ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「冬至」ですね。
北半球では太陽の高さが一年で最も低くなる日。
そのため一年中で最も昼(日の出から日没まで)が
短くなり、夜が最も長くなります。
ユズを浮かべた柚子湯(ゆずゆ)に入り
カボチャを食べるというのが定番ですが
今日は実は「スープの日」でもあるようです。
温かいスープをより美味しく感じることができる「冬」であり
「いつ(12)もフーフー(22)とスープをいただく」と
読む語呂合わせから12月22日に制定されているようです。
確かに温かいスープがより美味しく感じられる季節ですよねぇ
「世界三大スープ」としては、
フランスの「ブイヤベース」、
中国の「ふかひれスープ」、
タイの「トムヤムクン」が挙げられることが多いのですが
ウクライナやロシアの「ボルシチ」、
フランスの「コンソメ」が入る場合もあるそうです。
確かにどれもこうやって書いているだけで美味しそうですが
やはり私たちに身近なスープは「味噌汁」ですよねぇ
これがまた地域別で味噌の種類や具の違いで
論争が巻き起こるテーマですねぇ(笑
私は昔から地元で馴染んだ甘口の白味噌が一番落ち着きます
味噌汁って家の味があるのですよねぇ
微妙に甘くて玉ネギのたくさん入った
ばあさんの味噌汁もう1回飲みたくなってきました(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートはフラッグシップが「F」、「F2」の時代の
ニコンFマウント中級一眼レフカメラのブランドです。
機械制御の「FT系」と電子制御の「EL系」に大別されます。
その中でもおそらくこの「FTN」が
ニコマートシリーズの中で最も売れたカメラで
現存数も最も多いカメラではないかと思われます。
ユニット化され低コストで搭載でき非常に堅牢な
「コパルスクエアシャッター」を採用し
中級機とは言え非常に丈夫に造られていて
これより前に、残念ながら成功とは言えなかった
ニコレックスシリーズとは比較にならない安定性を実現しています。
高級機らしい「F」のしっとりとした作動音に比べると
さすがに騒々しい部分は目立ちますが
特にシャッター・巻上周りに関しては「F」に迫るほどの安定さがあると思います。
さすがに細かく内部を見ていくと確かに「F」ほどの
部品のオーバークオリティさや緻密さはないのですが
必要十分なレベルを持っていると思います。
強いて言うならばミラー駆動周りに若干トラブルが多いことと
露出計周りはさすがにトラブルが多い印象です。
それでも露出計に関しては「Fフォトミック系」も
トラブルは多いので同じようなものですね。

お預かりしている「ニコマートFTN」も
かなり長い間島こまれて使われていなかったらしく
各部の動作が少し重い感じがするのですが
とりあえずは何とか動作している状況です。
やはりミラー駆動部の動きが特に重く
明らかにゆっくりとしかミラーアップできない状態です。
それでも細かい精度はともかくとしても
シャッター自体は何とかある程度のレベルで動作しています。
さすがに露出計は電池を入れても動きません。
電池室に緑青が少々見受けられるので
電池室裏のハンダや配線がダメな様子です。
ニコマートの露出計はSSリング、絞り設定に連動した
「マイラー抵抗」と呼ばれる摺動抵抗体の汚れや劣化が
心配される部分で汚れならまだしも劣化で抵抗体が剥がれていると
修理が格段に困難になります。
今回は汚れはそれなりにあったものの
大きな劣化はないようです。

さすがこの時代のニコン機なので整備性も非常に良好です。
ただしファインダー周りの少々ややこしいところに
結構な内部モルトが使われており
劣化したモルトの除去と交換が少しばかり大変です。
巻上・ミラー駆動部は入念に清掃の上に注油を行い
シャッターユニットも整備を行っていきます。
コンデンサレンズや接眼レンズはさすがにカビが大量発生です。
侵食して除去できないクモリになるほどではなく
入念な清掃で十分にクリアになりそうです。
付属するレンズも同様の状態でしたがそちらもしっかり清掃を行います。

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