日別アーカイブ: 2019年12月24日

ペンタックスMEのカメラ修理

メリークリスマス!
クリスマス・イヴですねぇ。。。
世の中はイヴで盛り上がっていますが
年末年始にお休みをいただくこともあって
私は年末の追い込みでこんな時間にブログを書いています(笑)
明日起きたら枕元にプレゼントあればいいのになぁ。。。
昨年も書きましたがクリスマス・イヴは直訳すると
「クリスマスの夜」という意味になります。
キリスト教会暦では日没が一日の始まりで
クリスマスは24日の日没から25日の日没までとなるので
その間の夜である24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼びます。
だからクリスマスイヴはクリスマスで
明日の夜はもうクリスマスではないのですねぇ

さてさて

そんなイヴの夜は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
「ペンタックスMシリーズ」を代表するカメラですね。
Mシリーズといえば「MX」も人気がありますが
「MX」はどちらかといえば「Mシリーズ」の中では
他のモデルと共通点の少ない基本設計から異なるカメラです。
「ME」はセイコー製縦走り金属羽根シャッターを
電気的にコントロールする電子シャッター機です。
絞り優先AE専用機となりますが
非常に軽量コンパクトで使いやすいカメラです。
もちろん新品時にはかなりのヒット作となり
現存する個体数も非常に多いカメラです。
ただし、ME系といえばミラーアップしたまま固着という個体が非常に多く
そのためジャンク扱いになっているものも多いと思います。
ペンタックス布幕横走り機もミラーアップトラブルが多いですが
(アサヒペンタックス系全般、SP系、MX等)
それはシャッター幕の走行不良が原因のことがほとんどで
ME系の場合はミラー駆動部に使われているゴムブッシュが
劣化で粘着質となりミラーが駆動できなくなることが原因です。
同じ原因でミラーチャージロックができず
いくら巻上してもチャージができない、何度でも巻上げができてしまう等の
トラブルを起こす場合もあります。

お預かりしているMEはそのミラー駆動周りにはトラブルはないようです。
「いったんきちんと」チャージができればスムースにシャッターは動作します。
「いったんきちんと」とわざわざ書いたのは
巻上に難がありたまに巻上途中で何かに引っかかった感じで
巻上げができなくなるのです。
それでもいろいろガシャガシャやっているうちにスルっと巻上できたり
最初から普通に巻上ができることもあります。
ただ、巻上レバーを格納している状態から
引き出すと通常ならクリック感があって
巻上が実際に開始する直前に止まるのですが
その遊びの部分に全くクリック感がなく
巻上レバーを格納していてもプラプラと固定されない状態です。
これもME系でよくあるトラブルなのですが
巻上レバークリックは板バネで作られているのですが
その板バネが折れてしまっているものと思われます。
さらにその折れた板バネが巻上軸のどこかにひっかかって
巻上トラブルを起こしているのではと予想されます。

この後、巻上軸も外してチェックしてみたところ
板バネの折れた先端が出てきました。。。
もちろん板バネは交換し
ミラー駆動部の整備やいたるところにある内部モルトの交換も行います。
プリズムはSP系と同様に左右のイモネジで止められているのですが
そのイモネジも片方、なくなってしまっています。
内部に残っているとこれもトラブルの原因になるので
隅々まで分解して探したのですがこちらは発見できませんでした。
小さなネジだからどこか隙間から外へ出て行ったのかもしれません。
シャッターユニットの整備・ファインダー清掃も行い
仮組みをしてオートや露出計の調整を行えば完成です。

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