月別アーカイブ: 2018年4月

リコーオートハーフEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「清明」ですね。
「万物がすがすがしく明るく美しい頃」ということですが
確かに春の花は一斉に咲き
少し前の季節が嘘のように鮮やかな色で溢れてくる季節ですね。
ただ、気のせいではないとは思うのですが
年々、春と秋が短くなってきているような気がします。
年中春や秋ではまた問題ありますが
もう少し夏と冬が短くなって
春と秋が長くなればいいのになぁ。。。と考えてしまいます(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフE」のカメラ修理を行っています。
基本的な構造はオートハーフはどのタイプも同じですが
この「オートハーフE」が一番目にすることが多いと思います。
前板部のアルマイト板に多数のデザインがあることも特徴で
めずらしいデザインのものは現在でも高値で取引されています。
私も先日、某オークションで「広島カープV2記念モデル」を見つけ
随分、動揺しました(笑)
さすがに付けられた価格を見て見送りましたが。。。

セレン光電池を使った露出オート機ということもあり
やはりセレンに関するトラブルが多いと思います。
今回、お預かりしたオートハーフもセレンが劣化して
ほぼ起電しない状態でした。
今回はご依頼者様から起電するセレンの部品提供があったので
セレンを載せかえることになりました。
どうしてもセレンの劣化ばかり注目されてしまいますが
セレンは起電しているのに露出計側が故障しているパターンも多いのです。
今回は露出計側にも問題があり
起電があっても指針の動きが非常に悪い状態だったので
露出計も交換することになりました。

シャッターユニットはセイコー製の2速シャッターですが
通常のレンズシャッターに比べても
非常に小さいバネの力でシャッターを駆動しています。
そのため、ほんのわずかな汚れや油分で
簡単に固着したり動作不良になってしまいます。
長い間、使わずに保管されていた個体であれば
必ず整備が必要となってきます。
今回も何とかシャッターは動作していたのですが
その精度はそのままでは問題のあるレベルでした。
もちろん、シャッターユニットの整備も入念に行い
現在は快調に動作しています。

いつも同じようなことを書いてしまいますが
ゼンマイ仕掛けの自動巻上、ピントは固定焦点
露出はオート、ということで本当に構えてシャッターを押すだけです。
ポケットやカバンに入れておいて
「これは!」と思ったときにすぐ撮れる。。。
本当に良いカメラだと思います。

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マミヤ6のカメラ修理

今日は「あんぱんの日」、
さらに「どらやきの日」でもあるそうです。
どちらも大好物です!
あまり調子に乗って食べているとロクなことになりませんが。。。
基本的に餡子が大好物ですねぇ。。。
餡子の使われいる食べ物は全て大好物です。
あとで「あんぱん」と「どら焼き」買ってこよう。。。
(いや、どちらかにしておかないとマズいかな。。。(笑))

さてさて

本日は「マミヤ6」のカメラ修理を行っています。
いわゆる蛇腹式のフォールディングカメラ
あるいはスプリングカメラと言われるものです。
ブローニーフィルムを使うのに
非常にコンパクトに収納することができる
とても魅力的なカメラですね。

マミヤ6もモデル表記がない上に
たくさんの種類があるため
なかなかモデル名がわかりにくいのですが
今回、お預かりしているマミヤ6はKⅡ型だと思われます。
1956年の発売でフィルム室内のマスクを使うことにより
6x6判と645判の切り替えができます。
フィルム装填は赤窓式でこれも6x6判用、645判用二つ装備されています。
レンズはセコール75mmF3.5
シャッターユニットはコパルMXで最高速は1/300です。

お預かりしているマミヤ6は
レンズシャッター機の定番トラブルである
シャッター羽根の固着・粘りにより
シャッターが正常に作動しない状態です。
加えて距離計(二重像)のズレがはっきりわかるほどになっています。
そのあたりは経年劣化もあり
整備をすれば直る部分なので問題はありません。
外装や保存状態については
かなりコンディションの良い個体だと思います。

赤窓式だったりセルフコッキングがなかったりするので
多少、使うのに慣れは必要ですが
気軽にブローニーを楽しめるという点では
二眼レフ以上に良いかもしれません。
個人的な話ですが
山に持っていくにも畳んでリュックに入れておけば
かなり便利なのですよねぇ。。。
うーん、本当は広角がいいのだけど1台あってもいいなぁ。。。
。。。いかんいかん。。。修理するたびに
そのカメラが欲しくなっているようじゃ
何のための仕事かわからなくなります(笑)

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は4月2日の月曜日ということで
今日から新年度スタートという方も多いでしょうね。
私の仕事的には年度始まりはあまり関係なのですが
いい機会なので気持ちを新しくして
お仕事していきたいと思います!

さてさて

今日は。。。
宮崎美子さん出演の「今の君はピカピカに光って~♪」のCMで
おなじみのミノルタX-7です。
発売は1980年です。
もちろん宮崎美子さんのCMはリアルタイムで見ていて
印象に残っていますが
もっと強烈に印象に残っているのが
志村けんさんがこのCMをモノマネして
「全員集合」とかでやっていたシーンかなぁ。。。(笑)
当時見ていたCMの印象ばかり焼き付いていますが
X-7はその前に発売されたXG系をベースに造られた
絞り優先AE専用のエントリーモデルです。
オリンパスOM10やニコンEMあたりがライバルとなる
激戦区ですがX-7はエントリーモデルとはいえ
ミノルタらしい使い心地の気持ちよさがとても魅力のモデルです。
好みもあるとは思いますが
この時期のミノルタ機の巻上、レリーズの感触、
上品なシャッター音は他メーカーにはない魅力だと思います。

お預かりしているX-7は
とてもキレイなブラック塗装のモデルです。
X-7はシルバー、ブラック、2色が存在しますが
ブラックのほうはミノルタお得意のアキューマットスクリーンを
搭載しファインダーが非常に明るく
ピントの山もスッと合わせられ、
自分のピント合わせが上手くなったのではと勘違いしてしまうほどです。

写真は整備前のものですが非常にキレイな個体です。
しかしながらX-7の定番でもあるプリズム腐食が発生し
画面のほぼ中央に黒い帯が見えていて
スプリットでピンと合わせができない状況です。
これではとても普通に使うことはできません。
加えて付属するMD50mmF1.7レンズは
絞り羽根が固着していて
F4あたりの開き具合のまま全く動きません。

ボディ、レンズともに点検整備一式を行い
X-7らしく気持ちよく撮影できるように仕上げてまいります。
兄貴分のXDよりは多少シンプルですが
こちらも電子基板が全体に張り巡らされているカメラです。
これから慎重に分解整備に取り掛かります。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は「エイプリルフール」なのはちょっと置いておいて。。。
4/1は「ストラップの日」だそうです。
携帯電話のストラップのことらしいのですが
カメラにもストラップは付き物ですよね!
フィルムカメラにも、昔ながらのメーカー純正のストラップや
プロスト、最近のオシャレなストラップいろいろ選択肢もあり
選ぶのも楽しくなってきますね。
でも個人的にはカメラをあまりぶら下げて歩かないので
(どこかにぶつけそうなので基本的にカバンの中に入れておいて
撮影するときだけ取り出す)
私の場合、実際には付けていないものがほとんどです(笑)

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
「35DC」の登場回数は多いのですが「RC」は初めてかもしれません。
1970年に発売されたモデルですね。
愛称は「リチャード」です。
ハーフ判のペンシリーズよりほんの少し大きい程度で
非常にコンパクトに作られています。
搭載するレンズはE.ズイコー42mmF2.8で
これもまた写りに定評のあるレンズです。
シャッタースピード優先AEとマニュアル露出が使用できます。
露出計が動作するのはSS優先AE時だけです。
このタイプのカメラとしてはめずらしく
ファインダー内で設定したSSも読み取ることができます。
SS優先AE機ですから当然、絞り値もファインダー内で確認できます。
さらにすごいのはマニュアル時だと露出計は動作しないのですが
その時にはマニュアルで設定した絞り値を表示してくれます!
(この時期のこのタイプのカメラは通常マニュアル時は
指針は動かないカメラがほとんどです)
とてもよく考えられたカメラだと思います。

お預かりしている「RC」はシャッターそのものは動作しているのですが
モルト不良のための光漏れが起きており
鏡胴部分に、「もう外れるのではないか」と思うほどのガタがあります。
加えて露出計の電源が不安定で
オート時にシャッターが切れたり切れなかったりします。
(電源が入らないと露出計が動かないため
「光量不足」とみなされシャッターロックがかかります)
オートそのものも精度は随分ズレてしまっているようです。

まだ現状チェックを行ったのみで
これから本格的に全体の整備に取り掛かります。

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