今日は「針供養」の日だそうです。
折れてしまった針を豆腐やこんにゃくに刺して
供養し裁縫の上達を願う日だそうです。
私も折れたり曲がったりしたドライバーやピンセット
劣化して使えなくなったハンダコテの先。。。
毎日のように何かしら使えなくなるものが出てきます。
まとめて供養して
修理技術の上達を願ったほうがいいかもしれません。。。(^^;)
さてさて
本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
「リトルニコン」の愛称で親しまれた
絞り優先AE専用機ですね。
このカメラが出るまでのニコンといえば
堅牢で信頼性が高いのは確かですが
とにかく大きく重いカメラばかりでした。
そこで思い切ってプラスチックを多用し
昨日もAE専用機と割り切り
小型軽量化を推し進めて開発されたのがこのEMです。
ニコンの一眼レフの中ではおそらく最も小さく
軽いものだと思われます。
同時期に発売された当時のフラッグシップF3と同様に
ボディデザインはジウジアーロによるものです。
お預かりしているEMは
かなり長い間使われずに仕舞いこまれていたようです。
ご依頼者様のおじいさまが使われていたカメラだそうです。
長期保管品のため、ファインダーにはかなりカビが発生し
モルトはボロボロではありますが
丁寧に扱われていたカメラのようでボディにアタリや
目立つキズは全く見当たりません。
整備して磨き上げればかなりキレイなカメラになりそうです。
動作チェックを行ってみると
電子シャッターは切れているしオートも効いているようですが
カウンターが「1」を超えても露出計が全く反応しません。
根本的に壊れているわけではなく
何かしらの接触不良だとは思われます。
オートの精度はまずまず良いようですが
1/1000を使うような設定にすると
とたんに露出が不安定になります。
詳しくチェックしてみると、モルト屑等の汚れが
シャッター羽根の隙間に入り込み
動作を少々邪魔してしまっているようです。
EMの発売開始は1980年ですが
この時代のカメラになると上カバーを外せば
フレキ(フレキシブルプリント配線板)で覆われています。
フレキをある程度、外さないことにはプリズムすら降ろせない構造です。
。。。とはいえ、まだEMは楽なほうで
(この時代のカメラの中では)
比較的メンテナンスは行いやすいカメラです。
まだ上下カバーを外しただけですが
これから本格的に分解を進め各部点検整備一式を行っていきます。
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