カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

コニカⅡBのカメラ修理

今日は「天使の囁き記念日」だそうですよ。
ここでいう「天使の囁き」は
マイナス20℃以下になると空気中の水蒸気が
凍ってできる氷の結晶「ダイヤモンドダスト」のことだそうです。
1978(昭和53)年のこの日に
北海道幌加内町母子里(ほろかないちょうもしり)で
気象庁の公式記録の対象から外れていたため非公式ではありますが
国内最低気温のマイナス41.2℃を記録したことに由来しています。
ダイヤモンドダストは気象でいうと
細氷(さいひょう)となり、大気中の水蒸気が昇華してできた
ごく小さな氷晶(氷の結晶)が「降ること」だそうです。
よく似た現象に氷霧というのもあり
氷霧は小さな氷晶が大気中を浮遊する現象で
氷晶が降る細氷とは厳密には異なるのだそうです。
氷晶の大きさも、氷霧より細氷のほうが大きいのが特徴です。
天気の種類としても氷霧は霧に含まれるそうですが
細氷は降水現象なので雪に含まれます。
よって、空が晴れている場合でも
細氷すなわちダイヤモンドダストが観測されれば
そのときの天気は晴れではなく、雪として記録されるのだそうです。
なかなかややこしいですね…
細氷にしても氷霧にしても一度は見てみたいとも思いますが
寒いところには近づきたくないですねぇ
寒さで血管が縮んで詰まってしまいそうな気がするのです(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅡB」のカメラ修理を行っています。
「コニカⅡ」は1951年発売のカメラですが
「ⅡB」は「Ⅱ」からタイム露出を省略したモデルで
1955年発売です。タイム露出省略以外は
「Ⅱ」と同様でダブルヘリコイド式繰り出し機構を持ち
レンズはヘキサノン50mmF2.8です。
まだセルフコッキングは搭載されていませんが
レリーズボタンがボディ上部に装備され
フィルムを巻き上げていないと押すことができないようにロックされ
いわゆる意図しない多重露光を防ぐ構造になっています。
シャッターチャージはシャッターユニット側の
チャージレバーで行い
シャッターユニット側のレリーズレバーを直接操作すると
何度でも多重露光ができてしまいます。
レンジファインダー搭載でファインダー内二重像でピント合わせを行いますが
まだブライトフレームは装備されていません。
搭載されるシャッターユニットはコニラピッドSで
B・1s~1/500をカバーします。

お預かりしている「コニカⅡB」は外観は非常にキレイな状態で
保管状況も悪くなかったものと思われます。
レンズには若干のカビや細かい拭き傷こそあるものの
年代を考えると非常に良好な状態です。
乾燥した環境で保管されていたものと思われますが
やはり動かしていないこともあり油切れは進んでいて
スローシャッター時にはガバナが固着してしまい
シャッターが開いたままになってしまいます。
絞り羽根には若干の油滲みと粘りがあるようです。
ファインダーはクモリや汚れのため見えにくく
距離計二重像も大きな縦ズレが出てしまっています。
程度としては良いほうですが撮影に使うには
やはり一通りの整備が必要な状況です。

まだ取り掛かったばかりの段階ですが
これからシャッターユニットを分離して
シャッター周りから整備を行っていきます。
基本的にはシンプルな構造のカメラです。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は2/15、なんだかキリが良くって
いろんな記念日がありそうな気がしたのですが
随分今日は少ないのですね…
バレンタインの次の日だからですかねぇ
そんな少ない2/15の記念日の中に
「次に行こうの日」なんてのがありますね。
4月の新学期を前に、「次に(2)行(1)こう(5)」と
読む語呂合わせからだそうです。
年度末も近くなって環境が変わる日が近い方も多いかもしれません。
そういうときには切り替えも大事ですね!
環境の変化だけではなくて
どうにもならないことやがんばってもどうにも難しいことは
さっさとあきらめて「次に行こう」と切り替えることも必要ですね。
反対にあまり見切りを早くつけ過ぎて
あきらめが早すぎるのもちょっとマズいとは思いますが…(苦笑)
何事も「継続は力なり」ってこともありますものね。
まぁケースバイケースで判断が難しいですね!
そこが人生の難しいとこでまた楽しいとこかもしれません。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
「キヤノネットシリーズ」は
1960年代~70年代にかけて作られたキヤノンの
コンパクトカメラのシリーズです。
時代の流れに合わせて様々なモデルが存在しますが
今回は記念すべき初代の「キヤノネット」です。
「キヤノネットシリーズ」の初代機という意味でも
メモリアルなモデルですが
コンパクトカメラという大きな枠でとらえても記念碑的なモデルで
キヤノンの最初のコンパクトカメラでもあり
当時の家庭用カメラとしてほぼ最高級の性能を持ちつつも
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望んだことから
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラで発売されました。
当然のごとく社会現象になるほどの爆発的ヒット商品となり
業界内では「ダンピングではないか?」と反発の声もあがったようです。
この初代キヤノネットの登場は
カメラの低額化・高機能化に付いていけなくなった多くのカメラメーカーを
倒産・撤退に追い込むきっかけともなり
まさに業界を揺るがすほどの存在となったカメラです。
そういう意味でも国産カメラの歴史上、メモリアルな存在のカメラです。

お預かりしている「キヤノネット」は初代キャノネットの中でも
初期のモデルでファインダー内の表示が絞り値表示ではなく
矢印(?)のような図形だけで露出指示を表示するタイプです。
このタイプの初期モデルも最近はあまり見なくなりましたね。
まずは巻き上げてレリーズボタンを押してみますが
レリーズボタンは押せるもののシャッターは全く動きません。
レリーズすると再び巻上は行えるのですが
シャッターはうんともすんとも動かない状態です。
レンズシャッター機よくありがちなシャッター羽根の固着かと思われます。
シャッター羽根がこれだけ固着しているということで
当然のように絞り羽根も固着しています。
特にシャッタースピード優先オート時にはシャッター羽根以上に
小さな力で絞り羽根を駆動するためシャッター羽根以上に
絞り羽根は固着・粘りが起こる可能性が高いと思います。
そしてこのタイプのカメラでやはりトラブルの多い
露出計が全く動きません。露出計本体には問題はなさそうなので
やはりセレン光電池の劣化か、
セレンから出ている配線の断線が原因かと思われます。
カメラの機種によってはセレンの状態は致命傷となることも多いですが
初代キャノネットはこれだけヒットしたカメラで
現存台数も多く、比較的程度の良いセレンが入手可能なので
最悪セレン自体がダメだった場合でも交換で対処できるかと思われます。


まだ現状を確認している段階です。
初代キヤノネットは巻上レバーも巻き戻しクランクも
底部側に配置されているので上カバー部は
非常にすっきりしたデザインです。
先日も書きましたがこのすっきりした上カバーに
筆記体の「Canonet」の文字が何ともカッコ良いですね。
上カバーがシンプルなのでネジ3本で簡単に外れます。
レンジファインダーやファインダー表示の構造
露出計本体やオート時の指針抑え機構の様子が確認できます。
ここだけはないですがキヤノネットは非常に効率的に
造ってあって価格破壊的な存在ではありましたが
内部構造にも安っぽさは微塵も感じられません。
今見ても非常に良くできたカメラかと思います。
それではこれから本格的に分解整備に取り掛かります。
整備性も非常に良好なカメラです。

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キヤノンFPのカメラ修理

今日は2月14日…
「ふんどしの日」で「煮干しの日」で
「自動車保険の日」らしいですよ!
いや…いくらもはや自分に関係ないといっても
避けてはいけないですね
なんといっても「バレンタインデー」ですねぇ(笑
私は甘いものとにかく好きなので
普段からチョコレートを食べることは多いですが
バレンタイン絡みでいろいろお菓子情報が
自然と入ってきてちょっと困ったものです。
糖尿病持ちでもあるので
調子に乗って甘いモノ食べ過ぎると酷いことになってしまいます(苦笑)
先日、以前にブロードウェイのお店を覗いてみたときには
店頭にはなかった懐かしの不二家の「ハートチョコレート」が
バレンタイン商戦で最近、入荷してお店にあったので
ついついまとめて大人買いしてしまいました(笑
昔ながらの「ピーナッツ」は期待通りの味で
当然の美味しさでしたが
今回、初めて食べてみた「あまおう苺」ハートチョコレートが
これまたまったりとした濃厚な甘さでクセになりそうです…
いけんいけん…本当に食べ過ぎないように気をつけなくては…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
いわゆる「キヤノンFシリーズ」の初期のカメラです。
「Fシリーズ及びFLマウント機」は
同じく1964年発売の「FX」が一号機なのですが
その「FX」から露出計を省略したものが「FP」となります。
この時代にはまだまだ「内蔵露出計は不要」と考えるユーザーも多く
(トラブルの元になる・単体露出計のほうが信頼できる等の理由)
その要望に応えてラインナップされたのが「FP」です。
確かに「FX」の内蔵露出計はまだTTLではなく
外光式の露出計だったので場合によっては
単体露出計のほうが使いやすいかとは思います。
今となっては50~60年前の内臓露出計は
細かいことをいえば精度的にも
なかなか厳しい場合もあるので
(CdS受光体の場合はしっかり整備調整すれば
大抵の場合LV15-LV10くらいの範囲であればちゃんとした精度は出ますが…)
それならばいっそのこと露出計が最初から内蔵されていないほうが
使っている気分的にも良いかもしれません。
そのあたりは考え方次第ともはや好みの問題ですかね…

というわけでシンプルな構成の「FP」なのですが
お預かりしてる個体はまず巻上が全くできません。
幕位置から判断するとリリース状態で
巻上ができなくてはいけないのですが
がっちり巻上ロックが掛かった状態で固着しています。
レリーズボタンも押し込まれた位置で固着しています。
先にレリーズボタンを元の位置にとりあえず強制的に
戻してみたのですが巻上がロックされたままなのは変わりません。
ミラーも上がったままでファインダー内の確認もできない状況です。
初期の「Fシリーズ」というと
プリズムの腐食している可能性がかなり高いのですが
今回のFPはわずかながら腐食が見られるものの
さほど視野の邪魔になるような大きなものは見られません。
かなり長い間放置されていると思われるのですが
ここは不幸中の幸いです。

まずは上下カバーを外してプリズムを確認して降ろしたのですが…
内部機構…とくにボディ底部の錆が酷い状況です。
これはあちこちが固着していても全くおかしくない状況です。
巻上ロックは巻上上部も関係していると思いますが
まずはここからできる限り分解して
とにかく錆を落として部品を磨いて
キチンと調整・再組立てしていかないと
細かい精度どころか普通に動作させることも難しそうです。
それでも普通に写真が撮れる状態には
精度も含めて復帰できるとは思います。
あわてずひとつひとつしっかりと清掃整備を行っていきます。

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ミノルタAL-Eのカメラ修理

今日は「建国記念の日」で祝日ですね。
「建国記念日」ではなく「建国記念の日」なのは
建国された日とは関係なく
単に建国されたということを
記念する日であるという考えによるものであるそうです。
私にとっては2月11日は4年前から
「脳梗塞の日」ですねぇ(苦笑)
(正確には脳幹梗塞)
2020年のこの日の夜に最初は歩いてて
まっすぐ普通に歩いているつもりなのに
無意識に左にそれて壁や電信柱に軽くぶつかるようになり
それから帰宅したものの数時間後には立っていられなくなり
たまらず救急搬送してもらいました。
入院直後には常に目が回っている状態で起きることもできず
何とか目を開いても焦点は全然合わず
ほんのわずかな水さえも呑み込めないような状態でした。
今でもそれなりに後遺症は残っていますが
何とか日常生活には困らない程度に回復したのは幸運でした。
脳梗塞や脳出血、心筋梗塞の要因はいろいろありますが
肥満や血糖値、血圧、脱水症状や急激な冷えによる血管収縮には
本当に今後も気をつけたいと思います。
他の病気やケガも含めて
年齢を重ねてくるといくら予防しても
避けきれないものもあるとは思いますが
なるべく健康体でいたいものですね。

さてさて

本日は「ミノルタAL-E」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
ミノルチナS/ALSの流れを汲むカメラで
巻上機構やシャッターユニット連動部に面影が色濃く残っています。
ALSをベースとしてシャッターユニットをシチズンVEシャッターとし
シャッタースピード優先AEを搭載したカメラです。
スタイリングもALSの後継機だけあってなかなか洗練されていて
個人的にも好きなカメラです。
ただ同じ年にコニカC35が発売され
今度は超小型でオート露出搭載のカメラが流行る流れに
完全に市場が傾いてしまいこの「AL-E」も
ミノルチナやALSと同じく販売的にはあまり成功とはいえず
ついにミノルチナの流れを引き継いだALシリーズも
このカメラで終わりとなってしまいました。
ミノルチナP・S、ALS、AL-F、そしてこのAL-Eと
ミノルチナ/ALシリ―ズは今見ると魅力的なカメラばかりなのですが
発売当時の市場の流行りにうまく乗せることができず
どれも営業的には成功とは言えなかったようです。

お預かりしている「AL-E」は非常に外観のキレイな個体です。
勝手なイメージなのですが「AL-E」って
妙にキレイな個体が多いような気がします。
加えてスマートで洗練されたスタイリングなので
見た目だけでも妙に惹かれてしまいます。
もちろん機能的にも使用感的にも非常に良いカメラです。
ただ今回の「AL-E」は巻上に重大な問題を抱えています。
シャッターは若干の粘りがあるものの
ほぼ問題なく動作しているのですが
巻き上げレバーとスプロケットの連携に問題があり
巻き上げているとたまに一瞬空回りするような手ごたえがあります。
実際にスプロケットの動きもまずかに空回りしてるようで
写真を撮るとコマ重なりを多発するようです。
フィルムの巻上とシャッターチャージは異なる部分で行うので
きっちり一コマ分進んでいなくても
シャッターチャージは正常に完了しシャッターは切れるわけですね。
フィルム室でスプロケットの動きを見ていると
フィルムも何も入れずに何の負荷もかかっていない状態だと
問題なくスプロケットは動作しているようです。
ただほんの少し軽く指でスプロケットを抑えて負荷をかけると
頻繁にパーフォレーションでいうと穴一つ~二つ分くらい
空回りしてしまう症状が頻繁に出るようです。

本格的な分解に入る前になるべく原因を絞り込んでおこうと
今度は巻上ギア周りの動きを確認してみると
巻上レバー直下のギアの2~3歯にわずかに欠けがあるらしく
そこをある程度の負荷がかかった状態で通過すると空回りしています。
過去に巻き上げできない状態で
無理にレバーを回そうとした可能性が高そうですね。
中古部品を使ってここのギアを交換することで対処していきます。
もちろん巻上機構部分解に並行してシャッターユニットや
オート時絞り制御機構、露出計周りの整備も一通り行っていきます。

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「ふとんの日」だそうですよ。
「ふ(2)と(10)ん」と読む語呂合わせからですね。
少しずつ暖かくなってきたような気もしますが
まだまだ寒い日も多く布団から出たくない朝が多いですよね
いや、寒くなくってもいつも出たくないかな(笑
私も自宅ではベッドではなくて布団ですが
やはり収納できて部屋が広く使えるのがいいですね。
一人暮らしでたいして広くない部屋だとなおさらです。
この季節だと敷布団の上に毛布1枚
掛け布団の下にも毛布1枚で毛布に挟まれて寝ているのですが
これだとたとえエアコンとか付けてなくても
布団に入った瞬間に暖かさに包まれて
気持ちよーくあっという間に寝付くことができます。
暖かい布団に包まれて眠るのはやはり最高の幸せですよねぇ(笑
最近は休みの日にやたらと通院の予定が朝イチに入っていたりして
なかなか休日にも寝たいだけ寝るってことができないのですが
月に1回くらいは目覚ましも何もかけずに
寝たいだけ惰眠をむさぼりたいものです(苦笑)
そのお供に暖かくてフカフカの布団は必須アイテムですねぇ

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
1972年7月に「M-1」の名で発売開始となりましたが
ライツからのクレームがあり1973年5月に「OM-1」に改名されました。
改名されたおかげで非常にわかりやすく区別がつくようになってしまいましたが
要は「OM-1」の最初期モデルです。
「OM-1」に改名されたときも上カバーのロゴが変更されただけだったので
「OM-1」の初期モデルも中身は「M-1」と変わりません。
ただ、「OM-1」はかなり細かく頻繁に中身を
マイナーチェンジしているので「M-1」と最初期「OM-1」は
後の前期OM-1比べてもいくつかの特徴があります。
もちろん機能的には全く違いはありません。
修理整備する立場で言えば「M-1」+最初鯉OM-1は
部品にデリケートな部分等があってそれ以外のOM-1に比べると
少しばかり神経を使うところが多い印象です。

「M-1」の生産台数は5000台とか数千台とか言われていますが
正式な台数は確か発表されていないのかと思います。
印象としてはもっとあるのではないかというイメージです。
都内の中古カメラ屋さんでも比較的頻繁に見かけますし
整備依頼も数千台にしては多いのですよね…

お預かりしてる「M-1」はまずは定番のプリズム腐食です。
それほどは酷くない腐食なのですが
大きな点腐食が3カ所ありちょっと目立ちますし
やはり視野内で邪魔になります。
上カバーを外して腐食の原因となる接眼部のモルトを見ると
腐食対策で交換はされています。
おそらく腐食が酷くない段階で対策したのだと思われます。
プリズムのモルトが触れる部分には
明らかに加水分解による腐食が塗装面にも起きています。
露出計や電池室のコンディションはまずまず良い状態ですが
SW部で多少接触不良が起きていて少しばかり挙動が不安定です。
シャッターも一通りは動作していますが
やはり幕軸や底部三連ギアには若干の粘りがあるようで
こちらも精度が少しばかり不安定です。
大きな致命的トラブルはないものの
やはり全体的にリフレッシュが必要な状態かと思います。

まだ取り掛かったばかりで本格的な分解作業はこれからです。
M-1+最初期OM-1の特徴でもある
外観はそれ以降ものと同じでも基部が別体となっている
巻上レバーはやはり今回も指あて部が破損しています。
今回はご依頼者様にも許可をいただいて
通常のOM-1の中古品と交換で対処いたします。
他、4本のフィルム室スタッドや4本バネのプリズム抑え
深さの浅い接眼レンズ部等々
この画像でもM-1の特徴がいくつか確認できますね。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は2月9日…
語呂合わせで「ふくの日」「服の日」「肉の日」とかが制定されています。
他にもいろいろな記念日があるのですが
「2・9(ふく)」繋がりで
「大福の日」なんてのもありますね。
大福。美味しいですよねぇ
スーパーやコンビニ、ドラッグストア
いろんなところで売っているからついつい買ってしまいます。
餡子好きなので餡子が使われているものは
何でも好きなのですが手軽に手に入って
すぐに食べられることから大福比率は高いような気がします。
ふと気になってカロリー記録簿見ても
いやいや、大福、割とよく食べてますねぇ(苦笑)
バター等を使う洋菓子系よりはマシですが
数値は最近悪くないのですが糖尿病持ちなので
適度な量に抑えとかないと…
でも、ストレス解消にも気分転換にも
甘いものはいいですし、餡子には本当に癒されます…
午後の休憩にはどら焼きか大福でお茶します(笑

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売の絞り優先オート専用機です。
ポジションとしてはエントリークラスにあたりますが
後の「Mシリーズ」やさらに後継の「Aシリーズ」の
基礎ともなるカメラで当時のペンタックスにおいて
重要な位置づけになるカメラだと思います。
同時期に開発された「MX」が
60年代からの路線を継承した布幕横橋り機械制御シャッターだったのに対して
「ME」は電子制御の金属羽根縦走りシャッターを搭載し
「Mシリーズの」」の基本コンセプトである
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」を推し進めたカメラだと思います。
後にこの「ME」をベースに中級機へと機能を押し上げた
「MEスーパー」も登場し
さらによりシンプルなエントリー機に進化した「MV1」も登場します。
1970年代~80年代にかけての
多くのペンタックス機の土台となるカメラかと思います。

電子制御機としてはかなり整備性も良く
電気系のトラブルは比較的少ないしっかりできたカメラですが
ミラー駆動部にトラブルが多いのはここでも何度も書いた通りです。
今回の「ME」はそのミラー駆動部まわりには
大きな問題はなかったのですが
ちょっと力任せで無理な操作をしてしまったらしく
巻上軸が噛みこんで固着した状態で当店にやってきました。
「ME」に限らない話ですが
動かないとき、あるいは動きが重いときに
力任せに無理な操作をするのは避けましょう…
大抵の場合、それを行うと状況は悪化します。

巻上トラブルは無理な力をかけたために
巻上軸と巻上ロック機構がおかしな噛みこみ方をしてしまい
そのため巻上軸が戻らなくなってしまうような状態でした。
幸いなことに大きな変形等はなく
ある程度の段階まで分解して組みなおしてやることで解消できそうです。
ただ、それ以外にもやはり巻上周りやミラー駆動部に
動きの悪い部分はそれなりにみられるので
分解、再組立ての過程で一通りの清掃整備を行っていきます。
少々、トラブルの起こりやすい部分もあるカメラですが
古くなってもある程度手を入れてやれば
しっかりそれに応えてくれるカメラでもあります。
加えていつも書きますが「Mシリーズ」は内部モルトの多いカメラで
今回も内部のモルトはどこもかしこもベタベタに劣化しているので
しっかり交換を行っていきます。

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ヤシカ35のカメラ修理

今日は「フナの日」だそうですよ。
日付は「フ(2)ナ(7)」と読む語呂合わせからですね。
残念ながら食べたことはないですねぇ
でも池や少し大きな川にいる
身近な魚ですよね。
残念ながら近所にはいなかったですが
少し家からは離れた池や大きな川にいて
フナ釣りに連れて行ってもらった遠い記憶が…
そしてそときに結構な数のフナが釣れて
そのうち数匹をバケツで持って帰って
家の小さなコンクリの池というか水槽で飼っていました。
(じいさんがわざわざ作ってくれたのですよね)
結構、長生きしました…
水替えのたびに結構な大騒ぎでいい思い出です。
フナ釣りは釣りに詳しいおじさんに道具も用意してもらって
連れて行ってもらったのですが
それ以外でも子供の頃って本当に近所の池や川って
めちゃくちゃ楽しい遊び場で
いろんな生き物をなんとか手持ちの道具で捕まえようと
いろいろ知恵を絞るんですよねぇ
おもちゃみたいな釣り道具とかでいろいろ試して
大抵は大失敗だったこともいい思い出です。

さてさて

本日は「ヤシカ35」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のカメラです。
この時代にいろんなメーカーから発売されていた
レンズ固定型のレンジファインダー機です。
コンタックスっぽいデザインが特徴ですね。
ヤシカとしては初の35mmレンズシャッター式
レンジファインダーカメラとなります。
ヤシカからはこの後の時代に
ミニスターやリンクス、そしてエレクトロ35と
様々な種類のレンズ固定式のレンズシャッター機が
発売されるのですが
最初のカメラがこの「35」になります。
レンズはヤシノン4群6枚のヤシノン45mmF1.9搭載のモノと
4群5枚のヤシノン45mmF2.8搭載のモノが存在するのですが
今回お預かりしているのは45mmF1.9モデルです。
こちらはめったに見かけませんね。
シャッターユニットはコパルSVを搭載し
B・1s~1/500をカバーします。
レンジファインダーはプリズムを使用した豪華な構成で
二重像は元々若干薄めですが
非常に見えの良いファインダーです。

お預かりしている「ヤシカ35」はシャッターは若干の粘りがありますが
まずは一通り動作しています。
レンズはおそらく過去に清掃が行われているものと見られ
年代を考えるとかなりクリアな状態です。
ただヘリコイドグリスが固着気味でピントリングが異様に重いことと
自慢のファインダーがかなり汚れていて曇りも酷く
かなり見えづらい状態になっています。
距離計二重像も大幅にズレていて
魔ともピントは合わせられません。
巻上やスローガバナには油切れの兆候も見られ
動きもあまりよくない状態です。

まだシャッターユニットの動き等を確認している段階で
現状をはっきり確認して問題点とその原因を
ある程度洗い出してから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ペンタックスKMのカメラ修理

今日は「西の日」ですね!
「に(2)し(4)」(西)と読む語呂合わせからです。
西に行くと幸運に巡り会える日。
また、西から来た人と仲良くなれる日とされています。
ここ数年、毎年この日に「西に行けば何かあるかも?」と思い
毎晩行っているウォーキングのコースを
この日だけひたすら西に向かうコースに変えて歩くのですが…
…何も変わったことはないですね…(笑
いやそれでも今夜あたり何かあるかも…?
ということで今夜もひたすらに西に向かってみます(笑

さてさて

今日は「ペンタックスKM」のカメラ修理を行っています。
「Kシリーズ」はペンタックスKマウントを搭載した
初の一眼レフのシリーズで1975年に
「K2」「KX」「KM」の3機種が発売されています。
トップモデルの「K2」は電子制御シャッター機で
「ESⅡ」の後継機的ポジションのカメラです。
そして「KX」「KM」はM42マウントの名機「SP」直系の後継機で
横橋りシャッター機構や巻上・ミラー駆動部等は
「SP」や「SPF」の構造がほぼそのまま使われています。
普及機的ポジションの「KM」は特にその傾向が明らかで
マウントを「Kマウント」に変更した「SPF」と言えるくらい
前モデルの「SPF」と共通項が多いカメラです。
「SPF」ならではの「フォトスイッチ」まで搭載しています。
あれだけ大ヒットしたロングセラ-機「SP/SPF」で
熟成された構造なので安定性や信頼性はやはり高いと思います。

ただ弱点も「SP系」からそのまま受け継いでいる部分もあり
今回お預かりの「KM」もそうですが
プリズム周りにぐるりと巻かれた遮光材の劣化・加水分解により
定番トラブルである「プリズム腐食」が発生しています。
ファインダーを覗くと中心より少し下、横方向に
黒い帯がくっきりと見える状態です。
プリズムは腐食のないものと交換で対処していきます。
おそらくかなり長い間、
使われずにしまい込まれていたものかと思われます。
それでも保管環境は悪くなかったようで
装着されているSMC55mmF1.8は変質による薄曇りこそあるものの
カビもなくかなりキレイな状態です。
ただボディ側はいろいろ問題を抱えていて
先述したプリズム腐食に加え電池室に電池が入ったままになっており
中の電池は緑青だらけでひどい状態で
配線を含む電池室周辺を腐食させてしまっています。
もちろん露出計は動きません。
確認するとボディ上部の基盤にまで緑青が広がっています。
電池室の蓋は強烈に固着しており
ここまで半日以上かかっていますがいまだに蓋が外れません(苦笑)
底板ごと外すと電池は取り出せますし
他の作業は進められるので電池室蓋は
底板ごと溶剤漬けにしておいて後で処置を行います。

シャッターや巻上、ミラー駆動部にもそれぞれ
汚れや油切れが原因とみられる動作不良が見受けられ
スローは粘り気味で高速SSではシャッターが開ききりません。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
確かにマウント部を見なければほぼ「SPF」ですね。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「節分」ですね。
冬の節が終わり春の節に移る日…
「立春」(2月4日頃)の前日で文字通り
「季節を分ける日」ということですね。
ただ実際はまだまだこの時期は寒いですよねぇ
関東は昨日から冷え込んで明日は雪の可能性もあるそうです。
「立春」の前日の「節分」だけが
「豆まき」とセットで注目されますが
本来は「立夏」(5月5日頃)、「立秋」(8月7日頃)、
「立冬」(11月7日頃)の前日をそれぞれ「節分」というそうです。
ただ、太陰暦(太陰太陽暦)では「立春」を年の初めと定めており
「立春」の前日すなわち「大寒」の最後の日にあたるこの「節分」を
特に重視したのだそうです。
節分に関係なく冬場にはばあさんが家でよく大豆を煎ってました
熱々炒りたての大豆美味しいのですよねぇ
煎りたてなんて長らく食べてないですね…
簡単だし今度やってみようかな…
「恵方巻」は子供の頃に全く習慣がなかったせいもあり
節分に食べようとは思いません
巻きずしは普通に切って食べますし、丸1本なんて多すぎます(笑
関係ないですが今日は「ジュディ・オングの日」でもあるらしいですよ
「魅せられて」のレコード聴かなくては!(笑

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
1979年末に発売されたカメラです。
絞り優先オート専用機であった「ME」をベースに
マニュアル露出モードを追加し
シャッターユニットも改良型に変更し
最高速を1/2000に高めたカメラです。
スペック的にも「Mシリーズ」最高峰のカメラだと思いますが
もともとエントリーシリーズでもある「ME」がベースなことと
シリーズ内では異端児的な「MX」の存在もあって
本来の持ち味よりいまひとつ評価が低いような気もします…
個人的にはオールマイティに使える上に
クリアブライトマットスクリーンの採用もあって
ファインダも―明るくキレもあって非常に良いカメラだと思います。
ただプッシュボタン式のシャッタースピード設定は
少し好き嫌いが分かれるかもしれません。
それでも後のAシリーズや645でもプッシュボタン式が採用されているので
当時はそれなりに受け入れられたのでしょうね。

ベースは「ME系」なので
やはり巻上やミラーアップ等にトラブルの多いカメラです。
その系統のトラブルの大半はミラー駆動部のゴムブッシュの
劣化・加水分解によるものでベタベタに崩れてしまった
ブッシュが動作不良の原因となって起こるトラブルです。
今回お預かりのMEスーパーには
あからさまなその類のトラブルは受付時には確認できなかったのですが
ご依頼者様曰く「ロックされずに何度でも
巻上ができることがある」とのことなので
やはりミラーチャージロック関連のトラブルがあるのだと思われます。
そしてこのカメラでそのパターンのトラブルであれば
まず十中八九、駆動部のブッシュが原因と思われます。

ミラーボックスを取り出して動作を単体で確認しますが
やはりチャージロックだけではなく
ブッシュ3か所が関係する駆動部の動きが悪いです。
ブッシュはグズグズに崩れているほどではありませんが
分解が進んで柔らかくなっていて
動きを妨げる原因となっています。
ゴムブッシュを除去して
プラスチック製の代用品に交換で対処します。
ミラーボックス下には「ME」では見られない
エアダンパーも装備されていますが
こちらも動作不良を起こしやすい部分なので対処を行っておきます。
そして「MEスーパー」に限らず
「Mシリーズ」のカメラは内部のいたるところに
モルトが貼られ隙間を埋めているような部分が多いので
それらの交換も行います。
電子制御シャッター機ではありますが
構造的な整備性は非常に良好なカメラです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は2月2日、ぞろ目の日ということもあり
たくさんの記念日が制定されています。
その割には…なかなかネタにしやすいものがないというか
ピンとこないというか…(苦笑)
ぞろ目とか語呂合わせに関係なく
今日は「交番設置記念日」なのだそうですね。
1881(明治14)年のこの日に
1つの警察署の管内に7つの「交番」を
設置することが定められたことが由来となっています。
町の中に交番の建物を置き
そこを中心に制服の警察官が活動するという交番の制度は
1874(明治7)年に東京警視庁が設置した「交番所」(交番舎)が
世界初のものだったそうです。
当初は建物はなく街中の交差点などに
警察署から警察官が出向いていたそうですが
1881年より常設の建物を建てて
警官が常駐する現在のような制度になったそうです。
私がほぼ毎晩行っているウォーキングのコースにも
交番が3ヶ所あります。
何も悪いことしていないのに前を通るときは
若干、緊張してしまうのはなんなんでしょうね(笑

さてさて

今日も「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
2日連続ですが昨日のものとは異なる個体です。
昨日は適度に使いこまれてスレも渋いブラックのOM-1でしたが
今日は外観の非常にキレイなシルバーのOM-1です。
やはりOM-1の修理依頼は相変わらず多いですね。

今回のOM-1も一通りは一応動作しているのですが
やはり機械的に動きの悪い部分が多く
高速シャッターの精度は全く出ておらず
影響の大きく出る1/1000の場合で
実際の露光量は1/250以上ある状況です。
かなり後幕の幕速が遅れていて大きく開いてしまうようです。
2段以上異なるとネガだとしてもさすがに
写真に影響が出ると思われます。
その上、それだけ精度ズレている上に動きも不安定です。
反対に低速シャッターだと今度は
ミラ-アップしたまま戻らなくなる症状が多発します。
これは後幕の動きの輪憂いせいもありますが
ミラー駆動部の動きもかなり粘っているものと思われます。
高速シャッター時でも若干ミラーの動きが遅く
レリーズレスポンスが体感的にも遅く感じられます。
全体的に動きの悪い部分が多いため
やはり整備一式が必要な状態です。

今回の「OM-1」はかなり初期のモデルです。
「M-1」から「OM-1」に改名されたばかりのモノだと思われます。
フィルム室にはスタッドが4本立っていて
それに合わせてフィルム圧版も短いタイプのものになっています。
マウントネジこそ「+」ですが
上カバーを開けてみるとプリズム抑えは4本バネです。
どれもM-1及び最初期OM-1の特徴です。
巻上レバーもM-1と同じ形状ものです。
M-1でも指あて部の破損等で以降のOM-1のものに
交換されているものが多いので
ある意味ちょっと貴重かもしれません。
でも組んでしまえば外観は同じで判別できないのですが…
M-1もそうですが最初期のOM-1は
メーターやプリズムを載せている樹脂枠が
劣化で脆くなっている場合も多くネジを外す場合にも
非常に神経を使います。
今回のOM-1はそれほど状態は悪くなく
まだまだかなりしっかりしているようです。
以前にプリズム腐食の対策も行われているようで
ずいぶん昔の話かもしれませんが
ある程度はメンテナンスも行われているようです。
ただ動きがあちこちで悪い状況なのは間違いないので
慎重に丁寧に整備を行っていきます。

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