後でわかったのですがシャッター羽根の固着に加えて
無理に固着したセルフタイマーを動かした形跡があって
セルフのレバーが変形していて
それがさらにシャッターを切れないような位置で
変形のため止まってしまっている…というのも
シャッター不動の原因の一つになっていました。
これが意外と気が付かなくて少々時間がかかりました。
さらにオートS系ではお馴染みですが
底部電池室脇のSW部(BCと露出計切替)に
接触不良があり露出計の動作が非常に不安定です。

接点の清掃修理を行い
周辺の配線交換も行うと
それまで不安定だった露出計は安定し
感度も鈍かったのですが元気よく針が振れるようになりました…
…いや…今度は振れ過ぎですね…(苦笑)
BC時にはまぁ予想通りの動きなのですが
露出計時にレンズキャップをしてCdSをふさいでも
元気よく指針が振れてしまいます。
CdSの抵抗値がスカスカになっていて
光量に関わらず抵抗値が低くなってしまっているようです。
中古良品のCdSと交換を行い
やっと調整で何とかなるレベルに動きが落ち着きました。
他、シャッターユニット・巻上機構整備
レンズ、ファインダー清掃、距離計調整等を行って仕上げていきます。
気持ちよく使えるカメラに今回も仕上がりそうです。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は語呂合わせで「バイクの日」だったり
「俳句の日」だったりするようですが
個人的には何といっても「世界写真の日」なのです。
写真を撮るという行為もここ数十年で
本当に様変わりしてしまいました。
私が幼少期で当店でよく扱っているカメラが
新品で売られている時代は
写真を普通に撮ることだけでも
それなりのスキルを求められましたが
今や記録としての画像を撮るだけであれば
スマホでボタン一つでオッケーです。
それどころか映像といった分野で考えれば
主力はもはや静止画ではなく動画かとも思います。
動画からの静止画切り出しでも十分だとも思えます。
「素早く記録する」ということでは
本当にここ10年くらいで一気に進歩しましたね。
個人的にはスピーディーさも華やかな画像加工にも
あまり興味はないので
やはり普通にフィルム写真をゆっくり撮って楽しむのが
性に合っているような気がします。
まぁそのあたりは趣味の世界なので人それぞれですね。

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
当店で扱うカメラとしてはかなり新しいほうです。
もう少し後の時代になると
扱えるものはほぼなくなってしまう時代です。
発売は1978年でAE-1をベースにさらに高級化+マルチモード化されたカメラです。
前年の1977年に世界初の両優先オート(SS優先、絞り優先)を搭載する
ミノルタXDが発売されていますが
それに対するキヤノンの回答が「A-1」だともいえると思います。
両優先+プログラムオートを搭載し
フラッシュオート・絞込み実絞りオートを備えた
5モードAEがセールスポイントです。
シャッターも全速電子制御シャッターで
電池がないとシャッターを切ることができません。
加えて電池消費もなかなか激しかったことから
「電池が切れたらただの箱」として敬遠する保守層も存在しました。
でもそれほどあらゆるカメラファンの注目を集めるカメラだったわけです。
スペックも当時の最新鋭で価格も高めでしたが
かなりヒットしたカメラです。
当時、私は小学校高学年でしたが
「A-1、かっちょええええええ」とカタログ眺めていました(笑

お預かりしている「A-1」は一通りの動作はしますが
まずはAシリーズ定番のシャッター鳴きです。
いつも書きますが「シャッター鳴き」とはいいますが
原因はミラー駆動部のギア油切れが原因です。
悪化すると異音だけではなく明らかにミラーの動きが悪くなり
最悪な場合はみらーが動かなくなります。
ミラーが動かないと当然シャッターも切れなくなります。
加えてお預かり時には普通に電源も入っていたのですが
整備前に改めて現状を確認すると
電源がやけに不安定で一切電源が入らなくなり
全く動かなくなってしまう状態にもなりました。
どうやら電源SW部に被膜ができて接触不良になっているようです。

画像は一通りの整備が終わって
様子見をしている状態でのものです。
シャッター鳴きの原因となるギアにはミラーボックスを外して
清掃注油を行っています。周りに接点も多いので
過剰な注油は厳禁です。
各部電気接点、ソレノイドの吸着部は入念に清掃を行い
シャッターも精度を含め安定して動作するようになりました。
オート・露出計の精度も調整を行い問題ございません。

画像のレンズは当店のテストレンズですが
A-1にはやはりNewFDレンズが似合いますね。
全体的に黒い塊感が増して何とも言えずカッコいいです。

フジカST801のカメラ修理

今日は「アルプスの少女ハイジの日(ハイジの日)」だそうですよ。
「ハ(8)イ(1)ジ(2)」と読む語呂合わせからですね。
結構世代ドンピシャで子供の頃、夢中で観てました。
日本でのテレビアニメの放映は
1974(昭和49)年の1月6日~12月29日に放送されています。全52話。
私が5歳になる年ですねぇ…
じいさんばあさんもこれは一緒になって観てました。
さすがに細かいストーリーはもはやうろ覚えですが…
配信とかでオリジナル版観られるのですよね。
子供の頃に見たアニメとかで観たいもの結構あるのだけど
配信サービス加入してみようかな…
でも意外と腰据えて見るような時間ないのですよねぇ(苦笑)
そういえばハイジに出てくるチーズとか白パンとかが
めちゃくちゃ美味しそうに見えて
とにかく食べてみたかったのを強烈に覚えています。
実際、当時はチーズってあまり好きではなかったのですが…(笑
もちろん今では大好きですよ。
こうして考えているといろいろ関連してズルズルと
関係ない当時のいろんなことまで思い出します。
たまにはこうして記憶の引き出しを開けてやることは大切ですね。

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
フジカSTシリーズは最初の「ST701」は
通常のM42ねじ込みマウントだったのですが
シリーズ2機種目となるこの「ST801」で
開放測光を実現するため
レンズ側に位置決め用のピンと絞り伝達用の爪を追加し
ボディ側に位置決め用ピン受け部と
絞り値伝達用リングを搭載した
「フジカSTマウント」へと変更されます。
ただしベースがM42マウントであることに変わりはないので
絞り込み測光でもよければ
従来のM42マウントレンズも装着可能です。
ただしレンズ側は位置決め用のピンや絞りの爪が
ボディ干渉する恐れもあるので
STマウントのレンズを通常のM42マウントボディに使うのは
避けておいたほうが無難かと思われます。

お預かりしている「ST801」は巻上に問題を抱えていて
頻繁にコマかぶりを起こします。
巻上時の動作をよくよく確認してみると
巻上時にスプロケットが少し逆転して戻ってしまうようです。
巻上機構部を分解して確認してみたところ
スプロケット上の歯車にかかる逆回転防止用の爪が
摩耗のためうまくかからず逆回転を起こしてしまうようです。
フジカSTシリーズの巻上は比較的トラブルの多い部分で
元々の歯車の嚙み合わせが妙に浅く
経年の摩耗で滑りやすいのですね。
元々の価格がお求めやすいのでコストの関係上
仕方がない部分も多いのですが
比較的華奢な部分の多いカメラです。
布幕横走で1/2000を実現し、当時としてはまだめずらしい
LED式の露出計を装備し
機能的にはかなり優れたスペックを持つカメラなのですが…
もちろん現行モデルだった頃は
そんな問題はあまりなかったでしょうし
もしあっても新品部品交換で対応できたので
非常にコストパフォーマンスに優れたカメラだったと思います。
さすがに登場から50年以上経過すると
いろいろな問題を抱えてしまう個体が多いかと思います。

結局、滑っていた逆転防止用の爪を再加工して
問題なく動作する状態にして再取付及び調整を行い
巻上は全く問題なくしっかり動作できるようになりました。
シャッターも高速シャッターでの精度不良や
動きの悪い分は当然のごとくありましたが
こちらも整備調整を行い申し分ない精度を確保しています。
露出計も開放測光・絞り込み測光、それぞれ問題ございません。
実際に操作してみると非常に軽快で
小気味よい動きとシャッター音を聞かせてくれる状態になりました。
ご依頼者様はST801をかなり気に入って使っていた方なので
本来の小気味よい使い心地になったこのST801で
存分に楽しんでいただければと思います。

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オリンパスXA2のカメラ修理

今日は祝日「山の日」です。
施行されてから7年なのですね。
施行された頃から今に至るまで
祝日がほぼ関係ない生活を送っていることもあって
あまり馴染みがないような気も。。。
海の日もそうですが
山の日や海の日なんて祝日ができるなんて
想像もしていませんでしたね(笑
それよりも一思いに「お盆(旧盆)」(8/13ー8/16)を
祝日にしてくれればいいのに…
…私の願望はおいといて
今日は「山の日」にも関連して
「きのこの山の日」でもあるそうです。
ちなみに「たけのこの里の日」は3月10日だそうです。
綿医者どちらかというと「きのこの山」のほうが好きかな…
最近口にした覚えがちょっとないので
今日の帰りにでも買って帰りましょう!

さてさて

本日は「オリンパスXA2」のカメラ修理を行っています。
つい先日も別の「XA2」の修理を行ったばかりですね。
それほど頻繁に修理依頼の入るカメラではないのですが
これも偶然ですね。
1980年に発売されたXAシリーズの第二弾にあたるモデルです。
初代XAをベースにより気軽に撮影に使えるように
いくつかの改良がおこなわれています。
初代XAはどちらかというとある程度、撮影に慣れた方向けの
少しマニアックな部分を持つカメラだったの比べ
XA2では「距離計(レンジファインダー)を省略して目測3点ゾーンフォーカス」
(基本的には3mに固定でパンフォーカス)
露出モードはプログラムオートに変更されています。
撮影に慣れていない方にも簡単に使える仕様です。
どこにでも持ち歩けるコンパクトさが魅力なので
このくらい簡単に使えるシンプルさがいいですね。
内部機構的にも少しシンプルになっていて
ちょっと気難しい初代XAより整備性は良いと思います。

お預かりている「XA2」はシャッターレリーズができません。
何度かいろいろ試しているとまれに切れることもありますが
ほぼまともに切れることはない状態です。
バッテリーチェックは動作していて
ソレノイドの反応もあるようなので
電気的には動作しようとしているような感じです。
それ以上はもう分解してみないとわからない状態でした。
XA系でシャッターが切れない場合に良くあるのが
電子レリーズの動作不良ですが
今回は電子レリーズに反応はあるようなので
少し珍しいパターンでした。

画像は修理整備が完了した段階でのモノです。
結果からいうと非常に快調に
精度的にも問題なく動作するようになっています。
シャッターの切れない原因は内部の小さな部品が一部外れて
レリーズ連動部に挟まっていたことが原因でした。
他にも動作には影響のない部分で
部品が脱落していた箇所もあり
もしかしたら過去に結構な衝撃を受けてその影響で
いくつかの内部部品が脱落したのかもしれません。
部品脱落部分は問題なく修理を行い
レンズ・ファインダー等にカビもそれなりにありましたが
一通りの清掃整備を行い
申し分ない状態に仕上がっています。
少し用紙身を行って最終的にテストを行って完成となります。

余談で今回のXA2とは直接関係ないのですが
この類のコンパクトカメラは落としたりされることも多いのですが
バッグの中とかにぎゅうぎゅうに詰められて
知らないうちにかなりの力が加わって
トラブルの原因になることも多いようです。
特に外装プラスチック製のコンパクトカメラは
あまり無理な力を加えないように注意していただければと思います。

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コニカオートレックスのカメラ修理

今日は「焼き鳥の日」だそうですよ。
「や(8)きと(10)り」(焼き鳥)と読む語呂合わせと
焼き鳥の最高の友であるビールとともに
この上なく美味しい真夏の日であることからだそうです。
確かにこの季節の焼き鳥とビールはたまりませんねぇ
熱い焼き鳥をほおばった後に
キンキンに冷えたビールで口の中の脂ごと
流し込むあの感覚。。。いや~いいですねぇ。。。
まだ午前中なのにもう口が焼き鳥とビールになってしまいます(笑
焼き鳥の味付けはたれと塩に大きくわかれますが
ある程度年取ってからは
ほぼ「塩」一択になってしまいました。
あまり脂が重いものは少ししんどいのですが
それでも焼き鳥は鳥皮の塩が最強ではないかと思います。
もちろん、モモやネギま、砂肝、ささみ、せせり
手羽先、ぼんじり、なんこつ、レバー。。。どれも美味しいですね!
焼き鳥はやはりお店で焼きたてを食べるのがいいですね…
これも真夏の間…近日中に行ってきます。

さてさて

本日はコニカオートレックスのカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
いわゆるコニカARマウントを搭載した最初のカメラで
交換レンズに刻まれる「AR」はオートレックスの頭文字からきています。
(初期のARマウント(コニカⅡマウント)には
ARの文字がまだないものも存在します)
ARレンズ(コニカⅡマウント)はレンズ側の絞り設定に
「EE」ポジションがあり
ここに設定することでシャッタスピード優先オートで動作します。
このシャッタースピード優先オート搭載も
機能的なハイライトですが
オートレックスの場合、
何といっても注目されるのは
やはり35mm判とハーフ判にフォーマットが
切り替え可能なところだと思います。
それもフィルム装填中にも切替が可能です。
同じ1本のフィルムの中に35mm判とハーフ判を
混在させることができるわけです。
35mm判→ハーフ判の変更は巻き上げてからレバーで切り替え
ハーフ判→35mm判の変更はレバーで切り替えてから巻き上げを行います。
落ち着いて考えてみると
そうしないとコマがかぶってしまうわけですね。

お預かりしているオートレックスは
まずシャッターが開いたままで固着した状態になっていました。
もちろんこの状態から巻上も何も動かない状態です。
シャッターユニットは安定した動作で定評のある
お馴染み「コパルスクエア」ですが
さすがに経年劣化や積年の汚れには勝てない部分もあり
汚れや古い油脂のために固まってしまっているようです。
加えてオートレックスは露出計周りに
トラブルの多いカメラです。
今回も電池室の一部が崩壊してしまっていて
端子がまともに固定できていないような状態でした。
このままではシャッターが直っても
露出計はまともに動かない状態です。

画像は一通り修正整備が完了した時点でのモノです。
シャッターはスムーズに動作するようになり
精度的にも問題ございません。
露出計も安定して動作するようになっています。
精度に関してもできる限りの調整を行い
問題のないレベルになっております。
できあがってみると非常に使い心地もよく
申し分ないといえるのですが
正直にいうと整備性に関してはあまりほめられたものではなく
修理するにせよ一通りの整備をおこなうにせよ
なかなか手間のかかるカメラです。
コニカの一眼レフ全体に共通した特徴でもあるような気がします。
指針挟み込み式のオート制御を行うためもあり
シャッタレリーズが妙に長いことも特徴です。
慣れてしまえばそれほど不自然な感じでもないですが
レリーズストロークの短いカメラに慣れている方だと
ちょっと違和感を感じるかもしれません。

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オリンパスXA2のカメラ修理

今日は「長崎原爆の日」ですね。
これを書いている最中に
11時2分を迎えそうですが
黙祷だけはしっかり行いたいと思います。
中学校の修学旅行で長崎には行きました。
もう何もかもうろ覚えではありますが
平和祈念像の厳かさが妙に印象に残っています。
ただ写真はこの時持って行った
じいさんのFフォトミックTで撮りまくりました。
長らくアルバムを見ていませんが
たまには押し入れの奥から引っ張り出してみなくては…
ネガも残っているので
デジタル化もしておいたほうがいいかもしれませんね。
何にせよ毎日普通に暮らしていられることが何よりです。
世界的には全て平和ではありませんが
できる限り平穏に暮らしていけるように
祈りたいと思います。

さてさて

本日は「オリンパスXA2」のカメラ修理を行っています。
最初の「XA」登場の翌年、1980年発売のカメラです。
初代XAと異なる部分はレンジファインダーが省略され
目測3点ゾーンフォーカスとなり
露出モードも初代の絞り優先オートからプログラムオートへと
変更されています。
そして搭載レンズは35mmF2.8から無理の少ない設計の
35mmF3.5へと変更されています。
全体的により手軽に扱えるように変更が行われています。
マニアックなのは初代XAかとも思いますが
誰にでも馴染みやすいのはXA2ではないかと思います。
3点ゾーンフォーカスはレンズバリアを閉めると
常用モードともいえる3mの位置に戻ります。
一般的な日中屋外でのスナップであれば
この3mの設定で固定して撮影しても
大きくピント外すことはないと思われます。
こういう部分も気軽に扱えるようによく考えられたカメラです。
カメラとして初めて通産省グッドデザイン大賞を
受賞したカメラでもありますね。

お預かりしているXA2は電池を新しいものに入れ替えても
全く電源が入らない状態です。
電子制御シャッター機でレリーズも電子レリーズなので
電源が入らないと何もアクションが起こせません。
もちろん果たして電子回路が問題ないのかどうなのかも
まずは電源が入らないと確認のしようがありません。

画像は一通り整備が完了した段階でのものです。
電源が入らない原因は電池室からの配線の腐食等が原因でした。
まずは電源を入るように修理を行い
仮組みをして各動作の確認を行ったのですが
電気的に大きな問題はなかったのですが
オート制御時のシャッター制御が機械的な原因で
上手く行えず大幅に露出オーバーになってしまっている状態でした。
何とかシャッター制御の修理整備を行い
現在は精度的にも問題なく動作するようになっています。

先程、機能的な面で初代XAに比べて
扱いやすい部分の話を書きましたが
中身的にもいい意味でシンプルになっています。
レンジファインダーがないので
そのあたりがシンプルになっているのは当然ですが
初代がファインダー内表示のためだけの独立した
CdSを持っていて実際にオートを制御するCdSとは
全く別の制御を行い、なかなかややこしい構造なのに比べると
XA2のCdSは統一されていて回路もシンプルです。
整備性の面からも
ある意味ブラッシュアップされているとも思います。
ただ、これだけコンパクトなボディに
いろいろと詰めこまれているので
なかなか整備の大変なカメラに変わりはないのですが…

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ニコマートELのカメラ修理

今日は8月7日…
語呂合わせの記念日が多い日ですね。
「花の日」「鼻の日」「バナナの日」
「花火人の日」「ハテナの日」等々。。。
でも今日は「月遅れ七夕」なのですよね。
七夕は本来旧暦の7月7日の年中行事なのですが
明治の改暦以降は新暦の7月7日や
月遅れの8月7日に行われます。
月遅れ七夕で8月7日だと比較的旧暦の7月7日に近いのですが
正確には今年の場合旧暦の7月7日は
8月22日でもう少し先ですね。
新暦の7月7日だとまだ梅雨の真っ最中ですし
彦星(アルタイル)も織姫(ベガ)も
20時頃だとまだ東の空に昇り始めた頃なのですね。
旧暦7月7日だと21時にはほぼ南中ですし
天気も安定して晴れている頃で
天の川観測には適しているかと思います。
でも残念ながら今日の天気は台風の影響もあって
夜には曇ってしまいそうですが…
七夕云々はともかくとしても
天の川が大きく夜空に広がる季節です。
街中ではなかなか見ることができませんが
思い切って空の暗い地域に行って
夜空をゆっくり眺めてみたいものですね。

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のニコン初の絞り優先AE機です。
ニコマートと言えば当時のニコンの中級機ブランド名ですが
機械制御シャッターのFTの登場から
7年遅れての電子シャッター制御機の登場となりました。
後のFEの前身にあたるモデルです。
シャッターユニット自体はFT系と同じくコパルですが
シャッター制御を電子制御としたカメラです。
シャッタスピードの範囲は1/1000~4秒ですが
オート時は無段階で制御します。
非Aiレンズでオート露出が可能なのは
このELとワインダー対応のELWのみとなっています。
初期の電子制御機ということで
それなりに電子制御トラブルの多いカメラではありますが
それでも同時期の他メーカー機に比べると
電気関係のトラブルは少ないほうかと思います。
これがAi対応のEL2になると中身的にはほぼFEと同等になっています。

お預かりしている「EL」はまず巻上が中途半端な位置で
ロックしてしまっており巻上はそれ以上できず
シャッターはリリース状態で当然切ることはできません。
巻上ロック機構の不具合等ではなく
原因はわかりませんが巻上機構そのもので
何かおかしな嚙み合わせになっているものと思われます。
まずはこれを何とかしないと
電気的に何か問題を抱えているかどうかもわかりません。
いずれにせよ分解しながらいろいろ確認していく感じになりそうです。

画像は分解の取り掛かり始めの段階でのものです
基盤を見るとやはり時代を感じますね。
もう数年後になるとどのカメラも本格的に
フレキに置き換わっていくのですが…
結論から先にいうと巻上は噛み合わせの
トラブルで固着していていったん嚙み合わせを外して
正しい位置関係に戻してやることで解消されました。
元々の原因はやはり古い油脂や汚れ等による
動作不良かと思われます。
電子制御的にはそれなりに調整は必要なものの
大きなトラブルはなく一安心といったところです。
機械的にはとにかく全体的に動きを良くする整備を行い
電気的には接点や一部のハンダのやり直しを行い
調整を行って精度を出していきます。
問題なく使用できるレベルに何とか無事に仕上げられそうです。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は8月6日、「原爆の日」ですね。
今朝は起きてすぐ黙祷から1日が始まりました。
こっち(関東)に来てから毎年思いますが
黙祷のサイレンがないのは少し寂しいですね。
細かいことにいろいろと不平不満はあれど
毎日笑って普通に食べて普通に眠れて
平和に過ごせる日常に感謝です。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
1980年発売の絞り優先オート専用機です。
いつも書きますが宮崎美子さんのCMで大ヒットしたカメラです。
この頃は物品税の関係もあり
本体4万円の絞り優先AE専用機が
エントリーモデルとして各社から発売され
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
オリンパスOM10、ニコンEM、キヤノンAV-1、ペンタックスMV-1・MG
どれもよくできた使いやすいカメラばかりです。
各社CMも力入ってました。OM10は大場久美子さん、
ペンタックスMGは早見優さんでしたね。
その中でもX-7は文句なしに成功したカメラだと思います。
スペックとしては各社同じようなものなのですが
X-7はラインアップ上末っ子でもミノルタらしい
使い心地のよさを実現したカメラだと思います。
シルバーとブラックモデルが存在しますが
単なる色違いなだけではなく
ブラックモデルはシルバーモデルをベースに
前グリップを取り付けスクリーンに
ミノルタお得意のアキュートマットスクリーンを装備し
さらに明るくキレの良いファインダーとなっています。
色合いやグリップの有無もあってすっきりした印象の
シルバーも魅力ですし、いかにも80年代らしい雰囲気を持つ
ブラックもまた魅力的な1台です。

お預かりしているのはブラックの「X-7」です。
X-7で修理というと真っ先に思い浮かぶのは
プリズム腐食です。XEやXD、XG-S系でも同様ですが
プリズム枠前面に貼られたモルトが加水分解を起こし
その影響でプリズムの塗装や蒸着が剥離してしまうのです。
ファインダー内横方向に太い黒い帯となって見えてしまいます。
当然、ファインダー視野の多くの部分をこの黒い帯で邪魔されてしまい
とても普通に撮影に使えない状態になってしまいます。
お預かりしているX-7は濃い黒い帯にまではなってはいないものの
曇りのような太い帯が確認できる状態です。
こうなるとプリズム交換を前提として整備を行います。
今回はスクリーンも傷が多いのでスクリーン交換も行います。
いずれも新品は入手不可なので中古良品で対応します。
X-7は比較的、電子基板内トラブルは少ないカメラではあるのですが
やはり接触不良を原因とする電気的トラブルはそれなりにあるカメラです。
今回も電源は入っているものの
露出計は点灯せずシャッターを切ると
シャッターは開いたままになってしまいます。
おそらくモードダイヤル周りの接点不良が原因かと思われます。

80年代の電子制御機なので
フレキに覆われていて分解にはいろいろ神経を使うカメラです。
それでもこの類のカメラの中では
整備性は良いほうかと思います。
画像はまずはプリズムを降ろすところまでの段階ですが
これからさらに分解を進めて各接点の清掃や
シャッター周りの整備から取り掛かっていきます。

コニカⅢのカメラ修理

今日は8月5日…今日も語呂合わせの
記念日の多い日ですね!
「ハコの日」「ハンコの日」「はしご車の日」
「箱そばの日」「発酵の日」
「ハードコアテクノの日」…等々等々
そんな中に「奴(やっこ)の日」なんてのもありますね。
奴豆腐(やっこどうふ)、この季節だと冷や奴ですねぇ
一般的には絹豆腐に濃口醤油かと思いますが
私は濃口醬油の尖った辛みがあまり好きではないのと
触感の好みの問題で「木綿豆腐+ポン酢」ですね。
結構、頻繁にこの組み合わせで食べてます
夏は冷奴ですが冬は湯豆腐でもこの組み合わせですね。
薬味はしょうがに刻みネギで…
お酒のあてにも良いですしご飯にも合いますね。
薬味やポン酢の味の後に広がる
豆腐の優しい甘みが何とも言えず美味しいですよねぇ~
今夜の晩酌のお供もお豆腐にしましょう…
でも調べてみると水溶性ビタミンやマグネシウムが豊富で
代謝促進に効きそうなのは木綿より絹なんですねぇ…
(カルシウムは木綿のほうが豊富)
たまには絹ごし豆腐にしてみようかな…

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカブランドとしては初のカメラである
「コニカⅠ」から「コニカⅢ」までのシリーズは
50年代らしいレトロなデザインとい高い質感
ヘキサノンレンズの良い写りで人気のシリーズです。
その中でもセルフコッキングが装備され
より現代的に使いやすい「Ⅲ」は特に人気です。
鏡胴根本から生えたダブルストロークの巻上レバーは特徴です。
整備された「Ⅲ」非常に軽快に小気味よく
このレバーを使って巻き上げることができ
使い心地も非常に良いカメラです。

お預かりしている「Ⅲ」はご依頼者様が
最近入手されたカメラだそうですが
いくつか問題を抱えていて
そのままで撮影に使うのは難しい状況です。
まず「Ⅲ」というよりレンズシャッター機全般で定番の
シャッター羽根粘りです。
何回かシャッターを切っていると一見スムーズに開閉するのですが
少し間をおいてシャッターを切ると明らかに
シャッター羽根がゆっくりと開閉します。
実際の撮影では連続して切ることは少なく
ある程度間をおきながら撮影をするのが通常なので
このまま使えばおそらく写真のほとんどは真っ白になってしまいます。
加えて絞り羽根にも油滲みが見えています。
絞り羽根の開閉は今のところ大丈夫ですが
こちらが粘るとシャッター羽根以上に
羽根を破損する可能性が高いので
現状を確認できたら余計な動作をさせずに整備に入ります。
さらにピントリングも無限遠まで回りきらず
その少し手前で止まってしまいます。
さらにさらに「Ⅲ」の特徴でもある
巻上レバーが押し込めるものの
そのあと自力で戻ってきません。
おそらく戻りバネが外れているか切れているのだと思われます。

画像は既に一通りの整備を行って
少し動きが馴染むまで様子見をしている状態のものです。
シャッター羽根、絞り羽根の洗浄清掃の上で
シャッターユニットの整備、レンズ清掃、ピント調整を行い
巻上レバーのバネは取り付け部が切れてしまっていました。
そのバネが挟まっていたためピントリングも
無限遠まで回りきらない状態でした。
もちろんバネは修復し、巻上機構の整備も行っています。
そしてファインダー清掃、距離計調整等々
一通りの整備を行いました。
シャッターは快調に動作しており
巻上も非常にスムーズで気持ちよい状態です。
手に入れてから少し時間を必要としてしまいましたが
改めてご依頼者様には存分にお使いいただき
楽しんでいただければと思います。

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