月別アーカイブ: 2017年11月

リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「録音文化の日」だそうですよ。
録音といえば。。。いくつのときだったかな。。。
小学生であったこことに間違いはないと思うのですが
家にあるラジカセを使って
ベストテンとかで当時のヒット曲を録音してましたねぇ。。。
(そういえば当時は録音することを
「ふきこむ」って言っていたような気が。。。)
最初はラジカセの内蔵マイクでふきこんでいたものが(笑)
時期にライン入力で録音するようになり
すぐにFMエアチェック(これも死語?)に移行していきました。。。
そのうち「レンタルレコード」なんて夢のようなお店が出てきて
何でも自由に録音できるようになったのは嬉しかったなぁ
遠い昔のお話でした(笑)

さてさて

今日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行います。
先日も同じくニューダイヤの整備を行いましたが
今度はシャッターがセイコーシャMXを搭載したものです。
(先日はシチズンMXLでしたね)
さらにセルフタイマーがシャッターユニット外部に装着されています。
レンズも先日のものとは異なり
今回のものはリケノン銘の8cmF3.5が搭載されています。

お預かりしている個体は
まず最大の問題がテイクレンズのクモリです。
古いカメラのレンズクモリは正直言って取れないものが多いです。
既にレンズそのものが変質してしまっているのですね。
今回はまだ取り掛かっていないので何ともいえないのですが
できる限り清掃してみてどこまで復活できるかといったところです。
他、スローガバナ、セルフタイマーは固着気味で
絞り羽根、シャッター羽根にも粘りが少々見られます。
この辺はもうお決まりのトラブルですね。

ちなみに曇っているレンズがテイクレンズ後玉ユニットの
一番前のレンズです。
リコフレだけでなく
二眼レフ全般で一番曇っていることの多い箇所ですね。
プレスボディのリコーフレックスも良いですが
しっかり作られている感の強い
こちらのニューダイヤもなかなか魅力的です。
それではこれから本格的に分解整備に取り掛かります。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「七五三」ですね。
私も3歳、5歳、それぞれの「七五三」の写真が残っていますが
さすがに40年以上の時の経過を感じますね。
写真はまだまだキレイに保存されていますが
本人の経年劣化が酷い。。。(笑)
「七五三」に関連して今日は「きものの日」でもあるのですよ。
たまには着物で町をのんびり歩いてみたいですね!

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフカメラですね。
ハーフ判というだけでも変り種ですが
いろいろな内部の機構が独自性に溢れています。
カメラそのものの魅力ももちろん高いですが
機械としての魅力もそれ以上にあると思います。
ペンタプリズムの出っ張りのないデザインも秀逸ですよね。
発売開始は1963年です。
後に露出計を装備したペンFTも発売されました。
露出計付きのFTはもちろん便利ですが
軽快な2回巻きでファインダーの見えも良い
この最初の「ペンF」もやっぱり良いですよね。

お預かりしている「ペンF」は
ご依頼者様のお母様の形見だそうです。
まずは残念ながらミラーアップしたままで
固まってしまっています。
ペンF系ではよく見かけるミラー駆動系のトラブルです。
さらにある程度分解を進めているうちに発覚しましたが
ペンFのSS制御の肝でもある
スローガバナーの動作にも問題がありました。
付属の38mmレンズも絞り固着が見受けられます。
全体的にリフレッシュが必要な状態です。

清掃して注油して調整して。。。といった作業は良いのですが
問題なのは写真にも写っているプリズムです。
ミラーアップしてしまってたので
はっきりと確認していたわけではないのですが
予想通り腐食して酷い状態でした。
今回は少々苦労しつつも
何とか腐食のない中古プリズムが手に入ったので
それで対処いたしますが
ペンFのプリズムも腐食のないものが非常に少なくなりました。

快適にまた撮影に使っていただけるように
これからさらに分解を進めて
各部点検整備一式を行っていきます。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
うるしの器って赴きあっていいですよね。
私は全く大丈夫なのですが
うちのばあさんが「うるし」に弱く
(ウルシオールアレルギー)
うるしの木の下を歩くだけでかぶれてしまうほどでした。
漆器ではかぶれることはないそうですが
できあがったばかりの漆器だと
ウルシオールがまだ十分に揮発しておらず
まれにかぶれてしまうことがあるそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな絞り優先AE専用機です。
使い心地もなかなか良く、軽快に撮影できるカメラです。
発売は1976年。アサヒペンタックスブランドとしては
最終のモデルとなります。

ME系といえば例のミラーアップトラブルが有名ですが
今回、お預かりしているMEは
軽快にシャッターは動作しておりミラー駆動部に今のところ
問題はないようです。
しかし、シャッターは切れているものの
露出計は全く動作していません。
電池を新しいものにしてシャッター半押しにしても
全くLEDが点灯しない状況です。

最初に疑うのはやはり電池室なのですが
電池室側から見ると特に問題はないようです。
何はともあれ。。。と電池室の裏が確認できることまで
まずは分解します。
あ、その前に上カバーを外したところで
電池室から基板にハンダ付けされている
リード線をあたって電圧がきているかどうかを確認します。
結果は。。。やは全く電圧がきていませんでした。

写真にも電池室に繋がる赤リード線が見えていますが
緑青がしっかり発生しています。
ピンセットで軽く触るだけでポロッと取れてしまいました。
さらに問題なのがミラーボックス下接点及び
基板ソケット部が緑青だらけです。
これでは電源が入ってもシャッター制御は
まともに働きそうにありません。
(実際、試しに仮組みして作動させてみたところ
露出計は動作しましたが
露出計の値に全く関係なく
全て1/1000で切れる現象が発生しました。
マグネットによるシャッター制御が全く働いていないようです)

接点及びソケット部、場合によっては基板交換が必要かもしれません。
それなりの重作業になりそうです。。。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「洋服記念日」だそうですよ。
洋服。。。というか
たまには仕立ての良いスーツでも着て
出かけたいですねぇ~
サラリーマン時代は当たり前ですが
毎日スーツを着て会社に行って
ちょっと懐が潤うと少し上等なスーツとネクタイを
喜んで買いに行ったものでしたが
この仕事になってからすっかり縁遠くなってしまいました(笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
以前にも書きましたが
私のところには「FM」はあまり修理に入らないのに
「FE」は修理依頼が妙に多いのですよね。。。
いや、「FE」が壊れやすいってことではないですよ。
ニコン機らしく堅牢にできていて
電子制御シャッターではありますが
基板関係のトラブルは非常に少ないカメラです。
個人的にはFEの指針式の露出計は非常に良いと思います。
指針を2本使い、現在のSSも確認しやすく
現在の露出が露出計と指示する値と
どのくらい違うか一瞬で判断できる優れものです。
もちろんファインダー内で絞り値も確認できます。

今回、お預かりのFEは
一通り動作はしているのですが
かなり長い間使っていないとのことで
各部点検整備一式のご依頼でお受けいたしました。
動作はしているものの
電池室には緑青が見られ
測定機で測ってみると
露出計の表示は良いのですが
オート露出がかなりアンダー目になってしまっています。
シャッタースピードも高速域で少々不安定です。

フィルム室もそうですが
ニコンFE/FMではおなじみの接眼レンズ下の
座布団のようなモルトも既にボロボロになっています。
電池室からの配線の状態もかなり心配なので
これから分解を進めて各部点検整備一式を行います。

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リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「麺の日」だそうですよ。
うどん・そば・ラーメン・パスタ。。。全部大好物ですが
一番好きなのは「うどん」
でも残念ながらこっち(関東)のうどんつゆには
どうにも馴染めなくてあまり食べることはありません。。。
讃岐うどんのお店もたくさんありますが
あれはあの独特のコシの強さがちょっと苦手です。
(なんとまぁわがままな。。。(笑))
幼い頃から慣れ親しんだ「呉の細うどん」が
本当に大好物なのですがなかなか食べる機会がないですねぇ。。。
これを食べるためだけに呉に出かけたいほどです(笑)

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスといえばプレスボディのタイプを
思い浮かべる方も多いとは思いますが
今回の「ニューダイヤ」はダイキャストボディのモデルです。
左右に伸びたシーソー式のピントレバーが特徴ですね。
発売は1956年。プレスボディのリコーフレックスほどではないですが
このニューダイヤシリーズもかなり売れたカメラです。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
リコナー銘の80mmF3.5レンズを搭載するモデルです。
シャッターはシチズンMXVです。
同じニューダイヤでもセイコーシャのシャッターを搭載するものや
レンズがリケノン銘のものが存在します。
今回、お預かりすることになった一番大きな問題は
「シャッター羽根の固着」です。
シャッターを切ると動作音はするのですが
羽根はぴくりとも動きません。
よくよく見てみると油シミらしきものも見えるので
羽根が固着してしまっていることがわかります。
二眼レフだけではなくレンズシャッター機全般に
よくあるトラブルです。

まだ貼り革とカバーを外しただけですが
これからシャッターユニットを降ろします。
油や汚れによる羽根固着は
まずは羽根をしっかり洗浄することから始めます。
加えて当然シャッターユニットの整備も並行して行います。
今回はスローガバナも固着気味でしたので
シャッターユニット内の清掃・注油で対処していきます。

さらにヘリコイド部の整備・調整、巻上・巻止部の整備調整
レンズ清掃、ファインダー清掃と続きます。
二眼レフでは毎度のことですが
ファインダー下のミラーはやはり劣化してしまっているので
新しいものに交換いたします。

今回のニューダイヤはあちらこちらに固着や
動きの渋いところが見られるものの
もともとの程度はかなり良いほうです。
非常に使い心地の良い1台になると思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
もう最近は井戸を見かけることなんて
めったになくなりましたが
私が子供の頃は近所に普通に井戸がありました。
(既にほとんど使われてはいませんでしたが。。。)
ずーっと下のほうに水面が見えて
子供心にちょっと怖いのですが
近くを通るたびに覗き込んでいましたねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
現在でも人気の高い軽量コンパクトな
機械制御シャッター搭載の一眼レフカメラです。
発売開始は1972年ですが
以前にもここで書きましたが当初のモデル名は「M-1」でした。
翌年1973年に「OM-1」と改名され
約7年間生産されました。
ロングセラーモデルでもあるため
途中、何回か小変更が行われています。
今回、お預かりしているOM-1は
モータードライブ対応の底カバーが最初から装備された
いわゆる「MDモデル」です。

発売から45年が経過し
基本的には丈夫にできているOM-1とはいえ
さすがに定期的なメンテナンスは必要です。
お預かりしているOM-1も
シャッターは動作していますが
1/1000は実際は1/500も出ていない状態です。
加えて露出計は電池を入れても全く動きません。

OM-1といえば定番のプリズム腐食も有名ですが
今回はプリズム上のモルトがベタベタに劣化していたにも関わらず
プリズムには全く問題がありませんでした。
内部の蒸着はもちろん、外側にも全く腐食のない状態です。
これはかなり幸運な例で通常はこれだけモルトが
劣化していると腐食が出ておかしくないのですが
保管状況が比較的良かったのでしょうか。。。

シャッタースピードの不良は最終的には
テンション調整で微調整しますが
幕軸の清掃を行うことでほぼ正しい値がでるようになりました。
やはり長年の汚れが動きを悪くしているのですね。
露出計は電池室側から見るとキレイだったのですが
裏側ではハンダ付けが腐食していて断線していました。
リード線そのものも腐食が進んでいたので
電池室から上部SW部までのリード線は交換で対応します。

巻上も少々重めだったものが
OM-1らしい上品な軽さに改善されました。
まだまだ途中ですが
一通り整備は施したのであとは細かい調整を行っていきます。

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マミヤ35Ⅲのカメラ修理

今日は11月9日ということで
「119番の日」だそうです。
火事にしても救急車にしても
お世話になることのないようにしたいものですね。
救急車は過去2回、乗せられたことがありますが
結果的にどちらもたいしたことにはならずにすみました。
健康と火の元にはくれぐれも注意しましょう。

さてさて

本日は「マミヤ35Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
マミヤ35シリーズも種類がいろいろあり
なおかつ初期のものはモデル名の刻印がないことから
なかなか判別の難しいカメラです。
今回、お預かりしているものは「Ⅲ」だと思われます。
このモデルから巻上がノブからレバーになりました。
搭載レンズは50mmF2.8のものと
48mmF2のものが存在しますが
今回は50mmF2.8搭載機です。
発売開始は1957年、
搭載されるシャッターはセイコーシャMXLです。

この時代のレンズ固定式レンジファインダーカメラとしては
標準的なスペックですが
メッキ部品がふんだんに使われ
レトロ感満載で良い雰囲気を出しているカメラです。
セコールレンズはもちろん良く写り
なかなか魅力的なカメラです。

お預かりしたマミヤ35Ⅲは
まずピントリングが非常に重い状態です。
回せなくもないですが
とても普通にピント合わせできる状態ではございません。
他、シャッター羽根にも少し粘りが見られます。
ファインダー二重像は縦横両方ズレてしまっています。

レンズボードは貼り皮を剥がす必要もなく
上カバーすらも開けることなくネジ4本で簡単に分離できます。
まずはシャッター及びレンズ周りの整備から取り掛かります。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「八ヶ岳の日」ということですよ。
八ヶ岳は山梨県と長野県にまたがる
主稜線は南北に30km、
裾野の広さは東西に15kmに拡がる
日本アルプスに続く山脈のひとつです。
峻険な山々がそびえたつ南八ヶ岳
ひかくてき穏やかな山々の続く北八ヶ岳に
分けて語られることが多いです。
最近、ご無沙汰ですが
最高峰の赤岳や横岳、天狗岳等々
また行ってみたい山がたくさんあるエリアです。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」のキャッチフレーズで一世を風靡した
AE露出のコンパクトカメラです。
非常に持ち歩きやすい軽量コンパクトさと使いやすさ
ヘキサノン38mmF2.8の写りの良さ等々で
今でも人気が高く愛用されている方も多いカメラです。
爆発的に売れたカメラなので
現存している個体数も多く、手に入れやすいカメラでもあります。

今回お預かりしているC35もそうですが
C35は裏蓋の遮光のかなりの部分をモルトに頼っています。
そのため裏蓋部分には相当のモルトが使われていますが
これが劣化して全てボロボロです。
加えてこれもC35でよく見られるトラブルですが
シャッター羽根を駆動する羽根車の動きが悪くなっていて
シャッターを切ったときにゆっくりとしか閉じません。
これでは全ての写真が露出オーバーになってしまいます。
レンズシャッター機で同様のトラブルが起きると
シャッター羽根そのものの油付着等による
粘りを予想するのですが
C35の場合は羽根自体が汚れているものは少なく
羽根車が固着気味の場合がほとんどです。

露出計不動の個体も多いのですが
今回はそこは大丈夫でした。
不動の場合のほとんどの原因は
電池室裏のハンダ付け腐食による断線がほとんどです。
腐食は電池室裏にとどまらず
リードを伝ってCDS部の端子にも拡がることが多いです。

露出計は動くのですが
当時の使用電池は現在のLR44(SR44)と
ほぼ同じ大きさの水銀電池、MR-44(H-C)を使用します。
大きさがそのままですのでLR44を入れても
もちろん動作しますが電圧の関係で1.5段ほど
アンダー目に露出計は動きます。
C35のシャッターは機械式ですが
露出計の針を挟み込むタイプのオート制御なので
オートも-1.5段で動作してしまいます。
今回は普通にLR44で適正に動作するように調整します。

その後、チェックしていてわかったのですが
露出計は電圧分の調整だけで良いかと思っていたら
CDSが劣化しているようで光がなくても
振れてしまうようです。
(光がなくても抵抗値が上がってくれない状態)
中古良品から移植して対応いたします。
まずはシャッター周りから整備に取り掛かります。

ミノルタXEのカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
思えば19歳で一人暮らしを始めてから
何度か実家に戻って仮住まいの時期はあったものの
ずーっとアパートで一人暮らしなんですよね。。。
気ままな生活にどっぷり慣れてしまってます。。。
そういえば一番最初に一人暮らしした
4畳半一間のアパートは今考えれば
すさまじくボロかったなぁ。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1974年。
前年にはXシリーズの幕開けとなる
「X-1」がデビューしていますが
中級機としてはこの「XE」がミノルタ初の
電子制御シャッター搭載のAEとなりますね。
以前にも何度か書きましたが
その巻上の滑らかさは非常に魅力です。

巻上だけでなく、ふんわり動作する指針式の露出計
上品なシャッター音、大柄ですが端正なスタイリング
魅力は多いカメラですが
正直、トラブルも少々多いカメラでもあります。

今回、お預かりしているXEもそうなのですが
たまに巻上げがひっかかったような感じになり
巻上ができなくなるものがあります。
(大抵の場合はすぐ復帰するのですが)
巻上ロックが上手く外れないことが原因です。
他、XEをお持ちの方ならご存知の方も多いとは思いますが
現存しているXEの8割以上がダメなのではないかと思われる
定番のプリズム腐食
露出計が基本的に振り切ったままになる
X・B以外のシャッタースピードでミラーアップしてしまう
(今回の個体は毎回ではなく何度かに1回ミラーアップしてしまう)

場合によっては電子基板内の問題で修理不能のこともあります。

今回は何とか全ての症状に対応することができました。

外装はもともとキレイだったので
非常にコンディションの良い個体になったと思います。
私も個人的に好きなカメラで
ブラック・シルバーそれぞれ持っていますが
最近はシルバーが非常に美しく見えてしまい
持ち出すこともシルバーのほうが多いです。
もちろんブラックもカッコ良いのですが。。。

多少、トラブルの多いカメラですが
快調に動作している個体は非常に使い心地の良いカメラです。
この「使い心地が良い」という点は
ミノルタのカメラ全般に当てはまるような気がします。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「縁結びの日」らしいですよ。
良いご縁はないまま、こんな歳になっちゃいましたねぇ(笑)
いや、良いご縁は何度もあったのだけど
自分で逃がしてきちゃったんでしょうねぇ。。。

さてさて

今日はペンタックスMEのカメラ修理を行っています。
1976年発売の絞り優先AE専用機です。
セイコーMFC-Eシャッターを採用し
ファインダー内表示もLEDとなり
当時の最先端技術で作られたカメラです。
前身のKシリーズと比べても
格段に軽量コンパクトとなりました。
当店でも修理依頼の多いカメラですね。

ME系といえば
ミラー駆動部のブッシュ溶解が原因の
ミラーアップや巻上トラブルの多いカメラですが
今回、お預かりしているMEはその辺りは
なかなか快調です。
しかしながら、電池を入れても露出計が
全く反応しません。
電池室は一見キレイなのですが
よく観察してみると緑青がわずかに見られます。
分解してみると予想通り
電池室裏のハンダ部分で腐食のため断線していました。

電池室からのリード線内部も腐食しているため
この部分の線は張替えを行いました。
この時代の電池はたとえ液漏れを起こさなくても
電池から発生するガスの影響で
金属部分に腐食を起こします。
予防のため電池室フタには大抵の場合
ガス抜きの穴が開けられているのですが
それでも長期間入れっぱなしだと
確実に腐食が発生します。
しばらく使わないときはやはり電池は抜かなくてはダメですね。

MEでよくあるミラー駆動部のトラブルや
シャッターユニット内のトラブルを予防するためにも
同時に各部の整備を行います。
基本的には丈夫なカメラなので
これで当分、安心して使える状態になると思います。

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