オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」ですね。
この頃から寒くなり雨が雪へと変わることがあり
わずかながら雪が降る頃なので「小雪」とされています。
気温が下がり、北の地方を中心に初雪が舞い始めます。
冬将軍が到来すると言われる時期で
北の地方ではコタツを押し入れから出す家が増える頃ですね。
都内は昨日の夜から初冬らしい「冷たい雨」です。
(ユーミンの歌みたいですね(笑))
さすがに首都圏では雪はまだ降らないですが
この頃になると寒さが1段進むような感じがしますね。
まだエアコンを含め暖房器具のお世話にはなっていませんが
今年はいつまで耐えられるかな(苦笑)

さてさて

本日はオリンパスペンFTのカメラ修理を行っています。
ここのところペンF&FTの修理が立て続けに入っています。
もともと修理依頼の多いカメラではありますが…
ある意味、非常にオリンパスらしい
オリジナリティの塊のようなカメラです。
他に類のないハーフ判専用一眼レフというだけでも
稀有な存在ですが、それに加えて
この内部構造に惹かれて入手してしまう方も多いと思います。
同じようなカメラは他にはありませんし
今後も二度と出てこないと思います。

その独自性の強い構造ならではトラブルが多いのも
致し方ない部分がありますが
今回お預かりのFTもミラーアップしたままの状態です。
一眼レフとしては一般的なフォーカルプレーンシャッターに
よくあるシャッター幕走行不良を原因とするミラーアップとは
まったく状況が違い
ペンF系の場合はその独特過ぎるミラー駆動部の
動作不良を原因とするミラーアップが大半を占めます。
今回のFTも同様の原因かと思われます。
FT系のトラブルといえば1/500以外の全速を制御する
ガバナ部のトラブルが以前はミラー駆動に負けないほど
多かったのですが最近はあまりみかけないですね
単なる偶然かもしれませんが…

そして今回のFTはFTならではのハーフミラーの腐食が酷く
ファインダー内が黒点だらけです。
これはFTは露出計受光部に光を送るため
通常のペンFでは普通のミラーが付いている
第三反射面にハーフミラーが使われていて
当然ハーフミラーは通常のミラーより
耐久性もないため(特にこの時代のものは)
蒸着が剥がれ落ちてきて怒るものです。
もはや蒸着剥がれのないFTのハーフミラーを見つけることは
非常に困難な状態です。
今回は手持ちの部品からなるべく劣化の少ないハーフミラーと
交換することで対応したします。

しっかり動きを理解してしまえば
それほど難しい構造ではないのですが
まぁ構造自体は非常に独特です。
ハーフカメラでなくても
同じような構造のカメラは存在しません。
そういう意味でも非常にオリンパスらしいカメラです。
他の機種もそうですが
オリンパスのカメラはとにかく小型化することが
全てに優先しているような部分があるので
どうしても多少華奢な部分がでてきてしまいますね
それでも現行モデルの頃は
全く問題なかったと思いますが
さすがに50年も60年も経ってしまうと
そこが弱点となってでてきてしまいます。
もちろんしっかり整備を行えば
まだまだ問題なく使えるものが大半なのですが…

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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