月別アーカイブ: 2024年5月

ワゴーフレックスのカメラ修理

今日は5/10でキリが良い日でもあり
語呂合わせも含めていろんな記念日が制定されています。
そんな中、「街区表示板の日」なんてのがありますね。
1962(昭和37)年のこの日に
「住居表示に関する法律」が施行されたことに由来しています。
街区表示板とは、住居表示を実施している地域に設置されている
街区(所在地;「○○町○○丁目」など)が記載された
細長いプレートのことです。
主に電信柱や建物の壁面などに付けられていますね。
「住居表示に関する法律」により
住居表示を実施している地方自治体(市区町村)において
設置が義務づけられたのだそうです。
サイズや表示板の色は地域によって異なるらしいのですが
あれですよね?濃い緑色の細長いプレートに
白字で街区が掛かれているモノですよね。
今は歩いててもスマホで道案内してもらえる時代ですが
昔は地図と街区表示板を見比べながら
行きたいところを探し回ることも多かったですねぇ
(仕事でもプライベートでも)
そういえば小学校の頃に街区表示板と学校の友達の家の住所だけが
書かれたメモをみて家を探しあてて遊びに行くなんてことも
よくやっていました。
ちょっとアドベンチャーぽくって楽しいのです!
ただ、いつ着くか全く読めなくて待っている友達は困ったでしょうね…(笑
いわゆる三段番地(〇丁目〇ー〇)だと難易度は高くないのですが
田舎に良くある区画整理されていない旧来の4桁番地(xx町9999)だと
これがまた辿り着けないのです…
結局その辺にいる人に聞いたりしていましたが…懐かしいですね。

さてさて

本日は「ワゴーフレックス」のカメラ修理を行っています。
フィルターやアクセサリー類の販売で大手だった
「ワルツ商会」が製造していた二眼レフです。
資料がほとんどなくあまりはっきりしないのですが
おそらく1952年発売のカメラだと思われます。
後に「ワルツフレックス」という二眼レフも発売しています。
いわゆる赤窓式のシンプルな二眼レフです。
シャッターユニットはコパル製で
B・1s~1/300をカバーします。
今回の個体は日東光学のコミナー7.5cmF3.5レンズを搭載します。

この「ワゴーフレックス」当時使用のグリスの問題なのか
構造上の問題なのかほぼ全ての個体でピントノブの軸が
固着しています。もちろん今回もそうです。
そしてその固着具合が強力な接着剤でも付けたのか?というほど
強烈に固着してるものが多いのです。
今までの経験上、救済率はほぼ5割…半分の個体は固着を解消できませんでした。
あまり力任せにしても今度は軸自体を破損するだけなので
今回も時間を変えていろいろやってみます。
あまりにもどうにもできなかったら残念ながら修理不能です。

まだ現状を確認しただけでこれから本格的に
修理に取り掛かります。
何はともあれピントノブの固着解消から始めます。
全体的には非常にキレイな個体です。
レンズにもカビはそれなりにありますが
清掃すれば十分にクリアになりそうです。
シャッターも粘りもなく快調に切れていますが
さすがにスローガバナは固着しています。
問題のピントノブは以前に無理に動かそうとしたのでしょうが
クルクルと空回りしてる状態です。
表示上の無限遠を超えてクルクるまわるので
ストッパーのピンも折れていると思われます。
こればかりは焦っても仕方ないので
時間をかけてじっくりと取り組みます。
おそらく今日のうちに改善は無理かと思います。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
東京アイスクリーム協会(現:一般社団法人・日本アイスクリーム協会)が
1965年(昭和40年)に制定しています。
1964年(昭和39年)アイスクリームのシーズンが始まる
連休明けの時期である5月9日を「アイスクリームデー」と決め
東京アイスクリーム協会が記念事業を開催し
都内の施設や病院などにアイスクリームをプレゼントしたのだそうです。
昨日今日と都内は少し肌寒いですが
GWあたりになると天気が良ければ初夏の陽射しですし
アイスが美味しい季節になってきますよね!
甘いもの好きの私は真冬でも結構食べますが…(苦笑)
外が寒くても部屋を暖かくして食べるアイスは美味しいですし
もはや一年中アイスは美味しく楽しめますね。
ちょっと高級で濃厚な本格派アイスも美味しいですし
コンビニやスーパーでお手軽な値段で食べられる
昔ながらのラクトアイスやアイスキャンディーも美味しいです!
この記念日がなくても買いますが
今日は夕食のデザートは間違いなくアイスで決まりです!
どれにしようかスーパーで悩んできます!(笑

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
当店でも修理依頼の多い「じゃーに~コニカ」の愛称でお馴染みの
コンパクトカメラです。
発売開始は1968年です。
ハーフカメラ並みのコンパクトボディに
露出プログラムオートで距離計搭載
操作も簡単でヘキサノン38mmF2.8レンズの写りも秀逸
価格もお手頃、ということで大ヒットしたカメラです。
このカメラ登場後、レンズ一体型のレンズシャッター機の
小型化が一気に進みました。
各社からC35対抗モデルも発売されましたが
それでもC35の大ヒットは止まらず
1980年代までC35シリーズはモデルチェンジされながら
コニカの主力製品となっていきます。
当店で取り扱うのは「C35EF」より前の70年代前半までの
モデルだけですが
それでも現在でも根強い人気があり修理依頼も多いモデルです。
基本的にはそれほどコストの掛けられないクラスのカメラなので
劣化する部品も多くまた新品時から比較的お手頃価格ということで
雑な扱いをされている個体も多く状態は本当に千差万別です。
発売当時は水銀電池だったため
電池入れっぱなしで電池室や配線にダメージを負った個体も
非常に多い印象です。

お預かりしている「C35」も露出計は電池を入れても全く動きません。
電池室を見るとマイナス側の端子はグラグラで
支えている基部が破損していると思われます。
ここは樹脂部品で支えているのでやはり経年劣化で
破損パターンは多いです。ただ構造はシンプルなので
いろいろな手段で修復は可能です。
シャッター羽根はこれも定番でゆっくりとしか動かず
シャッターを切ってしばらくしても羽根は少し開いたままで
忘れた頃に閉じるような状態です。
C35の場合はレンズシャッター機でよくある羽根自体の汚れでの
粘りとかではなく駆動する円盤部の粘りよる動作不良です。
いずれにしても汚れや古い油脂類が原因です。

ファインダーやレンズも汚れやカビがそれなりにあり
大量に貼られたフィルム室のモルトももちろん全滅です。
それでも構造がシンプルでそれなりに丈夫なカメラなので
しっかり整備を行えばまだまだ安心して使える状態になります。
シャッター駆動部や電池室の修復から
これから本格的に整備を行っていきます。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
1886(明治19)年のこの日に眞崎鉛筆製造所で
日本初の鉛筆の工場生産が始まったことが由来だそうです。
この眞崎鉛筆製造所は、後の三菱鉛筆株式会社なのだそうです。
小学校4年生あたりからいわゆる「シャーペン」が
学校でも主流になってだんだん鉛筆を使わなくなったけど
それまで筆箱に何本もきっちり尖らせた鉛筆を入れてましたねぇ
じいさんがボウリングが大好きで親父がボウリング勤めだったこともあって
家にはボウリング場によくあるケツに消しゴムのついたタイプの
鉛筆がたくさんあったことをよく覚えています。
そして鉛筆が短くなると鉛筆についている消しゴムの枠を使って
短い鉛筆同士を連結してさらに使い込んでいました。懐かしいですねぇ
小学校に入った時に買ってもらった学習机に
電動の鉛筆削り機が内蔵されていてめっちゃ喜んで使っていました。
ただかなり動作音が賑やかだったような覚えが…
今では鉛筆どころか筆記具で字を書くこと自体が激減してしまいました。
たまにはしっかり文字を手書きで書かないと
書けなくなるんじゃなかろうか…と少し心配になります…(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高の存在ともいえるハーフ判一眼レフ「ペンFシリーズ」の中で
「FT」は1966年に追加となったカメラで
オリジナル「ペンF」をベースにCdS使用のTTL露出計と
セルフタイマーを内蔵したモデルです。
さらに巻上はオリジナルペンFのダブルストロークから
シングルストロークに変更されています。
内部の部品もかなり変更されており
意外な程、ペン「F」との互換性がない構造になっています。
「ペンF」自体が他に類を見ない独特な構造で
より一層の独自性が際立つカメラですが
「FT」の内蔵露出計の構造もそれに合わせるために
かなり変わった構造になっています。
第三反射面となるミラー部をハーフミラーとし
その裏側全面を覆うようにCdSが配置されています。
露出計(電流計)はSS設定ダイヤルと機械的に連動して
電流計の配置角度を物理的に変更するような構造になっていて
露出計指針は「TTLナンバー」と呼ばれるこれまた「FT」独特の
数値を指示しレンズ側で通常の絞り値とは別に刻印された
「TTLナンバー」を合わせることで露出を決定します。
文字で書くとややこしいですが要は通常の絞り値指示の代わりに
「TTLナンバー」を使用するということだけです。
いずれにしても「FT」ならではの機構や機能があって
なかなか興味深いカメラです。

お預かりしている「ペンFT」は巻上レバーは動くものの
手ごたえが戻しのバネの感覚以外全くない状態で
フィルム巻上もシャッターチャージもできない状態です。
何か無理な力を加えて巻き上げてしまったと思われますが
さすがに開けて内部を見ないと状況がよくわからない状態です。
「ペンFT」というと露出計やCdS前面のハーフミラーに
トラブルが多く場合によっては修理不能になることも多いのですが
そちらはあまり問題はないようです。
ただ、電池室からの配線は劣化で断線寸前だったため
こちらも並行して修理整備を行っていきます。

巻上側のインレットがぐらついていたので
「もしかしたら」と思ったのですが
上カバーを外してみるとインレットを留めている2本のネジは
完全に外れて行方不明になっていました。
勝手に外に出ていく隙間はないので
ミラーボックスを降ろしてさらに巻上部を分解してみると
巻上機構の奥で2本のネジが発見できました。
巻上部のギアはかなり激しく損傷しており
これが原因で巻き上げ不能になっているようです。
ここからは予測ですが外れたインレットのネジを噛みこんだ状態で
無理に巻上動作を行ったためギアが破損したと思われます。
インレットのネジもそう簡単に外れるようなものではないのですが
「ペンFT」はシングルストローク化されたため
巻上角がかなり大きくなっており
ストラップをつけた状態で巻き上げるとストラップや
ストラップ金具に巻上レバーが引っかかることが多いのです。
長年のそういったことの積み重ねでインレットのネジが緩んだと思われます。
FTのレバーは本当に三角環やストラップに引っかかりやすく
トラブルを起こしやすいので巻上時には注意が必要です。

巻上部の一部部品は中古部品を使って交換し
正常な動きができるように修理を行います。
同時にペンF系の弱点でもあるミラー駆動部や
ガバナ類の清掃整備も行っていきます。
コンパクトなボディに非常に効率よく
独特な機構が収められていて
他のカメラでは見られない景色の広がる内部機構です。

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ワルツエレクトリックのカメラ修理

今日は5月1日ということで
いろいろな記念日が制定されていますが
やはり「令和」改元の日、ですかねぇ
もう丸5年になるのですねぇ…あっという間ですね。
でもいまだに「令和」に馴染みが薄い気がします…
その前の「平成」も30年ありましたから
次第にもっと馴染んでくるのでしょうね!

さてさて

本日は「ワルツエレクトリック」のカメラ修理を行っています。
1950年代にアクセサリーメーカーとして
非常に大手だったワルツのカメラです。
今でも「WALZ」ブランドのフィルターあたりは
見かけることも多いと思います。
詳しい資料がなくてあまり細かいことまではわからないのですが
「エレクトニック」は「WALZ」ブランドとしては最後のカメラで
1960年発売のカメラです。
レンズ固定式レンズシャッターのレンジファインダーカメラで
セレン光電池を使用した露出計を搭載します。
レンズはKOMINAR45mmF1.8の大口径で
シャッターはコパルSVを搭載し
レンズシャッター機ではめずらしい最高速1/1000を搭載します。

お預かりしている「エレクトリック」は
シャッター羽根がかなり粘っていて
シャッターは切れたり切れなかった理を繰り返します。
切れるときも羽根の動きはゆっくりで
様子を観察していると羽根が開いたときに
それまで羽根が重なっていた部分には
べったりと油が付いている様子が確認できます。
当然ながら絞り羽根も動きはしますが粘り気味で
油滲みが確認できます。
いつもレンズシャッター機の修理には書きますが
絞りが粘っている状態で無理に動作させていると
絞り羽根を破損させてしまう状況に陥ることが多いので
注意が必要です。
今回も状態を最低限確認した後は動かさずに分解整備に入ります。
ファインダーもかなり曇っていて見づらいですが
曇っている上に距離計二重像が全く見えません。
見づらいとかいうレベルではなく全く存在が確認できません。
おそらく光路途中のミラーが外れて脱落しているのかと思われます。
いずれにしても普通に使用するためには一通りの整備が必要です。

ファインダー内の二重像を最初に反射するミラーは
単に外れているだけではなく真っ二つに割れている状態で
内部に転がっていました。
当然ながらミラーは交換です。
ファインダー内ハーフミラー等は大きなダメージもなく
通常の清掃で実用上問題ないレベルにクリアにできそうです。
シャッターユニットはもちろん分解して羽根清掃を行った上で
各部の整備調整を行います。
巻き戻しクランクが底部に配置されて独特の構造で
巻き戻し側フォークにリンクしています。
なかなか興味深い構造のカメラです。

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