カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

キヤノネットのカメラ修理

今日は記念日の制定の少ない日ですね…
しいていえば「お彼岸明け」ですね。
春分の日を中日として前後各3日を加えた
7日間が「(春の)お彼岸」ですが
今年は今日でお彼岸も最終日となります。
子供の頃はお彼岸というと山腹に今でもある
うちのお墓に参ることが恒例行事で
山の中にあることからお弁当を持って
ちょっとした遠足気分で好きな行事でした。
お墓の掃除等が終わったらじいさんが
さらに山道の奥の湧水の湧いているところまで連れて行ってくれて
そこで飲む水がとにかく冷たくて美味しかった記憶が残っています。
さすがに春も秋も「お彼岸」に帰省する予定は立てられないので
彼岸の墓参りは随分ご無沙汰ですが
次回はGWに行ってこようかと思っています。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
今回は1961年に発売された初代キヤノネットです。
キヤノン初のコンパクトカメラです。
(当時はコンパクトといえるほど小さくはないですが)
レンズは45mmF1.9の大口径
シャッターはコパルSVを搭載しB・1S~1/500をカバーします。
セレン光電池使用露出計と連動し
シャッター優先オート露出も装備します。
マニュアル露出も可能ですがその場合露出計はオフとなります。
当然ながら連動距離計搭載です。
当時の家庭用カメラとしては
ほぼ最高の性能を持っていましたが
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望んだことから
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラとして発売されました。
その破壊的な価格設定とスペックの高さが相まって
発売と同時に爆発的大ヒット商品となりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなったそうです。
カメラ業界からはダンピングであるという批判の声も上がったそうです。
キヤノネットの登場はカメラの低額化・高機能化に付いていけなくなった
多くのカメラメーカーが倒産・撤退するきっかけとなったと言われています。

お預かりしているキヤノネットは
ご依頼者様から指摘いただいている点は
巻き上げロックが頻繁にかかったままに
なってしまうというものです。
症状はすぐに再現でき、やはり巻上ロック機構の
粘りが原因と思われます。
加えて露出計がかなり不安定なようで
普通に動作しているかと思えばパタッと
うんともすんとも反応しなくなるようです。
いろいろ試しているとレンズボードが少々ガタついていて
レンズボードが動くたびに断線状態になってしまうようです。
キヤノネットは整備性も非常に考えられていて
レンズボードボディ側の電気的連携は
配線でなく接点で導通しています。
そこの接触が悪くなることが原因かと思われます。

当時の破壊的価格設定が注目されることが多いですが
中身に安っぽさは微塵もなく
非常に効率よく造られたカメラです。
部品もしっかりしたものが使われていて
お求めやすい価格の根本は
効率の良い生産や部品の集大成であることがよくわかります。
整備性も非常に良く
分解して整備調整することを前提に造られています。
心配されるのは劣化すると交換しか術のない
セレンの状態ですが
今回はセレン光電池は非常に元気で問題ないようです。
巻上レバーや巻き戻しクランクが底部に配置されているため
上カバーは非常にシンプルでそこに刻まれた
筆記体の「Canonet」の文字が非常に良い感じです。
これからシャッターユニット、巻上機構、オート機構等々の
清掃整備を一通り行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタXEのカメラ修理

今日は「春分の日」ですね。
それは当然なのでここでは触れずに…
他にも記念日がたくさん制定されています。
そんな中に「LPレコードの日」なんてものがありますね。
1951(昭和26)年のこの日に
日本初のLPレコードがレコード会社の日本コロムビア株式会社から
「長時間レコード」の名前で発売されたことに由来しています。
LPレコードは、毎分約33回転(33 1/3rpm)、
標準は直径12インチ(30cm)で収録時間は片面最大約30分です。
それまでの材質がシェラック(樹脂)のSP盤(Standard Play)に対し
素材がポリ塩化ビニールとなったことで
丈夫で薄く軽くなり高密度で長時間の録音が可能になりました。
さすがにSP盤には縁がないですね。
私の時代にはシングル用のEP盤(ドーナツ盤)7インチ45回転
そしてアルバム用LP盤でした。
(当時(70年代後半から80年代)の
昭和歌謡やニューミュージック(死語)での話)
通常のシングル盤が当時700円、LPが2800円でした。
お小遣い貯めては買いあさりましたし
まだそのほとんどが再生可能状態で手元に残っています。
再生環境も復活したのでたまに針を落としています。
やはりレコードで聴くのは当時の思い出もプラスされて
何とも良い気分です。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にXシリーズ第一号機である「X-1」が発売されていて
「XE」はそれに次ぐ「Xシリーズ」のカメラとなります。
「Xシリーズ」なので当然ながら電子制御シャッターを搭載します。
「X-1」が布幕横橋りなのに対して
「XE」は金属幕縦走りユニットシャッターです。
このシャッターユニットがライツ、コパルと三社で
共同開発した「コパルライツシャッター」です。
「XE」といえば巻上の滑らかさが有名ですが
それもこのシャッターが搭載されていることが大きく関与しています。
シャッター最高速は1/1000で絞り優先オート露出を装備します。
もちろんマニュアル露出も可能です。
中級機としては少々重くて大柄ですが
巻上だけでなく全体的に使い心地の良いカメラです。

お預かりしている「XE」は
定番のトラブルですが電源をオンにすると
露出計指針がほぼ明るさに関係なく
上に振り切ってしまいます。
巻き戻しクランク下の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。
精度は調整が必要ですが
シャッターは一通りは動作しています。
「XE」といえば困った問題なのがプリズム腐食ですが
今回の個体はプリズムに問題はないようです。
…と思ったのですが…ファインダーの見えが少々不自然です。
腐食及びスクリーンのキズ等のチェックのため
まずはレンズをつけていない状態で見ていたのですが
レンズをつけて見直してみると
やはり不自然にぼんやりしています。
通常のプリズムや接眼レンズのクモリとも違う感じです。

ちょっとイヤな予感はしたのですが
とりあえずプリズムを降ろしてみるとやはり…
腐食したプリズムの前面の蒸着や塗装はすべて剥がしてあり
その上でミラーが貼り付けてある状態でした。
そのミラーもおせじにも上質なものではなく
粗悪に曇ったモノなので
明らかにファインダーの見えが不自然だったのですね。
現在は既に「XE」の全く腐食のないプリズムは入手困難です。
そのため当店でもプリズムの交換はお断りしている状況です。
さて困りましたね…プリズムの対処は後で考えるとして
まずは露出計のトラブルを含む
通常整備を先に行っていきます。
画像にも写っていますが通常が金ピカに輝く
摺動抵抗が汚れて茶色にくすんでしまっています。
しっかり磨きをかけて通常に反応するようにした上で
調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFのカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
1839年のこの日に
フランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが
写真機を発明したことが由来となっています。
いわゆるダゲレオタイプ・銀板写真ですね。
この頃の写真機を考えると
スマホで簡単に撮れる今の写真は
魔法のように思えてきますよね。
技術の進歩って本当にすごいモノです…

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた伝説の一眼レフですね。
1959年発売のカメラです。
ほぼ100%のファインダー視野率
ファインダー交換式、ミラーアップ機構搭載、
完全自動絞り等々非常に使いやすいカメラであることに加えて
膨大なレンズ群やアクセサリーで様々なシチュエーションに対応でき
システムカメラとしても完成度が高く
さらになんといっても少々のことではビクともしない
その堅牢さが他のカメラに比べても群を抜いた存在でした。
現在になって中身を見ても
その強固なダイキャストな明らかにオーバークオリティな
部品は60年以上経過した現在も問題なく作動するものがほとんどです。
ただし動作する機械である以上
定期的なメンテナンスは当然ながら必要です。

お預かりしている「F」もかなり長い間
眠らされていた個体かと思われます。
ファインダーには汚れカビが見受けられ
シャッターはさすがに切れるものの
動きはやはり本来のものとは言えず
シャッターの精度も写真が写らないほどではないですが
やはりバランスが崩れています。
そして「F」で定番ともいえるスローガバナーの固着が発生していて
1/8以上のスローシャッターになると
シャッターが開いたまま固着してしまいます。

いつ見ても感心するしてしまうほど
頑丈な部品でできているカメラです。
そしてその強固な部品が非常に高い精度で組み合わされています。
古い油脂や汚れを落として組みなおし
ゆっくり感触を確かめながら巻き上げてみると
その精密さにため息が出るほどです。
今回もしっかり整備して組み上げれば何の問題もなく
快適に使えるように仕上がります。
画像にはありませんがセットされていた
アイレベルファインダーや50mmF1.4レンズも
カビや汚れが酷いので
できる限りの清掃を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンデミのカメラ修理

今日は「国立公園記念指定日」だそうです。
1934年(昭和9年)のこの日に
内務省が、瀬戸内海・雲仙・霧島の3ヵ所を国立公園に指定し
日本初の「国立公園」(national park)が誕生したことが
由来となっています。
…小学校低学年の頃だったかな…
家の壁に貼ってあった中国地方の地図を眺めながら
「瀬戸内海国立公園」の文字を見て
「海と島しかないところだけど
きっとここにでっかい公園(ブランコや滑り台があるような)が
あるんだなー」と思っていた記憶が…(笑
2020年(令和2年)3月時点で
34ヵ所の国立公園が存在するそうです。
それに加えて国ではなく都道府県に管理を委託される
「国定公園」が58カ所存在しています。
いずれにしても日本の風景を代表する自然の景勝地ですね。
日本の国立公園の面積の約60%が国有地だそうです。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
デミ…「半分」という意味ですね。
その名の通りキヤノンのハーフカメラです。
1963年に発売されたカメラです。
ハーフカメラとしてはめずらしく
プリズムを使用した実像式ファインダーを搭載します。
ファインダー窓もレンズの真上に配置されます。
シャッターユニットはプログラムシャッターの
セイコーシャLです。
プログラムシャッターですが露出は追伸式のセレン露出計を
マニュアルで合致させて設定します。
レンズはSH28mmF2.8を搭載します。
これもハーフカメラでは少数派ですが
巻上はダイヤル式ではなく巻上レバーを装備しています。
加えてこの巻上レバーが非常に滑らかな動作で
ファインダーと合わせて使い心地の非常に良いカメラです。
「ハーフカメラ」といえばやはり「オリンパスペンシリーズ」が
現在でも人気が高く修理依頼も多いのですが
デミEE17等を含めた「デミシリーズ」も
コンスタントに修理依頼のあるカメラです。

お預かりしている「デミ」は正確に言うと
貼り革の色が変更された「カラ-デミ」です。
赤・青・緑の3種類が存在しましたが
お預かりしてるしているのは青い貼り革のモデルです。
初期のデミがベースとなっているのでボディは
真鍮製です。(デミの後期モデルのボディはアルミ製)
心配されるセレンの状態は問題なく
明るいほうにカメラを向けると元気に
露出計指針が反応します。
ただ全くシャッターが切れません。
巻上レバーもロックされたままになっています。
おそらくシャッターの固着だと思われます。
絞り羽根も相当粘っていて油滲みも見られます。
この状態で絞り羽根を無理に動かしていると
羽根を破損する危険性もあるので
プログラムシャッター設定リングは極力動かさず
分解整備に早急に取り掛かります。

画像は取り掛かったばかりの状態のもですが
お馴染みのモナカ構造です。
ここまででシャッターチャージが掛かったままで
レリーズしてもピクリともシャッターが動かず
チャージレバーが戻ってこないことが確認できます。
結構強力に固着しているようです。
無理に動かすことはせずここから分解を進めて
シャッターユニット整備及びシャッター羽根の洗浄を行っていきます。
ここには写っていませんが
せっかくの青い貼り革もかなりくたびれてくすんでいるので
仕上げの段階でできる限り汚れを落としていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「靴の日」らしいですよ。
1870(明治3)年のこの日に
実業家・西村勝三が
東京・築地入船町に日本初の西洋靴の工場
「伊勢勝造靴場」を開設したことに由来しているそうです。
靴は大事ですよねぇ
ちゃんと合っている靴を履いているかどうかで
1日過ごす快適度が全然変わってきますものねぇ…
会社員時代には革靴にもいろいろこだわって
小まめに手入れもしていましたし
山に行っていた頃は登山靴には予算も手間も
めちゃくちゃかけていましたが
今は手がかからなくてお安くて
履きやすいスニーカーみたいなものばかりになってしまいました(笑
なんならサンダルの類が非常に多いです(苦笑)
でもしばらく履いて足に馴染んだ履物は
本当に快適で負担がないのですよね
そういえば…ここ数年普段はゆるゆるの履物ばかり使っているせいか
足の形が少し変わったようで
足の甲が少し高くなったのか
新しい革ブーツ履こうとすると足入れが大変で
困ることが多いのです…(笑
いずれにしても用途やシチュエーションによって
いろいろな靴や履物を履きますが
どれもしっかり馴染ませることが大切ですね!

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」の
カメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
ハイマチックとしては2代目ですが
初代ハイマチックのOEM製品であったアンスコオートセットが
宇宙船フレンドシップ7号に使用されたことから
それにちなみ名称に「7」が採用されています。
これ以降ミノルタのカメラ製品において「7」の型番は
特別な意味を持つこととなり
SR-7・X-7・X-700・α7000等に引き継がれています。
初代のハイマチックはセレン光電池使用の露出計と連動する
プログラム露出+プログラムシャッター専用機でしたが
「7」となって機能は一新し露出計はCdS使用となりました
オート露出は変わらずプログラムオートですが
マニュアル露出も可能になっています。
シャッターユニットはセイコーLAを搭載し
組み合わされるレンズはロッコールPF45mmF1.8大口径レンズです。
小型化の波が来る前のカメラなので
それなりに大柄ですがその分しっかりホールドでき
非常に使いやすいカメラです。
内部にも余裕があって整備性も良好なカメラです。

お預かりしている「ハイマチック7」は
かなり長い間仕舞い込まれて放置されていた個体かと思われます。
シャッターを切ると作動音はするものの
シャッター羽根は固着していて全く動きません。
当然写真は何も写らない状態です。
露出計も電池を入れても全く動きません。
レンズ・ファインダーにも盛大にカビが発生しています。
とはいえ、どこかが破損しているというわけでもなさそうですので
全体的にリフレッシュしてやれば
普通に動作するのではないかと思われます。

初期のキヤノネットあたりもそうですが
この時代はレンズ固定型カメラでも
ある程度の大きさや重量感がないと
高級感がないと思われていた時代なので
内部には余裕がありますし
部品もしっかりとしたものが使われています。
そして分解して調整することが前提となっている構造なので
先述しましたが整備性は良好です。
積年の汚れや内部のゴミ、劣化したモルトなどを取り除き
本来の動きができるような処置を施していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は「3.14」ということで
「円周率の日」だそうです。
関連して「数学の日」や
円周率=「π」(パイ)なので
「パイの日」なんかも制定されています。
「パイ」といえば私の出身地呉に
「エーデルワイス」という洋菓子屋さんがあって
そこの「クリームパイ」が昔から大人気で
むちゃくちゃ美味しいのですよ。
私が近年、いつも呉を訪れたときに利用する
ホテルのすぐ近くに店舗があって
いつも通るたびに「クリームパイ」食べたいなぁ…と思うのですが
大行列だったり既に売り切れだったりで
なかなか手に入らないのです。
昔は焼山店とかでふらっと気軽に買えたのですけどねぇ…
今度、呉に帰った時は(GW)
なんとしても口にしたいと思います!

さてさて

今日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
先日も「C35」の修理を行ったばかりですね。
現在も非常に人気のカメラなので
やはり修理依頼も多いです。
今回の「C35」は1971年に発売された
「E&L」というモデルです。
同じ年に発売された「C35」としては2代目にあたり
「フラッシュマチック」をベースとして
距離計を省略しピントは目測式に変更
セルフタイマーと「B(バルブ)」も省略されています。
フラッシュ撮影時も専用フラッシュによる距離固定方式となっています。
通常の「C35」よりもさらに操作を簡略にし
誰にでも扱いやすくシンプルになった普及機です。
搭載されるレンズやシャッターに変更はなく
露出も通常モデルと同じく露出計連動のプログラムオートです。
ファインダー内には距離計二重像がなくなった代わりに
ピントリングの設定を直読できる小窓が右隅に追加されていて
設定されているピントもファインダーから確認可能です。
さらに簡単に使えてアウトプットされる写真は
通常モデルと同様のモノが得られるというモデルになります。

お預かりしている「C35E&L」は
電池を入れても露出計が全く動きません。
「C35」は余計なシャッターロック等が付いていないので
この状態でもシャッターを切ることはできますが
常にF2.8開放1/30シャッターとなってしまいます。
薄暗いところなら写りそうですが
明るい屋外等だと写真は全て真っ白になってしまいます。
電池の入れっぱなし等で電池室が腐食してるパターンが多いのですが
電池室をチェックするとマイナス側プラス側の端子は
一見腐食もなくキレイです。
それではと電池室を外して裏側をチェックしてみると
プラス側の配線が断線してしまっています。
ハンダを見てみるとやはり腐食してしまっています。
加えてその配線の中身も真っ黒に腐食していて
少し強めに引っ張るとプチプチと切れてしまうような状態です。
プラス側の配線はメーター脇の端子に接続されるのですが
その端子も緑青に覆われていて腐食しています。
端子の修復と配線の交換が必要な状態です。

前回も書きましたが小さなスペースに
コンパクトにまとめられてはいますが
機能がシンプルなこともあり
整備性は非常に良好なカメラです。
露出計関連はもちろんですが
シャッターや巻上の整備を行った上で
露出計やオートの精度を調整していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR505のカメラ修理

今日は「サンドイッチデー」だそうです。
日付は1が3で挟まれている(サンド1=サンドイッチ)ことからだそうです。
最近はパンを口にする機会自体が減ってはいますが
サンドイッチは美味しいですよねぇ
まぁ食べても出先でコンビニのサンドイッチを食べるくらいですが…
そういえばいつもコンビニで見かけて
少し気になる「フルーツサンド」
実は私食べたことないのですよね
以前までは「甘いサンドイッチなんて…」と思っていたのですが
甘い菓子パン大好きだし
ランチパックの「ピーナッツ」とか普通に美味しいし
きっとフルーツサンドも美味しいだろうし
美味しいからあんなに売ってるんでしょ…と思うようになり
見かけると気にはなのですが
いまだに手に取ったことはないのです(笑
今度こそは見かけたら買ってみます!

さてさて

本日は「ミノルタSR505」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
「SR-Tスーパー」の後継機で
同じタイミングで「SR-T101」の後継である「SR101」も発売され
この2機種がSRシリーズの最後のカメラ
つまりはミノルタの機械制御フォーカルプレーンシャッター機の
最後のカメラとなってしまいます。
これ以降は電子制御シャッターの「Xシリーズ」へと移行します。
内部の基本構造はヒット作でロングセラー機でもある
「SR-T101」の設計を引き継いでいて主に使い勝手の点で
細かい改良を行いながら「SR505/101」まで製造が続けられました。
長い期間、安定した販売を達成してきたカメラだけあって
非常に使いやすく丈夫なカメラです。
「SR-T101」や「SRーTスーパー」を含む
「SR-T系列」のカメラはコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
基本構造がしっかりしているのでシャッターは動作しているカメラが多いのですが
やはり積年の汚れや古い油脂等の影響もあって
精度が出ていなかったり本来のスムーズさがない個体が多いです。
でも元がしっかりしているカメラなので
全体的にリフレッシュしてあげるとまだまだ本来の動きを
取り戻すカメラでもあります。

お預かりの「SR505」は比較的良い状態です。
シャッターや巻上はさすがに油切れの兆候があるものの
とりあえずは一通り動作していて
露出計も精度はともかくとしても動作はしています。
外観も若干の凹み等がありますが
それほど悪くない状態です。
ただファインダーの中はモルト屑だらけです。
ミラーの受け部やフィルム室のモルトは比較的近年に
交換した形跡がありそれは問題ないのですが
「SR-T系」はファイダー枠の周りにもモルトが貼られていて
そこが劣化して屑がファインダー内に入り込みます。
ここのモルト交換はある程度文化磯をしないと交換ができません。
そこまでは手を入れられてはいないようです。

とりあえずファインダー枠を降ろした状態での画像です。
ここから枠も分解して清掃を行い遮光材を張り替えます。
そしてボディ側は分解を進めて幕軸やミラー駆動部
巻上機構部等、駆動部分の整備を行っていきます。
「SR-T系」の分解整備言えば連動糸の処理がポイントですが
正しい手順を知っていて慣れてしまえば
難しいものではありません。
それどころか整備性は非常に良好なカメラです。
やはりこの時代のカメラは分解を整備を行うことも
考えられて造られていますね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は「サイフの日」らしいですよ。
買い換え需要の多い時期である3月に
サイフ売り場の活性化を図ることが目的で
日付には「サ(3)イ(1)フ(2)」と読む
語呂合わせの意味もあるそうです。
そっか…何かと年度替わりで環境が変わるから
サイフを一新する季節なのですね。
毎日必ず手にするものですから
使い心地の良いものがいいですよね。
私は高級ブランドの財布等には
もう今は興味ありませんが
会社員時代はいろいろ気を使って選んでいた記憶がありますねぇ…
ちなみに今使っているのは中学校の頃に
憧れて欲しかったけど買えなかった
某ブランドの革財布を使っています。
中学生の頃に欲しかったようなブランドなので
高いモノではないのですが満足感はなかなかです、
そして意外と質感や使い心地が良くてかなり気に入っています。
でも淡い色のモノを選んでしまったので
結構汚れが目立つ…まぁこれも風合いか…
サイフに限らずお気に入りのモノを使い込むのは
やはり気持ち良いですね。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットしたカメラです。
その愛称通りに旅行等に持っていくにも
非常に便利なコンパクトなカメラです。
露出もプログラムオート専用で
カメラの知識がさほどなくても簡単に撮れるようになっています。
それでもしっかり距離計は搭載していて
ピント合わせはキチンと合わせることができるところが良いですね。
搭載されるレンズはヘキサノン38mmF2.8で
暗所や光量不足を考慮した大口径ではなく
あくまでもコンパクトさを優先したレンズです。
設計に無理のないレンズなので非常に良い写りをします。
露出は先述したようにプログラムオート専用で
CdS使用の露出計に連動します。
シンプルにシャッターロック等も省略されているので
電池がなくても光量不足でもシャッターは切れます。
個人的にはフィルムの性能に頼って無理やりにでも
切りたい場面等でも切ることができるので
余計なシャッターロックはないほうが好みです。
でも写真の知識がないと電池切れや光量不足に気づかずに
真っ暗だったり真っ白な写真を量産する可能性もあるので
ここは一長一短かもしれません。
いずれにしても使いやすくて非常に良いカメラです。
このカメラの大ヒットに触発されて
各メーカーのレンズ一体型カメラの小型化が一気に進みました。

お預かりしている「C35」はよくある電池室の腐食等はなく
露出計も精度はともかくとしても動作はしています。
シャッターは最初は正常に動作しているかと思ったのですが
若干の粘りがあるようで動作が不安定です。
一番問題なのはファインダーで
距離計二重像が全く見えません。
加えて何かファインダー内に部品が転がっているようで
ファインダーの視野を隠してしまっています。
詳しくは開けてみないとわからない状況です。

ファインダーの中は二重像を反射するミラーと
ブライトフレームを反射するミラー、両方共が
外れてファインダー内に転がっている状況でした。
再接着することもそうですが
その後の調整にも細かい作業が必要です。
それ以外の部分も一通りの整備を行っていきます。
コンスタントに整備を行っているカメラなので
内部の詳細はわかっていますが
非常に整備性の良いカメラです。
コンパクトにまとめられてはいますが
機能もシンプルなので内部には意外と余裕がありますね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「レコード針の日」だそうですよ。
ただ調べても由来や制定団体等はわからないのですよね…
レコード針と聞いてそれがどんなものか
すぐにイメージできる方もやはりもう少ないのでしょうねぇ…
実家に幼い頃から大きな当時流行りの家具調ステレオがあって
それのレコードプレーヤーで童謡のレコードから
昭和歌謡、洋楽、ハードロック等々、多感な時期に
散々お世話になりました。
スタイラスクリーナーで針先をキレイにして
レコードの盤面をクリーナーで拭きあげて
レコードに針を落とす…毎度ワクワクする瞬間ですよねぇ…
大人になってからそれをもう一度味わいたくなって
実家に眠らせていた大量のレコードを持ってきて
新たにレコードプレーヤーも手に入れて
今でも頻繁にレコードを聴いています。
昔よく聴いていた音楽は記憶呼び起こすトリガーにもなり
何とも懐かしい気持ちに浸れます。
レコード針の寿命は種類にもよりますが
おおまかに150時間~200時間ほどです。
私のレコードプレーヤーももう少ししたらまった交換時期です。
単に針を交換するだけでなくカートリッジまで含めて
交換を考え出すとこれまたいろいろ楽しく悩めます(笑

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
初代のキャノネットは1961年に発売され
社会現象ともなる大ヒットを記録したカメラです。
その後、モデルチェンジを重ねて小型化も進みましたが
どのモデルもコンスタントにヒット商品となっています。
「G-Ⅲ」はそんなキヤノネットシリーズの最終モデルとなるカメラです。
初代の少し大柄なボディに比べると随分小型化されましたが
相変わらずの大口径レンズを搭載し
(QL17は40mmF1.7、QL19は40mmF1.9)
内臓露出計と機械的に連動した
シャッタースピード優先オート露出を装備
搭載されるシャッターユニットはコパル製で
1/500までカバーし、マニュアル露出も可能
マニュアル露出時には露出計がオフになるところまで
初代からG-Ⅲまで共通した造りになっています。
基本的なスペックはほぼそのままに
使いやすさをひたすらブラッシュアップしてきたようなシリーズです。
最終モデルの「G-Ⅲ」は現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「G-Ⅲ」は
おそらくかなり長い間使われずに眠っていたものと思われます。
シャッターはほぼ問題なく切れているようです。
ただし、電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
電池室を開けると真っ黒に腐食した電池が
ゴロンと出てきました。
当然ながら電池室の端子は両極とも腐食で
全く導通しないような状態です。
当然、露出計は不動です。
この状態だと配線や内部まで緑青が拡がっているものと思われます。
この類のカメラはコストの関係もあり
裏蓋に大量のモルトを使っていることが多いですが
New以降のキャノネットも同様です。
もちろんモルトはボロボロでフィルム室は粉状のモルト屑だらけです。
レンズにもかなりのカビが見受けられファインダーも曇っています。
全体的に入念な清掃整備が必要な状況です。

画像はまだ取り掛かり始めの状態で
ここから本格的に分解整備に取り掛かります。
電池室から伸びたマイナス側の配線は
前板裏側の端子で一度中継されるのですが
ここも緑青で覆われていて接触不良となっている状態です。
電池室に関わる配線及びハンダは全てやり直します。
機械的な駆動部分は大きなトラブルはなさそうですが
積年の汚れや古い油脂は全て除去して清掃整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「さかなの日」だそうですよ。
「さ(3)かな(7)」と読む語呂合わせだそうです。
和食の中心となる食材の魚介類をもっとたくさん食べてもらい
魚介類を身近に感じてもらうことが目的だそうです。
私、子供の頃は魚料理、煮魚や焼き魚が苦手だったんですよねぇ…
やはり骨を取ったり除けたりするのが面倒だったのと
うっかり骨を飲みこんでしまったこともあって
それですっかり嫌いになったんですよねぇ…
それも大人になって骨を除けるのが
たいしたことではなくなってきたことと
何といってもお酒を飲むようになってから
焼き魚や煮魚が日本酒のお供に最高だと気付いてからは
魚料理全般が大好きになりました。
特に焼き魚の皮目の香ばしさや
身のほくほく感はたまらないですよねぇ…
お酒だけではなく白飯にも文句ナシに合いますものね!
家で焼くのはなかなか大変ではありますが
出来合いで温めるだけの焼き魚ではなく
たまには焼きたての魚も自宅で楽しみます!
でも一番いいのはちゃんとしたお店で食べる焼き魚ですかね
やはりプロが出す焼き魚は違いますよ
まぁなかなかそれは機会が少ないですが
たまにはちゃんとしたものを口にしたいものです(笑

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1960年代~70年代にかけて展開された
「キヤノンFシリーズ」を代表する中級機です。
同じ時期にキヤノン初のプロ仕様機「F-1」が開発され
並行して「FTb」も開発されたということもあり
「F-1」との共通点も多く見られます。
…というより本来、基本設計に優れた「Fシリーズ系」を
さらにブラッシュアップして耐久性、システム性に
優れたカメラにしたのが「F-1」だと個人的には思っています。
「F-1」や「FTb」の発売に合わせて開放測光に対応するため
レンズシステムもFLレンズ群からFDレンズ群へと
モデルチェンジされました。マウントは共通ですが
ボディへの絞り伝達機構が追加されました。
少し話がそれますが
FDレンズ群は来たるAE化も踏まえてボディ側からも
絞りをコントロールできる機構も追加されています。

お預かりしているFTbは一通り動作はしているのですが
全体的に動きが重い状態です。
巻上もかなり重苦しい感じがします。
シャッターも精度は出ておらず
特に高速シャッターでは測定するたびに
値が不安定な状況です。
駆動部全体的に汚れがたまっていたり
油切れだったりで本来の軽やかな動きができない状態です。
そして定番のプリズム腐食です。
「Fシリーズ」のパターンである
ファインダー内に流れたような線が縦方向に2本見える状態です。
原因はプリズム抑えに貼られている緩衝材に
加水分解が起こりそれがプリズムカバーの隙間から
プリズムの塗装・蒸着に浸食してしまうことです。
やはり定期的に分解整備を行って消耗品を交換しないと
このような状態に陥ってしまいます。

プリズムカバーにはべったりと緩衝材が付着し
プリズムの腐食も画像に写っています。
当店では再蒸着等は行っていないので
プリズムは交換で対応いたします。
FTbに関してはまだ腐食のないキレイなプリズムが
確保できる状況です。
プリズムの交換は後で行いますが
まずはここから分解を進めて
各駆動部の清掃整備から取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。