今日から12月ですね。
本格的な冬の到来ということもあり
本日は「カイロの日」なのだそうです。
カイロといえば今は使い捨てカイロが多いのですが
私は昔ながらの「ハクキンカイロ」を使っています。
これがとても暖かくて冬場には手放せません。
確かにベンジン入れる手間や多少の手入れは必要ですが
使い捨てカイロよりずっと暖かくて良いですよ~
使ったことない方は是非一度使ってみてくださいませ
一度使うと手放せなくなると思います!
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年にフラッグシップのF-1と
新マウントのFDレンズが発売され
その技術をフィードバックした中級機というポジションで
発売されたのがFTbです。
基本的仕様はF-1との共通点も多く
非常に良くできたカメラです。
基本的にはFDレンズとの組み合わせで開放測光を行いますが
従来のFLレンズとの組み合わせでも絞込み測光が可能です。
F-1と同様にコンデンサレンズの後方に
CdSを配置して中央部部分測光となります。
この時期のキャノン機お得意のクイックローディングも装備し
フィルム装填も簡単に行えます。
セルフタイマー部はF-1と同様に
絞り込み機能やミラーアップ機構も組み込んだ独特の仕様です。
当店でも修理依頼の多いカメラですが
基本的には非常に丈夫なカメラです。
お預かりしている「FTb」は
まず1/1000、1/500でシャッターが開きません。
先幕の幕速がかなり遅いようで
後幕とのバランスが大きく崩れていることが原因です。
1/250でやっと開きますが
その場合でも写真両端でかなりの露出差が出てしまっています。
原因は幕軸の汚れ、油切れによる動作不良と思われます。
露出計は動作してはいますが全く精度は出ておらず
今回は使用電圧を1.5Vとして調整しなおします。
同時に50mmF1.4と28mmF3.5のFDレンズもお預かりしているのですが
こちらもかなりカビが発生しているので
レンズ清掃を行い、ピント精度等の調整・整備も行います。
まずはボディ側の整備から取り掛かります。
キヤノンFシリーズもプリズム腐食の多いカメラで
今回はお預かり時にファインダーを覗いたときには
大丈夫かと判断していたのですが
プリズムを降ろして改めてチェックしてみると
やはり縦方向に流れるような腐食が見つかりました。
それほど酷いものではないのですが
この機会ですから交換で対応します。
FTbはFXやFPに比べると腐食のない中古プリズムの入手が容易です。
それから今回は大丈夫でしたが
キヤノンFシリーズは幕ブレーキの劣化を原因とする
シャッターバウンドが発生していることが多いカメラです。
幕ブレーキ部分も入念にチェックを行います。
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