月別アーカイブ: 2018年11月

キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日はもちろん「文化の日」ですが
「レコードの日」でもあるのですよ。
私が子供の頃はまだCDはなくて
音楽を聴くのはもっぱらレコードとカセットテープでした。
CDに切り替わっていったのは高校生くらいの頃だったかな。。。
中学生の頃に買ったレコードは
未だに持っていますしたまに聴いています。
欲しかったけど当時買えなかったレコードも
大人になってから結構買い集めました。(お安いですし。。。)
あのLP盤のジャケットを眺めながら
レコードクリーナーの匂いを嗅ぐと
何だか昔のことをいろいろ思い出すのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットシリーズとしては最終モデルにあたるカメラです。
発売は1972年です。
初代の発売から11年余り。。。
シャッタースピード優先AEを搭載しマニュアル露出も可能
明るい大口径のレンズを搭載し
お求め易い価格で高性能。。。というコンセプトは
初代から全く変わっていませんが
随分と軽量コンパクトになりました。

またまた偶然にも
全く別のご依頼者様から
同じ日に立て続けに2台入ってきましたので
一気に2台、整備していこうと思います。
2台共にレンズにカビクモリ、ファインダーにカビ・クモリ
露出計が不動のためオートも不動。。。といったところです。
1台目のほうは絞りも粘り気味です。
キヤノネットは初代からG-Ⅲまで
オート時には巻き上げるまではその前に絞られた状態のままで
巻き上げた時に開放に戻ります。
それでまたレリーズ時に露出計と連動し
絞り込んでいくような構造になっています。
マニュアル時にも絞り込んでいく方には
巻き上げていなくても絞りリングと連動して絞り込んでいきますが
絞りを開けていく方向にリングを回しても
絞りは連動してくれません。
巻き上げた時に絞りリングで設定された絞りにセットされます。
文章で書くとわかりにくいですね(苦笑)
今回の1台目はオート時に巻き上げても
絞り羽根が開放に戻りません。キヤノネットではよく見かけるトラブルです。

キヤノネットG-Ⅲでは定番なのですが
今回の2台もやはりレンズコーティングには
傷みがそれなりに見受けられます。
あまり強くないのかカビが発生すると
清掃してもほぼ間違いなくカビ跡が残ります。
今回はそこまでではありませんが
酷いものになると白濁したようなクモリが発生しているものもあり
どうにも除去できません。
できる限りの清掃で対処いたします。

まずは1台目から。。。これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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マミヤ6オートマットのカメラ修理

今日はキリスト教でいうところの「死者の日」だそうです。
全ての死者の魂のために祈りを捧げる日とのことです。
霊魂が存在するかあの世がどうかとかはおいておいて
(個人的にはないとは思っていますが。。。。)
亡くなった方へ思いを馳せることは
その方との思い出を自分の心の中で
鮮やかに生かすためにもとても大切なことだと思います。
あぁ。。。墓参りくらいは行かなくちゃいけないかなぁ。。。(汗)

さてさて

本日は「マミヤ6オートマット」のカメラ修理を行っています。
国産スプリングカメラ(フォールディングカメラ)も
1950年代に数多くの種類が作られましたが
マミヤ6シリーズはその中でも当時から人気の高いカメラです。
少々独特なのがピント合わせにバックフォーカス方式を
採用しているところです。
ほとんどのカメラはピント合わせの際に
レンズ側を前後に動かしてピント調整を行いますが
マミヤ6はフィルム面を前後に動かし
ピント調整を行います。
そのためピントダイヤルはシャッターボタン側の
背面に配置されています。
今回、ご紹介する「マミヤ6オートマット」は
マミヤ6シリーズの中でも
オートマット(正確にはスタートマーク合わせ方式の
セミオートマット)を搭載し
折りたたみ式カメラとしてはおそらく世界初となる
セルフコッキング(一度の巻上でフィルム巻上と
シャッターチャージを行う)を可能としました。
どれもその後のカメラでは当たり前となる装備ですが
この時代では先進の技術だったわけですね。

お預かりしているマミヤ6オートマットは
その自慢のセルフコッキング機能が動作せず
巻き上げてもシャッターがチャージされません。
蛇腹の下に配置されているリンケージに問題がありそうです。
加えてファインダーにかなりクモリが見受けられます。
装備されているD.ズイコー7.5cmF3.5レンズは
白濁したクモリが発生している個体が多く
そうなるとそれに関しては修理不能なのですが
今回の個体はめずらしくかなり良い状態です。

写真は一通り整備が終わり少し様子見中の状態です。
この後、最終チェックを行い必要があれば微調整を行います。

セルフコッキングのリンケージがもちろん
シャッター羽根、絞り羽根の洗浄、シャッターユニットの整備
ピント調整、ファインダー清掃、距離計調整等々を行い
非常に快調に動作するようになりました。

スプリングカメラ、私も以前から1台欲しいのです。
ヤマリマミヤ6がかなり魅力的ですね。
これでもう少し広角ならば山カメラとしても文句ないのですが。。。
構造上、標準レンズしか無理なのですよね。。。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「本格焼酎の日」だそうですよ。
ここでいう「本格焼酎」というのは「焼酎乙類」のことですね。
焼酎には大きく分けて
「連続式蒸留焼酎」(焼酎甲類)と
「単式蒸留焼酎」(焼酎乙類)にわけられるのですが
甲乙と表現すると乙のほうが甲より劣ると誤解されかれないため
乙類のほうを「本格焼酎」と呼ぶようになったそうです。
個人的には「乙類」のほうが焼酎として飲むには
味わい深くてよいですね。
甲類となると焼酎単体というより
チューハイや梅酒のベース。。。といった印象があります。
いわゆる麦焼酎、芋焼酎、黒糖焼酎は基本的に乙類です。
泡盛も乙類に分類されるのですね。
ロックで飲むのが基本だと思っていますが
お湯割が美味しい季節になりましたね。。。
今夜は芋焼酎お湯割でいこうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系も毎月、何台かは依頼のあるカメラです。
いわゆる中級機としてのポジションで
ニコマートというブランド名を与えられたモデルですが
まだまだカメラは嗜好品の時代です。
中級機と言えども効果ですし
この時代のニコンのカメラですから非常に丈夫に造られています。
さらに組み合わされるコパルスクエアシャッターが
非常にタフなシャッターで
「動かない」という状況になりにくいシャッターです。
。。。とはいえ、以前も他のカメラのブログで書きましたが
動きにくい状況の中、必死で動いている。。。という状態の個体が
多いのも事実です。
やはり発売から50年近く経過するカメラですから
どこかで一度きちんと整備をしなくてはならないと思います。

お預かりしているニコマートFTNは
外観の非常にキレイなブラックボディです。
シャッターも露出計もとりあえずは動作していますが
じっくり現状をチェックしてみると。。。

まずはレリーズして実際にシャッターが切れるまで
妙なタイムラグがあります。
「あれ?」と思って動きをよく観察すると
明らかにミラーの動きが遅く
そのため実際にシャッターが動作するまでに
タイムラグができてしまうようです。
シャッタースピードはまずまず精度は出ていますが
羽根に汚れがあるようで妙に幕速が遅いようです。
マートFTNといえば「ガチャガチャ」ですが
「ガチャガチャ」を行ってもレンズの開放F値がセットされません。
これでは露出計も正常に動かないです。
その露出計はマウント部の抵抗に問題があるのか
絞り、SSリングを動かすと非常に不安定になります。
やはり結構、問題は抱えている状態です。

取り掛かったばかりで本格的な分解はこれからです。
後ろに写っているのは同じご依頼者様から
一緒にお預かりしているFTNの後継機「FT2」です。
FTNの後にこちらも整備を行います。
ちなみに「ガチャガチャ」で開放F値がセットされない症状の原因は
大抵の場合、「Nikomat」の銘板裏の部分の動作不良です。
上の写真にも写っていますね。
これからミラー駆動部の動作不良とシャッター周りの整備を行うため
本格的に分解整備に取りかかります。

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