月別アーカイブ: 2020年12月

キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「カレンダーの日」なのだそうですよ。
12月にも入りましたし
来年のカレンダーの準備も必要ですね。
私のお店の壁掛けカレンダーは
毎年恒例のカープカレンダーで
もちろん来年のものも入手済みです。
その月よりも来月のカレンダーを見たことも多いため
昨年から2枚使って今月と翌月を表示するようにしています。
つまり既に来年1月のカレンダーもかけてあるのですね!
写真を撮る人であればオリジナルのカレンダーも
作ってみたいと考える方も多いでしょうね
私も昔は自分の写真で卓上カレンダー作りました。
今は。。。いや、自分が撮った写真よりも
飾りたいものが多くって。。。(苦笑)
実は密かについ先日話題にもなっていた
宮崎美子さんのカレンダーも予約しているので
クリスマス過ぎには届くはず。。。楽しみだ。。。
いや、さすがにお店には飾りませんよ(笑)

さてさて

本日はキヤノンF-1のカメラ修理を行っています。
一眼レフで正直なところ完全に出遅れた感のあったキヤノンが
社運をかけて開発したプロ用最高級一眼レフです。
このカメラが発売されたことにより
この分野では完全に独り勝ちとなっていたニコンに追いつき
ここから何十年も続くニコン・キヤノン2大メーカーによる
壮絶なシェア争いが始まっていくわけです。
発売は1971年、ライバルであるニコンの
当時のフラッグシップはF2です。
露出計を内蔵しつつも非常にスマートなデザインとされ
キヤノン=スタイリッシュなカメラというイメージが
F-1で出来上がったような気がします。
対するニコンは露出計内蔵モデルとなると
F2フォトミックですが
F-1とは正反対の非常に武骨なデザインです。
いや、これはこれで非常に魅力的ではあるのですが
見事に正反対なイメージでまたそれぞれのメーカーのイメージを
そのまま表していて今見比べても非常に面白いですね。

お預かりしているF-1は
シャッター幕の走行が少々不安定なようで
それに関連してたまにミラーアップしたままになってしまいます。
以前にも書きましたが横走りシャッター機で
ミラーアップが起こる症状は
ミラー駆動が原因のこともたまにありますが
大半のものが後幕の走行不良により
シャッター幕走行完了時にミラーダウンレバーを
うまく蹴れないことが原因であることが多いのです。
今回もミラー駆動部の清掃整備ももちろん行いますが
直接の原因は幕軸の汚れ等による幕走行不良かと推測されます。
それとは別の問題でスローガバナの動きも悪いようです。
固着とかしたりではないですが
例えば1棒のシャッターの時に
1秒シャッターが閉まった後
ガバナはロックが外れて瞬時に戻らなくてはいけないのですが
シャッター作動時と同じように
「ジーッ」とゼンマイ音をたてて帰っていきます。
これもガバナの動きが悪いために起こる現象です。

画像のレンズは当店のテスト用レンズです。
幕軸、スローガバナ、巻上機構部、SS機構部等々
動作する部分は一通りの整備を行った上で再調整しました。
もちろんファインダー清掃、露出計調整も行っています。
SSの精度も含めてお預かり時よりずいぶん改善しています。
動きが全体的に軽やかになったと思います。
F-1だけではなく当時の各メーカーのフラッグシップモデルは
そのメーカーの持つ技術を惜しげもなく詰め込んだものばかりで
非常に造りの良いものばかりです。
しかしながら定期的なメンテナンスを行わないと
経年劣化には勝てず本来の動きを失っていくことになります。
今回のF-!もこれで当分安心して使っていただけると思います。

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ペンタックスSPⅡのカメラ修理

今日は「デーツの日」なのだそうです。
デーツって何?って思いますよね。
いや、私も知らなかったのですが
ナツメヤシの実を完熟させたドライフルーツのことで
お好みソースの甘みとコクを出す原材料としても
使われるのだそうです。
で、この「デーツの日」を制定しているのは
広島県広島市西区に本社を置き、
お好みソースなど様々なソースや調味料などを
開発・製造・販売するオタフクソース株式会社なのです。
あぁ~お好み焼き食べたい!
そりゃ東京でもお好み焼きのお店は高田馬場や新宿にでも
行けばあるのですけどね。
広島のようにちよいと歩いて気軽に行ける場所にないのですよ
(あ、行ったことないけど中野駅北口にはあるらしい)
まぁ、こうしてお好み焼きに飢えた状態にしておいて
また呉に行った時にでも
(一応年末年始は墓参りも兼ねて地元で過ごそうと考えている)
がむしゃらに貪り食ってやる(笑)
もちろんソバダブルで。。。
お昼前ということもあってこういうこと書いていると
無性にお腹すいてきました。。。
あ、デーツはドライフルーツとして売っているそうなので
今度買ってきて味見してみます!

さてさて

本日は「ペンタックスSPⅡ」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスSPはそもそも1964年に発売開始され
国内外で大ヒットしたカメラですが
「SPⅡ」は海外からの強い要望で
1974年に復刻・再生産されたモデルです。
基本的な部分はSPと同様ですが
アクセサリシューには接点がX接点が設けられホットシューとなりました。
他、細かい部品はいくつか変更が行われています。

せっかく10年後の復刻なのですから
プリズム周りに加水分解する遮光材をぐるりと巻くのは
変更してほしかったところですが
残念ながらそういうところは変わっていません(苦笑)
今回もその遮光材のせいでプリズム腐食が発生しており
ファインダー内にお馴染みの黒い横線が入っています。
ちなみにSPの後継機であるSPFとは
プリズムの互換性がないのですが
(微妙に大きさが異なる)
SPⅡはSPFの翌年の発売でありまながら
プリズムは旧SPと同じSPFよりわずかに小さいものを使用します。
まぁ、SPFも同様の腐食が多いので
まだこの時代は数十年後にこんなにプリズムが腐食するとは
想像できていなかったのかもしれません。
他メーカでも同時代のカメラで同じような現象も多いので
きっとそういうことなのでしょうね。

プリズムだけでなく露出計は不動で
シャッタスピードの精度は出ておらず高速は開き切りません。
低速時には頻繁にミラーアップになったままになってしまいます。
装着されているSMCタクマー55mmF1.8も盛大にカビが発生しており
ボディもレンズも一折の清掃整備が必要な状況です。
プリズムは中古良品と交換で対応します。

巻上は個体差(もともとの個体差ではなく
保存状態によって起きる個体差)もあり
何とも言えない部分もありますが
明らかに重く感触も悪くとても本来の状態とはいえません
金属疲労や摩耗の問題もあるので
完璧に新品の頃のようにとはいきませんが
本来のSPらしい
軽やかな巻上が取り戻せるようにも整備してきます。
現在起きているトラブルはいろいろありますが
どれもSPによくありがちなものばかりなので
整備が完成すれば見違えるほど絶好調になると思います。

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