オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「鉄分の日」だそうですよ。
ここでいう鉄分は鉄道マニアさんのいう鉄分ではなく(笑
人(生体)にとって必須の元素である「鉄」のほうですね
「いい鉄分」の「いい」から11月で
鉄(Fe)の元素番号が「26」であることから11月26日としたものだそうです。
血液中の鉄分が不足するといわゆる「貧血」になるわけですね
血中のヘモグロビン値が低下した状態で
いろいろな体調不良を引き起こします。
私、今年の春に大腸ポリープの切除を行ったのですが
その2週間後にその切除跡から結構な出血が起きて
輸血までするはめになったのですね。
血液量自体は点滴とかですぐに元に戻るのですが
一旦失われたヘモグロビン値はそう簡単に戻らないようで
輸血前に6g/dlまで下がった値が退院時に8g/dl
それから数カ月たっても
息切れ、動悸、立ち眩みが収まらず
採血検査してみたら退院時と同じ8g/dl
(成人男性の標準値は13g/dl以上)
動悸に加えて不整脈まで出始めて
挙句の果てに精密検査してみたら
1日に数十秒、心房細動も出てるってことで
やっと鉄剤を処方してもらって
そこから数ヶ月でやっとほぼ正常値に戻りました。
よく貧血にはレバーやホウレン草がいいっていいますが
口から採るだけじゃそう簡単には戻らないようです(汗)
今年は何にしても「鉄分」って本当に大事なんだと
春から夏にかけて痛感した1年でした
貧血気味な方は本当に気をつけましょうね。
心房細動なんて起こってたら
重篤な脳梗塞を引き起こしますよ…

さてさて

本日は毎度おなじみの「オリンパスOM-1」の修理を行っています。
軽量コンパクトな機械制御シャッター機といえば
一番に名前の挙がるカメラだと思います。
個人的にOM-1が良いと思うのは
そのコンパクトさはもちろんのことですが
独特なシャリっとした感じの何とも言えず気持ちの良い
巻上フィーリングや非常に上品なシャッター音とかの
上質な使い心地にあると思っています。
それを味わうためにはやはりきちんと整備されて
良いコンディションでないと無zかしいですよね。

お預かりしているOM-1は
モータードライブ対応前の前期モデルではありますが
いわゆるM-1ボディの最初期ではないようです。
フィルム室を見ると立っているスタッドは2本で
(最初期は4本)フィルム圧板もそれに合わせて
横長のものが使われています。
最初期のOM-1は樹脂部品とかの強度にかなり不安な部分もあるので
このくらいの時期以降のものがいいかもしれないですね
ただこのOM-1はシャッタースピードの精度にかなり問題があって
1/1000は視野の1/3くらいしか開きません
要は1/1000で写真を撮ると2/3は真っ黒になってしまう状態です。
1/500だと何とか開きますが
それでも写真右側はかなり暗くなってしまう状態です
左側に比べて1.5段くらい露光不足になってしまいます。
1/250になるとしろっぽい壁や空を撮らなければ
まぁ何とかそれほどは気にならないかな…という感じです。
1/125だとほぼ気にならないレベルです。
先幕の動きが悪く幕速が出ていない状態で
シャッター走行中に後幕に追いつかれてしまうような状態です
1/1000だと1/3ほど走ったとこで後幕が追い付いて
閉じてしまうわけですね。
ここで安易に先幕のテンションを上げて無理矢理整えようとすると
最悪の場合、テンションバネがバカになって
修理不可能になる場合もあります。
根本的に幕軸の汚れ等で動きが悪いと思われますので
幕軸の清掃やOM-1の場合は底部巻上部の三連ギアも
シャッターの動きに大きくかかわってくるので
ここも念入りに清掃を行います。

露出計は動作してはいるのですが
1.5V電池で使うと2段近くアンダー目に出てしまうので
今回は1.5Vで最適な値が出るように整備調整を行っていきます
電池室には以前腐食が起こったことがあったようで
修復した痕跡が見受けられますが今回はこのあたりに問題はないようです。
それよりもSWに多少接触不良が出ているようなので
ここも一緒に整備清掃していきます。

シャッター周りにも関係していきますが
OM-1は比較的巻上関連のトラブルが多いカメラなので
そのあたりのトラブル予防も含めて巻上周りの
トラブルが起こりやすい部分は
念入りにチェックと整備調整を行っていきます

定番のプリズム腐食に対する対策は
以前に行われているようです
プリズム内に小さなシミが1ヶ所ありますが
これはこれ以上大きくなることはなさそうなので
現状のままで処置します。

あとは小さなことですがセルフタイマーのスタートレバー
(セルフタイマーレバーの後ろに普段は隠れている小さいレバー)の
カバーリングが欠落しています。
これもOM-1はよく紛失してしまいますね
うちの部品取りもここばかり使われて
片っ端からここの部品がありません(笑
後期モデルになるとレバー基部に穴が開いて
カバー側に突起が付いて少しは取れにくく工夫してあるのですが
前期型はかなり高い確率で紛失しています
今回は数少ない中古部品在庫から補充します

OM-1は普通のカメラでは必要のないいろいろな工夫を行って
このサイズを実現しているカメラなので
やはり数十年経過してしまうと
多少華奢な部分が目立つようになってきます。
同時期・同価格帯の
少し大柄なカメラに比べると
小まめに整備を行う必要があるとは思います。

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