日別アーカイブ: 2019年12月15日

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「観光バス記念日」だそうです。
1925年(大正14年)のこの日に
東京乗合自動車により日本初の定期観光バスである
「ユーランバス」の運行が開始されたのだそうです。
「観光バス」とはいえ「路線バス」のようなものだったそうです。
最近はバスに乗ることもすっかりなくなりましたが
地元・呉にいたころは公共の足は
鉄道よりバスがメインでしたからよく乗りました。
すごく幼い頃にまだボンネットバスが現役で
一度乗った記憶があるのですが
もう一度、ボンネットバスには乗ってみたいですねぇ。。。
レトロなボンネットはもちろん
あの丸っこいテール部分が良いのですよねぇ
私が良く乗っていた「呉市営バス」は
今は移管されて「広電バス」になりカラーリングも
広電カラーになっているのですが
ボンネットバスだけは呉市産業部が保有してるそうで
確かGW前後は呉市内を回る観光バスとして
運行しているのじゃなかったかな。。。
うーん、もうちょっとよく調べて乗られるようだったら
来年のGWに乗ってみたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1940年代から受け継がれるオリンパス35シリーズの一員です。
オリンパスらしいコンパクトなボディに
40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
この時代に多い露出計の針を挟み込んで露出を決定する
プログラムオート露出機です。
シャッターユニットはセイコー製で
シャッター羽根が絞りを兼用するタイプです。
シャッター制御そのものは機械制御ですが
露出計がある程度は振れていないとシャッターロックがかかる機構が
付いているため電池を入れていないとシャッターを切ることができません。
前期モデルと後期モデルに分類でき
ファインダー横にバッテリーチェックボタンがあるものが後期型です。
空シャッター時にレンズキャップを閉めたまま
シャッターを切る場合は
(通常だとキャップをしていると露出計が振れないためシャッターが切れない)
前期モデルは底部のFボタン
後期モデルはバッテリーチェックボタンを押したまま
シャッターを切ると強制的に露出計が振れ
シャッターを切ることができます。
上カバー背面には逆光補正用のBLCボタンも装備されています。

お預かりしている35DCはバッテリーチェックボタンのある後期型です。
シャッターが切れないということでお預かりしました。
先述のように電池が入っていないとシャッターが切れないのですが
今回は電池を入れてもシャッターにロックがかかったままのようです。
露出計が動かないのかと思われましたが
ある程度分解して確認してみると
露出計そのものは動くのです指針挟み込み機構が
指針を挟み込まない位置で固着していて
そのためそれ以降は露出計指針が動くことができず
シャッターロックがかかったままになるようです。
35DCはレンズシャッター機でよく見られる
シャッター羽根粘りとかは少ないのですが
露出計絡みのトラブルが比較的多いですね。

写真ではわかりにくいですが
露出計は少々変わった場所に配置されています。
通常、このタイプのカメラでは露出計は
上部ファインダー横に配置され
指針挟み込み機構も併設されるのが普通ですが
35DCは巻戻しクランク側下部に配置され
挟み込み機構もそこにありオート調節機構も底部にあります。
そこから遠くファインダー部に露出計と連動して
露出計の値を連動表示させるような仕組みになっています。
上カバーを外さなくても露出計調整やオート調整ができるので
一見便利そうなのですが
底カバーを外すと通常に電池を入れることができないので
それほど調整は楽ではないです(苦笑)
露出計挟み込み機構の修理・調整はもちろん
レンズにはカビが結構発生しているので清掃、ピント再調整を行い
セルフタイマーの動作不良等もありましたので
現状抱えているトラブルを修理しつつ
シャッターユニット、露出計、オート機構、距離計等々
一通りの整備を行っていきます。

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