昨日のブログでも書きましたが
今日の日没まではクリスマスですよ
メリークリスマス!
ところで12月25日は「昭和」改元の日なのですね。
1926年(大正15・昭和元年)のこの日に
大正天皇が崩御され
当時の皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が新天皇に即位されました。
それに伴って元号も「大正」から「昭和」に改元されました。
戦前の旧祝祭日では大祭日の一つ「大正天皇際」(12月25日)といって
大正天皇崩御を祀る日とされていたのだそうです。
昭和生まれの私としてはちょっと気にかかる日です。
それにしても改めて考えても昭和は長かったのですね。
昭和元年と昭和64年は1ヶ月もなかったのですが
それでも60年以上続いて、その中でも激動の時代でしたものね。
さて今年から始まった「令和」はいったいどんな時代になるのでしょう
次の改元まではおそらく生きられないだろうなぁ(苦笑)
さてさて
本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もやはりOM-1の修理はコンスタントにありますね。
M-1を含めると今月のブログに3回目の登場です。
今月はOM-1だけでなくオリンパスのカメラが非常に多いですね。
オリンパスのカメラといえば
やはり軽量コンパクトなものが非常に多いという印象です。
OM-1も当時の一眼レフとしては
その大きさと静かさではライバルはいないと言って良いと思います。
軽量コンパクトなのはもちろんですが
個人的には非常に上品なシャッター音と
上質な巻上フィーリングが最大の魅力かな、と思います。
オリンパスのカメラは他メーカーのライバルに比べると
どのクラスのカメラでも一回り小さいものが多いのですが
その大きさを実現するために独自性の高い造りをしているのも特徴です。
OM-1も例外ではなく
同じ時代の他の一眼レフと比べると独自の工夫が随所に見かけられます。
そのため当時としては全く問題なかったとは思いますが
50年以上経過した現在となっては多少華奢な部分があるのも事実です。
そこは弱点かもしれませんが
やはりそれをカバーしてあまりある魅力のあるカメラだとは思います。
お預かりしているOM-1はかなり初期のモデルです。
フィルム室にはスタッドが4本あり
それに伴ってフィルム圧版も短めです。
外装こそOM-1ですが中身としてはM-1と同一という時期のものです。
ご依頼者さまのお話によると
写真の一部が黒くなってしまうということで
確認してみると1/1000ではシャッターほぼ開いておらず
1/500も半分も開いていない状態です。
1/250は何とか開ききりますがやはり写真両端でかなりの露出差が出てしまいます。
シャッター先幕の動きが遅く
走行中に後幕に追いつかれてしまうような状況です。
加えて露出計が妙に不安定で指針がフラフラしています。
露出計が指示する値もかなりオーバー目ですが
これは電池の消耗が進んでいることが理由のようです。
少し話がそれますが使用する電池について少しだけ。。。
この時代のカメラだと当時の水銀電池は手に入らないので
LR44等で代用されている方も多いと思うのですが
OM-1だけでなくこの時代の指針式露出計は
電圧調整回路も何もなくダイレクトに
CdSや露出計に電圧がかかっているものがほとんどです。
そのため電圧が低下するともろに影響が出ます。
OM-1の場合だと0.2V電圧が低下すると約1.5段~2段オーバー目になります。
LR44に代表されるアルカリ電池は使用しているうちに
少しずつ電圧が下がってきます。
それに応じて露出計の値も狂っていくので注意が必要です。
ネガであればあまり気にならないかとは思いますが
ポジだとかなり致命的な露出ミスを起こしかねません。
電圧が最後まで安定する酸化銀電池(SR44)を使用したほうが
安心度は高いと思います。
もちろん1.5Vの電圧そのままで使う場合は
それに合わせて露出計が調整されていることが大前提です。
(1.3V仕様のまま1.5Vで使うと今度は大幅にアンダーです)
腐食の心配されるプリズムは今回は問題ありません。
過去に修理歴があり対策がなされているようです。
プリズム留めが4本のスプリングなのは
M-1/最初期OM-1の特徴ですね。
シャッターの不調は幕軸及び底部三連ギアの動作不良
露出計が不安定な原因はSWのようです。
これから分解を進めて現在抱えているトラブルの修理を含めた
各部点検整備一式を行っていきます。
M-1/最初期OM-1はプリズムや露出計本体
露出計基板・SW等を載せている樹脂製の台座が
非常に脆くなっていることが多いので
慎重に作業を行っていきます。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。