ペンタックスMEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大暑」です。
ここから「立秋」までは厳しい暑さが続くということですが
残念ながら関東地方はまだ梅雨明けもしていなくて
今日もはっきりしない曇り空です。
でも陽射しがないとはいえしっかり蒸し暑さはありますので
これから今年も暑くなりそうですね
先日もツイッターで少し書きましたが
昔は「夏がくる」と思っただけでワクワクしたものですが
いつからか全くそんな気持ちはなくなってしまいました(苦笑)
暑いのはもともと苦手なこともあり
今では6月半ばくらいから「早く秋にならないかな」と思っています。
まぁ、そりゃぁ、若いころは「夏」といえば
イベント盛りだくさんだったし
友達となんやかんや計画して遊びに行くことも多かったし
それはそれは楽しい季節だったような気がします。。。
それだけ年齢を重ねてしまったのですねぇ
これから1ヶ月半くらいは
標高の高い(2000m以上)の涼しいところで
のんびり暮らしたいですねぇ。。。
まぁそうも言ってられないので
今日もエアコンガンガン入れて仕事します!(笑)

さてさて

今日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っていきます。
1976年発売の絞り優先AE専用機です。
「ME」の発売される1ヶ月前に「MX」が発売され
「Mシリーズ」がスタートしたのですが
「MX」はシリーズ中唯一の横走りシャッターで機械制御
他の「Mシリーズ」のカメラとは異なるカメラです。
そうなるとこの「ME」こそが
「Mシリーズ」を代表するカメラではないかな。。。と個人的には思います。
最新の電子技術を搭載し無りなくカメラを小型化し
プラスチックを多用して軽量化も進めます。
操作系もシンプルにまとめた「ME」は
狙い通りのヒット作となります。
その後、より表現の幅を求めるユーザ層向けに
マニュアル露出と1/2000を搭載した「MEスーパー」へと発展していきます。
MEはヒット作だけあって現存する個体数も非常に多いのですが
過去のヒット作にありがちな
個体数の多さ故の中古市場での不遇な扱いも目立つカメラです。
使い心地も良くてオートも正確かつ安定してて
(整備されて本来の姿ならば、という条件付き)
非常に良いカメラだと思うのですが。。。
とはいえ、当店としては修理依頼はコンスタントに多いカメラでもあり
電子制御カメラとは言え電子部品のトラブルは少ないカメラなので
個人的にも非常に好きなカメラです。

MEといえばミラー駆動部のゴムブッシュ劣化に起因する
ミラーアップが定番のトラブルなのですが
今回、お預かりのMEにはその症状は今のところ見られず
一見会長にシャッターは切れています。
オート専用機なので露出計の精度とオート制御が肝なのですが
肝心の露出計の挙動が不安定です。
いいときにはそこそこの値(アンダー気味ですが)を見せているのですが
たまに「over(赤文字)」側に振り切ってしまいます。
いったんこうなるとしばらく戻りません、
もちろんこうなっているときはシャッターを切っても
大幅にアンダーで写真hが真っ暗です。
おそらく絞り連動の摺動抵抗か
ASA感度連動の摺動抵抗に問題があるものと思われます。
もちろん分解の際に
定番のミラーアップトラブルへの処置も行います。

まだ上カバーを外しただけの段階です。
フィルム室もそうですがモルトは全滅です。
ペンタックスは元来、内部モルトを多く使用するメーカーですが
Mシリーズは特に多いと思います、もちろん全て交換です。
加えて分解時に注意しておかなくてはいけにのが
これもペンタックスは元々そういう傾向ですが
あらゆるところに調整用のワッシャが多いのです。
MEあたりは数えきれないほど分解しているので
ほぼ頭に入っていますがワッシャがあると知らずに
無警戒に開けてしまうと再組立ての時に大変です。
ME系は他にもいろいろ気を付けるポイントも多いので
そういうところはしっかり押さえながら慎重に進めていきます。

今回はボディの跡に28mm/50mm/135mmレンズの
清掃もセットで行います。
この3本があれば整備後はかなり幅広い撮影に対応できますね。
ご依頼者様、もう少しお待ちくださいね。

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