ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「ハローワークの日」だそうですよ。
20代の頃は職を転々としてたからよく通いましたねぇ
その頃は比較的求職するには良い時代で
あまり細かいこと言わなければ仕事はいろいろあったし
若けりゃ経験なくても雇ってもらえたしな…
今じゃそうはいかないでしょうねぇ
私が最初に行った頃はまだ「ハロワ」の呼び名はなく
いわゆる「職安」でした。
求職情報も今みたいに端末で自由自在に見られるなんてことはなく
職種別に棚に並べられたファイルを取り出して
閲覧するといったものでした…それも懐かしいですねぇ…
コピー取ってもらうのもいちいち受付してもらわなくてはいけなくて
面倒だった記憶が…(苦笑)
ちなみに「職安」または「職業安定所」の呼び名が
いかにも暗く古臭いということで新しい愛称を全国から公募して
1990(平成2)年1月8日から「ハローワーク」の愛称で
呼ぶこととなったのだそうです。
そういえばこの頃の求人情報誌と言えば「B-ing」ですね。
これまたちょっと懐かしい(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
「SP」以前のアサヒペンタックス系の末裔モデルですね。
AP→K→S→S2→S3→SVとモデル変遷してきました。
正確に言うとSVの後に「S2スーパー」というモデルもありますが
これは構造的にはSVからセルフタイマーを省略したモデルなので
やはりSシリーズの最終は実質このSVということになると思います。
Sシリーズで初めてセルフタイマーが内蔵されたモデルです。
モデル名の「SV」の「V」は
ドイツ語でセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字です。
この時代の他のカメラでもセルフタイマーレバーに
「V」の刻印があるカメラは多く存在します。
基本的な構造も前モデル「S3」からかなり改良・高品質化され
自動復元式フィルムカウンターも装備されています。
S3で完全自動絞りになったことと合わせ
このSVで内蔵露出計以外の装備は
いわゆる全盛期の「フィルム一眼レフ」の
装備・機能を満たしていると言えますね。

SV…というよりもSPより前のペンタックスM42マウント機は
時代的にシャッター幕の劣化が進んでいて
穴があいてたり裂けていたりリボンが切れていたり…
そこまでいかなくてもガチガチに幕が硬化していて
まとも動作しなかったりと
幕交換するしかない状態の個体が非常に多いのですが
今回お預かりしている個体は幕の状態はそれほど悪くないようです。
ただそれでもシャッター幕はまともに動作しておらず
後幕が最後まで走り切らず少し隙間が開いているような状態で
シャッター幕が止まってしまいます。
もちろん幕走行が完了していないのでミラーアップしたままです。
幕軸の汚れやら古い油分やらがかなりの抵抗になっているようです。
古い汚れは全て洗い流して新たに注油することによって
問題なくスムーズに動作するようになりそうです。
そこまで行けばあとは微調整で精度が出せるかと思われます。

まだ分解途中の状態ですがここからミラーボックスも分離して
一通りの整備を行っていきます。
露出計がないため電気回路は
フラッシュ接点関連だけです。
機械的にはシンプルでしっかり造られた構造です
めちゃくちゃ堅牢な部品や
精度の高いダイキャストを使っているわけではありませんが
キチンと整備してさえやれば
そう簡単に壊れるような構造ではありません。
80年代当たりの電子制御機と比べると
その構造のシンプルさとあまりの違いに少々驚きますが
本来、これだけで十分に撮影に使えるのですよね。
こういうシンプルな機械構造のものはやはり良いですね。

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