ミノルタハイマチック7Sのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868(慶応4)年のこの日に(旧暦、新暦では9月3日)、
明治天皇の詔勅(しょうちょく)により
「江戸」が「東京」に改称されたことに由来しています。
「西の京」の「京都」に対して
「東の京」から「東京」という名前が付けられました。
これは「東にある都」という意味です。
表記は「東京」に決まりましたが
読み方については当初、特に決まりがなく
初めは「とうきょう」ではなく「とうけい」と発音することも多かったそうです。
しかしながらこの詔勅が発せられた年は
まだ戊辰戦争の最中であり
東京が名実ともに首都となったのは
廃藩置県が行われた1871年(明治4年)のことです。
また、「江戸」から「東京府」、「東京市」と呼称が変わり
「東京都」となったのは、太平洋戦争中の1943(昭和18)年でした。
歴史はそんな感じですがさすがにピンとはきませんね…
私が広島から東京(最初は板橋区)にきたのは20年ちょっと前で
前の仕事の関係で割と突然決まったのですね。
それまでは自分が上京するなんて全く予想していなかったのですが…(苦笑
それから板橋区→神奈川県川崎市→神奈川県厚木市と移り住み
今のお店を出すタイミングで中野区にやってきました。
住んでいる場所だけではなくて30年前の自分からすれば
こんな人生になっているなんてイメージできていなかったですねぇ
ただ写真だけは当然ながら当時も撮りまくっていましたが…
人生わからないものですね。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
モデル名は「7S」ですがこの頃にはもうハイマチックは「9」が出ていて
「9」のフラッシュマチック機構を省略したものが「7S」となります。
いずれにしても「11」も内部機構的には「7」がベースとなって
機能的にもそれほど大きな違いはありません。
プログラムオートを搭載しつつ
マニュアル露出が可能なのも共通です。
シャッターユニットは「7」のセイコーLAから
「9」「7S」はセイコーFLAに変更されています。
搭載されるレンズはロッコールPF45mmF1.8です。
初期の大口径ハイマチックの系列のカメラなので
少し大柄で重いですがその分非常にしっかりしたカメラです。
内部にも少し余裕があるので整備性も良好です。
歴代ハイマチックの中でも「7」「9」「7S」は
非常にバランスの取れたカメラだと思います。

お預かりしている「7S」は
まずシャッターが少し開いた状態で固まってしまっています。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着かと思われます。
シャッター羽根が粘っていると
かなり高い確率で絞り羽根も粘っているパターンが多いのですが
やはり今回も絞り羽根も粘っていて
うまく設定絞りに連動しません。
キヤノネットあたりもそうですが
この類のオート露出で絞り羽根を制御するカメラは
マニュアル専用機とは異なり
小さなバネの力で絞り羽根を制御します。
そのため非常に軽く絞り羽根が動く状態でないと
本来の動きを維持できません。
もちろん現行製品だった当時は何の問題もなかったでしょうが
それから60年近く経つ現在では
何もせずにその動きを維持できているほうがおかしいです。
当然ながら内部の清掃整備が必要となってきます。

電池はキチンと抜いて保管してあったと思われ
電池室に大きなダメージはありません。
たださすがに配線とハンダには部分によって傷みも見られるので
一部の配線は交換で対処していきます。
レンズのコンディションも比較的良い状態です。
ただしファインダーはずいぶん曇っていて
このままではピント合わせもままならない状態なので
入念に清掃を行います。
あとはひたすら各部の動きを
スムーズにする整備を行っていきます。

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