日別アーカイブ: 2018年8月23日

ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
暑さが峠を越えて後退し始める頃、ということですが
今日も全国的に暑そうです。。。
台風襲来の特異日ともされているようで
そのとおりに今日は西日本は台風の影響を受けそうですね。
個人的には1年で一番好きな時期は晩秋なので
早く涼しくなってくれないかなぁ。。。と
毎朝、照りつける日差しを見ながら思っています。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
エレクトロ35シリーズは1966年の初代発売開始から
おおよそ10年、色々なモデルを生み出しながら
販売され続けたシリーズです。
電子制御式レンズシャッターを搭載したレンズ固定式の
絞り優先AE機という共通点はあるものの
年々進化し続けてシリーズ後半には随分コンパクトになりました。
そんなエレクトロ35シリーズの中で
唯一の35mm広角レンズを搭載するのが
今回のエレクトロ35CCと後継機主のCCNです。
CCNはマイナーチェンジモデルなのでほぼCCと共通です。
レンズ固定式のレンジファインダー機には
40mm~50mmのレンズを搭載したものがとても多いのですが
もうちょっとワイドなほうが使いやすいのになぁ。。。と思うことも
多々あると思います。
個人的にもやはり35mmあたりが非常に使いやすいとは思いますが
コスト等の関係もありなかなかレンズ固定式のレンズで
広角レンズ搭載のモデルは少ないですね。
その上、目測式ではなく距離計を搭載しているとなれば
私の知っている中では
このカメラくらいしかないのではないかと思います。

CCに搭載される35mmレンズは大口径のF1.8です。
35mmF1.8レンズなんて現在でも高級レンズだと思いますが
この時代であれば(1970年発売)尚のことです。
2枚羽根絞りで絞り形状が独特なため
ボケを楽しむレンズというよりは薄暗いところでも
シャッタースピードの確保ができるというほうが大きいと思います。
ボディカラーはブラックのみの設定で
適度なコンパクトさも合わせて非常に凝縮感もあり
デザイン的にも非常に魅力的な1台です。

お預かりしているエレクトロ35CCは
何の気なしにピントリングを回してみると
最初は普通に滑らかに回っていたのですが
突然2mあたりから無限遠までが回らなくなりました。
何度か確認しているとたまに最後まで
キレイに回るのですがまたすぐに回らなくなるの繰り返しです。
ヘリコイドグリスがどうこうという問題ではなく
何かが引っかかってしまっているのではないかと思われます。
加えてオート露出の制御が上手くいってないようで
全体的にかなりアンダー目な上に非常に不安定です。

ピントリングが回らなくなるトラブルは
やはり鏡胴の部品が一部外れていて
それが引っかかっていました。
原因がわかれば何でもないことなのですが
ここに辿りつくまでに結構苦労しました(笑)
オートの不良は接点の汚れ等が原因のようです。
電子制御シャッターなので
正しい電圧が各基板に送られることが正常動作の基本です。
接点清掃やハンダ付けをやり直すことで
オートの数値も安定してきました。
エレクトロ35シリーズのファインダーは
ほぼどのモデルも青みが強く
少々薄暗いイメージです。
これは元々の仕様なのですが
こちらもできる限り清掃を行った上で
距離計の調整等も行っていきます。

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