HPトップでは以前からお知らせしていますが
明日12日~16日までを「夏季休業」といたします。
「お盆休み」ですね。
ご迷惑をお掛けいたしますがご容赦くださいませ。
で、今日は国民の祝日「山の日」です。
日付に特に意味はないそうですが
なんで「山の日」が8月11日なんでしょうねぇ
どうせこの時期はお盆休みのところも多いのだから
山の日は祝日のない6月にすればいいような気が…
さらにいっそのこと8月13日~15日は
「お盆休み」で祝日にすればいいのに…(苦笑)
ちなみに今日は「山の日」に関連して
「きのこの山の日」でもあるそうです。
美味しいですよねぇ。。。
どうでもいいでしょうが
私は「たけのこの里」より「きのこの山」派かな…
朝、コンビニで買って来ればよかったな…
あとでちょっとだけ抜け出して買ってきます(笑
さてさて
本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年の1973年に最高級機である「X-1」が発売され
これが最初の「Xシリーズ」となったわけですが
「XE」はそれに続いて1台目の「Xシリーズ」となった中級機です。
中級機とはなりますがこの時代にはめずらしく
特に使い心地を重視したカメラで
その点においては上級機の「X-1」を遥かに凌駕します。
その使い心地の大きな核となっているのが
ミノルタ・コパル・ライツ、3社で開発した
「コパルライツシャッター」です。
ミラーチャージ機構がちょっと変わった構造をしていて
そのおかげと巻上機構の精度の高さもあり
非常に滑らかで軽い巻上を実現しています。
現存している「XE」は巻上に油切れの起きている個体も多く
本来の姿でないものも多いのですが
キチンと整備された「XE」の巻上は特筆ものです。
シャッター音も非常に上品で
巻上げてシャッターを切る行為がこれほど気持ちよいカメラも少ないと思います。
個人的には巻上フィールチャンピオンは
縦走りフォーカルプレーンならミノルタXEで
横走りフォーカルプレーンならニコンF3だと思っています。
お預かりしている「XE」はその巻上が若干油切れ気味なことと
シャッター羽根の動きに問題があるようで
1/1000・1/500でシャッターが開ききりません。
先幕の動きが悪く途中で後幕に追いつかれて閉じてしまう状態です。
羽根の汚れ等に原因があるものと思われます。
加えてくれはXEでは定番ですが
露出計指針が明るさにほぼ関わらず最も上に振り切ってしまう状態です。
SWを入れた瞬間に指針が上に吹っ飛んで行ってしまいます…
これは巻き戻しクランク下の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。
画像にもその摺動抵抗が写っていますが
表(ASA感度連動側)はそこそこキレイだったのですが
裏(レンズ絞り連動側)は黒ずみもあって汚れています。
ここは単純にエタノール等で清掃したくらいでは
あまり状況は改善しないことが多く
軽く研磨する必要があります。
(ほんの少しです。磨きすぎると取り返しがつかなくなります)
XEといえば最大のトラブルはプリズム腐食なのですが
今回のプリズムはめずらしく問題がありませんでした。
…とはいえ、以前に何か対策が施されていたわけではなく
画像にも写っていますがプリズム枠前面には
加水分解したモルトが貼り付いています。
若干、プリズム側の塗装にも影響は出ているのですが
蒸着面までは影響はないようです。
もちろん劣化したモルトは全て除去し
劣化しにくい材質の遮光材に交換を行います。
大柄で重く、トラブルもそれなりにあり
なかなか手のかかるカメラですが
本来のコンディションでの使い心地は
なかなか他のカメラで代わりになるものがないカメラだと思います。
今回もできる限り本来の姿を取り戻すように
整備を行い仕上げていきたいと思います。
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