ニコンFMのカメラ修理

今日は「潤滑油の日・オイルの日」だそうですよ。
「OIL」(オイル)を反転させると
「710」に見えることからだそうです。
なるほど…よく考えますね…
ここのブログ本文でも良く書きますが
注油は大切ですよね。
滑りをよくして動きが良くなるのも当然ですが
動くってことはほんのわずかに隙間があるってことで
その隙間を上手く埋めて動きをよくしてくれるわけですね。
当然、それも古くなれば性能が落ち
動きをよくするどころか
かえって動かなくなる原因となることも多々あります。
何だか人間関係みたいですねぇ(笑)
その場合、潤滑油にあたるものは
話題とかなのか共通の趣味・仕事なのか
あるいはお金なのか、それとも人そのものが潤滑油なのか
考え方は人それぞれですが
新しい潤滑油が適量常にあることは大事ですよね。
機械にも潤滑油の差し過ぎは厳禁ですが
人間関係も同じですね
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ってことですね
昔からよくわかっていることなのですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っております。
昨日・一昨日と前身モデルにあたるニコマートFT系の
修理を行いましたが
今日はその後継機にあたる「FM」です。
信頼性の高い「機械制御シャッター機」ということで
現在でも非常に人気の高いカメラです。
マートELにあたる兄弟機は電子制御機の「FE」ですね。
ニコマートシリーズに比べると
非常にコンパクトになりました。
…とはいえOM-1あたりと比べると
やはりある程度大きくて重いのですが
ニコン的には「このくらいの大きさ・重さは必要」
ということなのだと思います。
ニコマートシリーズと同じく
F一桁機ほどではありませんが
ニコンらしい堅牢で信頼性の高いカメラです。

お預かりしている「FM」は光線漏れが起こるということを
受付時に伺っておりますが
それは単純にフィルム室のモルト劣化かと思われます。
それよりも少々心配なのは
高速シャッターが精度不良な上不安定なことと
露出計が不安定でたまにちらちら点滅していることです。
シャッターはおそらく羽根の汚れ等が原因かと思われますが
露出計のほうは何らかの接触不良かと思われます。
今回はそこまでの問題はなかったのですが
FMの露出計はLED式です
このLED式っていうのがちっと曲者で
制御部分にトラブルが起きると修理不能になることが多いのです。
特にFMのLED制御部は他メーカーに比べても
少し脆い部分があるので要注意です。
この季節はあまり心配ないのですが
整備時にも注意しないと静電気で帯電した指なんかで
制御部にうっかり触れてしまうと一発で壊れてしまいます。
そしてそうなった露出計はもう修理不可能です。
随分以前の修業時代に何度か痛い目にあいました(汗)

シャッター動作不良はやはり羽根の汚れが原因で
これはシャッターユニット整備+羽根洗浄で
全く問題ない状態になりました。
露出計の動作不良のほうは実際に作業に取り掛かろうとすると
症状が出なくなり「困ったな…」と思っていたのですが
先に行ったシャッター整備時のミラボックス脱着の際に
電池室をチェックして気づいたのですが
電池室の一部が破損していました。
それも電池室側からは見えない部分です
これが原因で電源供給が不安定だったことが原因だったようです。
電池室は部品取りから中古良品と交換して対処いたしました。
その後、かなりしつこくテストを繰り返しましたが
症状も確認できないので大丈夫かと思われます。

余談ですが上の画像に装着されているレンズは
ニッコールオート(もともとは非Ai)ですが
純正Ai改造がされていて
露出計連動もファインダー内絞り表示(直読式)も可能です。
FM/FEは連動爪が倒れるので非Aiレンズも装着可能ですが
使い勝手を考えるとAiレンズのほうが圧倒的に良いです。
古いニッコールオートでも純正Ai改造されていると
圧倒的に便利ですよね
とても良いレンズだと思います。

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