月別アーカイブ: 2019年1月

ヤシカハーフ17のカメラ修理

今日は「のど自慢の日」らしいですよ。
のど自慢する気は全くないのですが
最近、カラオケ行ってないですねぇ。。。
たまには思い切り声出しておかないと。。。(笑)
好きな曲を思い切り歌いたいように歌うなら
やはりカラオケは「ひとりカラオケ」が最適です。
他の人が知らない曲でもお構いナシに歌えるし
納得いくまで同じ曲何度でも歌えるし
疲れたら帰ればいいだけだし。。。
よし、今度、定休日に雨が降ったらカラオケ行ってこよう!

さてさて

本日は「ヤシカハーフ17」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラといえばオリンパスペンや
リコーオートハーフが有名ですが
この時代は各社、ハーフ判カメラもラインナップしていました。
ヤシカもラピード、セクエル、ミミーとハーフ判カメラを発売していましたが
一番販売が好調だったのは今回の「ハーフ17」ではないでしょうか。。。
発売は1964年です。この2年後に出る
エレクトロ35にも通ずる角の丸いデザインが良いですね。
セレン式の露出計と連動し基本的にオートで撮影するカメラです。
シャッターはコパル製のプログラムシャッターで
シャッター羽根が絞り羽根も兼ねる仕組みになっています。
レンズはヤシノン3cmF1.7で大口径な高級レンズです。
ASA100が標準的なこの時代で
できるだけ暗いところでも撮れるようにという意味での大口径レンズです。

お預かりしているハーフ17は
とりあえずシャッターは切れているのですが
粘りが少々あるようです。
それよりも気になるのがレンズ鏡銅がグラグラです。
ピントリングはしっかりしているので
シャッターユニット部分より前がぐらついているようです。
。。。ということはフィルム室側から
シャッターユニットを留めているリングを増し締めしてやれば
良いかというと、そんなに甘くはありません(笑)
実際にそこのリングは
少々のことではビクともしないくらい締まっています。
でも、ガタが出るということはここしか
締めるところはないはずですが。。。と思って
いろいろ調べていると。。。
どうやら緩んだ状態のときにシャッターユニット裏のリング
(チャージ・レリーズ用)がズレてしまっていて
そのままの状態で締めこまれたのではないと思われます。
相当、思い切り締め付けたようで緩めるのに1時間近くかかりました(汗)
きちんと噛み合っていない状態で締めても
当然、ガタつきは直るわけがないですよね。。。

心配されたセレンは問題なく起電しているようです。
露出計の精度は調整用の半固定抵抗で対応できそうです。
レンズは非常に良い状態です。
羽根車を回すタイプのシャッターなので
やはり粘りの原因は羽根車の動作不良のようです。
ファインダー内に目測のピント位置表示や露出計表示もあるので
レンズボードと本体のリンクはペン等に比べると
多少複雑で、再組み立てのときに少々注意が必要です。
シャッターユニット整備、レンズ清掃を行い
再組み立てに取り掛かります。

エレクトロでもお馴染みですが
ヤシカらしいギンギンギラギラな
シルバーは何とも魅力がありますね。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「振袖火事の日」だそうです。
1657(明暦3)年のこの日、
江戸城天守閣と市街のほとんどを焼失し、
死者が10万人にもおよんだ明暦の大火が起きたそうです。
諸説ある火事の原因の中で
いわくつきの振袖が原因。。。と言われる話が
まことしやかに語り継がれており
「振袖火事」の異名があるそうです。
長くなるので割愛しますが
ご興味のある方は調べてみてください。
個人的には人の霊魂だとか怨念だとか死語の世界だとか
一切存在するわけがないと思っていますが
世の中には不思議なことが数多くあるのも事実ですね。
そういうのはきっと人の目に見えない蟲か妖精のせいだと思っています。

さてさて

今日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
今回の「F」はボディのみの状態でお預かりしています。
「F」の中では後期モデルにあたる
「ニューF」とも呼ばれるものです。
外観上では巻上レバーやセルフタイマーレバーが変更されています。
もちろん基本的な構造は従来の「F」と変わりません。

この「ニューF」ですが巻上が全くできません。
巻上レバーは手応えなくスルスルと回るのですが
シャッター幕が全くチャージされません。
幕の位置は1/3ほど巻き上げられた
中途半端な位置で止まったままです。
ただ、フィルムを送るスプロケットは回っています。
実際に試してみると「F」使いのかたなら
イメージできると思いますが
「A-Rリング」を「R」ポジションにしたまま
巻き上げているような感じ。。。です。
今回はもちろん「A-Rリング」は「A」になっています。

巻上部がおかしいことはわかっているので
本格的に分解する前に巻上部上カバーを外し
下カバーも外し、巻上機構がある程度確認できるようにしておき
まずは動きを観察します。
やみくもに分解すると何が悪かったかわからなくなる可能性があるので
先に悪い箇所だけある程度ははっきりさせておきます。
もちろん最初に「A-Rリング」下部のリンクを疑いましたが
ここには問題はないようです。
しばらく動きを確認しているとどうやらスプロケット下の
クラッチの動きが悪いらしくシャッター幕軸にリンクしていないようです。
ある程度、原因が確認できたところで
本格的な分解整備に取り掛かります。
悪いところがわかっていると分解したときにそこを入念に
チェックしなくてはなりません。
よくわからないまま分解してしまうとたまたま動きがよくなって
原因のわからないまま症状が改善してしまうこともあります。
そのまま進めてしまうと再組み立てしてしばらくすると
同じ症状が出てしまう可能性も高いため
トラブルの原因はできるだけ分解する前に
ある程度、原因箇所をはっきりさせておくことが大事です。

整備・修理が完了し再組み立てした「F」は
あの剛性感の非常に高い精密な巻上が復活しました。
おそらく同じトラブルはもう出ないと思われます。

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キヤノンFXのカメラ修理

今日、制定されている記念日のほとんどが
阪神淡路大震災にちなんだものなのですが
その中に「おむすびの日」という記念日がありますね。
震災の炊き出しにちなんだものだそうです。
由来はさておき、炊き立て熱々のご飯で
手を火傷しそうになりながら作ったおむすびは
本当に美味しいですよね!
それであれば具材もナシの塩むすびが最高だと思います。
最近、めったに自宅でお米を炊くことがないのですが
熱々の塩むすびのためにたまにはお米を炊きましょう。
元々お米好きなのでむすびでなくても
広島菜が少しあれば炊き立てのご飯一合半はペロリと平らげちゃうのですが。。。
まぁ、この歳でそれを頻繁に行うといろいろ弊害が。。。(汗)

さてさて

本日はキヤノンFXのカメラ修理を行っています。

一眼レフの開発で完全に出遅れてしまった感のあった
キヤノンがいよいよ巻き返しを図るために新しく開発した
「Fシリーズ」、その最初のモデルが「FX」です。
「Fシリーズ」はその後、F-1やFTbへと発展し
ニューF-1まで含めると20年近く続いたことになります。
その間に基本的な構造は同一なものの
レンズマウントもFL、FD、ニューFDへと進化していきます。
最初のモデルであるFXの発売は1964年です。
オーソドックスな布幕横走り式機械制御シャッターを搭載し
露出計はCdSを使った外光式です。
シャッタースピードの設定に露出計指示版が連動し
指示された絞り値をレンズで設定するという方法です。

お預かりしているFXは
元々使えていたものらしいのですが
巻上が2/3ほど巻き上げられたところでロックしてしまっています。
もちろんシャッターは切れません。
巻上ロックがこんな位置でかかるわけはなく
原因がイマイチわかりません。。。
底部巻上周りの部品をいろいろチェックしていると
突然、巻上ロックが解除されて最後まで巻き上がりました。
「あれ?なんで直ったの?」と不思議に思っていると
10回ほどシャッターを切ったところで
再び同じ場所で巻上ロックされてしまいました。
もしや?と思い今度は上部巻上部のギア周りを
チェックしていくと。。。ありました。。。小さなナットが
紛れ込んでいてギアに噛みこんでいました。
これが原因のようです。
巻戻し側にある電池室端子が欠落しているのですが
それを留めていたナットがペンタ部を乗り越えて
ここまできてしまったようです。
電池室も後で修復して露出計も直します。

現存しているFXやFP、FTあたりのFシリーズ初期のモデルは
シャッター周りの油切れが進んでいて
キヤインというような高い異音を伴ってシャッターが切れるものが多いのですが
本来は非常に歯切れの良いキヤノンらしいシャッター音です。
今回もシャッターは切れるようになったのですが
油切れはかなり進んでいますので
幕軸周り、ミラー駆動部等も同時に整備を行っていきます。

写真は一通り整備を行って組み上げている途中でのものです。
ちょっとわかりにくいのですがシャッターダイヤルから
細い銅の帯が伸びていてそれで露出計の
指示板を動かしています。
この銅の帯が元々非常に脆いので注意が必要です。
普通に動かしている分にはまず切れることはありませんが
整備中にうっかり引っ掛けたりすると簡単に切れてしまいます。
ミノルタSRT系の連動糸やAE-1のワイヤに比べても
非常に切れやすく扱いには細心の注意が必要です。
昔、何度か痛い目にあいました(苦笑)

これからシャッタースピードの調整及び
露出計の調整をして完成となります。

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ニコンFフォトミックTのカメラ修理

今日は「囲炉裏の日」だそうですよ。
囲炉裏のある古民家とか住んでみたいですねぇ。。。
この季節、お店にいると
常に寒いと感じながら仕事しているので
囲炉裏ので温まりながら煮物とか食べたいですねぇ。。。
串に刺した焼き魚なんかもいいですねぇ。。。
日本酒は燗がいいなぁ。。。妄想が止まりません(笑)
床を掘ったタイプの囲炉裏は
そう簡単に作れるものではありませんが
最近は囲炉裏テーブルとかもあるのですね。
うーん、どちらにしてもそんなものを置くスペースはないなぁ。。。
そういえば数年前に火鉢を本気で買おうかと
検討したこともありました(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックT」のカメラ修理を行っています。
ニコンFのボディに露出計内蔵のフォトミックファインダーが
装備されたものです。
Fのフォトミックファインダーは4種類存在します。
最初の「フォトミック」(外光式)
今回お預かりしている「フォトミックT」(TTL方式平均測光)
「フォトミックTn」(Tを中央部重点測光に変更したもの)
「フォトミックFTn」(Tnに開放F値補正機能が付いたもの)
いずれも受光素子はCdSです。

お預かりしている「FフォトミックT」は
ご依頼者様のお父さまが使っていたものだそうです。
かなり長い間、仕舞いこんであった様子で
全体的にサビ・汚れもあります。
とりあえずシャッターは動作するものの
高速シャッターの精度は全く出ておらず
スローシャッターではガバナが動作不良です。
フォトミックTファインダーの露出計は全く動きません。
経年劣化はかなり見られるものの
元々、丁寧に使われていて
その後も大切に仕舞いこまれていたものなので
致命的な部品の欠損や破損はないと思われます。
全体的にリフレッシュして動きやすくする処置が必要です。

付属するニッコールオート50mmF1.4も
カビがかなり発生しており
ピントリングもスカスカになっているので整備・清掃を行います。

動く部分はとにかく全て念入りに清掃して
適度な注油を行い、動きを確認する作業を繰り返します。
Fのフォトミックファインダーは
摺動抵抗の劣化の状況や電池室の腐食具合によっては
修理不可能な場合も多いのですが
今回は摺動抵抗に接するブラシの汚れが酷く
全く導通していなかったことが不動の原因で
何とか実用に問題ないレベルまで直すことができました。

ちょっとこの頭でっかちなのがまた良いのですよねぇ。。。
完全に余談ですが。。。
私が祖父さんから引き継いだFが2台あるのですが
1台はフォトミックTでした。
初めて触ったカメラもフォトミックTでした。
小学校に入った頃だったかな。。。
祖父さんに
「針が真ん中になるように絞りを回して・・・」
などと教わったことを鮮明に思い出しました(笑)

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オリンパスOM10のカメラ修理

昨日のブログで「今日は1月14日」と書いていますが
13日が正解で「どんと焼き」も今日ですね。。。(汗)
勘違いだらけで申し訳ございません。。。。

今日は「成人の日」」ですね。成人の日というと
未だに1月15日のイメージが強いのですが
ハッピーマンデー制度で現在の形になってからは
15日が成人の日になることはありえないのですねぇ。。。
まぁ、私が二十歳で成人の日を迎えたのは
遠い遠い遠い昔の話ですし、おまけにあまり興味がわかなかったから
成人式行ってないですし。。。(苦笑)
なにはともあれ新成人の皆さま、おめでとうございます!

さてさて

本日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
絞り優先AE専用のエントリーモデルですね。
各社から同じようなスペックのモデルが
同じような価格で販売されどれもヒット作になりました。
(ニコンEM、ミノルタX-7、ペンタックスMV1等々)
OM10は他メーカーと同様に電子制御シャッター搭載ですが
一味違うのはTTLダイレクト測光を採用していて
ミラー下に配置された受光体で
フィルムに反射した光を測候し露出を制御しています。
こTTLダイレクト測光は上位機種であるOM-2から
受け継いだものでOM10はOM2の部品点数を約半分に簡素化し
機能も一部省略されていますが基本的な部分は
OM-2と共通なのですね。
さらに基本的には絞り優先AE専用機ですが
オプションのマニュアルアダプターを仕様することにより
マニュアル露出も使えるようになります。

基本的な部分がOM-2と共通ということもあり
デリケートな部分もあり
場合によっては修理不能なことも多々あります。
(ちなみに当店では現在OM-2の修理は扱っておりません)
お預かりしているOM10は
ご依頼者様いわく「電源が入らない」ということでしたが
正確にいうと電源は入っているのですが
(電子シャッターは機能している)
露出計の表示が全く出ないようです。
入れてあった電池は消耗しきっていて
おまけに少し膨らんでいます。。。
嫌な予感がしたのですが
新しい電池を入れてしばらくシャッターを切り
電池をチェックしてみると電池が熱くなっています。
どこかでショートしているようです。
これはかなり厄介な状況です(汗)

まずはテスターでいろいろチェックしながら
できる限りのことをやってみます。
基板内での短絡でなければ何とかなると思われます。
今回のOM10は遠方から宅配便で送られてきたものですが
カメラと一緒に「このカメラでないとダメなんです」と
一文が添えられていました。
はい!何とかがんばってみます!

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ミノルタSRT101のカメラ修理

今日は1月14日。。。
この日にどんと焼きで正月飾りや書初めを燃やす地域が
多いのではないかと思います。
8日や10日の地方もあるのですね。
残念ながら私の育った地域ではどんと焼きの習慣はなかったのですが
ちょっと田舎のほうに行くとこの日に行っていたと思います。
(いや私の地元も相当田舎ではあるのですが。。。)
もうさすがにお正月気分でもないですね。
気合い入れてお仕事しなければ!

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
SRTも毎月必ず1台は修理を行っているカメラですが
今年の最初の1台ですね。
大ヒットしたカメラであると同時に長い間生産されたカメラでもあるので
現在、存在する台数もかなり多いカメラだと思われます。
加えて基本的に非常に丈夫なカメラなので
何十年も放置していた個体でも
とりあえずはシャッターは切れる。。。というものも多いと思われます。
しかしながら動きにくい状況の中で
何とか無理やり動作している。。。という状態の多いカメラでもあります。

今回のSRT101は比較的初期のモデルです。
ご依頼者様が最近手に入れた個体だそうですが
外観は非常にキレイでシャッターもとりあえず切れてはいるのですが
やはり相当動きが悪いようで
シャッタースピードの精度は全く出ていません。
まぁ、ネガであれば撮れないわけではないですが。。。
露出計はバッテリーチェックも含めて
ピクリとも動きません。

一通りの整備を行って組み立てかけの状態です。
幕軸周り、ミラー駆動部、巻上周り等々
稼動部分は随分スムーズに動作するようになったと思います。
露出計は一部配線が断線していたので
リード線を一部交換しました。
たびたびSRT系でトラブルの原因ともなる
CdS周りのハンダ付けも全てやり直しました。

今回のSRTでは大丈夫だったのですが
たまに電源オフにしても少し露出計の針が振れてしまう個体が
SRTで見受けられます。
電源が完全に遮断されていない状態です。
底部に端子が重ねて配置してある箇所があるのですが
そこの絶縁が不良になっており
わずかにショートしてしまっていることが原因のようです。
いろいろなカメラを触っていると
この機種だとこういうトラブルが多い。。。というのは
ある程度パターン化されているので
SRTのように頻繁に修理しているカメラだと
やはりトラブルシューティングは少し楽ですね。
それでも思ってもいないようなトラブルもたまにはありますが。。。

これから完全に組み立てて最終チェックを行います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「桜島の日」だそうですよ。
1914年のこの日に史上最大の噴火が起き
流出した溶岩によって大隅半島と陸続きになったそうです。
鹿児島ですね。。。一度くらい行ってみたいですねぇ。。
実は私、意外と遠くに旅行したことがなくて
九州は阿蘇山より南に行ったことないのです。
阿蘇山も修学旅行だし。。。(笑)
茨城より北に行ったこともないし。。。
北陸・東北・北海道は足を踏み入れたこともありません。
まぁ、いつか時間が余ったら行ってみるかな。。。
(そんなことを言っているようではきっと行けない(笑))

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月必ず修理依頼のあるカメラですね。
1950年代から60年代にレンズシャッター機や
ペンシリーズで大成功を収めたオリンパスが
満を持して登場させた一眼レフカメラです。
それまでの一眼レフの悪しき特長であった
「大きい」「重い」「煩い」を徹底的に排除し
それまでの一眼レフにはないコンパクトさと
静かなシャッター音・ミラーショックを実現したカメラです。
システムカメラとしての位置づけであり
「宇宙からバクテリアまで」というメインテーマで
膨大なアクセサリー群とともに開発・発売されました。

それまでの常識を覆すほどのコンパクトな一眼レフな故に
いろいろ独創的な部分があり
どうしても長期的な耐久性に若干難があるところも存在します。
とはいえ。。。定期的にメンテナンスを行っておけば
そう簡単に致命的なトラブルは起きないカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は
ご依頼者様が新品で手に入れて
現在までずっと使ってらっしゃる1台とのことです。
非常に丁寧に使われているがよくわかります。
外装には若干のスレはあるものの
目立つようなキズ・アタリは一切見受けられません。
巻上が若干重いような感じがしますが
シャッターは元気に作動しています。
これまで一度も整備に出したことがないとのことです。

モルトはもちろん全滅ですが
プリズムの腐食は奇跡的にありません。
もちろんプリズム周りのモルトは劣化しているのですが
プリズムへの侵食はほとんどありませんでした。
シャッター速度はさすがに精度は狂っています(特に高速域)
スローもガバナは少し粘り気味です。
露出計もやはりズレてしまっていますが
いずれもしっかり整備することで問題ないレベルになりそうです。
おそらく少しずつしか使っていなかったものと思われますが
使っていないときの保存状況がよかったものと思われます。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
(レンズとシューは当店テスト用のものです)
露出計やシャッタースピードの精度はもちろん
全体的に動きが軽快になりました。
自分が気に入って手に入れたものを長く使い続ける。。。というのは
本当にステキですよね。
これでまだまだ安心して使っていただける状態になったと思います。

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キヤノンFTbのカメラ修理

地域によっては異なるところもあるのですが
今日は「鏡開きの日」ですね!
鏡餅を雑煮や汁粉にして食べる日です。
もともと武家の風習だそうで
餅を切るのは切腹を連想し縁起が悪いということで
「切る」という言葉を避けて「開く」という言葉にしているそうです。
実際に鏡餅も切るのではなくて木槌などで
砕いて食べるのだそうです。
まぁ。。。お正月に鏡餅どころか雑煮もおせちも食べていない私には
あまり関係のない話ですが。。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年の発売開始で同じ年にデビューした
F-1と基本設計は同様のモデルです。
ただ外見はこれまでのFT系に近いものです。
F-1同様、FDレンズとの組み合わせで
TTL開放測光に対応し、独特の部分測光も同様です。
比較的、手ごろな値段で
(F-1の半分以下の35000円。。。とはいえカメラ自体がこの時代は高価ですが)
非常に人気の高かったカメラです。

今回お預かりしているFTbは正確に言うと
発売開始から2年後の1973年に
マイナーチェンジを施された「FTb-N」です。
最大の違いはファインダー内に
シャッタースピードが表示されるようになったことです。
他、巻上レバー、シャッターボタン
セルフタイマーレバーに変更が行われています。

この時代のキヤンン横走りシャッター機は
油切れが起きているとシャッターが走行した瞬間に
妙に高周波の「キャン」と言った感じの音が混じります。
(毎回ではなくたまになることも多い)
後のAシリーズのシャッター鳴きのように
わかりやすい異音ではないのですが
油切れのない個体と比べると明らかに違いがわかります。
で、この音が起きていると
ほぼ間違いなく高速シャッターの精度は出ていません。
今回も1/1000で1/400くらいしか出ていませんでした。

加えて電池室は蓋の外まで緑青で溢れています。
昨日のハイマチック7もそうでしたが
今回もこれを開けるのにかなりの時間を要しました。
電池室裏側には比較的ダメージが少なかったのですが
それでも接触不良となっています。

いろいろダメージはありますが
致命的な破損等はありません。
全て経年劣化による動作不良です、
とにかく分解して稼動部分は清掃して注油し
露出計関連の回路はクリーニングして
導通を確保するという作業となります。
写真は一通り整備が終わって組み上げている段階でのものですが
シャッター音が明らかに変わりました。
この状態であればあとは微調整で
精度が出せると思います。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「110番の日」だそうです。
まぁ、あまりかけるような事態は起きてほしくないですねぇ。。。
110番は1948年にGHQからの申し入れにより
当初は8大都市(東京区部・大阪市・京都市
・横浜市・川崎市・名古屋市・神戸市・福岡市)で始まりましたが
最初は東京は110番、大阪・京都・神戸は1110番
名古屋は118番とバラバラだったのですね。
全国的に110番に統一されたのは1954年とのことです。
110番を含むいわゆる緊急電話は
ダイヤル式の電話機のストッパーまでの距離が短い
「1」を多くする。。。という考えがあるそうで。。。
確かに110、119、118。。。確かにそうですね。
今となっては1でも9でも同じことなのですが。。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックとしては2代目のモデルとなります。
発売開始は1963年です。
初代ハイマチックのOEM機であるアンスコオートセットが
フレンドシップ7に乗って初めて宇宙に行ったカメラとなったことから
2代目のハイマチックはそれにちなんで
「ハイマチック7」の名が与えられました。
これ以降、ミノルタのカメラの中で「7」という数字は
特別な数字としてモデル名に使われることが多くなりました。

プログラムAEのみだった初代とは違い
マニュアル露出が可能です。
SSリングと絞りリングを両方「A」ポジションにセットすると
プログラムAEとなります。
どちらかを「A」にしているだけでは使えません。
露出計はCdS受光体を使用したものになり
ファインダー内の表示はLV表示です。
非連動ではありますがマニュアル時にも使用できます。
一通り何でもできる使い勝手の良いカメラです。
レンズは定評のあるロッコールPF45mmF1.8を搭載し
シャッターユニットはセイコーシャ製です。

お預かりしているハイマチック7は
何故か鏡胴がグラグラで外れそうなくらいです。
そのためだと思われますが
絞りリングを回しても全く絞りは変化しません。
加えてシャッター羽根は固着してしまっており
シャッターも切れません。
さらに電池室の中には当時の水銀電池が入ったままで
当然、腐食しています。
電池室の蓋は固着してビクとも開きません。
それでもこのカメラなら一通り整備して
正しく組み上げれば普通に使える状態にはなると思います。

鏡銅がグラグラだったのは各リングを押さえている
ネジのほとんどが緩んでしまっていたせいでした。
もちろん、シャッター羽根・絞り羽根ともに
油シミもあり、一通りの整備を行います。
電池室は蓋の外まで緑青が溢れている状態で
開けるまでに1時間ほど奮闘しました(汗)
電池室内はもちろん
繋がっているリード線も完全に腐食しています。
電池室からのリード線はもちろん張替えです。

それでもレンズやファインダーに致命的な異常はなく
快適に使える状態になりそうです。
初期の部類となるハイマチックなので
少々大柄ですがその分しっかり造られています。
きっとステキな写真をたくさん撮っていただけると思います。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は「風邪の日」だそうですよ。
あまり風邪をひく体質ではないのですが
昨年秋に20年ぶりくらいに風邪をひきました。
喉と鼻がやられたくらいで熱とかは出なかったのですが
それ以来、咳が出始めるとなかなか止まりません。。。(汗)
出ないときは全く平気なのですが。。。
もうこれは風邪じゃないですよねぇ。。。。
うーん、やっぱり色んなところが傷んでいくなぁ。。。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
先週もXAの修理を行っていますね。
軽量コンパクトでレンズバリアを備えた
常に持ち歩くには最適なカメラです。
XAシリーズはこのXAが最初に登場し
その後、XA2、XA1、XA4、XA3とシリーズ化していきます。
そのXAシリーズの中で唯一、レンジファインダーを搭載するのが
この初代XAです。
(他モデルは目測あるいは固定焦点)
さらに露出はプログラムAEではなく絞り優先AEであり
絞りを使った表現も可能という優れものです。

そんな良いことずくめのXAですが
さすがにこれだけ小さくまとめて作られていると
修理は大変です。
さらにXAは絞り優先AEに使用する受光体(CdS)と
露出計ファインダー内表示の受光体が別回路で
全く連動していないのですが
このファインダー表示用のCdSが劣化していることが非常に多く
調整もできない構造になっています。
そのためファインダー表示の露出計は修理ができないことも多いのです。
(実際のオートは調整可能)

今回、お預かりしているXAは
心配されるファインダー内露出計の精度はまずまず問題ないのですが
実際のオート露出が3段以上オーバーになってしまうようです。
調整ではいかんともリカバーできる範囲ではなく
明らかにオートを司っているCdSの劣化と思われます。

オート用のCdSを中古良品と交換した上で調整を行い
現在は全く問題のないオート露出ができるようになりました。
もちろん、シャッターユニット整備、レンズ清掃、ピント調整
距離計調整等々、一通りの整備を行っています。

私も個人的に1台、XA欲しくなってきました。
ちょっと探してみようかな。。。

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