月別アーカイブ: 2019年8月

ローライコードのカメラ修理

今日は8/4ということで「箸の日」、「橋の日」だそうです。
私の箸の持ち方は細かくみるとあまり正しくないとは思われますが
子供の頃は結構、うるさく直されました(汗)
まぁ、左利きなことを最初は直されそうになっていたのですが
私が相当ぐずったため、そこは見逃してもらえて
せめてきちんと箸を持てるように。。。ということで
厳しかったのだと思われます。
おかげで人並みには箸を扱えるくらいにはなっていると思います。
でも「箸を使って食べる」って改めて考えると
やはり綺麗だと思いますし、日本人でよかったなぁ。。。と思います。
フォークやスプーンしかもし使えなかったとしたら
食事の味も随分落ちてしまうような気がします。

さてさて

本日は「ローライコード」のカメラ修理を行っています。
当店は基本的に国産カメラを主に取り扱っていますので
あまり海外製のカメラの修理は行わないのですが
ローライコードあたりであれば、国産二眼レフと構造的には
大差ないので状況によってはお引き受けします。
ローライコードと言ってもいろいろと種類があるのですが
今回は「ローライコードVb」です。
レンズはシュナイダークロイツナッハのクセナー75mmF3.5です。
シャッターユニットはシンクロコンパーで
最高速は1/500です。
フィルム装填はスタートマーク方式のセミオートマットですが
セルフコッキングはなく、シャッターチャージは別に行います。
1962年発売でローライコードとしては最終モデルとなり
完成度が高く現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ローライコードVb」は
まず、シャッターが全く切れません。
今回はレンズシャッターでありがちな羽根固着とも違うようです。
分解してみてわかったのですが
シャッターユニット内のレリーズ部分の固着で
シャッター駆動バネが開放されないことが原因でした。
他、レンズ・ファインダーにカビが多数あり
ファインダーミラーはいつものごとく腐食が激しいため交換です。
レンズボード繰り出し部にも大き目のガタが出ていたので
そのあたりも修正していきます。

写真は一通り整備が終わった時点でのものです。
お預かり時点で相当年季の入った外観でした。
あちこちに発生していたサビや緑青は可能な限り落としましたが
塗装ハゲやキズ、すれた貼り革は基本的にはそのままです。
ローライコードだとこういう年季の入った外観も
味わい深い感じがしていいですね。
でも中身は非常に快調に動作するようになっています。
気持ちよく撮影をお楽しみいただける状態になったと思います。
あとは最終チェックを行って完成となります。

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ニコンFフォトミックTのカメラ修理

今日は「はちみつの日」だそうですよ。
はちみつ、美味しいですよねぇ。。。
去年のこの時期はやたらとハチミツに凝っていて
色んな種類を食べ比べていました。
今はそのときほど買い集めてはいませんが
気に入ったハチミツをヨーグルトにかけては
毎日のようにいただいています。
尖っていない優しい甘さがいいのですよねぇ。。。
そういえば蜂蜜酒って聞くことはあっても
飲んだことはないな。。。今度買ってみようかな。。。

さてさて

今日は「ニコンFフォトミックT」のカメラ修理を行っています。
もはや伝説の「ニコンF」に露出計内蔵のファインダーを
組み合わせたモデルです。
「F」のフォトミックファインダーにも何種類かあって
一番最初の外光式露出計の「フォトミック」
TTL平均測光の「フォトミックT」
TTL中央部重点測光の「フォトミックTn」
開放絞り補正操作(ガチャガチャ)が追加された
「フォトミックFTn」へと進化しています。
少し頭でっかちなデザインは好みの分かれる部分だとは思いますが
見慣れるとこれがなかなかかわいらしく見えてくるから不思議です。
余談ですが今は亡きうちのじいさんが持っていた「F」は
ブラックアイレベルとシルバーのフォトミックTでした。
今でももちろん持っていますが
フォトミックのファインダーを覗くと
当時、教えてもらいながらおそるおそる撮影してた幼少期を思い出します。

お預かりしている「FフォトミックT」ですが
随分長い間仕舞いこまれていたようです。
ケースもカビだらけでレンズもかなりカビが発生しています。
ボディ本体もシャッターも切れない状態で
もちろん露出計も電池を入れても全く動きません。
さらにスクリーンの入れ方が間違っている状態で
フォトミックファインダーを無理やり押しこんでいるらしく
フォトミックファインダーがボディから外れません。
根本的にどこかが破損。。。というのはなさそうですが
とにかく全ての動きが悪い状態なので
これはなかなか苦労しそうです。

シャッターが切れない原因は
スローガバナーとのリンク部分の固着が原因でした。
露出計は電池室接点、配線共に腐食のため
全く導通せず、さらに電池室裏の端子プレート部の腐食のため
こちらはショートしてしまっている状態でした。
文章で書くと短いですがこのあたりはなかなか大変でした。
不幸中の幸いは「Fフォトミック系」であれば
毎度心配される摺導抵抗の抵抗体の剥がれとかはなく
電気がきちんと通るようにしてやれば
問題なく動作するようになりました。
少し話がずれますが、Fフォトミックの露出計ないには
大きなリング状の摺導抵抗があり
これに抵抗体が塗られていて
そこをブラシがSSや絞りに連動して動くことによって
露出計を動作しているのですが
この摺導抵抗の抵抗体が剥がれ落ちている場合は
残念ながら修復不可能です。
露出計指針が飛び跳ねるような動きを見せているものや
ほぼ振り切ったままになってしあうような場合は
抵抗体剥がれの可能性が高いと思われます。

付属の35mmF2.8と85mmF1.8の2本のレンズも
相当にカビが酷くなかなか苦労しましたが
実用上問題のないレベルにはキレイになったと思います。
もちろんヘリコイドも非常にスムーズです。
おそらく何十年ぶりかのお目覚めだとは思うのですが
現代の風景や街並みを昔と同じように
鋭く切り取っていただけると思います。

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フジカ35-EEのカメラ修理

今日は「カレーうどんの日」だそうですよ。
カレーうどん。。。言われてみれば随分長いこと
食べてないような気がします。
そういえば20代前半の頃に
広島・呉で展開しているうどんチェーン店
「ちから」のカレーうどんがやたら美味しくて
頻繁に食べていました。
今度、呉に帰ったときにヒサビサに食べてみるかな。。。
あ、でも「一心」の細うどんは必ず食べないといけないし。。。
今度、帰ったときにはうどん三昧になるかも。。。(汗)
まぁ、こっちでうどん食べることはまずないので
そのときくらいいいか。。。(笑)

さてさて

本日は「フジカ35-EE」のカメラ修理を行います。
「富士フイルムのカメラ」ということで
フィルムカメラ時代は「フジカ」のブランド名が使われていました。
現代のデジタルも「フジカ」でも良いと思いますが
今更戻れないですよね。。。
ライカ判(135フィルム・35mm判)でフジカ初のカメラは
レンズ固定式レンズシャッター機の「フジカ35M」が最初ですが
今回の「35-EE」はその流れを汲んだカメラです。
底面にある巻上レバー、上カバー横に配置された
巻戻しクランク、上カバー背面のギアを回すピント調整等々
当時の常識を打ち破った操作系は
「35M」同様に「35-EE」にも受け継がれています。
「35-EE」はさらにセレン式の露出計を装備して
それを利用したシャッタスピード優先EEを搭載します。
もちろんマニュアル撮影でも撮影可能です。
レンズシャッター機ですが1/1000のシャッタースピードがあることも
大きな特徴といってよいと思います。

セレン光電池を利用したシャッタースピード優先オート機ということで
セレンが劣化しているとどうにもならない可能性もあるのですが
今回はセレンは元気良く起電しているようです。
レリーズボタンを押すとシャッターは軽快なシャッター音と共に切れますが
たまに開いていない場合があるようです。
それよりも問題なのは絞り羽根が最小絞りで固着したまま
オートでもマニュアルでも全く動きません。
さらにシャッタースピードリングは1/30以下に回りません。
絞り羽根やスローガバナ、色んなところが固着しているものと思われます。

それでも1961年発売のカメラでかなり長い間
使われれずに仕舞いこまれたカメラだということを考えると
状態は悪くないと思います。
さすがにあちこち固着があってこのままでは全く使えませんが
きちんと整備すれば快適に使える状態になると思われます。
フジカのカメラというとある程度の時期移以降のものは
多少華奢な部分が多かったりするイメージなのですが
この時代の35シリーズはしっかりコストのかかった
頑丈な作りをしています。
レンジファインダーもプリズムを使用した高級なものです。
無骨なデザインはちょっと好みが別れるところかもしれませんが
非常に良いカメラだと思います。
まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日から8月、夏真っ盛りですね。
8/1は「水の日」だそうです。
8月は水の使用量が最も多い月なのだそうです。
その月の初めに節水を呼びかける意味で「水の日」となっているそうです。
水道水の使用量は確かに多そうですが
それ以外にも海とか川とか水に関わるレジャーも多いものですね。
海とかプールとかもう何年行ってないかな(苦笑)
何も考えずに日差しの下で水に浮かんでるのって
本当に気持ちよいですものねぇ。。。。
とは言いながら今年も夏は室内に引きこもります(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
「EES」シリーズはピント固定式の「EE」シリーズの派生型で
ピントをゾーンフォーカスに変更したものです。
固定焦点的に使うこともでき、ピントが不安なシチュエーションでは
目測とはいえある程度ピント合わせができる
ゾーンフォーカスはやはり撮影の幅が広がると思います。
最初の「EES」は「ペンEE」がベースになっており
今回の「EES-2」は「EE-2」がベースになっています。
初代、EES(EE)と比べると
裏蓋が蝶番式になり、ホットシューも装備されました。
フィルムカウンターも自動復元式になり
ASA(ISO)400の高感度フィルム対応となりました。
実用的な部分が格段に進歩したわけですね。
基本的な構造はほぼ変わっておらず
ペンEE系の見た目の特徴でもあるレンズ周りに
セレンを配置したデザインもほぼ共通です。
EE-3になると貼り革が黒になってしまいますが
個人的に「ペンEEらしい」と思っているグリーンがかった
ベージュ色の貼り皮も健在です。
シャッタースピードは1/30・1/250の2速で
これを指針挟み込み式のプログラムAEで
絞りと連動してコントロールします。
電池要らずで気軽に撮れるハーフカメラとして
非常に完成度の高いカメラだと思います。

お預かりしている「ペンEES-2」は
シャッターが全く切れず巻上もできません。
ご依頼者様は3、4年前からこのカメラを使っており
突然この状態になってしまったのだそうです。
落下させてしまったということもないようです。
受付時に拝見させてもらっていると
レンズユニット部がグラグラにガタついています。
シャッター部を含むレンズボード部は
フィルム室側からネジ4本で取り付けられますが
そこに緩みはないようです。
感覚としてシャッターユニット部のネジが外れてしまっている感じです。
。。。となると。。。シャッターが切れない原因は
多分、外れたネジがどこかに挟まってしまっている可能性が高いと思われます。
ペンEE系はいつのまにかネジが緩んで外れ
そのネジが様々な箇所に挟まって
トラブルを引き起こすことの多いカメラです。
今回もおそらくそのような原因かと思われます。

まだ現状を確認している段階なのですが
とりあえずシャッターも切れないので
露出計やオートがどうとも言えない状態です。
分解していかないと動きがどうなのかもわからない状況です。
それではこれから本格的に分解整備に取り掛かります。
ペンEE2とかEES-2は使い勝手も良く
見た目も適度にレトロで良いですよねぇ
昔から定期的欲しくなるカメラのひとつです。

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