月別アーカイブ: 2019年1月

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は1月7日ということで「松納め」であり
「七草粥の日」でもありますね。
七草粥なんてここ数十年食べた覚えがないですが。。。(笑)
で、その七草を浸した水に爪をつけ
やわらかくしてから爪切りをすると
その年は風邪をひかないといわれています。
だから今日は「爪切りの日」でもあるのですね。
1ねんで最初に爪を切る日だそうです。
それとは全く関係なく調べる前に偶然にも
爪切りをしていました(笑)
まぁほっといても風邪はひかないから大丈夫かな。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
毎月1台か2台は必ず修理しているOM-1ですが
2019年最初のOM-1ですね。
今年もよろしくお願いいたします(笑)

いうまでもなく軽量コンパクトを売りにした
最初の一眼レフといって良いカメラです。
OMシリーズだけでなく
ペンやオリンパス35シリーズ、XA、等々
オリンパスはコンパクトなカメラを得意とするメーカーです。

OM-1Nは従来のOM-1に
ファインダー内フラッシュ充電完了表示確認
フラッシュ適正発光表示確認が追加されたものです。
(適応フラッシュ装着時のみ)
その他は従来のOM-1と基本的に同じです。
ただ、生産時期にもよるのですが
ON/OFFスイッチ周りの回路・基板が一新されています。
上の写真ではわかりにくいですが
今回の個体もそうですね。
スローが固着気味なこと以外は精度はともかく
一通り動作してると思われた今回のOM-1Nですが
受付時にかなりオーバー気味ながらも動作していた
露出計が整備前のチェックの段階で全く動きません。。。
どこか断線してしまったのかな。。。と思いながら
他の部分の現状チェックを行い
最後にもう一度、露出計をチェックすると
普通に動作しています。。。
こういう症状が出たり出なかったりするものは困りますね(苦笑)
露出計不動のトラブルで一番最初に疑うのは
電池室周りですが今回はそこに問題はなさそうです。
次にON/OFFスイッチの接触不良を疑いますが
ここもスイッチそのものには問題なさそうです。
動作することもあるのだから露出計本体にも問題はなさそうです。
いろいろテスターを使って調べていると
どうも基板周りのハンダ付けに問題があるようです。
一見キレイにハンダ付けされているように見えるのですが
劣化で導通が悪くなっているようです。

何とか原因が把握できたので
シャッター周り、ミラー駆動部、巻上部等々の整備を行い
組み上げる段階で再度露出計の整備も行っていきます。

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カロフレックスのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小寒」ですね。
小寒から節分まではいわゆる「寒の内」で
最も寒くなる季節ということです。
小寒から「寒中見舞い」を出す時期でもありますね。
お店にいると下がコンクリートで底冷えする上に
入り口の隙間から冷気は入ってくるし
エアコンつけていても1日中「寒いなぁ。。。」と思いながら
仕事しています(苦笑)
毎年、何か対策しなくちゃ。。。と思いつつも
我慢してやり過ごしています。。。
帰りは銭湯で暖まって帰ることにしましょう!

さてさて

本日は「カロフレックス」のカメラ修理を行っています。
コルゲンコーワやキャベジン等で有名なコーワの
光学部門で作っていたカメラです。
現在でもプロミナーブランドでレンズの生産・販売を行っています。

この「カロフレックス」、なかなか操作性をよく考えられたカメラです。
ピントリングは巻上クランクと同軸上にあり
巻上とピント合わせは右手だけで行えます。
セルフコッキング+セミオートマットで基本的に使いやすく
フィルムカウンターはありがちな側面ではなく
上部に搭載されており、撮影中に簡単に確認ができます。
シャッタースピードの最高速は1/250で
シャッタースピードレバー、絞りレバー、
両方とも表示にあわせたクリックがきちんとあり
これも非常に使いやすいですね。
(二眼レフで絞り側にもクリックがあるのはめずらしいと思います)
レンズはプリミナー75mmF3.5を搭載します。

お預かりしているカロフレックスは
ピントリングにひっかかりがあり
加えて巻上クランクを回すとピントリングが
勝手に少し動いてしまいます。
シャッターそのものは若干粘りがあるものの
とりあえずは動作している状態です。

ピントリングの引っかかり及び
巻上時に動いていしまう不具合は
巻上レバーの取り付けが悪く
わずかに斜めになっているために
ピントリングに干渉してしまっていたせいでした。
その他、シャッターユニットの整備、
ファインダーミラー交換、ファインダー清掃
ピント調整等々、一通りの整備を行いました。
これで気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

それにしてもこの時代の二眼レフは
どれも高級感ある造りで眺めているだけでも楽しいですね。
特にこのカロフレックスは撮影にも使いやすくて
非常に魅力的ですね。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

お店は本日から通常営業です。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます!

今日は「いちごの日」だそうですよ。
調べる前から「いちご」と「囲碁」は想像していましたが。。。(笑)
でもここでいう「いちご」は
高校受験を控えた15歳の「いちご世代」にエールを送る日なのだそうです。
15歳か。。。戻れるものなら戻りたいですねぇ。。。
できれば記憶だけは今のままで。。。(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オートハーフもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
基本的な構造はどのモデルもほぼ同一ですが
細かくマイナーチェンジも行っているので
様々なモデルが存在します。
「SE」は「オートハーフE」にセルフタイマーがついたモデルですね。

お預かりしているオートハーフSEは
露出計が全く反応していないようです。
露出計不動の場合はファインダー内の警告が
赤のままのことが多いのですが
今回は黄色(グリーン)のままで
光が明らかに足りない状況でも赤になりません。
オートのほうも明るさに関係なく一定のままです。
これはセレンというよりは露出計(電流計)本体が
動いていないのかと予想して
それはそれで正解だったのですが
セレン光電池もほとんど起電していなく
残念ながらこちらもダメでした。

オートハーフのシャッターは
ほんのわずかなバネの力で非常に薄く軽量な羽根を駆動しています。
そのためほんのわずかな汚れで動きが悪くなったり
固着したりします。
今回の羽根の動きはやはり悪く、
シャッターユニットの整備で本来の動きを取り戻すように処置しました。
上の写真は一通り整備が終わった時点での写真で
手前に写っているのは交換した露出計とセレン光電池です。
少し様子見をした後、最終チェックを行い完了となります。

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日から仕事始めの方も多いのでしょうね。
連休明けはなかなかリズムが戻らず大変かと思います。
当店は明日5日から今年の営業を始めます。
まぁ、こうやってブログ更新しているほどだから
そこそこ休み中も仕事はしていますが。。。(苦笑)
今日は1月4日ということで「石の日」だそうです。
この日にお地蔵様、狛犬、墓石など
願いがかけられた石に触れると
願いが叶うといわれています。
願のかかかった石。。。新井薬師で何か触ってくればいいのかな。。。
。。。初詣すら行ってないのに、逆にバチがあたりそうです(笑)

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックス同じモデルの中でも
シャッターユニットが異なっていたり
いろいろとバリエーションがあるのですが
今回、お預かりしているリコフレⅦは
当時の高級シャッターユニット
「セイコーシャラピッド」が搭載されています。
最高速は1/500、低速も1秒まである9速+Bとなっています。
一番シンプルなタイプのリコフレⅦは
シャッタースピードはB・1/20・1/50・1/100のみなので
撮影の幅が全く変わってきます。
Ⅶは基本的にはⅥのボディに透視ファインダーが付いたものなのですが
この時代のカメラはモデル名だけでは
なかなか細かい判断が付きにくくちょっとややこしいですね。

お預かりしているリコフレⅦは
まず、シャッターが切れません。
レンズシャッターによくある羽根固着が原因かと思われましたが
レリーズがスムーズに動くのに
シャッターはうんともすんとも言いません。
リコフレの場合は羽根が粘っていたり固着していたりすれば
レリーズが動かないあるいは重かったりするはずなのですが。。。。
シャッターユニットを分解してみてわかりましたが
一部レンリーズ部品が破損していました。
前のオーナーが羽根固着で動かないところに
無理に動かしてしまったのだと思われます。
毎度のように書きますが
動きが悪いあるいは重いのは
トラブルが起こるサインです。
ここで無理に動作させてしまうと
単なる部品の固着で済んでいたものが
部品の破損へと繋がり場合によっては修理不可能となります。
今回は部品取りから部品を調達し事なきを得ましたが
古いカメラで特に長い間つかっていないものに関しては
慎重な取り扱いをしていただければと思います。

シャッターユニットの修理と整備を行い
レンズ清掃、ピントリングの清掃・グリスアップ
ファインダーミラーの交換等々
一通りの整備を行いました。
非常に軽やかに動作するようになりました。
これであれば気持ちよく撮影にお使いいただけると思います。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「瞳の日」だそうですよ。
私は生まれつき目が小さいので(苦笑)
目が大きくて目力のある人は羨ましいですなぁ。。。
まぁ見た目の問題は今更もういいですが
20歳過ぎくらいからメガネが必要になって
やはり手元の細かい仕事なだけに
目は大切にしなくてはいけませんね。。。
今、使っているメガネもあまり合っていないのです。
本当は遠くの見えやすい通常のメガネと
手元が見えやすい仕事用のメガネと2本必要ですね。
うーん、久しぶりにメガネ屋さん行ってみるか。。。
乱視用レンズが高くって1本4~5万円はかかっちゃうのですが。。。(汗)

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノンAシリーズとしてはAE-1に続く2機種目のモデルで
Aシリーズ最高峰のカメラです。
SS優先AE、絞り優先AE、プログラムAE、
絞込み実絞りAE、ストロボAE、と5モードのオート撮影が可能です。
このあたりは現在の最新のカメラにかなり近いですね。
AE-1の約3倍の電子化を実現していると言われています。
ただし、その高度な電子化のため消費電力は多く
当時から高価な4SR44電池を
仕様状況にもよりますが2、3ヶ月で
使い切ってしまう大食いなカメラでもあります。
キヤノンらしい端正なルックスで
私も子供の頃に「かっこいいカメラだなぁ。。。」と
カタログを眺めていたことを思い出します。

お預かりしている「A-1」は
Aシリーズ全機種お決まりのシャッター鳴きに加え
オートが+2段ほどになってしまっています。
Aシリーズのシャッター鳴きはここでも何度も書いた有名な話ですね。
オートや露出計が妙にオーバー傾向になるのも
A-1では定番です。

Aシリーズ定番のシャッター鳴きは
ミラー駆動部のギアの油切れが原因です。
当然、注油は的確な位置に適量に行う必要があります。
で、早速ミラーボックスを外してみると。。。
。。。油だらけでした。。。(汗)
Aシリーズのシャッター鳴きの対処は
マウントのネジを一本外してそこから行うと
分解しなくてもできるというのも有名な話です。
それを否定するつもりはありませんが
あくまで最終的に注油すべき場所がきちんとわかっていて
そこに適量な注油でなければ新たなトラブルの原因となります。
そういえば少し前に整備を行ったA-1でも
油の差しすぎでミラー動作不良を起こしていた個体もありました。
今回はミラー周りが油まみれな上に
肝心のギアには油が届いていません。。。。
できる限り清掃し余分な油は拭きとって
ピンポイントで注油を行います。
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」ということですね。

一通りの整備を行って
非常に気持ちよくシャッターを切れるようになりました。
A-1はプリズムとスクリーンの間に
まだコンデンサレンズが置かれているカメラで
そのコンデンサレンズに今回もクモリが発生していたのですが
これもキレイに清掃できています。
やはり今見てもカッコ良いカメラですね!

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オリンパスXAのカメラ修理

皆さま、あけましておめでとうございます!
今年も引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

昨日の元日はここ数年何故か恒例になっている
丹沢山歩きに行ってきました。
いつもはヤビツ峠→三ノ塔→塔ノ岳→大倉と
丹沢表尾根の定番ルートを歩くのですが
今年は2週間ほど前にちょっと傷めた足首の痛みが
2時間ほど歩いたところでぶり返してきたので
残念ながら三ノ塔で断念し折り返して帰ってきました。
まぁ、こういうこともありますね。
なかなか今年も山歩きには行けないでしょうが
次回は万全な状態で行きたいと思います!
(ただ。。。この年齢になってくると
万全な状態。。。ということが基本的にないのですよねぇ。。。(苦笑))

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
クラムシェルとも呼ばれていたレンズカバーで
レンズキャップいらず
レンズカバーを閉めていれば
ファインダーも閉じられるので
このタイプのカメラでありがちな
レンズキャップをしたまま撮影してしまうという失敗もありません。
35mm判なのに同社のペンよりも軽量コンパクトな
常に持って歩くには最適なカメラです。
特に今回の初代XAはレンジファインダーもきちんと備えた
絞り優先AE機で現在も非常に人気の高いモデルです。

ただし。。。修理するほうとしてはこのXA、
なかなか手間のかかるカメラです。
電子制御シャッター機でもあるため
電子部品関連のトラブルだと修理不可能な場合もあります。
おまけにファインダー内に表示される
露出計の精度については
CdS劣化のためどうにもならないことも多いです。
(オート露出を決定するCdSは別系統で
こちらは比較的何とか調整できることが多い)

お預かりしているXAはまずシャッターが切れません。
シャッターの切れない原因はいろいろ考えられるのですが
今回はフェザータッチの電子レリーズの汚れが原因です。
これもXAでよくあるトラブルのひとつです。
さらにピントレバーを回してもひっかかりがある上に
どうもレンズが連動していないようです。
XAはピントのためレンズを繰り出す
ヘリコイドが固着することが多いカメラです。
おそらく。。。というかほぼ間違いなく
固着しているピントリングを無理に回してしまったせいで
ピントリングのステーが破損してしまっていました。
ご依頼者様はこのXAを最近手に入れたばかりとのことなので
前のオーナーさんが壊してしまったのだと思われます。
もちろんヘリコイドは
「あぁ。。。これはレバーでは全く動かないだろうな。。。」と思えるほど
ガッチリ固着していました。
どのカメラでもそうですが動かないや動きの重いものは
無理に動かすことは厳禁です。
無理に動作させるとほぼ間違いなくさらに重症なトラブルを引き起こします。

一通りの整備も行って組み立てて最終チェック中です。
表示される露出計はできる限りの調製ですが
実用上問題ないレベルにはなりました。
もちろんオートも十分に精度は出ています。
当たり前ですがシャッターは快調に切れ
ピントレバーもスムーズに動作しています。
手に入れたばかりのXAとのことですが
これで安心して気持ちよく使っていただけると思います。

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