カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

コニカⅠのカメラ修理

今日は「放送記念日」だそうですよ。
1925(大正14)年のこの日に
社団法人・東京放送局(現:NHK東京放送局)が
日本初のラジオ仮放送を開始したことが由来となっています。
同年の3月1日に試験放送が開始され
3月22日に仮放送が開始され
7月12日から本放送となったそうです。
おおよそ100年前なのですね。
すごく昔のような気もしますし
意外と近年なような気もしないでもないですね。
AM放送は段階的に中止・廃止の方向に動いていますが
やはり少し寂しいものがありますね。
いまだに自宅でたまにAMラジオを流していることもあり
あのなんともノイジーな部分も含めて好きなのですが…
これも時代の流れでしかたがないのでしょうね。

さてさて

本日は「コニカⅠ」のカメラ修理を行っています。
一般向けに発売されたカメラでは
コニカブランドとして最初のカメラです。
1948年発売のカメラです。
小西六や六桜社としてはもっと昔のカメラもありますが
「コニカ」としてはこれが最初になるのですね。
これ以前に対米輸出および米軍PXでのみ発売された
「コニカスタンダード」とほぼ同一のモデルです。
最初のモデルはヘキサー50mmF3.5が搭載され
1950年にヘキサノン50mmF2.8搭載モデルが追加されています。
レンズはいずれにしても沈胴式です。
シャッターユニットはコニラピッドSでB・1s~1/500をカバーします。
シャッターチャージもレリーズもシャッタユニットから
直接出ているレバーで操作し、フィルム巻上はノブで行います。

お預かりしている「コニカⅠ」は
50mmF2.8搭載モデルです。
おそらくかなり長い間使われずに
しまい込まれていたものと思われます。
保管環境はそれほど悪くなかったのだと思われますが
さすがに動かしていない時間が長すぎることと
積年の経年劣化や汚れの影響で
ありとあらゆる部分が固着してしまっていて
全く使えない状態でした。
まずシャッターチャージレバーが
がっちり固着していてチャージすらできません。
何とかそこは応急処置でいったんは動くようにしたところ
今度はシャッター羽根が固着で動きません。
もちろん絞り羽根も粘っています。
いつも書きますが無理に動かすことは厳禁です。
さらにスローガバナーもかなり粘っています。
全ての駆動部分を徹底的に洗浄清掃して
動きを良くする必要がありました。
その上の調整が必要です。

画像は一通りの整備が終わった状態でのモノです。
シャッターチャージからレリーズまで
現在は非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズ・ファインダーもできる限りの清掃を行い
撮影に影響がないレベルで非常にクリアになっています。
ヘリコイドのグリスアップも行って
沈胴動作もそうですがピント合わせも非常にスムーズに行えます。
これで快適に撮影に使っていただけると思います。
古い油脂類を一旦徹底的に除去して新しく
注油。グリスアップを行っているので
動きが馴染むまで少し様子見をしていましたが
問題ないようなのでこれから最終テスト行って
問題なければ完成となります。

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ミノルタハイマチック7sのカメラ修理

今日は「アジフライの日」らしいですよ。
アジは漢字で「鯵」(魚へんに参)と書くので3月を表し
21を「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせから
21日として3月21日を記念日と制定したそうです。
アジフライ…食卓の定番で身近な存在ですが
本当に「飽きの来ない美味しさ」がたまらないですよねぇ
ご飯との相性も抜群です!
明治以降に西洋料理をベースに日本独自に
発達したいわゆる「洋食」ですが
もはや「和食」と呼んでも違和感ないほど
家庭の味となっているメニューだと思います。
酒の肴としてもいけますよねぇ…
自分でいろいろ工夫しながら調理するのが
楽しくて美味しいのは間違いないですが
スーパーとかでの出来合いの総菜でも
めちゃくちゃ美味しいのですよねぇ…
今夜、帰りにスーパーで見かけたら買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックの「7s」までの流れを簡単にまとめてみると
初代の「ハイマチック」はセレン光電池を使用した
露出計と連動するプログラムオート専用機でした。
(搭載レンズは45mmF2)
それが2代目の「7」で内部機構も大きく変更され
マニュアル露出も可能となり
露出計もCdS使用となりレンズも45mmF1.8へと
さらに大口径となりました。
初代とは大きく異なりますが
初期の「ハイマチック」といえば
この「7」をイメージすることが多いかとも思います。
そして「7」をベースにフラッシュマチックやフィルムインジケーターが
追加されたのが「9」で
「9」からフラッシュマチックを省略したものが
今回の「7s」となります。
発売は1963年です。
初期のハイマチックと言うことでこの時代らしい
少し大柄なボディにさらに大口径なレンズを搭載する
レンジファインダー機です。
プログラムオートの便利さも備えながら
マニュアル露出でオートでは難しいシチュエーションでも対応できる
一通り何でもできるカメラに仕立て上げられています。

お預かりしている「7s」はシャッターが開いたまま固着しています。
シャッター羽根は少しだけ端が覗いているような状態で
閉まろうとはしているのですが汚れ等の粘りに負けて
固着してしまっているような状態です。
絞りはマニュアル絞りには何とか対応して動作しますが
こちらも粘っているのでより小さな力で絞り羽根を動かす
オート時にはまともに動かないと予想されます。
レンズは比較的キレイですがそれでもカビがそれなりにあり
ファインダーはかなり曇ってしまっています。
電池は抜いて保管されていたようで電池室は
それなりにキレイで電池を入れると精度はともかくも
露出計は何とか動作します。
シャッターユニットを中心に一通りの整備が必要な状態です。

キヤノネットあたりの修理の時にも書きましたが
60年代のレンズ固定レンジファインダー機は
まだ小型化の波が押し寄せる前で
「大きくて重いほうが高級感がある」とも思われていた時代なので
このハイマチックもボディサイズに余裕があり
整備性は非常に良好です。
いわゆる指針挟み込み式のオート制御ですが
連動部も非常にしっかり造りこまれており
連動する動きを確認していても惚れ惚れしてしまいますね。
それでもさすがにシャッター羽根以外にも古い油脂や
積年の汚れで動きの悪い部分があちこちにみられるので
しっかり整備を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「春の睡眠の日」だそうです。
世界睡眠デーが3月の第三金曜日(今年は3/15)なのですが
日本独自の睡眠の日として3月18日を「春の睡眠の日」に
「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから
9月3日を「秋の睡眠の日」に制定しているのだそうです。
睡眠は大事ですねぇ~
若い頃は少々の寝不足だろうと徹夜明けだろうと
気合で乗り切れましたがもうそんなことはできません。
少し睡眠が足りないだけで昼間は異様に眠いですし
集中力が全く続かなくなります。
逆に十分に質の良い睡眠を取っている翌日は
気持ちよく頭の中がすっきりして何にでも集中して取り組めます。
その差が近年より顕著になってきたような気がします。
だから翌日普通に起きなくてはいけないときは
極力夜更かしのないように気を付けています。
…とはいえいつもの私は朝ゆっくり目なので
それなりに就寝時間は遅いのですが…
毎日を効率よく過ごすためにも規則正しい
充分な睡眠は本当に必須ですね!
ただ夜中になると妙に目がさえて
ついつい予定より夜更かしすることも多いので気をつけます…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフモデルであり
「ニコンFマウント」を初採用したカメラでもありますね。
その優れた堅牢性と豊富な交換レンズ・アクセサリー群で
あらゆる撮影現場に対応し
発売後の「東京オリンピック」でも多く使用されたことにより
世界中にその名を轟かせた伝説のカメラでもありますね。
発売から65年が経過する現在からみても
内部の精度は非常に高く使われている部品も非常に丈夫です。
過酷な状況で使われたり保管状況の悪い個体も多く見かけますが
大きな破損がない限りは致命的なトラブルを抱えた個体は少なく
しっかり整備を行ってやれば本来の動きを取り戻すものが多いです。
そうはいっても生産から60年以上経っているカメラなので
さすがに整備もせずにほったらかしでは
各部の動きが悪くなるのは当然で
そのためにシャッターの精度が出ていない個体は多いと思われます。
それでもとりあえずは何とか動作しているものがほとんどなだけでも
やはり非常に丈夫なカメラだと思います。

お預かりしている「F」もかなり長い間
使われずにしまいこまれていたものだと思われます。
これもとりあえずはシャッターは動作しますが
巻上に明らかに油切れの兆候があって感触も良くありません。
当然ながらシャッターは動作していても精度は出ておらず
特に高速シャッターの精度は写真に充分影響が出るほど
バランスを崩した状態です。
低速シャッターもスローガバナの粘りが出ていて
今にもシャッターが止まってしまいそうな状態です。
装着されているファインダーはアイレベルで
プリズムの腐食が多いことで有名ですが
今回の個体はそれほど大きな腐食はない状態です。
ただよく見ると蒸着面は荒れていますし
やはりうっすらと縦方向に腐食が出ています。
腐食自体は改善できませんが
これ以上なるべく腐食が進まないように
できる限りの対策を施します。

内部もかなり汚れていてこの汚れと
古い油脂が各部の動きを妨げている状態です。
それでも各部品はさすがのオーバークオリティさで
しっかり洗浄清掃して最小限の注油を行えば
非常に精度高くスムーズに動作します。
分解するたびにその各部の精度の高さに
ほれぼれしてしまいます。
それに加えて整備性の高さも非常に良い点で
定期的に整備調整を行って長く使うということを
前提に造られているカメラです。
この時代ならではの良い機械の使い心地を
ご依頼者様にも存分にお楽しみいただければと思います。

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リコーオートハーフSのカメラ修理

今日は「ミドルの日」だそうですよ。
「ミ(3)ドル(16)」と読む語呂合わせからだそうです。
ここでいう「ミドル」とは世代のことで
明確な定義はないものの概ね40代~50代半ば…というところでしょうか…
このあたりの年代になると個人差も大きいのですよねぇ
私はもはやミドルではなくてシニアに
片足以上突っ込んでいると思いますが…(苦笑)
人の各パーツの耐用年数ってなんとなく50年前後かなぁ…と思うのです。
先程も言ったように個人差が大きいですが
若い頃では考えられなかったようなトラブルとかが出てくるのも
40代後半くらいからのような気がします。
当店に入ってくるカメラもそうですが
耐用年数を超えているからといってすぐに壊れるわけではないですが
無理な力や過剰な負荷がかからないように気を付ける必要はありますよね。
ましてや人間の場合は部品交換ができるわけでもないので
なおさらかとも思います。
…とあちこちに衰えも見えてきていろいろ問題も抱えている
自分の身体と向き合っている次第です…(苦笑)
こればかりはしかたないですね。
年相応に「なるべく」無理のないようにもう少し生きていきます(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフS」のカメラ修理を行っています。
オリンパス・ペンシリーズと並んで
ハーフカメラの双璧ともいえるカメラですね。
「S」は1965年発売のモデルで
初代の構造の見直しが行われレリーズボタンがボディ上面に移設され
内部構造も変更がいろいろと行われています。
機能的にはセルフタイマーが増設され
裏ブタは初代の取り外し式ではなく丁番式に変更されています。
いわゆる普通に見かけることの多い「オートハーフの形」になったものは
この「S」からということになります。
ボディ前面がアルマイト板になったのもこの「S」からですね。
実際にオートハーフらしい非常に多くの
外装バリエーションモデルが出るのは
セルフタイマーが省略されて前面構造がよりシンプルになった
翌年登場の「E」かと思います。

お預かりしている「オートハーフS」は
おそらくご依頼者様のお宅で相当長い間
眠っていたものと思われます。
最も心配な部分はセレン光電池ですが
調整は必要ですがそれなりに起電しているようで
とりあえずは一安心です。
ただそれ以外はやはり動きが悪かったり劣化が進んでいたりと
全体的に整備の必要な状況です。
露出計はセレンに伴って元気に動作してはいますが
シャッター側に羽根粘りが発生していて
非常に動きが不安定です。
そのためオート精度も同様に不安定で
大幅にオーバー露出となってしまうことが多々ある状態です。
レンズ・ファインダーにはクモリ・カビが見られ
自慢のゼンマイ仕掛けの自動巻上は油切れ気味で
動きが良くありません。
そして当然のごとく裏ブタ部のモルトは全滅です。
ハーフカメラに限ったことではありませんが
コストの関係上、この時代のコンパクトカメラは
裏ブタの遮光をモルトにかなり頼っているものが多く
貼られているモルトの量も多く劣化は即光線漏れに繋がります。

まだカバーを外しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
元々の外装サイズが限界まで小さく造られているせいもありますが
この時代のカメラとしては結構中身はぎっちり詰まっています。
整備性の良いオリンパスペンに比べると
正しい手順と多少の手間が整備時に必要となります。
とはいえ、もはや見慣れた風景でもありますが…
慎重さだけは忘れずに落ち着いて整備を行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「靴の日」だそうですよ。
1870(明治3)年のこの日に
実業家・西村勝三が東京・築地入船町に
日本初の西洋靴の工場「伊勢勝造靴場」を
開設したことに由来するそうです。
外出するうえで靴は本当に大事ですよねぇ
「ちょっとそこまで…」くらいであれば
ある程度のものなら何でも良いと思いますが
1日履き続けるような場合は靴の良しあしによって
本当に調子が大きく左右されると思います。
単純に良い靴とか悪い靴とか問題よりも
「きちんと合っている」かどうかが重要かと思います。
私も今はもうすっかり縁遠くなってしまいましたが
山歩きで1日重いリュック背負って歩くような場合は
ある程度の靴でなければならないのは当然として
厳密に合っていないとちょっとした不具合が
何時間後に大きな悪影響になることが多々ありました…
日によって足の大きさって微妙に変わるのが
また厄介なのですよねぇ…
よく靴下や中敷きで微調整もしていました。
今でも毎晩のウォーキングに使う
スニーカーのサイズ感は割と気になります…
歩くことや足のコンディションって
全身のコンディションに繋がっていくので
キチンと合った靴で気持ちよく歩くことをおススメします!

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
このカメラの整備依頼もコンスタントに多いです。
それだけ現行機種当時に売れていたということと
現在でもしっかりしているものが多く
使いやすいという両面があると思います。
1967年発売のカメラでこの時代ですから
中級機としては比較的大柄でそれなりに重いのですが
その分、非常にしっかりと造られて堅牢性に優れるカメラです。
ひどいショック品や水没品でなければ
致命的な故障や破損をしているものは極々稀で
ノーメンテでもいまだにとりあえずは動作する個体が
多いかとも思われます。
しかしながら登場から既に50年を優に超えている機械であり
さすがに未整備では本来の動きとはいかず
動きにくい身体を無理やり健気に動かしているような
個体も多いのなるべくキチンとした整備を
行ってあげたいものですね。

お預かりしているニコマートは
シャッターが切れたり切れなかったりの状態です。
シャッターユニットの動き自体は
それほど大問題があるわけではないのですが
ミラー駆動部に積年の汚れや古い油脂の影響と思われる
動作不良を抱えていてレリーズしてもミラーが動かない状況に
結構な頻度で陥ってしまいます。
ミラーが動かないと当然ながらシャッターの駆動に繋がらないので
レリーズしてもシャッターが切れない状態になってしまいます。
シャッターが運よく切れた場合でも
ミラーの動きは目視で明らかに鈍い状態です。
これではシャッターが切れてもシャッターレスポンスが悪く
シャッターチャンスを逃してしまいます。
シャッター自体の動きに大きな問題はないものの
汚れに影響を受けやすい金属羽根はやはり多少粘りもあり
高速シャッターの精度は出ていない状態です。
加えて露出計もマイラー抵抗の汚れかと思われますが
指針の動きが非常に不安定です。

ユニットシャッターを使って
コストダウンしている部分があるとはいえ
さすがはこの時代のニコン機といえる部品の丈夫さと
整備性の良さを兼ね備えています。
積年の汚れ等で動きが悪くなってしまうのは
致し方ないですがしっかり整備清掃を行えば
本来の動きを取り戻せるカメラだと思います。
画像はまだ取り掛かり始めの状態ですが
これからしっかりと分解整備を行っていきます。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日はなんといっても「ホワイトデー」ですが
私には何も関係がないので(苦笑)他の記念日で…
3月14日ということで「円周率の日」ですねぇ
円周率の小数表記「3.141592653589793238462643383…」の上3桁に
由来しています。
さらにこの日の1時59分か15時9分にこの日を祝うのだそうです。
円周率の上6桁までを表すのですね。
「円周率の日」に関連して
「数学の日」や「パイの日」も制定されています。
「パイの日」は円周率を円周率を
ギリシャ文字の「π」(パイ)で表すことからですね。
話が少しそれるのですが「パイ」といえば
私の生まれ育った呉の街に「エーデルワイス」という
洋菓子店があってそこのクリームパイが
昔からめちゃくちゃ美味しいのですよ。
いつも呉に戻った時に泊まるホテルの
すぐ近くに店舗があるのですが
開店時間と同時にいつも行列でなかなか買えないのですよねぇ…
そういえば「今日も並んでるからまた今度で…」と
いつも購入を見送ってて
いつのまにか数年は食べていないかも…
GWに戻ったときには今度こそ手に入れます!
「パイの日」から連想してどうしても食べたくなってきました!

さてさて

今日は「コニカオートレフレックスT3」の
カメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
コニカマウントⅡとなった1965年の「オートレックス」からの
流れを汲むカメラです。
オートレックスはフルサイズとハーフ判を切替可能なことが
セールスポイントのひとつでしたが
後継の「FTA」以降のモデルは通常のフルサイズ専用機です。
もうひとつの大きなセールスポイントである
指針挟み込み式のシャッタースピード優先オート露出搭載は
「FTA」以降も同様の構造のものが受け継がれていて
「T3」のSS優先オートもほぼ同様の構造で制御します。
ただ一部で不評だった一連のコニカSS優先機の
長いシャッタストロークは「T3」では多少改善されています。
それでも他メーカー機と比べれば長めのストロークです。
ただ、慣れてしまえばそれほど気になるほどではないかと思います。
基本的な機械構造は前モデルの「FTA」を引き継いだものですが
多重露光レバーやアイピースシャッター等の機能も追加されています。
の後期モデル(今回も後期モデル)ではホットシューも追加されています。
少し大柄で「ガシャコン!」と動く
少し前世代的な雰囲気も漂うカメラですが
なかなか味もあって面白いカメラだと思います。

お預かりしている「T3」は
まずシャッタチャージが上手く完了しない状態で
巻き上げた瞬間にしゃったーが切れてしまい
リリース状態に戻ってしまいます。
縦走りユニットシャッターで他機種でも
たまに見かける症状です。
チャージロックが動作不良で効かない状態だと思われます。
シャッター羽根にもかなり汚れがあり
動作が怪しい状態ですので
このあたりも原因の一つになっていると思われます。
加えて露出計も不動の状態です。
機械的にも電気的にも一通りの整備が必要な状態です。

画像はまだトップカバーを外しただけの段階ですが
指針抑え込みの機械的制御のオート制御で
シャッター制御も機械式な割には
かなりごちゃごちゃした印象のありますね。
実際に「FTA」の頃から整備性はあまりよろしくないですが
「T3」になってからはファインダー内SS表示が増えたこともあって
さらにややこしい構造になっています。
増改築を何度も行った家屋を少し連想させますね(苦笑)
スクリーン清掃するだけでも手順がわかっていないと
かなり面倒なことになりえます。
ここからミラーボックス脱着をいつものように行っていくのですが
連動糸も多く整備時に結構手間のかかる部分の多いカメラです。
構造がしっかりわかっていれば
決して何かが難しいわけではないのですが
より慎重にこれから本格的に作業を進めていきます。

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オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「ペヤングソースやきそばの日」だそうですよ。
カップ焼きそばってたまに無性に食べたくなるのですよねぇ
ペヤングのやきそばと言えば「超大盛」に
一時期よくお世話になりました。
さっと食べれるしこれだけでお腹いっぱいになるのですちょねぇ
まぁ摂取カロリーもすごいことになってしまいますが…(苦笑)
でもペヤングの「ソースやきそば」を知ったのは
比較的近年の話で私が関東に移り住んでからなのですね。
西日本ではあまりペヤングって売ってないみたいで
(今はそんなこともないらしいですが)
私の住んでいた地域ではカップ焼きそばと言えば
ほぼ「日清UFO」一択でした。
それ以外ではたまに「一平ちゃん」をみかける程度でした。
こっちに来てからはカップ焼きそばは「ペヤング」を口にすることが
増えましたがそれでもたまに「UFO」が食べたくなって
探して買ってきたりもしてますねぇ
「カップやきそば」って本当は全然焼きそばじゃないのですが
これはこれで何とも美味しいですよね!
カップ焼きそばだけではなくて
地域によって主に流通しているものが
いろいろ異なるのはなかなか興味深いです。

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
「ペンD」の「D」はデラックスの「D」です。
ペンシリーズにはいろいろなカメラがありますが
「ペンDシリーズ」が最も最上位の高級版と言えると思います。
大口径レンズに最高速1/500のシャッター
露出計内臓といったところが「ペンDシリーズ」の共通項です。
「D2」は1964年発売のカメラで
それまでの「ペンD」のセレン光電池使用の露出計から
CdS使用の露出計に変更されたモデルです。
それに伴って電池室も増設されています。
スペースがかなり限られていることもあり
電池室はフィルム室蓋の内側に配置されています。
フィルムが入っていると電池交換ができないのが少々難点です。
ただ、電池はそれほど消耗するわけではないので
長期間、撮影途中のフィルムを入れたままにしない限り
それほど大きな問題ではないかとは思いますが…
レンズは初代ペンDと同じく32mmF1.9です。
大口径で目測機なので絞りを開いた場合は
なかなかピントがシビアになる場合もあるかと思います。

お預かりしている「ペンD2」は
シャッター切れず巻き上げできずの状態で
何も動かせない状態です。
後からわかりましたが直接の原因は
シャッター羽根の固着によって
シャッターが動作しないことが原因でした。
しかし府議愛はそれだけではなく
あらゆる機械的動作部分が
油脂分のため固着してしまっている状態でした。
巻上やシャッター駆動も含めて
あらゆる部分を分解洗浄した上での整備が必要な状況でした。

画像は一通りの整備が完了した状態でのモノです。
余計な汚れや油分があらゆるところで
動きを妨げている状態だったので
かなり奥深くまで洗浄・清掃した上で
最小限の注油を行い、その上で各部の調整を行っています。
露出計関連も接触不良が起きていたり
接点、配線に問題がある部分もあったので
対処を行っています。
新しい油が馴染んで動きが落ち着くまで
少々様子見をしている段階でしたが
充分時間も経過して動きに大きな問題もないので
これから最終的に細かいテストを行って
精度を確認し問題なければ完成となります。
動きはまさに見違えるほどに良くなっていると思います。

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ミノルタSR-2のカメラ修理

今日は「パンダ発見の日」なのだそうです。
1869(明治2)年のこの日に
中国・四川省の民家で
伝道中のフランス人神父アルマン・ダヴィドが
白と黒の奇妙な熊の毛皮を見せられました。
これが西洋でパンダが知られるきっかけとなったそうです。
中国ではずっと昔から存在は知られていたのですよね
日本に伝わったのはいつなのでしょうね?
動物園や映像で見るパンダはかわいいですねぇ
性格も基本的には温厚で
めったなことで人を襲ったりすることはないそうです。
でもその爪や強大な力を持つ顎には
充分な殺傷能力はあるのですよねぇ
パンダに限ったことではないのですが
動物のかわいらしさばかりが強調されたアイテムが溢れすぎてて
本来の姿を見失いそうでちょっと怖いです…
そう考えていくとたいていの野生動物は丸腰の人間よりは
強いモノばかりなんですよねぇ…
人は何も持っていない状態でそのうえ単独だと
とっても弱い生物なのですね…
少しご無沙汰ですが動物園に行くとそんなことをよく考えます。
でも動物自体は好きですし被写体としても魅力ですね!

さてさて

本日は「ミノルタSR-2」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のカメラで
ミノルタ初の一眼レフカメラです。
「初」なのに「1」ではなく「2」です。
ちなみに「SR-1」は「SR-2」の翌年に発売開始され
ポジション的にも「SR-2」から1/1000が省略された
中級機にあたります。
ちょっと不思議なネーミングな気がしますが
数字が大きいほうが上位モデル、といった捉え方ですね。
「SR-2」のシャッターは一軸不回転式ではあるものの
ダイヤルの各SSの間隔は不等間隔で設定も持ち上げ式です。
このあたりはそれまでの主流だった
フォーカルプレーンシャッターのレンジファインダー機の
名残かと思われます。
「SR-2」が開発途中で断念したレンジファインダー機
「ミノルタスカイ」の考え方を引き継いでいることの
表れなのかもしれません。

発売から60年以上経過するカメラでもあり
年々コンディションの良いものが
少なくなっているような気もします。
特にシャッター幕やプリズムの状態の悪いものが多く
幕交換やプリズム交換が必要な個体が多いと思われます。
お預かりしている「SR-2」は
シャッター幕の状態はまだまだしなやかさもあって問題ないのですが
プリズムは周辺に貼られたモルトの加水分解の影響もあって
一部の蒸着が大きく剥離している状態です。
ファインダーを覗いても蒸着が剥がれた部分の
黒い帯がはっきりと確認できます。
写真自体には写りませんがさすがに撮影上にも問題のある状態です。
プリズムは腐食のない中古良品がまだ用意できますので
今回は交換で対処します。
加えて巻上機構やシャッターに動きの悪い部分が多く
いくつか問題を抱えています。
まずは巻き上げるとミラーがあがってしまいます。
当然ファインダーは真っ暗になります。
そしてシャッターを切るとミラーダウンしてくるという状態です。
チャージ時のミラーロックができていない状態です。
そしてシャッター幕軸やスローガバナの動きも非常に悪く
高速シャッターの精度は全く出ておらず
1/1000に設定しても1/250以上の露出になってしまいます。
そして低速時にはガバナが途中で止まってしまい
シャッターが開きっぱなしになってしまう状態です。
どこかに大きな破損等があるわけではないのですが
全体的にスムーズに動くように整備が必要な状態です。

まだまだ取りかかかったばかりの段階です。
これから本格的に分解整備を進めていきます。
内臓露出計を持たないシンプルなカメラなので
整備性は良好です。
ただし各部品の経年劣化が進んでいる部分もあると思われるので
ネジ1本外すところからも慎重に進めていきます。

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ミノルタALのカメラ修理

今日は3月8日…記念日制定の多い日ですねぇ
語呂合わせのモノも多いですね。
「サバの日」「みやげの日」、
「ビールサーバーの日」
「さやえんどうの日」、「散髪の日」
「サンワの日」、「miwaの日」
そんな中に「みつばちの日」がありますねぇ…
やはり「みつばち」といえば「はちみつ」ですよねぇ
実は「はちみつの日」は8月3日にもあるのですが…(笑
たまにシンプルなプレーンの無糖ヨーグルトに
美味しいはちみつをたっぷりかけて
食べたい衝動に駆られるのですよねぇ…
そのためにちょっといい「はちみつ」を
専門店に買いに行ったりしていた時期もあったのですが
最近は少しご無沙汰ですね…
トーストにたっぷりかけるのもいいですよねぇ…
マーガリン+はちみつたっぷりは
むちゃくちゃ美味しいですがカロリー&糖分爆上がりなので
基本的に私は食べてはダメなヤツですね…(苦笑)
ほんの少しならいいかな…

さてさて

本日は「ミノルタAL」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
後にミノルチナからの流れを汲む「ALシリーズ」と
混同してしまいそうになりますが
こちらの「AL」はそれとは全く異なるカメラで
1950年代の「Aシリーズ」の後期となるモデルです。
「AL」はそれより以前の「A5」をベースに
セレン光電池連動の露出計と自動復元フィルムカウンターを
備えたモデルです。
「A5」の大きな特徴のひとつである
レンズシャッターでありながら1/1000を備え持つ
シチズンMLTシャッターも引き続き搭載されています。
初期のAシリーズはダルマ型の何とも愛嬌のあるデザインでしたが
A3以降の「Aシリーズ」は直線基調で
なかなか無骨な感じを前面に押し出してきています。
今回の「AL」も適度にコンパクトながら
ズッシリと重くなかなか迫力のあるデザインだと思います。
フィルムカウンタが底部に配置されているのも
ちょっと変わった特徴ですね。

今回お預かりしている「AL」は距離計にトラブルを抱えていて
ファインダー自体も曇っていて少々二重像が見えにくいのですが
その二重像がピントリングを回しても
全くファインダー内で動きません。
ピントリングとの連動部が固着してしまっているものと思われます。
他にも巻上やシャッタ等の動きにやはり粘りがみられる部分もあるので
全体的に本来の動きを取り戻すための清掃整備が必要な状態です。
心配されるセレンの起電状況はなかなか良好です。
ただこのタイプの電気的抵抗(SS/絞りリング連動の摺動抵抗)で
露出計指針を連動させるタイプは抵抗体の劣化等による
露出計動作不良もよくあるトラブルで
その場合は修理不能な場合もよくあります。
今回はそこに大きな問題はなさそうですが
抵抗体周りは最低限の清掃で様子を見ていきます。

それからこの時代のミノルタレンズシャッタ-機には多いのですが
内部の遮光板の接着が外れていて内部で
やたらとカタカタ音がしている状態です。
実際の撮影に大きな影響はないですが
それもレンズボードを外した際に対処を行っておきます。
そのあたりも含めてこれから本格的に
分解整備に取り掛かっていきます。

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キヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「さかなの日」だそうですよ。
「さ(3)かな(7)」と読む語呂合わせですね。
子供の頃は魚料理全般が苦手で
特に骨を取るのがめんどうな
焼き魚や煮魚は食卓に出てきても
ほとんど手を付けないような状態でした。
(ばあさんに諭されながら
いやいや食べてましたが(笑))
それが大人になると食の好みは変わることと
何といっても日本酒や焼酎を習慣的に
飲むようになってからは
まさに「魚介類万歳!」です(笑)
特にシンプルな焼き魚と
純米酒の組み合わせは最高ですね!
少し前までは酒の肴だとしても
お刺身系が好きだったのですが
近年は火の入った焼き魚や煮魚が好みです。
このあたりも好みが少しずつ変わっていくのですね。
そういえば、ばあさんはとにかく煮魚が好きな人で
食卓にも魚の煮つけが多く出てくるのですが
子供の頃の私は全くもってその良さがわからなかったです
今なら喜んで食べるのですが…
こんなことを書いていると
ばあさんがこの季節に得意にしていた
「メバルの煮つけ」が食べたくなってきました。
マネしてもなかなかあの味にはならないのですよねぇ(苦笑)

さてさて

先日に続いて今日も「キヤノネット」の修理を行っています。
先日の個体とはもちろん別のモノなのですが
先日は「QL19」でしたが
今日は同時期のキヤノネットでも「QL17」なのです。
キヤノネットは「QL(クイックローディング)搭載のこのタイプから
小型化された「ニューキヤノネット」、そして最終機種の
「G-Ⅲ」に至るまでF1.9レンズ搭載の「QL19」と
F1.7レンズ搭載の「QL17」をラインナップして併売していますが
開放F値0.2(実質0.5段弱くらい?)の差は
開放絞りで撮り比べてもほとんど差は出ないでしょうし
暗所でのアドバンテージもわずかなものかと思われます。
でもこの時代はキヤノネットに限らずこういう
細かな仕様の異なるカメラが各社たくさんラインナップされていました。
ある意味贅沢な時代ですよね。
先日の「QL19」と今回の「QL17」を比べても
わずかなレンズ口径以外は全く外観も中身も変わりません。
相変わらず精密によく造りこまれて
優秀なSS優先オート搭載のレンズシャッター機です。

先日の「QL19」ほどではないですが今日の「QL17」も
電池室マイナス端子がかなり腐食しています。
部品を交換するまでの事態ではないですが
端子の修復と配線の交換を行わないと
露出計には全く通電しないような状態です。
加えて今回はシャッター羽根の粘りもかなり進んでいて
連続して動作させるとまだ良いのですが
しばらく放置した後にシャッターを切ると
シャッター羽根が全く開かない状態です。
連続して切ると2回目にはゆっくりと開いて閉じ
3回目以降は見た目には普通に開閉するような感じです。
実際の撮影では連写することなんてほとんどないですから
ほぼ毎回、シャッター羽根は開かない状態になるかと思われます。
そしてさらにファインダー内部のカビや腐食も深刻で
距離計二重像やブライトフレームを映し出している
ハーフミラー部はかなり剥離が進んでいます。
ここは交換が必要かと思われます。

先日も書きましたがこの頃のキヤノネットは
整備性も優秀です。
レンズボードと本体側のリンク部も
初代よりシンプルになったおかげで
そのあたりがデリケートだった初代に比べても
整備性はさらによくなっています。
しっかい正しい手順を踏んで整備を行えば
精度も含めてかなりいい状態になると思います。
ひとつひとつ入念にチェックを行いながら
これからの長く使えるようにしっかり修理整備を行っていきます。

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