月別アーカイブ: 2021年5月

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「セメントの日」だそうですよ
1875年5月19日に官営深川工場で
日本初のポルトランドセメントができたことが由来となっています。
それまでのセメントは輸入に頼っていて
かなり高価なものだったのだそうです。
全く話が変わりますが
うちのじいさんは私と違って起用で何でもこなす人で
家のことも大抵のことは日曜大工でやってしまうのです。
で、玄関や勝手口の土間もセメントで塗り固めて
キレイに仕上げてしまうのですね。
乾く前にちょっとだけ踏んでみたくて
しかたがなかったのですが
そんなことした日にゃ烈火のごとく怒られるのが
目に見えているので我慢していました。
じいさんの家庭内セメント塗り業務の対象は
そのうち家から急坂を1時間以上歩いて行かなくてはならない
灰ヶ峰の中腹にある墓所に向けられます。
私は当時小学校低学年だったので大して手伝ってはいないのですが
くっそ重いセメント袋や川砂
雨水をためるためのドラム缶等々、作業に必要なものを
じいさんが背負子に担いで墓所に登っていくのに
ついていっては「じいさん、熊みたいだなぁ」と思っていました。
巻き込まれるばあさんはかなり不満を言っていましたが(笑
その頃のじいさんの苦労の甲斐あって
墓所敷地内はキレイにコンクリで固められていて
微妙に傾斜もついているので水もたまりません
さすがにあれから40数年経つので
コンクリの割れや隙間から雑草は生えてきますが…
もう私しか参る人もいないし
甲斐性ナシの私のせいでもう入る予定の人もいないし
また枯葉で埋まっているだろうなぁ…
少しでもコロナが落ち着いたら墓掃除に行かなくては…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
結構なバリバリの電子カメラです。
前身のAE-1と比べても機械的な基本部分は共通ですが
さらに電子制御が進んでいます。
AE-1ではまだ存在した糸連動もなくなり
リード線の数もずいぶん減っています。
でも機械的動作部分の構造はAシリーズすべてに共通の
最初のAE-1がベースですから
やっぱり定番のシャッター鳴きは起こるのです。
今回お預かりの個体もシャッターを切ると
「ギャイン」と非常に耳障りな音を発します。
音の問題だけならまだ良いのですが
シャッター鳴きの起きている個体は
ミラーの動きも悪くゆっくりです。
ミラーがゆっくりとしか動かないということは
シャッターレスポンスが悪く
レリーズボタンを押してから実際にシャッターが切れるまで
一瞬タイムラグが出てしまいます。
動きモノを撮影するには致命的な症状です。
さらにシャッター鳴きを放置しておくと
そのうちミラーそのものが全く動かなくなり
シャッターが切れなくなります。こうなると末期症状です。

今回のAE-1プログラムはシャッター鳴きだけではなく
電源も非常に不安定です。
かなり長い間仕舞い込まれていた個体と思われ
あちこちの接点で接触不良が起こっているようです。
電源がある程度安定してきても
今度は露出計が安定せず
非常に明るい光源にレンズを向けているのに
露出計はF1.4を振り切ってしまうことが頻繁に起こります。
どうやらASA感度設定部の摺動抵抗部の汚れが原因のようです。
オート時の絞り連動レバーの動きもかなり重いので
オート露出も不安定です。
AE-1プログラムでありがちのトラブルが
致命傷レベルではないものの
少しずつすべて出ているといった感じです
一通りの整備が必要かと思われます。

シャッター鳴きの原因はすでに有名ですが
駆動のギア部です。
マウントネジ部から注油するなんて方法も有名ですが
ピンポイントで必要最小限の注油を行わないと
周辺部には電気接点もあるので
他のトラブルを呼び込む可能性もあります。
今回は…というより私はミラーボックスを降ろして
原因のギア部がちゃんと確認できる状態で
最小限の注油を行います。
こんかいはそんなことはなかったですが
たまにAシリーズのカメラで
開けてみると油だらけでどうしようもなく
でも肝心のギア部には油が届いておらず
シャッター鳴きはしているという最低な状態のカメラも
たまにみかけます。
自己整備・修理は自己責任ではありますが…(苦笑)

一通りの整備は行って
あとは微調整・清掃等々のみを残す状態です。
お預かり時に比べると全体的に操作も軽く行えるようになりました。
今回も快適に使っていただける状態になりそうです。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「お茶漬けの日」だそうですよ
最近は糖質制限であまりお米を食べないようにしているのですが
本来、お米大好きなので
最後の〆はお茶漬けなんてパターンは多いですねぇ
中学生とか高校生の一番よく食べてた時期は
おかずが足らなくなってでもまだ食べたい!ってときに
お茶漬け・味噌汁汁かけご飯・卵かけごはんの
どれかで〆てお腹いっぱい!ってことが多かったですねぇ
永谷園とかのお茶漬けの元を使うのも美味しいですが
シンプルに普通の緑茶をかけるだけが意外と捨てがたいのです
お供に広島菜なんてあるともう無敵です!
それだけで1合半はお米食べられそうです。(今は無理かな(笑))
夏は冷たい麦茶をかけることも多かったなぁ
これもお供に広島菜か野沢菜があれば文句ナシです。
久しぶりにお米お腹いっぱい食べたくなってきました(←ダメなのですが)
私はどちらかというと血糖値の方がヤバいのですが
今日は「高血圧の日」でもあるのですね。これまたイヤな記念日ですね(笑
私も毎朝、体温、血糖値と血圧を測るのはもうすっかり日課ですが
おかげさまで血圧は割と問題ないかな。。。
(対高血圧の薬は飲んでいますが)
イヤですねぇ…毎朝、体調の心配をしなくてはいけないなんて…
まぁこればかりはしかたないか…(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
このカメラもSP以前のM42ねじ込みマントの
ペンタックスを代表するカメラですよね
相当数売れたカメラで現存数もかなり多いと思います。
前モデルの「S3+スーパータクマー」で「完全自動絞り」を実現し
「SV」ではセルフタイマーと自動復元式のフィルムカウンターを装備しました
TTL露出計の実装は次のSPまで待たなくてはいけませんが
一応、一通りの近代一眼レフの装備は一通り揃ったカメラと言えると思います。
当時の露出計の元々の精度云々を考えると
装備されないほうが潔いと思われる方も多いと思われます。
私も個人的にはそう思います。
ただ、SVまでのM42マウントのペンタックス機は
シャッター幕がどうしよもなく劣化したものも多いのです。
酷いものになると幕同士でくっついてしまったり
破れてしまったり穴が開いてしまったり
ゴム引きのゴム部分の劣化が主な原因ですが
そこまでではなくても硬化が始まっていて
まともに走行しないシャッターのSVやS3、S2なんて本当によく見かけます。

今回お預かりのSVはシャッター幕に若干の硬化、劣化は見受けられますが
運よくまだ何とか当分は問題なさそうなレベルです。
ただし、それでもシャッターはまともに走らず
後幕の走行がキレイに完了しないため
ミラーダウンレバーが作動できずミラーアップしたままの
状態になってしまいます。
古い横走りシャッター機の定番の症状ですね。
当然、後幕がそんな走行状態ですから
シャッタスピードの精度も出てるわけもなく
1/1000に設定しても1/250も出ていないような状態です。
巻上やスローガバナー等々も含めて
駆動する部分の動きが全て動きが悪い状態です。
作られて50年以上経過しているカメラなので
当然といえば当然です。
とにかく分解して動作部分を徹底的に洗浄・清掃し
必要な部部分には最小限の注油を行います。

保管状況自体は悪くない環境だったのだと思われます。
というのも装着されていた55mmレンズにはカビもなく
ファインダー内も目に見えて大きなカビはなかったのです
それでもさすがに動かさずに
かなり長い間仕舞い込まれていたようなので
動作部分の固着や油切れはしかたないですね
それでもこの保存環境だったから
シャッター幕への悪影響は少なかったのだろうなぁ…と予想されます。
画像は分解途中で撮ったものですが
この亜sと、一通りの整備を行って再組立てしていきます。
やはり元々の状態は良いようで
その段階である程度のシャッタスピード等の精度は安定して出ています。
さすがにそのままでは少し問題ありそうなので
あとは微調整で通常の撮影に問題レベルにまとめていきます。
SVまでのペンタックス機はSP以降のものに比べても
何とも言えないレトロなデザインがステキですね
動きの良くなったSVでご依頼者様には
是非撮影をお楽しみいただければと思います。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
うーん、少し前までは頻繁にテント担いで
あちこちの山に登りに行っていたから
それがまさに自分の中では「旅」だったのですが
もう身体が言うこと聞かなくなったので
あまり「旅」って気分でもないなぁ
でもたまに広島に帰省(もう実家すらないから帰省でもないか)するのは
「旅」ってほどじゃないけど楽しみですねぇ
慣れ親しんだ美味しい食べ物や
懐かしい景色やバカ話しできる友人に会うこともできますし…(笑
それもこれもこの状況じゃ
すっかりご無沙汰になってしまっています。
今は新宿方面行くだけでもちょっとイヤですものねぇ
まぁ普段はすっかり引きこもり気味ですが
早く気兼ねなくお出かけできて
美味しいものを食べに行けるようになってほしいものです。

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初両優先オート搭載(絞り優先、SS優先)のカメラです。
その翌年になは両優先+プログラムオートのキヤノンA-1も発売され
いわゆる「マルチモード機」が全盛となっていきます。
今となっては両優先云々より
端正なスタイリングとミノルタらしい使い心地の良さが魅力のカメラです
またスクリーンには非常に明るい上にピントのキレも良い
アキュートマットスクリーンを装備しており
巻上の感触の良さやシャッター音の上品さ等も含めて
非常に官能的なカメラに仕上がっています。
ただし…XDは現行モデルだった頃から
電装系のトラブルが多いことで有名なカメラで
現在生き残っていて動作しているものには
致命的なトラブルを抱えているものは少ないとは思いますが
それでもシャッター制御等でトラブルを抱えているものは
修理不能なものも存在します。
おまけにミラーボックス脇のエアダンパーや
絞込レバー付近の動作不良で
シャッターレスポンスの異様に悪い個体が存在します。
これは修理・整備である程度は対応できますが
要はレリーズしてから実際にシャッターが切れるまで
妙な間がある状態ということです。
酷いものになるととても動きモノは使えない状態のものも見受けられます。
XDは元々、サイバーネーションシステム
(SS優先AE時にオート範囲外の露仏となる場合にSSを補正し
適正露出を得るプログラムオート的な機能)のせいで
シャッターレスポンスはそれほど良いカメラではないのですが
トラブルを起こしている個体は
そんな許容できるレベルではないものも多いのです。
。。。というわけでXDを預かったときには
整備前の現状チェックにもいろいろ時間や確認が多く必要なのです。

お預かりしているXDは
比較的トラブルの多いと言われる前期モデルですが
致命的なトラブルは抱えていないようです。
ただ、摺動抵抗の汚れかと思われますが
露出計、オートが非常に不安定な動きをしています。
それとは別の問題で
高速シャッターも少しばかり不安定です。
かなり長い間動かさずに眠っていた個体だと思われます。
おそらく電池も入れっぱなしだったらしく
電池室にもかなり緑青が見受けられます。
導通しない程ではないのですが
しっかり対処しておかないと後で接触不良が起こりそうです。
電池室裏側の端子ハンダ付けもかなり劣化しており
そのうち断線してしまいそうなので対処が必要です。

トラブルの起こりやすい部分や
今はとりあえず大丈夫でも
対処しておかなければいけない場所は
既に把握しているので
一通りの整備・調整を行います。
電子制御カメラはマグネット部分と各接点が
生命線なのでそのあたりの清掃も念入りに行います。
それでも今回のXDはまだかなり良い状況の個体です。
ただ、前期モデルの特鋼でもある
本革の貼り革はやはり縮んでしまって
そこに関してはどうにもなりません
整備のためにいったん剥がしますが
縮んだまま再貼り付けするしか術がございません
手触りは良くって「これもXDの使い込心地の良さのひとつ」では
あるのですが・・・
あまり縮んでいることを気にしなければ
実用上は問題ございません

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」で「水分補給の日」ですよ
GW過ぎると一気に蒸し暑くなってきますからね
水分補給ももちろん大事ですし
ヨーグルトはいくら食べても(まぁ限度はあるでしょうが)
身体によいことばかりですからね
私みたいに蜂蜜かけすぎると問題ありますが
毎朝、牛乳かヨーグルトは必ず取るようにしています。
それにしても…50歳過ぎてから
毎年のように身体に何らかのトラブルが
発生するのですが
やはり人間の身体の本来の耐用年数って50年程度なんでしょうねぇ
事実、医学の発達する前はこのくらいが寿命だったそうですし…
まぁ、突然何が起こってもおかしくない状態ではあると思うので
無理はせずに万全ではない身体と付き合っていくしかないですね
ヨーグルトと水分補給の話のはずなのに
暗い話になってしまいました(苦笑)
何にしても身体を作るのは口から入れる食物ですからね
そこはしっかり注意して毎日摂取したいと思います。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」のカメラ修理を行っています。
1961年末に発売されたハイマチックとしては2代目のカメラです。
輸出を非常に意識した初代にハイマチックに比べると
シャッターボタンの位置から外観のデザイン
マニュアル露出可能になった機能面、露出計の受光体はCdSで
ファインダー内指針はLV表示。。。と
あらゆる部分で大きくモデルチェンジされました
このハイマチック7が基本となり
初期の「11」までのハイマチックは基本的にこの「7」がベースとなります。
ところで何故、2代目なのに「7」なのかというと
ここでも何度か書きましたが
初代ハイマチックのOEM提供商品「アンスコオートセット」が
マーキュリーアトラス6号(コールサイン「フレンドシップ7」)に搭載されて
初めて宇宙に飛んだカメラとなったことを記念して
「7」のネーミングになったのだそうです。
これ以降、ミノルタカメラにおいて「7」のモデル名は
特殊な位置づけになっていると思います。
(SR-7、X-7、X-700、α7、等々)

お預かりしている「ハイマチック7」は
まず電池室に大量の緑青が発生していて
とても通電するとは思えない状況です。
当然ながら露出計は電池を入れても全く動きません。
さらにマニュアル時にはよいのですが
露出計指針の位置によってより小さな力で駆動する
オート時には絞り羽根がうまく連動できません。
(粘り気味で小さなバネ力では上手く動かない)
さらに巻上レバーは巻上時に固まってしまい
元に位置に戻ってきません。
結構な力でレバーを引っ張って何とか元の位置に戻せる…という状態です。
レンズの状態はそれほど悪くはありませんが
ファインダーはかなりカビや曇りが見られます。
完全にクリアな状態にはならないとは思われますが
できる限りの清掃で実用上問題ないレベルにはしたいと思います。

電池室の緑青はほぼ落とせましたが
電池室マイナス側の端子及びリード線は
完全に腐食してアウトでした。
端子は細工して復活させリード線は交換で対応いたします。
巻上部はかなり固着気味でしたがこれも根気よく
清掃して問題なく動作する世になっています。
露出計はあやはりCdSの劣化もありできる限りの調整ですが
ネガフィルムで使う分には問題ない精度に整えることができました。
レンズ固定式としては少々大柄なカメラですが
その分、設計には余裕があり
整備性も非常に良いカメラです。
ミノルタのカメラらしく使い心地も良いカメラなので
是非、ご依頼者様には万全な状態で
ハイマチック7での撮影をお楽しみいただきたいと思います。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は「温度計の日」だそうです。
1686年のこの日が水銀温度計を発明し
華氏温度に名前を残すドイツの物理学者
ガブリエル・ファーレンハイトの誕生日であることに
由来しているのだそうです。
家にも昔、水銀温度計あったなぁ
一般的な赤液温度計(アルコール温度計)よりも
精度の高い計測ができるのですよねぇ
まぁそれらよりも今はデジタル表示なのでしょうが…
ファーレンハイトと言えば温度計というより
華氏温度(°F:ファーレンハイト度)に名前を残した人という
個人的なイメージがあるのですが
現在の日本に住んでいて「華氏」を使うことはまずないですよねぇ
未だに英語圏の一部では摂氏(℃)ではなく華氏を
常用する地域があるということなのですが…
向こうで未だに「マイル」や「ガロン」が
日常的に使われているのと一緒ですな…
まぁもはや海外に行くこともないでしょうから
あまり縁はないかな…(笑
華氏だと確かに普段の生活で考えられる温度で
「マイナス」という概念がほぼなくなるのですよね
(0℃は32℉、0℉は-17.78℃)
使い慣れているときっと便利なのでしょうね
いやいや、やっぱり水の融点・沸点を基準とした
摂氏のほうがどう考えても合理的だ…
まぁ国内で日常生活をしていて
華氏に出会うことはまずないからどうでもいいか…(苦笑

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
高級レンジファインダーカメラメーカーとして
国内ではやはり第一人者だったキヤノンの
最後のレンズ交換式レンジファインダー機です。
正確に言おうと最後は「7s」なのですが
「7s」は「7」の」マイナーチェンジ版ですから
実質最後のシリーズとしてはこの「7」ということになると思います。
1961年に発売開始されたカメラです。
世の中ではこの頃になるとレンズ交換式カメラは
レンジファインダー機から一眼レフへ移行している真っ最中で
既にニコンFは登場していますし
ペンタックスは「S3」が発売されており
ミノルタはレンジファインダー機「ミノルタスカイ」の開発を断念し
一眼レフ機へ大きく舵を切り既に「SR-2」から「SR-3」へ
モデルチェンジを行っている頃です。
キヤノンもレンジファインダー機の開発を行いつつも
一眼レフの「キヤノンフレックスシリーズ」を展開していて
既に「R2000」等も発売されています。
そんな過渡期の中、発売されたのが「7」です。
世の中は一眼レフがもてはやされ始めた頃ではありますが
まだまだ高級レンジファインダー機の需要は高く
特にキヤノンは国内メーカーとしては
この分野の第一人者なのでそうそうに降りるわけにはいかなかったでしょうね
確かにこの頃の聡明期の一眼レフと比べると
100mm以上の望遠レンズや35mm以下の広角レンズを使わない限りは
レンジファインダー機がまだまだ有利な場面も多かったと思います。
シャッター音も静かでショックも少なく手ブレしにくいですし…
「7」はさらにファインダー内に35/50/85+100/135mmの
切替式ブライトフレームファインダーを搭載し
交換レンズの制約を受けない一眼レフに対抗しています。
シャッタスピード連動型のセレン式の露出計も装備し
シャッタスピードの最高速も1/1000
機能面では当時の一眼レフに全く見劣りするものではありません
そして何といっても長年フォーカルプレーン型シャッターの
レンジファインダー機を手掛けてきたキャノンらしい
巻上やシャッターフィーリング等の使い心地の良さ等は
「さすが」と思わせる部分が非常に多いと思います。
皮肉なことにこの素晴らしいレンジファインダー機があったがために
キヤノンは一眼レフでの開発競争には少し乗り遅れてしまった部分も
あると思われますが。。。

お預かりしている「7」はまず巻上に妙な引っかかりがあり
たまに巻上途中で巻上ができなくなってしまいます。
何度かリトライしていれば巻上はできるのですが
これは巻上フィールの本来良い「7」としては大きなマイナスです。
それよりこのまま使っていれば
そのうち巻上できなくて固着…なんてことになりそうです。
全体的に油切れの兆候が出ており
高速シャッターの精度はかなり狂っている上に不安定です。
1/1000はたまに開き切らないこともあるようです。
セレン光電池を使用する露出計はさすがにセレンの起電量が劣化のため
落ちてしまっているようです。その上に挙動が少し不安定なので
できる限りの調整は行いますが
全く問題ない状態には改善できないかと思われます。
他、ファインダー二重像にかなりのズレが見受けられます。

キヤノンお得意のモナカ構造ですね。
この後で上カバーも外していきますが
巻上のトラブルは巻き止め機構の動作不良が原因でした。
巻上部の分解清掃・注油で症状は改善されています。
シャッター幕軸等もかなり古い汚れが溜まっている状態で
分解清掃することでかなり動きは改善されました。
最終的には若干のテンション調整で精度を出していきます。
露出計は安定して動くようにはなったものの
やはり+1段~+2段といったところです。
ネガで使うことを仮定して
+1段くらい常に補正を入れておけば何とか使えるかな…という状態です。
しかしながら全体の操作フィーリングはかなりよくなりました。
露出計はともかくとしても
他の部分に関しては安心して当分使える状態になりそうです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「カクテルの日」だそうですよ。
美味しいですよねぇ
比較的アルコール度数の高いものが多い
ショートカクテルをクイッと飲むのも良し
甘めのロングカクテルをゆっくり飲むのも良し。。。
若い頃は女の子ウケが良いこともあって
ショットバーにもよく行ったし
カクテルもそれなりに詳しかったのですが
今や日本酒に和食が最強だと思っているので
カクテルなんてずいぶんご無沙汰です(苦笑)
そういえば映画の「カクテル」も
一時期ハマって何度も見たなぁ
トム・クルーズ何やってもカッコ良いですよねぇ
あ、そういえば今日は「トップガンの日」でもあるらしいです。
カクテルの話に戻りますが
たまには口当たりの良いカクテルも飲んでみたいですねぇ
気分的にはフレッシュなオレンジのミモザあたりがいいかなぁ
あ、いけんいけん
ツイッターとかでは書きましたが
私、GW中は入院する羽目になりまして
まだアルコール摂取しちゃダメなのでした
今月末くらいまではガマンです(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタSRシリーズを代表するカメラであり
ミノルタ機械制御シャッター機を代表するカメラでもありますね。
ミノルタ初のTTL開放測光を実現したカメラでもあり
交換レンズ群もタイミングを同じくして
開放測光を実現するために絞り情報伝達機構を備えた
MCロッコールにモデルチェンジされました。
ちょっと変わっているのはプリズムにCdS(受光体)が二個付いていて
それが画面の上半分・下半分をそれぞれ測光し
露出計に反映します。
現在の分割測光の走りともいえる機構です。
ミノルタではこれを「CLC」
(コントラスト・ライト・コンペンセーターの頭文字)と呼び
SRシリーズのみならずレンズ一体式のハイマチック等にも搭載します。
まぁでも結局、半分ずつで輝度差が激しいと
平均することになってしまうのであまり平均測光と変わりないと
個人的には思いますが…(苦笑)
測光方式はともかくとしても非常に丈夫且つ使いやすいカメラで
SRシリーズ最大のヒット作&ロングセラー機となります。
特にシャッター周りの堅牢さは特筆もので
保存環境がそこそこ良ければ製造後50年以上経過した個体でも
元気に動作しているものが見受けられます。
ただしさすがに経年劣化の影響は確実にあり
動きにくい状態で無理して動いているだけの個体が多く
精度は出ていませんし、その状態で長く使うと確実に壊れます。
健気に動作している個体は必ず一度は
きちんと整備を行って必要最小限の力で
軽やかに動けるようにしてあげてほしいものです。

お預かりしているSR-T101は
丈夫なSR-Tらしく何とかシャッターは動作してはいるのですが
高速シャッターの精度は全く出ておらず
低速シャッターだと後幕の走行不良でミラーアップしたままになってしまい
露出計はたまに動きますが非常に不安定で
電池室は緑青だらけ
ファインダー内SS表示は「B」の位置から動かず
装着されている28mmレンズはカビだらけ・・・と
長い間仕舞い込まれたままのカメラにありがちなトラブルが
すべて出てしまっています。
それでも致命的なものがないのはさすがSR-Tといったところでしょうか…
ファインダー内SS表示が全く動かず
露出計〇指針も全く動かなかったので
連動糸の断線も疑われたのですが
単純に内部で絡まっていただけで
断線ではありませんでした。
ここが切れているとかなり手間がかかるのでホッとしました(苦笑)

とにかく駆動するところは古い汚れや油をいったん落とし
キレイにしてから注油を行います。
電気的な部分は接点を磨き、腐った一部配線は張り替えます。
ミノルタ機はハンダ付けの劣化も比較的多いので
怪しいハンダ付けも全てやり直します。
画像には写っていませんが
レンズ側も分解清掃を一通り行います。
上の画像は一通り整備がある程度終わって
途中まで組み上げて動作チェックを行っている段階です。
これからシャッタスピードや露出計の調整を行っていきます。
さすがSR-Tでこの時点でも巻上のフィーリング等は
かなり軽やかで「使い心地のミノルタ」を実感します。
おそらくかなり長い間、ご依頼者様の自宅で
眠っていた個体かと思われますが
再び今度は現在の最新の景色をご入り者様と共に
切り取っていっていただきたいものです。
良い相棒になりそうな個体だと思います。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日は「ザリガニの日」だそうですよ。
ここでいうザリガニはいわゆる「アメリカザリガニ」で
1927(昭和2)年のこの日に
神奈川県の養殖業者により
アメリカ・ニューオーリンズから
アメリカザリガニが持ち込まれたことが由来になっているようです。
もともとは食用カエル(ウシガエル)の餌として持ち帰ったものですが
養殖池から逃げ出し、その後、爆発的に広まったとされている
いまや日本で一般的にザリガニと言えば
「アメリカザリガニ」ですものね
アメリカザリガニもそうですがウシガエルも同様に爆発的に
日本中に広がりました。
私も子供の頃によく池にアメリカザリガニ釣りに出かけました。
タコ糸と煮干しで簡単に釣れるのですよね。
そしてウシガエルのオタマジャクシも捕まえて家で飼ったりしていました
でかいのですよねぇ。。。オタマジャクシといえども
手のひら大くらいあるのですよね
立派なカエルに育ったので池に戻しにいったものです。
ウシガエルはその鳴き声がまたすごいのですよねぇ
少し前に厚木の田舎に住んでいた時には
ウシガエルが住んでいる田んぼまで数百m離れているのに
その「ブオー、ブオー」という鳴き声が家の中まで聞こえてくるのです
まぁ意外と不快ではないのですが。。。(苦笑)
アメリカザリガニもウシガエルも
いろいろ問題の多い外来種ではあるのですが
子供の頃にはちょうど良い遊び相手ではありましたね。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンEESー2」のカメラ修理を行っています。
やはりハーフカメラといえばペンを思い浮かべる方が
圧倒的に多いと思います。
それほど大ヒットしたカメラです。
一口に「オリンパスペン」と言っても
最初のフルマニュアルでシンプルなノーマルペンに始まり
高級モデルのペンS、さらに大口径レンズを搭載したペンD
はたまた、レンズ交換可能な一眼レフのペンFと
いろいろな種類が存在します。
今回のEES-2は「誰でも簡単に撮れるように」と
セレン光電池を使用した露出計を装備し
露出をオートにした「ペンEEシリーズ」の派生モデルで
「ペンEE」では固定焦点だったピント調整を
「ゾーンフォーカス」に変更したモデルです。
「EES-2」は1968年発売のモデルで
前身の「EES」に比べると
ホットシューが装備され
裏蓋が取り外し式から蝶番式に変更となり
対応フィルムの上限もASA200から400に拡大され
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
より実用的に進化したモデルと言えると思います。
搭載されるレンズは30mmF2.8で
シャッタスピードは1/30・1/250の2速を
自動切替でオート制御されます。(フラッシュ使用時には1/30固定)

お預かりしているEES-2は
シャッター羽根が開いたままで固着してしまっています。
最も心配されるのはセレンの状態で
全く起電しないような状態だと修理不可能な場合もございます。
今回はシャッターが開いたままで動作しないのですが
どうやら明るさに応じて絞り制御しようとはしている様子なので
精度はともかくとしても露出計は動作しているようです。
つまりセレンは起電しているということですね。
シャッターはレンズシャッター特有の
油や汚れが羽根に付着したことによる固着だと思われます。
シャッターユニットを全分解して
羽根清掃が必要だと思われます。
当然ながら絞り羽根にも汚れがあることが予想されますので
こちらも同様に清掃いたします。
ペンEE系のシャッター・絞りは2枚羽根のシンプルなものなので
比較的、分解・清掃は楽なほうです。
これがシャッターも5枚羽根、絞りも9枚羽根またはそれ以上となると
かなり今期の必要な作業になるのですが。。。

画像は一通りの整備・修理が完了した後のものです。
少し時間をおいて様子見をしている段階で
この後で最終的なテストを行い問題なければ完成となります。
ペンEE系と言えばやはりこの緑色がかった張り革が何ともレトロでいいですね
EE-3になると黒になってしまうので
個人的にはEE-2・EES-2が好みではあります
気軽にどこにでも持っていける大きさで
撮影も気軽に素早く行うことができ
常に携帯するカメラとして非常にお勧めできるモデルです。
やはり当時も現在でも人気なのは納得できますね

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「コットンの日」なのだそうです。
コットン。。。木綿ですね。
「コッ(5)トン(10)」と読む語呂合わせと
木綿(コットン)が夏物素材として使用され
5月に店頭販売の最盛期を迎えることからだそうです。
確かにこれからの時期、コットンの肌触りは
夏を感じさせる気持ちよさですね。
コットン(木綿)って歌のタイトルにもけっこう多いですよね。
ざっと思い浮かぶだけでも
古くは(まぁ私の言うことですから全て古いのですが)
「木綿のハンカチーフ(太田裕美さん)」
「コットン気分(杏里さん)」
「Cotton Time (レベッカ・超名曲!)」
「COTTON LOVE(レベッカ)」
この4曲はメロと共にすぐに浮かびますねぇ
10代に覚えた曲はそう簡単に忘れません(笑)
ところでコットンにもいろいろ種類があって
最高峰は私の知っている限りだと「ピーマ綿」と呼ばれるものだと思うのですが
長毛で柔らかく何ともいえない気持ちよい触り心地なのだそうです。
名前を知っているだけで触れたことすらないのですよねぇ
機会があれば少しでも触り心地を堪能したいものです。
でもそれよりも暑くなってきたし
今夜の晩酌は木綿豆腐の冷ややっこがいいかなぁ…など考えています(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ペンタックスSP」の改良版で
世界的ユニバーサルマウントであるM42マウントでありながら
ペンタックスSMCタクマーレンズとの組み合わせで
開放測光を実現したモデルです。
もちろん従来のM42レンズであれば
絞り込み測光で露出計を使用することができます。
M42というのはレンズのマウント規格というより
ただのネジ径の規格ですものね
元々はねじ込んでピントが合えばOKという
シンプルなマウントです。
それに自動絞り連動機能までは何とか対応できたものの
絞り情報を伝えなくてはいけない開放測光対応となると
もうユニバーサルなM42マウントのままでは不可能です。
このあたりからM42マウントも各社でいろいろと
付加価値がついて純然たる互換性はどんどんなくなっていきます。
露出計周りに関してはSPとはもはや別物と言ってよい
SPFですがシャッター等の基本的な機械構造は
SPとほぼ変わりはありません。
ただ、細かい部品は相当数変更されているので
修理する立場だと全く別物のカメラだと認識して対応します。

お預かりしている「SPF」は
まずSP系定番のプリズム腐食です。
プリズムをぐるりと取り囲むように
貼られている遮光材の加水分解が原因で
蒸着を剥離させてしまう現象です。
ファインダーを覗くと中央少し下に
横方向に黒い線が出ています。
撮影の上でも非常に邪魔です。
こうなるとプリズムは交換が現実的な対処法です。
今回も腐食のない中古プリズムとの交換で対応いたします。
他はSP系…というかこの時代の横走り機なら
まず間違いなく何か問題がああると言ってよい
高速シャッターの精度不良で
今回もそれなりに大きくバランスを崩していますが
幕軸の清掃・注油、あとは若干のテンション調整で
全く問題なく安定して精度が出るようになりました。
さらに最大のセールスポイントである
開放測光可能の露出計が非常に不安定です。
分解してみると配線がどれもこれも腐食気味で
ほぼすべての配線を交換で対処いたしました。
水銀電池から出るガスが原因と思われる腐食です。
液漏れはなくても生ガスで配線は腐食するので
やはり長期間使わない場合は電池は外しておくのが鉄則です。
詳しく調べたわけではないのですが
現在の電池でも(特に酸化銀電池)はガスが出るようなので
使用しないときにはやはり電池は抜いておいたほうが良いと思います。
(MFフィルムカメラは抜いても特に問題ございませんし)

一通りの整備が終わって少し様子見をしている段階です。
装着されているSMCタクマー55mmF1.8は
当店のテスト用レンズです。
巻上のフィールもお預かり時より良くなっていますし
各部の精度は全く問題ない状態です。
これで当分は安心してお使いいただけれると思います。
黒ボディが使い込まれて地金が出ている様子は
この時代のカメラに非常に良く似合いますね。
この「SPF」もほどよく使い込まれて
なかなかよい雰囲気を醸し出しています。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
GW明けの日曜日の都内はでまさに初夏の日差しで
アイスクリームがとても美味しく食べられるお天気です。
日本初のアイスクリームは
1869(明治2)年に町田房蔵という方が
横浜の馬車道通りに開いた「氷水屋」で
「あいすくりん」という名称で製造・販売したものだそうです。
一人前の値段は2分(現在の価値で約8000円)と大変高価でした。
「あいすくりん」を初めて製造・販売した日が
5月9日であるという説もあるらしいのですが
これを裏付ける資料は確認できていないのだそうです。
いやぁ。。。気軽にコンビニで買えるような値段になってよかったです(笑)
でも確かに私が幼い頃の「本格的」アイスクリームって
レストランや喫茶店で出てくるウエハースの添えられた
ちょっと高級なもの。。。っていうイメージありますねぇ
今日はお店の中も冷房入れようかな。。。と思うくらいの温度ですが
あとでコンビニ行ってハーゲンダッツ買ってこよう
ヒサビサにサーティワンも行きたいですねぇ
(で、また血糖値が上がって困ることになる(苦笑))

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
先日も同じ機種の修理がありましたね。
当時のニコンフラッグシップである「F2」に
Ai対応のフォトミックAファインダーが装着されたカメラです。
ライバルのキヤノンF-1が
同じように露出計内蔵でもスマートなデザインなのに対して
F2は露出計内蔵のフォトミックファインダーを装着すると
かなり武骨で少し頭でっかちです。
それでも電池室がボディ側に移動したことにより
先代「F」のフォトミックに比べると随分スマートになりました。
このくらいであればF-1とは正反対な武骨さもカッコ良く見えますね
でも大きく重いこともあり前回も書きましたが
「鈍器」感が半端ありません
これも少し不器用だけどとにかく質実剛健で信頼性が高いという
当時のニコンの良さを明確に表しているような気がします。

先に書いた通りフォトミックAファインダーはF2の時代に
モデルチェンジされたAiニッコールレンズ群に対応するファインダーです。
いわゆる「カニ爪」では連動せずレンズ側のAiリングと連動します。
ファインダー側のAi連動爪は引っ込めることができるので
非Aiレンズも装着可能です。
ただその場合は露出計は絞込測光となります。

お預かりしているF2フォトミックAは
一通り動作はしているのですが
スローガバナが固着気味でたまに低速シャッターで
シャッターが止まったままになってしまいます。
加えて高速シャッターの精度不良も見られ
全体的に動きが少々不安定です。
さらにシャッター動作指示にミラー駆動部から
残響音がかなり残る状態で
内部の音止めモルトが劣化してることが予想されます。
F2でよくトラブルになる電池室からの電圧供給や
SW部には問題はなさそうなのですが
露出計側の摺動抵抗に汚れ・劣化があるのか
こちらも少し動作が不安定です。
致命的な大きなトラブルはないのですが
全体的に少しずつくたびれている感じなので
ここらへんでリフレッシュしておけば
また当分気持ちよく使用できる状態になると思われます。

ボディ側の整備は一通り完了した状態で
これからファインダー部の整備清掃に取り掛かる段階です。
シャッターやスローガバナ、ミラー駆動部の
動きの不安定さはすっかり解消されています
露出計側の不安定さは抵抗ブラシ部の汚れが原因のようです。
これからプリズムや接眼レンズの清掃も合わせて
一緒に整備を行っていきます。
黒のF2フォトミック。。。カッコ良いですよね
私も自分用に無印フォトミックF2黒を持ってはいるのですが
未整備の状態で放置したまんまです。
どこかで自分のものも少し整備して使ってやらなければ…(汗)

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
1886(明治19)年のこの日に眞崎仁六がが
東京・新宿に眞崎鉛筆製造所を創立し
日本初の鉛筆の工場生産が始まったことが由来となっているそうです。
小学校3年生くらいまでは鉛筆ばかり使ってたかなぁ
4年生あたりからシャーペンに置き変わったような気がします・
横浜銀蝿の曲の中で
「〇X決めるに鉛筆転がし~♪」なんて歌詞があるのですが
この状況がすぐにイメージできる人は昭和世代ですねぇ(笑)
これを行うには6角形の鉛筆でなければいけませんが
丸い鉛筆ももう当時から結構あったかな(色鉛筆は丸かった気が…)
他にもアニメのキャラクターの鉛筆やカープの鉛筆や
楽しくなるような文具がいろいろありましたねぇ
ちょっと鉛筆からは外れますがマグネット式の両面筆箱とか
缶ペンケースとか匂い付きの消しゴムとか…
鉛筆の話に戻りますがボウリング場によくあった(当時はスコアは手書き)
お尻に小さな消しゴムのついた鉛筆を
幼い頃は良く使っていました。
(じいさんがボウリング好きでボウリング場からよくもらってきてたから
で、どうにも短くなると消しゴムを外して
その台座を利用して短い鉛筆を2本繋げてしばらくは使っていました
もちろん、じいさんのアイデアですが・・・(笑)
実は今でも机の中には必ず鉛筆が常備されています。
部品同士のすり合わせ部の動きが悪いときに
鉛筆の粉を使ったりするからです。
鉛筆削りも昔、筆箱の隅に入れていたような小さなやつを使っています。
鉛筆削りも手でクランクを回すタイプの据え置き型とか
電動据え置き型とかいろいろありましたねぇ
私の幼い頃の自宅の学習机には電動鉛筆削りが組み込まれていました
あ、いけんいけん、
こんなことを語り始めると止まらなくなるのでこの辺で。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
おそらく世界でも他に例を見ない
ハーフサイズ専用の一眼レフカメラです。
ただハーフサイズなだけではなくて
ハーフサイズに適した一眼レフカメラにするために
ミラーの配置からファインダーへの光路
ロータリーシャッターの採用等々
通常の35mm判一眼レフとは全く異なる構造を持つカメラです。
正に独自性の強いオリンパスならではのカメラともいえると思います。
いわゆる無印のペンFが最初に発売され
その後。露出計・セルフタイマーが装備され
巻上がダブルからシングルになったペンFTが追加され
さらにペンFTから露出計を省略したペンFVも発売されます。
基本的にペンFはその3種類ということになります。
個人的にはシンプルで巻上角の少ないダブルストロークの
最初のペンFが最も使いやすいのではないかとは思います。
露出計を別途に用意する必要がありますが
今どきであればスマホアプリの露出計でも十分かと思います。

ペンF系はミラー関連のトラブルと
SSを制御するガバナーに関するトラブルが2大定番トラブルで
FTであればそれに露出計関連が加わるといった感じです。
今回、お預かりしているペンFは
頻繁にミラーアップしたまま固着してしまうことと
動作しているときでも異様にミラーアップのスピードが遅く
レリーズからシャッターが実際に動くまでに
タイムラグが出てしまうような状態です。
さらに受付時にはわからなかったのですが
レリーズしてもシャッターが切れないことがあるようです。
これもレリーズしてもミラーが動かない(動けない)ことが原因のようです。
ミラー駆動部周りの一通りの整備が必要な状態です。
ガバナ関連は今回は問題ない動きをしているようですが
もちろん分解時に一緒に整備を行っていきます。

ペンFは何を作業するにしろまずはミラー駆動部(前板部)を
分離しないと何もできません。
で、このミラー駆動部を分離すると
あとでいろいろと調整も必要です。
ミラー駆動部の脇にくっついているのが第二反射面となる
プリズムです。
このプリズムの腐食が多いのもペンFの特徴です。
今回はプリズム内にわずかなシミはみられるものの
問題になるほどではありませんでした。
まだまだ分解途中ですが
これから本格的に各部の整備を行っていきます。

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