日別アーカイブ: 2017年12月28日

リコーオートハーフのカメラ修理

今年も今日を入れてもあと3日!
実は今日はお店は一応閉めてはいますが
今日のこの修理だけ終わらせたら
1日かけてお店の大掃除です。
なかなか営業時間中には思い切った掃除ができないですからね。

さてさて

その大掃除の前に
今日の修理は「リコーオートハーフ」です。
オートハーフ自体はここのブログでもよく登場しますが
今回は初代オートハーフです。
これはブログに登場するのは初めてじゃないかな。。。
発売開始は1962年。私よりも少し年上ですね。
もともとはたばこの箱の大きさを目指して
作られたとのことです。
この初代のオートハーフのみ
シャッターボタンが前面に付きます。
後に出てくるオートハーフの代名詞のような存在である
前面アルマイト化粧板も初代にはありません。
ということでボディカラーもシルバーのみ
しかしながら、今見るとこのシンプルさが良いですよね!
レトロ感も満載です。

実は作業の大部分は既に終わっています。
もともとキレイなオートハーフでしたが
外装も清掃してよりキレイになったと思います。
お預かり時にはシャッターが全く切れない状態でした。
一部の部品に変形が見られ
巻上のギアのかみ合わせのタイミングによっては
レリーズロックが全く解除されないような状態でした。
加えてフィルムカウンターがある程度の枚数で
全く前に進まなくなるというトラブルも抱えていました。
どちらのトラブルも動作が悪くなっている状況で
動かしていため、部品の変形を起こしてしまったことが原因です。
古いカメラは現在、何とか動いていても
無理に動かしてしまっている場合は突然トラブルが起こるので
やはり何年かに一度の点検整備は行いたいところですね。

少し時間を置いて後日、最終的なチェックを行って完成とします。

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ニッカⅢAのカメラ修理

本日で「仕事納め」の方も多いのではないでしょうか。。。
当店も本日が年内最後の営業となります。
明日、12月29日から1月4日まで年末年始休業で
新年は5日からの営業となります。
今年も1年ありがとうございました。
。。。とはいえ、時間を見つけては休み中も
作業は行っていくと思います。
もしかしたらこのブログも更新するかもしれません。

さてさて

本日は「ニッカⅢA」のカメラ修理を行っています。
ニッカ。。。もともとの社名は「ニッポンカメラ」です。
カメラブランド名は「ニッカ」として
いわゆるライカコピーを主に製造していました。
ライカコピーを製造している会社は当時数多くありましたが
今回の「ニッカ」や「レオタックス」等々は非常に造りも良く
現在でも根強いファンが存在します。

今回、お預かりしているニッカは「タイプⅢA」と呼ばれるモデルです。
発売は1951年です。
板金ボディのバルナックタイプのカメラですが
非常にきちんと造られていて
現在でも人気の高いモデルです。
今回の個体は外装のコンディションも非常に良く
大切に扱われてきたことがよくわかります。

しかしながら現在は巻上途中で巻き上げられなくなっていて
シャッター幕を見ると先幕の竿が斜めになっていて
後幕との間に隙間もできてしまっています。
先幕を引っ張るリボンが切れてしまっているようです。
この時代のカメラはシャッター幕交換を前提として
お預かりするのが定石なのですが
分解してみると確かにリボンは切れてしまって
巻上ギアに巻き込んでしまっています。
(そのため巻上ができなくなっていたのですね)
ただし、幕自体は硬化もほとんどなく非常にキレイな状態です。
(随分前の話だとは思われますが過去に一度交換されてるようです)
リボン交換のみで今回は問題なさそうです。

まだ分解し始めたばかりで現状を確認しているところです。
リボン交換のみとはいっても幕のテンションや
シャッタースピード設定はゼロからやり直しなので
慎重に作業を行っていきます。

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