月別アーカイブ: 2022年1月

ミノルタレポSのカメラ修理

今日は1月15日「小正月」ですね。
かつて「元服の儀」を「小正月」に行っていたことから
1月15日は「成人の日」になったわけですが…
未だに1月15日というと「成人の日」というイメージが抜けませんね。
それに加えて今日は「ウィキペディアの日」なのですね。
2001(平成13)年のこの日に
インターネットの百科事典サイト「ウィキペディア」(英語版)が
公開されたのだそうです。
いつからか「ウィキペディア」はネットで調べものする時には
欠かせないツールになってしまいました。
このブログを書く時だってwikiでいろいろ調べますし
趣味で古いレコードやらカメラやらの調べものするときにも
wikiで調べますし…wikiを開かない日はないほどです。
wikiの情報が100%正しいわけではないのはわかってはいますが
それでもかなりの部分で山王になる事柄が多いです。
これだけ使っているのだから
少しは寄付しないといけないのだろうなぁ(苦笑)
…といいながら…今日修理を行っているレポの詳細も
wikiで下調べしています(笑)

さてさて

今日は「ミノルタレポS」のカメラ修理を行っています。
レポシリーズはミノルタのハーフカメラのシリーズです。
ただミノルタのハーフ判カメラへの参入は遅く
1963年のレポと
その高級機版の「レポS」を翌1964年に発売するにとどまりました。
通常の35mm判より小さいフォーマットは
ミノルタとしては16mmフィルムの「ミノルタ16シリーズ」に
かなり力を入れていてそれがかなりのロングセラーになっていたので
競合する可能性のあるハーフ判には
あまえり力を入れられなかったのでしょうね。
先に出た「レポ」がプログラムシャッターで
巻き毛はハーフ判に多いダイヤル式、レンズは30mmF2.8だったのに対し
レポSは通常のマニュアル露出設定が可能で
巻上もレバー式、レンズは32mmF1.8の大口径と
明らかにデラックスな使用となっています。
外装のデザインは同時期に発売されていたミノルチナに近いもので
なかなか洗練されたカッコいいデザインです。
大口径レンズを採用したこともあり
ハーフ判カメラとしては少々大柄ですが
それでも十分コンポクトですし
使い心地も非常に優れたカメラです。
販売台数的にはやはりそれほど振るわなかったのか
特に「レポS」は意外と見かけることの少ない
少々レアなカメラになってしまっています。

お預かりしている「レポS」はやはりかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていたようです。
外装にもそれなりに汚れが目立ち
ファインダー、レンズにはカビがかなり発生しています。
巻上はできてレリーズも押せるのですが
シャッター羽根は全く動きません。
おそらく積年の汚れや油滲みにより
羽根が貼り付き固着してしまっているようです。
それ以上にやはり心配されるのはセレン光電池の状態ですが
多少の劣化はあるもののそれなりに起電はしているようです。
これであれば調整で何とか普通に使えるレベルにはできそうです。

シャッター羽根、絞り羽根は油滲みですが
それ以外の駆動部分は逆に油切れです。
羽根は取り外して洗浄、他の駆動部分も徹底的に清掃して
必要最小限の注油を行います。
見た目よりは内部の状態は悪くないようです。
しっかり整備すれば快適に使えるようになりそうです。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は1月14日、「左義長(さぎちょう)」ですね。
「小正月」に行われる火祭りの行事で
路傍の神「道祖神」の祭りとされる地域が多いのだそうです。
わかりやすく言うと「どんど焼き・どんと祭」ですね
門松や注連飾りによって出迎えた年神(歳神)様を
それらを焼くことによって炎と共に見送る意味があるとされています。
その火で焼いた餅や三色団子などを食べ
注連飾りなどの灰を持ち帰り自宅の周囲にまくと
その年の病を除くと言われています
また、書き初めを焼いた時に
炎が高く上がると字が上達すると言われているのだそうです。
私の生まれ育った地域では残念ながら
「どんど焼き」の風習はなかったのですが
少し山側の地域になるとその風習があり
親戚の住んでいる地域で子供の頃に参加させてもらったことがあります。
結構、大きな炎があがるので子供心にインパクトあったなぁ

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」も非常に修理・整備依頼の多いカメラです。
電子制御機ということもあり
修理を行う業者も少々少ないといおうのもあるでしょうが
当店では兄弟機で機械制御の「FM」よりも
圧倒的に多い台数の依頼があります。
確かに電子制御機ですが
他メーカーの同時期の電子制御機や
同じニコンでももっと古いニコマートELシリーズあたりに比べると
整備性は全然良いですし
電子部品のトラブルもかなり少ないと思います。
市場では機械式のFMのほうが人気は高く
その理由が「機械式だから修理が可能」という部分も大きいと思われます。
確かにシャッター制御部分の電子回路トラブルは
起きてしまうと修理不能のかのうせいが高いですが
そもそもFEではそんなに本土の高いトラブルとは思えません
逆にFMで採用されているLED式露出計の方が
トラブルの可能性は高いですし、
トラブルが起こると修理不能の可能性が高いと思われます。
…というわけでトラブルに関して言えばどっちもどっちですね
直せる場合もあれば直せない場合もあります。

FEの露出計も指針式で比較的メンテが容易とはいえ
露出計とセットになっている管制部のトラブルが比較的多く
(内部破損や内部断線)
これが出ると管制部ごと中古良品と交換することになります。
今回のFEもこれが原因で
いくつかおかしな動きが確認されています。

・露出計は基本的に大アンダー(4段以上)
・SS精度が全く狂っている上に
1/1000ー1/250は何とか作動するものの
1/125以上では全てのSSで開きっぱなし
(オートでも1/125以上で切れる場面だと開きっぱなし)

最初は巻き戻しクランク下の
FRE抵抗体の割れか破損かと思って確認したのですが
どうやらそちらは大丈夫のようで
怪しいのは明らかに管制部といった状況です。

まずは原因をある程度はっきりさせておいて
他部分の整備に入りたいので
まずは管制部を先に外して
手持ちのストックで正常動作確認済みの管制部と交換してみます。
仮取付で簡単に動きをチェックしたところ
細かい精度はともかくとして
症状は改善されるようです。やはりこれが原因ですね。
最大の懸念事項はクリアとなりましたが
それ以外にも今回のFEはかなり長年放置されていた個体らしく
各部にカビや汚れ、そして油切れによる動作不良が多発しています。
もう一度、管制部は取り外しておいて
分解を進め、まずはシャッターユニット、巻上機構部、
ミラー駆動部等々の整備・調整を先に行い
それから再組立てしながら電気的な調整も行っていきます。
おそらく数十年ぶりの復活になるのではと思われますが
以前と同じように快適に動作するようにできそうです。

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リコーオートハーフSのカメラ修理

今日、1月13日は「ピース記念日」です。
ここでいうピースは高級たばこ「ピース」(Peace)のことで
1946(昭和21)年のこの日に「ピース」が売り出されたことが
由来となった記念日です。
「たばこの日」とも呼ばれていることもあるようです。
値段は10本入り7円で日曜・祝日に1人1箱で限定して販売されましたが
東京・有楽町駅売店では
販売と同時に1時間で1000箱が売り切れたといわれています。
うちのじいさんが私が記憶にある頃は袋入りのロングピースだったけど
私が生まれる前は缶入りのピース(いわゆる缶ピー)を吸っていたらしく
家の中のあらゆるところでピースの空き缶が
小物入れや鉛筆立てになっていたなぁ(笑
私もタバコを止めてからそれなりになるので
最近びっくりしたのですが今、たばこってめっちゃ高いのですねぇ…
私が吸い始めた頃は例えばマイセンやセッターで220円
ハイライトで200円、ラッキーやラーク、マルボロなんかの洋モクで
250円なんて感じでしたが…(しかし、この頃のことは忘れないなぁ)
今やメビウス(マイセンの後継)で580円???
私が最後に吸っていたマルメンなんて600円???
うっはーーーーーやめててよかった…(苦笑)
でもいまだにたまに妙に吸いたくなることがあるのですねぇ…
まぁ、もう吸うことはないでしょうが…
(頭やっちゃってるし…また血管詰まっちゃうよ(汗))
吸い始めた頃は本当にカッコつけてただけだし
別に吸わなくっても平気だったんですよねぇ
だって、授業中吸わなくても平気なんだし
吸っても1日数本だったし…
これが社会人になって会社のデスクでも普通に吸えるようになると
(これも今じゃ考えられないですが…)
一気に本数も据えて依存するようになっていくのですよね
しかしいつの間にか時代はいろいろ変わっていきますねぇ…

さてさて

本日はリコーオートハーフSのカメラ修理を行っています。
これも昔のタバコの箱(袋)くらいの大きさのコンパクトな
ハーフカメラです。
(重さは全く違ってオートハーフはずっしり重いですが…)
オリンパスペンシリーズと双璧といっていい
ハーフカメラを代表するモデルだと思います。
先行するオリンパスペンが基本的には目測のマニュアルカメラだったのに対して
(すぐさまペンEEシリーズも出てオートも充実しますが)
オートハーフは技術者の安宅さんが
「自分の50歳の母親でも撮れるカメラ」という基本構想から
可能な限りの撮影自動化と、女性のハンドバッグ、
男性の上着のポケットに入るサイズの小型化を目指して設計されたのだそうです。
露出はセレン光電池使用の露出計でプログラムオートとし
ピントは固定焦点でピント合わせ不要
それになんといってもゼンマイで自動巻上も実現するといった
妥協のない自動化をふんだんに取り入れ
1962年に初代のオートハーフがデビューします。
初代のオートハーフは前面にレリーズボタンを備えた形式でしたが
1965年に今回、お預かりしている「オートハーフS」が発売され
その名の通りセルフタイマーが装備されます。
これを機会に全体的に再度設計の見直しが行われ
レリーズボタンは上部に移動し、裏蓋は着脱式から蝶番式に変更されます。
この形になって以降は基本的な構成はその後のモデルも変わりません。
初代に比べるとわずかに大きくなりましたが
使い勝手や頑丈さは明らかに向上しました。

お預かりしている「オートハーフS」は
まずシャッターが切れません。
もう少し詳しく言うとレリーズが押し込まれた状態のまま
戻らないような状態で次のシャッターを来ることができない感じです。
何か挟まっている感じといった様子です。
動かなくては露出計がどうとかオートどうとかも判断できないので
とにかく分解してみます。
すると以前に落としたかぶつけたかした形跡が見受けられ
セレン光電池の採光窓が一部割れており
その破片がレリーズ部に挟み込まれているのがわかりました。
シャッターが切れない原因はこれのようです。
シャッターが切れなかったのでレンズの状態の詳細とかも
わかっていなかったのですが
レンズを外してみて仰天したのが
「えっ?電動リューターか何かで磨こうとでもしたの???」っていうくらい
前玉にぐるぐる同心円状のキズが無数についています。
さすがにこれはどんな状況でも写真に悪影響が出そうです。
部品取用の個体から比較的状態の良いレンズを
移植することにしました。

他、シャッターの粘りだとか
オート・露出計の精度だとかゼンマイ巻上の油切れだとか
細かいこともいろいろとあったのですが
とにかく一通り整備して少し様子見の状態です。
オート露出の精度も問題なく
非常にスムーズに動作するようになりました。
オートハーフはコンパクトなのはもちろんですが
前面にレンズ部の出っ張りがなく
ポケットやカバンどこに入れても収まりが良いのが魅力ですよね
あとは何と言ってもこの独特のデザインと
ゼンマイ巻上のギミックですよね!
こうやって整備していると
「私も1台…ほしいなぁ…」とい津も思ってしまうカメラです。
これもって出かけるだけでも楽しそうですものね!

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は「桜島の日」だそうですよ。
1914(大正3)年のこの日に
鹿児島県の桜島で史上最大の大噴火が始まったのだそうです。
この大噴火は通称「大正大噴火」と呼ばれ
その後約1ヵ月間にわたって頻繁に爆発が繰り返され
多量の溶岩が流出しました。
流出した熔岩は桜島の西側および南東側の海上に伸び
それまで距離400m・最深部100mの海峡で隔てられていた
桜島と大隅半島とが陸続きになったのだそうです。
それまでは桜島って本当に島だったのですね。
地図や航空写真で見るとかなりしっかり陸続きのように見えるのですが
こうなったのはこの時の大噴火のせいなのだそうです。
また、火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測され
軽石などを含む降下物は
東京ドーム約1600個分の約32億トンに達したのだそうです。
噴火とか地震とかほぼ前触れもなく突然起きる
自然災害は本当に怖いですね…
首都圏にいて一番怖いのはやはり地震ですが
起きてしまうこと自体は防げないですし
被害も防げないとは思いますが
身を守ることと火だけは出さないように
気をつけたいと思います。

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスにもいろいろなタイプがありますが
1950年発売の「リコーフレックスⅢ」から始まる
プレスボディ+前玉回転式のピントギアを装備するモデルが
当時の二眼レフブームを牽引する存在でした。
シンプルな機能でかかくもかなりお求め易かったことから
爆発的に売れ、一時期は国内のカメラ総生産の半分以上が
リコーフレックスが占めていたと言われています。
当然それだけ売れたモデルですから
発売開始から70年が経過しようとしている現在でも
かなりの個体数が残っているようです。
しかしながらさすがに60~70年経過した機械ですので
その状態は千差万別で特に長い間整備も行われず
使われていない個体はいろいろなトラブルを抱え持っています。
一番心配なのはやはりレンズの状態で
多少のカビや汚れならある程度問題ないレベルまで清掃で何とかなりますが
レンズそのものが変質して曇っているものや
白濁しているものはさすがに修復は困難です。
シャッターも開いていないとか動かないとかいうものも多いですが
それは修理で何とかなるものが多いと思います。
加えて、リコーフレックスの大きな特徴ともいえる
ピントギアは固着しているものが多く
重いどころかビクとも動かないものも多く存在します。
これに限ったことではございませんが
動きが重くなっている部分や動かない部分は
決して力まかせに動かしてはいけません。
無理して動かすとたいていの場合が大惨事を引き起こします。

お預かりしているリコフレⅦは
そのお約束のピントギア固着に加え
この時代の全ての二眼レフでお約束のミラー劣化です。
さらにファインダー、ビューレンズ、テイクレンズそれぞれ
かなりのカビが発生してします。
ただ修復不可能なレンズのクモリはありませんでした。

レンズ・ファインダーはできる限りの清掃
ファインダーミラーは新品に交換
ピントギアは完全に分解して洗浄+グリスアップ
シャッターユニットも駆動部分はできる限りの清掃の上
最小限の注油。
シャッター羽根、絞り羽根は洗浄の上、
こちらは油分を徹底的に取り除きます。
一通りの整備を行い見た目にも見違えるようになり
各部の動きも非常にスムーズになりました。
この状態であれば安心して存分に使っていただけると思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「成人の日」ですねぇ…
未だに成人の日は1月15日というイメージが抜けないのですが
ハッピーマンデー制度で1月第二月曜日に変わったのは
2000年の話でもう20年以上経っているのですねぇ…
まぁ私が成人式(行ってはいないのですが)を迎えたのは
さらにそれより前の33年前の1989年ですから
もうはるか過去の話になってしまいました…(苦笑)
そういえば調べてて初めて知ったのですが
以前は「成人の日」は前年の「成人の日」の翌日から
その年の「成人の日」までに誕生日を迎える人を祝う日だったが
「ハッピーマンデー制度」実施以降では、
前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人を
式典参加の対象にする、いわゆる学齢方式になっているのですね
まぁそれが正解ですよねぇ
以前の方式だと同じ学年でも
翌年になってしまう人もいましたもの…
それはちょっと微妙過ぎますものねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今年も「OM-1」の修理はコンスタントにありそうですね
まずは今年1台目のOM-1の修理です。
軽量コンパクトな一眼レフのパイオニアですねぇ
その後、電子制御機であれば同じようにコンパクトな
一眼レフが数多く登場しましたが
機械制御シャッター機と限定すれば
その後を含めても
この「OM-1」と「ペンタックスMX」くらいしか
存在しません。
「OM-1」の魅力は単に軽量コンパクトなだけでなく
感触の非常に良い巻上や、非常に上品なシャッター音等
「優れた使い心地」にもあると思います。
しかしながら基本的には登場から50年経過するカメラです。
現存する個体には全く手の入れられていないものや
前回の整備から随分時間が経っていいるものも多いと思います。
「OM-1」そのコンパクトさを実現するために
他のカメラでは見られないような独自の工夫や
独特な構造している部分があります。
その中には現行モデル時には全く問題なかったのですが
今となっては少々華奢でデリケートな部分があるのも事実です。
大きく頑丈に造られている
他メーカーのフラッグシップ機に比べると
より細やかなメンテナンスが必要なカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」はかなり初期モデルで
モデル名は既に「OM-1」となっていますが
いわゆる「M-1ボディ」で上カバーの刻印が
「OM-1」であること以外はほぼ「M-1」と共通の仕様・部品です。
フィルム室のスタッドが4本、
それに合わせてフィルム圧板は短いものとなっています。
巻上レバーの形状や接眼レンズ部の形状も
通常のOM-1とは異なる形状になっています。
プリズム留めも4本バネのタイプです。
ただしマウント部のネジは「+」ですね。
この仕様でブラックボディは少々珍しいかと思われます。

ご依頼者様が長年使い続けてきた個体かと思われますが
おそらく分解整備はこれまでされていないのではないかと思われます。
まず上カバーを開けてみると
お約束のプリズム接眼部をカバーされたモルトプレーンが劣化して
かなり粘着質になった状態で出てきました。
でもプリズムの腐食はほんのわずかです。
よくこの状態でプリズムがそれほど侵食されない状態で
維持されていたものだと思います。
保管状態等いろいろな要素が関係しているのでしょうね。
実用上は気になるほどの腐食ではないのですが
せっかく分解するのでプリズムは交換で対処いたします。
長年、劣化したモルトと隣合わせにいながら
頑張り続けてきたわずかな腐食のプリズムは
ご依頼者様に返却いたします。
さすがに各部の動きは悪い部分が多く
特に幕軸やミラー駆動部は
積年の汚れのため非常に動きが悪く
高速シャッターの精度は出ておらず
ミラーは明らかにレリーズ時にアップする動きがゆっくりです。
さらにレンズ絞り伝達レバーと連動し
露出計に連動する連動爪はほぼ絞り開放の位置で固まったまま
自信のバネの力では戻っていけないようです、
そのためレンズ側で絞り環を動作しても露出計が連動しません。
常に開放値の状態になってしまっています。
OM-1の絞り環、SS環と露出計の連動は連動糸が使われていますが
稀にこの連動糸が絡まってしまうことがあります。
今回もおそらく絞り環連動糸が絡まって
動けなくなっていると思われます。

やはり絞り連動部の問題は連動糸の絡まりが原因でした。
ここもなかなかデリケートな部分で
たまにトラブルを起こすことがありますね。
他は通常の整備を丁寧に行っていけば
本来の動きを取り戻せそうです。
登場から今年で50年になるOM-1(M-1)ですが
まだまだ現役でがんばってもらえそうです。

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ミノルタハイマチックのカメラ修理

今日は「風邪の日」だそうですよ。
ここでいう「風邪」は正確には「インフルエンザ」のことですが
インフルエンザもそうですし
新型コロナの第6波も油断ならないですし
とにかく清潔にして人混みには
近づかないようにするしかないですねぇ
年末年始は私も呉にいたのですが
帰った後に広島もかなり酷いことになっています…
新型コロナはともかくとして…
インフルエンザには私かかったことないのですよねぇ
(子供の頃あったかな…)
運が良いだけかもしれませんが…
その代わり年に数回、お腹壊して高熱が出るのですよねぇ
1,2日で「スッ」と熱が引いて
何事もなかったかのように治るのですが…
変なもの食べた覚えはないのですが
年々、頻度が増えてきているのですよねぇ
実は何かのアレルギーだったりするのかなぁ…
調べてみないといけないかな…
しかし…新型コロナが猛威を振るい始めて
そろそろ2年ですねぇ…
もう外出時にマスクをつけるのは
すっかり自然なことになりましたねぇ
外出先でしていない人を見かけると
結構強烈な違和感ありますもの…
もう口や鼻は陰部と一緒で
他人の前では出してはならないものに
なるかもしれませんねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタ・ハイマチック」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックといえば普段は「7」とか「7Ⅱ」、
「9」あるいは「F」の修理依頼が多かったりしますが
今回は記念すべき初代ハイマチックです。
1961年末に発売されたカメラです。
冬至のミノルタ35mmレンズ固定式カメラは
ALやユニオマットが主力でしたが
さらにそれに加わったのがこの初代ハイマチックです。
セレン光電池を使用した露出計を装備し
いわゆる指針挟み込み式でプログラムオートで露出計制御するカメラです。
その心臓部ともいえるシャッターユニットは
プログラムシャッターのシチズンユニEを採用しています。
レンズは既に定評のあるロッコールPF45mmF2の大口径レンズです。
アンスコへのOEM製品としてアンスコオートセットとして輸出もされ
アンスコオートセットは装着レンズが45mmF2.8で
マーキュリーアトラス6号(コールサイン「フレンドシップ7」)に搭載されて
初めて宇宙に飛んだカメラとなり
この際「グレン効果」の撮影に成功しています。
その功績を記念しこの後でミノルタは「7」の付くモデル名を
各カメラに設定していきます。
その後も「7」はミノルタにとって特別なモデル名となっていきます。
要は撮影を簡単に行える距離計連動プログラムオート専用機です。
時代を感じさせる直線的なデザインや
何ともレトロなグリーンがかったグレーの貼り革がステキなカメラです。

お預かりしているハイマチックはまずシャッターを切ってみると
「カチ」というシャッター音はするのですが
シャッター羽根は全く動かず開きません。
羽根固着という感じではなく羽根駆動部の動作不良かと思われます。
絞り羽根にも粘りが見られ
オート時に上手く制御ができないようです。
最も心配なのはセレンの状態ですが
当然劣化はあるものの何とかある程度の起電はされているようです
これなら何とか通常の撮影に問題のないレベルで
調整できそうです。

基本的な構造はシンプルなカメラなのですが
ちょっと造りが独特な部分もあり
整備性はあまり良好とは言えません。
昔の話ですが一番最初に分解したときに
結構いろいろと苦労したことをかなり鮮明に覚えています。
画像ではシャッターが半開きで固まっていますが
何度かシャッターをテストで切っているうちに
いきなり開いたと思ったらこの状態で動かなくなりました。
やはり駆動部分に何か問題がありそうです。
まずはシャッターユニットの修理・整備から取り掛かります。
そこからオート制御部の整備調整を行い、
レンズ清掃、ピント調整、ヘリコイドグリスアップへと進み
仮組みしてから露出計調整、ファインダー・距離計調整を行います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「イヤホンの日」だそうですよ。
最近、外で音楽聴くこともすっかりなくなったのですが…
私のipodは未だにClassicの160GBモデルで
イヤホンは普通に有線です…
もう10年以上使っていて普段は自宅や仕事場のドックに立てて
毎日のように使っているのですが
先日、呉に帰った際にヒサビサに外で使ったら
内蔵電池がフル充電から半日も持たないことが発覚しました(苦笑)
まあさすがに電池は寿命ですよねぇ
で、調べていませんがおそらく内蔵電池の交換はメーカでは無理でしょうねぇ
めったに外で使うことはないので
このまま常にドックに差して自宅や仕事場専用機にしますか…
で、外ではスマホで再生させればいっか…
大容量のマイクロSDカードも安くなったし
今のipodClassicに120GBくらいは入っているけど
そのくらいならスマホでも問題ないだろうし…
…と…なると…
私もワイヤレスイヤホンデビューかも!(ちょっと嬉しい(笑))

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っております。
1980年発売の「リトル・ニコン」です。
ジウジアーロの優れたデザインのおかげもあり
世界的には成功したモデルですが
日本国内では現行モデルで発売されていた頃には人気がイマイチでした。
ニコン初のエントリーモデルであり
思い切って機能を簡素化し、外装もプラスチックを多用し
他メーカのライバル機にも価格でもコンパクトさでも負けない
スペックを手にいれたのですが
「ニコンらしくない」、「やすっぽい」等々の理由で
国内市場では思ったほどのリアクションがなかったわけなのです
うーん、マーケティングって難しいですよねぇ…
ニコン側も子閣内市場のリアクションに合わせ
すぐに機能的にフルスペック化した「FG」を早急に開発し投入します。
そんな何だかかわいそうなEMですが
ディスコンされた後になってその良さが見直されるようにあり
一時期は中古市場で玉数不足にあえぐほどの人気カメラとなります。
そうして今でもニコンのコンパクト一眼といえば
一番にEMの名前が出るほどに人気のあるカメラです。
メーカーとしては新品で売っている頃に
大人気になってほしいですよねぇ…ユーザー心理は難しいですね

確かにそれまでのニコン機と比べれば
EMはかなり割り切ったカメラです。
そこがまだ潔くて魅力の一つだとは思いますが
思い切ったコストダウンもしているので
ニコンとしてはめずらしく
フィルム室以外にも内部モルトが多用されています。
今回のEMもそうですがファインダー内はモルト屑でゴミだらけです。
シャッターも少々不安定なのですが
これもおそらくモルト屑等のゴミや汚れが
シャッター羽根の動きを邪魔しているものと思われます。
そして巻上レバーの戻りがかなり悪いです。
加えて露出計もかなりオーバー傾向です。

それから一見、問題なさそうだったのですが
よく見ると巻き戻しクランクに少しひび割れがあるようです。
ここもプラスティックだから弱いのですよねぇ
で、分解するためには必ず外さないといけないわけで
外すときにまず間違いなく破損すると思われます。
ひび割れがない場合でも経年劣化で脆いので
迂闊にラフに扱おうものなら簡単に破損します。
ここはちょっとEMの最大の泣き所ですね。

通常、作業時には必ずストラップを外します。
すーーーーーーーーごく邪魔になる上に
うっかりひっかけて作業机の上から落下させてしまう可能性もあるからです。
で、今回、なんで付いているままかというと
「縫い付けられて」いるのです(汗)
三角環ごと外そうかと思ったのですが
三角環ガイドがあるタイプだったのでそれもかなわず
上カバーを外したらアイレットごと外してやろうかとも思っていたのですが
EMの場合はアイレット留めのネジが少々ややこしいところにあるため
それもかなわず。。。(苦笑)
もう注意しながらこのまま続けます。。。
こういうときにイライラしがちですからね
まずは手を止めて深呼吸して落ち着きます(笑
受付時に気づいていれば縫ってある部分を
切る許可をいただいておけばよかったのですが…まぁ今更しかたないですね
ここから本格的に各部点検整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「人日の節句」及び「七日正月」ですね!
人日(じんじつ)」は五節句の一つ
この日「七日正月(なぬかしょうがつ)」は
「七草粥(ななくさがゆ)」を食べることから「七草の節句」ともいわれます。
この場合の七草はいわゆる「春の七草」ですが
地域によっては七草を入手することが季節的にできない地方もあるので
地域によって七草を必ず入れるわけではないようです。
いずれにしてもシンプルな軽い塩味の
七草粥は年末年始にどうしてもふだんとは異なる食生活になり
疲れた胃腸を優しく包んでくれるような気がしますねぇ
私もまだお腹の調子が悪いですし…(苦笑)
地域によって七草粥の取り決めもいろいろ異なるのですが
関東地方で多くみられる例を紹介しておきます。
1月6日の夜にあらかじめ用意したセリ・ナズナ・ゴギョウ
ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの「七草」をまな板に載せ
以下の歌を歌いながらしゃもじやお玉、包丁の背などで叩いて細かくする。
七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン
明けて7日の朝に粥を炊き、
叩いた七草と塩を入れて七草粥にする。そして朝食として食べるのだそうです。
こんなに詳細が決まっているのですねぇ~知りませんでした…
あぁ、細かいことはともかく
何か優しい食べやすい食べ物が欲しいここ数日です(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
年末からペンF系の修理が多いですねぇ
何度も書きますが機能的にも他に対抗馬のいない
35mmハーフ判専用のレンズ交換式一眼レフカメラで
さらにはその内部構造的にも他に例のない
独特の横方向に展開するファインダー光路
それにより実現したペンタプリズムの出っ張りのない
独特のデザイン。レンズマウントを大きく巻き戻し側に
オフセットした配置、そしてスチルカメラでは
あまり見ることのないロータリーシャッターと
どこをとってもペンF独自の世界で成り立っています。
こういう部分だけで思わず興味を持ってしまい
手に入れてしまった方も多いのではないかと思います。
私もご多分に漏れず機械好きなのでこのペンFのメカニズムと
独特のデザインに魅力を感じて個人的に使っていたこともあります。

ただし、独特な構造やデザインはいいのですが
オリンパス機は基本的に他メーカーより
数段コンパクトに、軽量に、静かに、というメーカーなので
現行モデルの時代では問題なかったのですが
多少華奢な部分があるのは事実です。
それでももちろん定期的に継続して整備していれば
全く問題なく使えるものがほとんどですが
なにせペンFも登場から60年近く経過するカメラです。
当然かなりの個体差があり使用環境や保管環境によっては
かなり修理の難しいものが存在します。

特にペンF独自の形状の第二反射面プリズムは
腐食しているものも多いのですが
もはやキレイなものがなかなか見つからない状況です。

お預かりしているペンFは
レンズを外していると普通にシャッターも切れるのですが
レンズを装着するとミラーアップで固まってしまいます。
最初はもしやミラーズレでは?(実際、たまにある)と思ったのですが
ミラーそのものには問題はなく
「ではレンズでは?」と思いレンズの絞込機能の重さもチェックしたのですが
そこも問題ないようです。
となると…ボディ側の絞込レバーに少し抵抗
(レンズ側の絞込レバー)が加わっただけで
絞り込むことができずミラーも上がりかけで止まってしまうようです。
要はミラー駆動部周りの動きが悪い上にテンションも少し足りないようです。

シャッターユニット側にも油切れの兆候が見られますので
全体的に駆動部分の動きが渋いようです。
ファインダー周りが妙にキレイなので
過去に整備を行われているコタではあると思われますが
モルトはフィルム室も内部モルトもボロボロなので
きっとずいぶん昔の話なのかと思われます。
いずれにせよ、一通りの整備を行わなくてはならない
タイミングのようです。

今回はかなりバラしたところで
1枚ブログ用に写真を撮っておこうと思ったのですが
実際に作業に入ったら集中してしまってすっかり忘れていました(苦笑)
で、とりあえず整備完了後の写真です。
巻上もスムーズになり、もちろんレンズ装着時も
何の問題もなくシャッターは作動します。
フィルムカウンターの動きもおかしかったのですが
これも長年の間にカウンター軸にたまった汚れが原因で
現在は全く問題ない状態です。
装着されているF1.4レンズは少し大柄ですが
こうしてみると意外とバランスいいですね!
やっぱりこの独特のフォルムは魅力ありますねぇ
私も1台欲しくなってきます…(笑

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は1月6日、語呂合わせで「色の日」ですね!
「色」って見るものの印象を決定づける大事な要素ですよねぇ
透明度の高い青系は涼しさや場合によっては寒さを感じさせますし
逆に暖色系の黄色やオレンジは暖かさを感じさせますよねぇ
グリーン系は爽やかさを感じますし
パープル系はカッコよさやクールさを感じさせるかな…
彩りのない無彩色も大事ですよねぇ
写真はやっぱり色鮮やかなほうがわかりやすくキレイですし
私もそう思っているから普段は
鮮やかで透明度の高い色を出しやすいポジフィルムを多用しますが
色の鮮やかさばかりに頼っていると被写体選びがパターン化していくので
たまには無彩色のみで被写体の形や明るさだけで
表現する白黒フィルムも使います。
(実は昔から少々苦手分野です)
この年末年始は生まれ育った呉に滞在していたのですが
休み中はフィルムは白黒のみで撮りました。
(まぁカラーはコンデジもあるし360度動画カメラもあったので…)
今はラボにもよるでしょうがカラーより白黒の方が
現像の期間もかかるのですよねぇ
2週間くらいかかってしまうようです…
自家現像するまで趣味の写真に手間はかけたくないので
もう少し現像納期が早ければ
白黒フィルムも多用したいのですが…
あ、色の話から随分外れてしまいました…
人間の目はカラーで見えるのでやはり色は大事です。
例えば焼きあがったステーキが鮮やかな青や緑だったら
さすがに美味しそうに見えないですものね!
(なんだか例えが悪いなぁ(苦笑))

さてさて

本日はニコンF2フォトミックのカメラ修理を行っています。
「F2」自体は伝説の名機「F」の基本路線を受け継ぎつつも
使いやすさの面で随分進歩したカメラだと思います。
アイレベル同士を比べてもシャッターボタンの位置や
裏蓋の開閉方法等にそういう点がわかりやすく表れていますが
「フォトミック」同士を比べるとさらに数段「F」時代から
進歩しているのが「F2フォトミック」です。
電池室がボディ側に移動したおかげもあり
基本的な構造は引き継ぎながらも頭でっかちな印象はかなり薄くなり
随分スマートな印象になりました
(それでも少々頭でっかちで武骨なのは「ニコンらしい」ですが…)
メインSWは巻上レバーと連動となり
バッテリーチェックも追加されました。
さらにこれはF2アイレベルに対してもアドバンテージがある機能ですが
ファインダー内にSS/絞り値が表示されるようになりました。
個人的には露出計の有無より
この機能がF2フォトミックの最大の魅力です。
絞り値は後に出るAi方式対応のフォトミック(A・AS)より
非Aiの連動式表示の方が文字が見やすく使いやすいです。
さらにLED式のフォトミック(S・SB)は
LED制御部が壊れると残念ながら修理不能になりますので
個人的には最初に出た無印のF2フォトミックが
一番無難ではないかと思います。

お預かりしているF2フォトミックは
まず露出計が全く動きません。
調べてみたところ1ヶ所の問題ではないようです。
まずよくあるパターンである
電池室から全く電圧がかかっていない状態のようです。
これはもちろんボディ側に問題があって
まれにSW部の接触部が原因のこともありますが
大半は電池室の底部端子を留めている樹脂部分が破損して
端子がグラグラになりまともに接触しない…というのが
お約束のパターンです。今回もまさにそうでした。
今回はさらにファインダー側にも問題があり
ボディ側の修理に入る前に
正常なF2ボディに今回の修理品フォトミックファインダーを
取り付けてみたのですが
バッテリーチェックだけは動作するものの
露出計では全く光に反応せず指針はピクリとも動きません
どうやらCdS周りの基板に問題があるようです。
他にはシャッター自体は何とか一通り動作しているものの
全体的に油切れの兆候で
さらに何と言っても付属の50mmF1.4レンズ、ファインダ-スクリーン
プリズム、接眼レンズにかなり強烈なカビが大量に発生しています。
一部に多少のカビ跡は残るかもしれませんが
とにかく丁寧に清掃してできる限り除去していきます。

いつ整備しても部品の工作精度の高さと
素材のクオリティの高さ
機械としての正しさを見せつけらるようなカメラです。
まさにフラッグシップという呼び名が
これほどふさわしいカメラも少ないかと思います。
ショック品や水没品、素人分解品はどうにもならない場合も多いですが
単なる経年劣化ならプリズム腐食を覗いては
通常の整備でたいていが生き返るカメラです。
本当に長く使うことを前提に考えられているカメラだと思います。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日から当店も通常営業です!
今年も引き続きよろしくお願い申し上げます!!!
今日は「小寒」で「新年宴会」の日です。
「新年宴会」はかつての祝祭日(休日)の一つであり
宮中において新年の到来を祝う宴会で、
皇族のほか、親任官(大臣、高級官僚、軍人など)、
外国の公大使などが宮中に招かれ、盛大に行われたのだそうです。
民間でもこれにならって
この日に新年を祝う会を行うようになったのだそうです。
私も一人ぼっちですが
今夜はいい飯といい酒で新年を祝いたいところですが…
実は年末から新年に、地元で好きなものを年齢も考えずに
食いまくったせいか
お腹を壊してしまい全く食欲がないのです(苦笑)
これをきっかけに新年早々「ダイエット週間」にしたいと思います
(間違いなくリバウンドしそうですが
今のところ年末に比べて2kg落ちています(笑))

今年のカメラ修理はキヤノンデミEE17でスタートします。
デミシリーズはキヤノンのハーフカメラのシリーズ名ですが
EE17はその中でもデラックスなカメラです。
CdSを使用した露出計を装備し
シャッタスピード優先AEで撮影ができます。
もちろんマニュアルでも撮影可能で
その際にも露出計は使用可能です。
レンズは30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
実はこのカメラ、前年に登場したラピッドフィルム用の
デミラピッドを通常の35mmフィルム版に変更したカメラです。
ピントはこの類のハーフカメラなので当然目測ですが
デミシリーズ共通の感触の非常に良い
巻き上げレバーは健在で
個人的な趣味で言えばこの巻上レバーの魅力だけで
ハーフカメラであればデミを選んでしまうと思います。

お預かりしているデミEE17は
まずシャッターが全く切れません。
シャッター羽根の子役だと思われます。
さらに露出計も全く動きません。
一見、電池室はキレイなのですが
電池室を外してみると電池室裏には
大量の緑青がびっしり付着しており
さらにそこからの配線は当然通電する状態ではなく
その配線から中継の端子盤を超えて
CdSの足部分まで腐食が達している状態でした。
思っていた以上に酷い状態です。

腐食した配線は当然交換し
電池室端子は磨いて緑青を落とします。
CdSの足は生きている部分だけを残して
ギリギリまでカットして
その分、配線を継ぎ足して再利用します。
シャッター羽根、絞り羽根はいつも通りの
洗浄清掃で動きを取り戻しました。
レンズ、ファインダーにも結構なカビがありましたので
できる限りの清掃を行います。
どちらもまず問題のないレベルにキレイになりました。
初代デミとそれなりに共通の部分もあるのですが
内部構造を見ているとかなり改良されている印象を持ちます
デミシリーズはどのモデルも完成度の高いカメラです。
ペン以上に売れてもおかしくなかったのになぁ…といつも考えてしまいます…

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