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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ。
1936(昭和11)年のこの日に
ベルリンのドイツ放送で
世界初のラジオのリクエスト番組が始まったとされているそうです。
ラジオのリクエスト番組って昔は多かったですよねぇ
小学校高学年から高校生くらいまでは
よくラジオ聴いていたので特にそう思うのかも…
でも今でも当時よりは少ないですがあるらしいです。
ただ昔はハガキリクエストや電リクでしたけど
今はメールやオンラインフォームです。
そのあたりは時代の流れですねぇ…
有線放送のリクエストやリクエストランキングも
今でもちゃんとあるのですね。
ラジオのリクエスト番組もそうですが
ラジオドラマとかも昔はよく聴いてました。
ちょっといろいろ懐かしいです。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
「ヤシカフレックス」はヤシカの作る二眼レフのシリーズですが
二眼レフほぼ全て「ヤシカフレックス」というネーミングで
実はいろいろな種類の二眼レフが生産されていて
その判別が非常にややこしいのです。
修理する立場ではその機構や構造がわかればいいので
モデル名なんどあまり関係ないのですが
所有されている方としてはどのヤシカフレックスなのか
もちろん知りたいですよね…

今回お預かりしている「ヤシカフレックス」は
レンズ前面フィルター取り付け部がバヨネットマウントで
ビューレンズ・テイクレンズ間に赤色の文字と楕円で
「Yashica」とあることから
1955年発売の「ヤシカフレックスC」(C型)だと思われます。
搭載レンズは80mmF3.5でシャッターユニットはコパル製
B・1s~1/300までをカバーします。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマット式です。
フィルムカウンターはフィルム装填後に「S」に手動リセットして
そこからは各コマ自動巻き止めで巻上ノブのボタンを押して
次のコマに進む形式です。
セルフコッキングはなくシャッターチャージはテイクレンズ脇の
独立したチャージレバーで行いレリーズボタンでシャッターを切ります。
この時代に多く見られる二眼レフのパターンで
少しだけ慣れれば非常に使いやすいと思います。
お預かりしている個体は若干のシャッター粘りがあるものの
シャッターは基本的には作動して他の機能も一通りは
動作しています。
ただレンズの状態がよろしくなく前玉にも後玉にも
カビがびっしり生えている状態です。
最初はこれはかなり強烈なカビ跡が残るかな…とも思われたのですが
結果を先に言うと全く問題なく
クリアな状態に清掃することができました。
ファインダーも同様にかなり見づらい状態だったのですが
スクリーンの清掃とミラーは曇りが激しいので交換で対処して
こちらも充分にクリアな状態にすることができました。


画像は現状確認を行っただけで整備前のモノです。
ここから外観も含めて
できる限りの清掃整備を行っていきます。
1950年代は本当に数えきれないくらいほど多くの種類の
国産二眼レフが存在しますが
その中でもヤシカフレックスはなかなkのヒット商品で
現存数も9多く売れただけあって非常に使いやすい
良いカメラです。各部の質感も高く
しっかり整備してキレイにして持っていると
満足度は非常に高いと思います。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
マーガリンの生みの親であるフランス人の
イポリット・メージュ=ムーリエの誕生日に由来しているそうです。
高価なバターの代用品ということで
開発されたマーガリン
直接食べ比べれば確かにバターの良さは感じられますが
単体でトーストに塗って食べている分には
マーガリンで充分ですねぇ…というかマーガリン美味しいです。
ただ油脂の塊なのでつけ過ぎには注意ですね…
だいたい昔からパンにつけ過ぎる傾向があるのですが
たーっぷりマーガリンを塗ったトーストを
めちゃくちゃ食べたくなるときがあるのですよねぇ(笑
そういえば子供の頃からだな…
冬になるとストーブで給食のパンを焼いても良かったのですが
それに当時の銀紙に包まれた四角いマーガリンを
一口に一個塗りたくって周りの友達にマーガリンもらってたわ…(苦笑)
今、そんな食べ方したら確実に体調に異変をきたします…
マーガリンはラーマ派だったのですが生産終わってしまったので
今は普通にネオソフトです(笑

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしては最新の類になります…
ベースは1980年委発売されたニコンEMで
絞り優先オート専用でエントリー機に割り切ったEMは
海外では好調だったのですが
これまでのニコンらしくないと国内ユーザーには不評で
急遽EMをベースにマニュアル露出、プログラムオートを追加し
フルスペック化されたカメラだと言われています。
プログラムオートは絞りを手動で最少絞りから変更すると
プログラムシフトと称してシャッター速度優先オート風に使えます
この機能のためにレンズ側のAi連動爪の動きを絞り段数に
ほぼ比例するよう改善したAi-Sニッコールレンズが投入されています。
それでも旧Aiニッコールレンズでもオート露出を可能とするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う
瞬間絞り込み測光も搭載されています。
そのあたりの機構もあってミラー駆動音が少々独特で
個人的にはこの「シャコン」という音がお気に入りだったりします(笑
しかし当時のニコンの生真面目さが垣間見える造りと機能です。
そのためにかなりややこしいカメラになってしまいましたが…

お預かりしている「FG」がご依頼者様が
長らく使い続けているカメラです。
ある時を境に電源が入らなくなってしまったとのことで
お預かりしました。
そういう場合は単に電池室の汚れ(特に蓋側)が原因だったりするのですが
今回は電池室を清掃しても全く復帰しません。
単純にフィルムカウンター連動のSW部の接触不良か
電池室裏の配線やハンダ不良であればいいのですが…
基板内トラブルの場合は修理不可能になる場合も多いカメラです。
電源が全く入らない場合はいろんな可能性が考えられるので
ある程度は分解してみないと修理可否の判断もできません。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはフィルムカウンター連動SWには問題なさそうです。
おそらく電池室裏側のハンダか配線と思われます。
まだ確定ではありませんがいくつか調べた結果
おそらく基盤そのものは大きな問題はなさそうです。
少し話は逸れるのですが
FGの場合はまだ傾向がわかっているので良いのですが
ベースとなるEMの場合はたまに巻上レバーの取り外しに非常に苦労します。
…というのも単に固いから苦労するのもあるのですが
生産時期によって留めネジのあるものないもの
レバーを止める蓋部分のネジが逆ネジの場合、順ネジの場合があって
ネジが固い場合はそこがはっきりするまで
あまり力を入れられないのですよね…
それで巻上レバーを外すのにえらく時間がかかることがあります。
さっきも言いましたがFGはある程度
傾向がわかっているのでまだ良いのですが…
ちなみにFGもEMと同様、巻き戻し側クランクは下手に力任せで外すと
破損させる可能性が高いので注意が必要です。
それでもまだニコン機は電子制御機であっても
整備性に関してはよいものが多いです。

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ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が冷気によって
霜(しも)となって降り始める頃なので
「霜降」とされています。
江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧(べんらん)』では
「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」と説明されています。
次の節気はもう「立冬」ですが(11/7頃)
まだ全然そんな秋が深まった感じはしないですよね…
日中は意外と気温が高い日も多くまだ少し「暑さ」も感じます。
「秋らしいねぇ」と感じるのはほんお一瞬だったりするのでしょうね
私は秋が四季の中で一番好きな季節なので
なんとも寂しい気がします。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
お馴染みの「ろうそく1本の光でも写る」カメラをコンセプトとした
絞り優先オート専用機のシリーズが「エレクトロ35」です。
シリーズ中にいくつものカメラが存在しますが
その中で唯一の35mm広角レンズ搭載機が「CC]と
そのマイナーチェンジ版の「CCN」です
(中身はほぼ同一)
カラーヤシノンDX35mmF1.8のエレクトロシリーズらしい
大口径レンズを搭載します。
エレクトロのコンセプト的にもそうですが
この時代の大口径レンズはボケ味を楽しむとかの意味ではなく
低輝度時にできるだけ速いシャッタースピードを確保でするためのものです。
特にこのCCやCCNは絞り羽根が2枚羽根で独特の形状をしているので
開放ならまだしも開け気味でボケ味を楽しむ感じではないと思います。
それでも35mmF1.8のレンズは貴重ですし
使ってみたい衝動にも駆られますね。

お預かりしている「CC」はかなり使い込まれた個体のようです。
CC&CCNはエレクトロらしいあのギンギラギンなシルバーの設定はなく
ブラックボディのみの設定なのですが
適度に剥がれたブラックボディがなかなか良い味を出しています。
外観が適度にヤレ気味なのは魅力的なのですが
中身も少々くたびれているようで
こちらは「良い味」とかは言ってられないですね。
オート制御がとにかく不安定で基本的にやたらと
シャッターが開いたままになろうとします。
10回切ると7回は異様なスローシャッターで切れてしまい
とてもまともに撮影に使える状態ではありません。
まともに切れるときの制御は悪くなさそうなので
おそらくマグネットの吸着に問題があるのか
エレクトロならではの抵抗のハンダ劣化とかで
明るさに対しておかしな抵抗値に
なってしまうのではないと思われます。

まだ取り掛かり始めの段階です。
ファインダーやレンズにもそれなりにカビ等があり
距離計も無限がズレてしまっています。
その辺りも含めて全体的な整備をこれから行っていきます。
このCCからエレクトロも本格的に小型化が進められていきます。
この頃はまだ初代からの流れを汲む「GS」が
まだ販売されていますが
本流のモデルも1973年の「GL」で一気に小型化されます。
その前に目測超小型の「MC」も発売されます。
このあたりのモデルの変遷を見るのも
当時の時代の流れを感じることができて楽しいですね。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
1879(明治12)年のこの日に
アメリカの発明家トーマス・エジソンが世界で初めて
実用的な白熱電球を完成させたことの由来しています。
毎年思いますが「電灯」とか「照明」じゃなくて
「あかりの日」なのが何とも暖かさを感じさせていいですね
現在では夜間でもあかりも何もない闇の中なんて
あまり直面することは意外とないですよね。
少し前まで山登りに頻繁に行っていましたが
山の中での夜は本当に真っ暗です…
もちろん照明器具はいろいろと持っていきますが
全てを消すと足元ひとつ見えなくて一歩も動けません…
本当にあかりも何もない闇の中ってこんなにも暗いんだと
再発見できました…(苦笑)
そしてこれも山での話ですが
いろいろな要因で下山が遅れて
日没を少し過ぎてしまったことが
何度かあるのですが
ヘッドライトの細い光を頼りに登山道を下山していく中
麓の家々のあかりが見えると本当にほっとするのですよねぇ…
無事に降りれた!というのもありますが
生活感のある現実世界に戻ってきたような気がして…
まぁあまり何度も味わいたくはありませんが…(笑
何にせよ生活のあかりって暖かくていいものです。

さてさて

本日は「オリンパスEES」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンシリーズは言うまでもなく
ハーフカメラの代名詞のようなカメラです。
カメラ好きな方には「ペンS」と「ペンD」が人気ですが
一般的にはやはり「ペン」といえば
「ペンEE系」を思い浮かべる方が多かったのではと思います。
「EE」やそのゾーンフォーカス版の「EES」シリーズは
登場した1961年から基本的な構造を引き継ぎながら
モデルチェンジを重ね最終の「EE-3」は1986年まで生産されました。
セレン光電池搭載のハーフカメラが1986年まで生産されたって
改めて考えるとすごいな…といつも思います。
(その時代を雰囲気がわかるだけに…85年にはα7000が出ています)

今回お預かりしている「EES」は
初代ペンEEをベースに固定焦点ではなく
前玉回転式3点ゾーンフォーカスとされたカメラです。
加えてレンズは30mmF2.8に変更されています。
露出がシャッター速度1/30、1/250秒の2速切替プログラムオートとなるのは
後期の「ペンEE」と同じ仕様です。
「EE」と同じく誰でも簡単にすぐ使えるように設計された
コンパクトなハーフカメラです。

お預かりしている「ペンEES」は
シャッターは何とか切れるのですが
オート制御がほぼ働いていない状況と思われます。
レンズキャップをしても赤ベロが出ることもなく
シャッターが切れてしまいます。
露出計は動いているような感じはするのですが…
鏡胴が妙にグラグラで感度リングはクリック感もなく
スカスカに回ってしまいます。
このあたりに原因があるものと思われます。

構造もシンプルで整備性も良いカメラです。
シャッターユニットのネジが強烈に固着していて
ちょっと時間がかかりそうなので
そのタイミングでの画像です。
シャッターユニットのネジは強烈に固着していますが
他のあちこちのネジがゆるゆるに緩んでしまっています。
鏡胴リングがスカスカなのもそのせいで
オートが効かないのもそのせいでした。
それ以外にも中にはネジが完全に外れてしまっている部分もありました。
「ペンEE系」は内部のいろいろなところのネジが
緩みやすい傾向にあるので分解の際には
あらゆる部分のネジをチェックします。
分解歴があってネジが外れているわけではなく
長い時間の間に振動等で緩んだものと思われます。
外れたネジが意外なところに紛れ込み
余計なトラブルを起こす場合も多いので
そのあたりも考慮して全体の整備を行っていきます。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「頭髪の日」だそうですよ。
「とう(10)はつ(20)」(頭髪)と読む語呂合わせからだそうです。
毎月18日も「とう(10)はつ(8)」(頭髪)と読む語呂合わせで
同じく「頭髪の日」となっています。
頭髪…というか髪型とか昔に比べると
随分気にしなくなりましたが大事ですよね
意外な程に髪型で印象変わりますものね…
ここ数年でかなり白髪が増えてきたので
対策を打つべきか否か最近よく考えます。
やはり白髪が多いと老けて見えますものねぇ…(苦笑)
いや…別に老けて見られて
もはや大きな問題はないのですが
お店をやっている以上、対峙する方に不快感をなるべく与えないように
清潔感だけはなるべく保ちたいものです。
その点でも髪型は服装はある程度は
気にしなくてはダメですねぇ…
オシャレに気を使う余裕はありませんが
身だしなみには気をつけます!

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
過去に何度も「SR-1」の修理をするたびに
当時のミノルタ一眼レフトップモデルは
SR-2、SR-3、SR-7とモデルチェンジのたびに
モデル名も変わるのにそれらをベースとした
普及機のSR-1は中身が変わってもずっと「SR-1」のままで
同じSR-1でも種類が多くて少々ややこしい…なんて
話をしています。
今回の「SR-1」はニューSR-7がベースとなる
「ニューSR-1」です。
1965年発売のカメラです。
ベースとなるニューSR-7から露出計と1/1000が
省略されています。
それ以外の内部機構はほぼニューSR-7と同一です。
ニューSR-7登場時にダイキャストと内部機構が一新され
後に登場するSR-T101の土台となるものになっています。
ニューSRー7とSR-T101の主な違いはTTL露出計搭載と開放測光なので
ニューSR-1は大雑把に言えば「露出計のないSR-T101」と言っても
あながち間違いではないかと思います。
ただ「SR-T101」は超ロングセラーなので
基本的構造は同じでもモデルライフ内に
小変更はいろいろ加えられてかなり細かいところは改良されて
最終モデルに至っています。
話がそれました…すなわち「ニューSR-1」は
それまでの「SR-1」とはスペックは大差なくても
中身は全く別モノです。
小型化された外観やこれまで以上に感触の良い巻き上げに
違いが表れていると思います。

お預かりしている「ニューSR-1」は一通りは動作している状況です。
ベースがほぼSR-T101なので丈夫さも同様です。
ただやはり各所油切れの兆候は出ていて
巻上の感触やシャッター音でもそのあたりは感じられますし
実際にSS計測を行ってみても
やはり先幕後幕の幕速バランスは崩れていて
高速シャッターの精度は出ていません。
スローガバナも少々粘り気味です。
内部モルト(少ないですが)も含めてモルトは全滅で
ファインダー内にもゴミがたくさん混入しています。
やはり全体的にリフレッシュして
快適に使えるように整備が必要です。

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
内部構造は連動糸と露出計回路のない
SR-T101とも言えますので
当然ながら整備性は非常に良好です。
フィルムカウンターの形状や巻上レバー直下に配置される
スローガバナとかやはり明らかに「SR-T101」と同様ですね。

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リコーフレックスダイヤLのカメラ修理

今日は「海外旅行の日」だそうですよ。
「遠(10)くへ行く(19)」と読む語呂合わせからだそうです。
海外旅行なんて片手で数えられる程しか
行ったことないですし
それもどれも以前勤めていた会社の行事ごとばかりで
純粋なプライベートでは一度もないですねぇ…(笑
そもそもあまり興味がなかったりします。
「遠くへ行く」という意味では23区から出るだけでも
私としては充分遠くなのですが…
海外旅行はともかくとしても
たまに気分転換に遠出するのはいいでしょうね
別に観光名所なんてなくてもいいかな…
同じようでも見たことない風景、道、建物、そしてその雰囲気が
感じられれば充分かと思います。
一泊すればもっと非日常でいいでしょうねぇ
もう少し寒くなったら温泉旅行とかいいですね
たまには帰省以外に泊まりで遠出してみようかな…
(多分思うだけで面倒くさくなって終わります(笑))

さてさて

本日は「リコーフレックスダイヤL」の
カメラ修理を行っています。
リコーフレックスというとピント調節がギアで
前玉を回転させるプレスボディの
軽量な二眼レフが思い浮かびますが
(リコーフレックスⅢ~Ⅶ・ミリオン等)
それとは別のシリーズでダイキャストボディを採用した
高級二眼レフのシリーズが「ダイヤシリーズ」です。
ピント調整はヘリコイド式となり
レンズボード両端から出ているピントレバーで調整を行います。
レンズやシャッターはモデルによって搭載されるものが異なります。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
セルフコッキングこそ搭載されませんが
露出計設定はビューレンズ上に集中表示され
非常に使いやすいしっかりしたカメラです。
ダイヤシリーズには最初の「ダイヤ」「ニュ-ダイヤ」
「ダイヤL」「ダイヤコード」等が存在します
今回の「ダイヤ」は「ニューダイヤ」をベースに
セレン式露出計を搭載し露出設定がライトバリュー式に変更された
「ダイヤL」です。発売開始は1957年のカメラです。
レンズはリケノン8cmF3.5(ビューレンズはF3.2)
シャッターユニットはこの時代の高級国産二眼レフでは定番の
セイコーシャMXLが搭載されています。(B・1sec~1/500)

お預かりしている「ダイヤL」は
外観はなかなか良いコンディションです。
ケースに入れて長期間保管されていたものだと思われます。
精度はともかくとしても露出計も作動しています。
ただシャッターに大きな問題を抱えています。
テイクレンズ側から見えるシャッター羽根をよく見ると
ほんのわずかに隙間が空いた状態で止まっています。
この状態から普通にチャージしてシャッターが一応切れますが
開く方向へは少し粘りながらも何とか開きますが
閉じるときの羽根の動きは明らかに緩慢で
ゆっくりと閉じ始め最終的に最初と同じ
少し開いた状態で止まる状態です。
粘っている時点で全くダメなのですが
開いたまま止まる状態ではもちろんフィルムは
シャッターを切らなくても感光してしまいます。
これでは全く撮影に使うことはできません。
加えてレンズにはかなりカビがあり
ファインダーもかなり汚れていて見え辛い状態です。
シャッターのトラブルはもちろんですが
全体的にも整備が必要な状態です。

造りもしっかりしたカメラですが
見た目の高級感や質感も非常に高いカメラです。
まだ現状確認を一通り行っただけの状態です
問題点の洗い出しや対策の方向性は決まったので
これから分解整備取り掛かります。
まずはシャッターユニットを降ろして
シャッター羽根・絞り羽根の洗浄清掃調整
シャッターユニットの整備から取り掛かっていきます。

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ニコマートELのカメラ修理

今日は「ドライバーの日」だそうですよ。
ドライバーと聞くと仕事柄もあってか
つい「ねじ回し」のほうのドライバーを
連想してしまうのですが
ここでいうドライバーは「運転する人」のほうですね。
由来は「ド(10)ライ(1)バー(8)」と読む語呂合わせからです。
トラック・バス・タクシーなどの
あらゆるプロドライバーに感謝するとともに
プロドライバーの地位向上が目的の記念日だそうです。
大昔の知人や友人に長距離のトラック運転手もいましたし
街中を2t車で走り回る集配の方もいましたが
これも大変なお仕事なんですよね…
その業界ならではの苦労話を当時はいろいろ聞かせてもらいました。
私も荷物を送ったり受け取ったりは毎日のようにありますが
物流や公共交通機関に携わる方たちには本当に感謝ですね。

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
1972年末に発売されたカメラです。
「ニコマート」はニコンの中級機を担うシリーズです。
まず機械制御シャッター搭載のFT系が先行して発売され
電子制御シャッター搭載となるEL系は7年ほど後に追加発売されました。
コパル製の金属幕縦走りシャッターユニットを搭載するのは
FT系と共通でその制御を電子回路で行います。
ニコン初の絞り優先オート露出搭載機でもあります。
FT系とは異なりシャッターダイヤルが一般的な上カバー上に設けられています。
ファインダー内の露出計指針は追針式で現在設定のSSと露出計指示の
SSが瞬時に把握できる非常に使いやすいタイプのものです。
ちょっと変わっているのが電池室がミラーボックスの中にあることです。
使用電池は4LR44でここにしかうまく配置できなかったものと思われますが
説明書も予備知識もないとここが電池室だとは
予想できないような場所に配置されています。
ずいぶん昔の話ですが私も最初にELを手にしたときに
予備知識も何もなく「あれ?電池はどこに入れるの???」と
かなり長い時間悩んだ上で見つけられずに
説明書を引っ張り出したことを思い出します…(笑

お預かりしている「EL」は心配される
電子回路的なトラブルもなく一通りの動作は行える状態です。
ただ金属羽根に汚れがあるせいか後幕の動きが少し悪く
先幕との幕速バランスが出ていない状況です。
1/1000だと写真の上下端で1段以上露光差が出てしまうような状態です。
加えてマグネットの汚れや接点の汚れが原因と思われますが
オート時のSS制御が不安定です。
フィルム室や内部のモルトも当然ボロボロですし
やはり全体的に整備が必要な状態です。

一通り現状を確認した状態でこれから本格的に
分解整備に取り掛かっていきます。
この類のカメラとしては整備性は良好な方ですが
初期の電子制御機ということもあり
FT系や後のFEあたりと比べると
いろいろと手間な部分の多いカメラです。
そしてこれは電子制御云々に関係ありませんが
上カバーを外す際にも「そこなの???」と
思うネジが1か所ありこれも最初は苦労したな…と
触るたびに思いだします(苦笑)

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「辞書の日」だそうですよ。
アメリカの辞書製作者・教育者
ノア・ウェブスターの誕生日が由来だそうです。
最近は製本された辞書を引くなんてこともなくなりましたねぇ
子供の頃は家に何種類か辞書と百科事典があって
わからないことはなんでも調べてみたものですが…
でも今はもっと簡単にネットでなんでも調べられますものね。
辞書がなくってもスマホ1台手元にあれば
出先だとしても簡単に調べられるし
どんどんその内容を深堀りしたり
広げたりもできたりします
私も例えばこの今書いている毎日のネタにちょっとしたことを
調べ始めてそこから興味が広がって
気が付いたら最初とは全然子tなるものを調べたりしていることもあります。
本当にそういう意味では便利な世の中になりましたし
知りたいことを気軽にs調べられるようになりました。
ただちょっと怖いのはネットに載っていることが
必ずしも正しい情報ばかりじゃないのですよねぇ…
信頼できるところからの情報かどうかを吟味することも
忘れずにしなくてはいけませんね。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
前回のブログが「SR-Tスーパー」だったので
2台続けての「SR-T系」カメラですね。
ミノルタ初のTTL測光機であり初の開放測光機でもあります。
受光体(CdS)の配置が少々変わっていて
ファインダー視野の上下で2個のCdSで測光し
風景撮影等で空の強い明るさ等で輝度差のある場面での
露出を補正できるとしたものです。
ただし縦位置にしちゃうと意味がなくなってしまうのですが…
現在の分割測光の考え方の元ともいえると思います。
解消測光を実現するためにレンズ側も絞り情報伝達機構を追加された
MCロッコールにモデルチェンジされました。
従来のオートロッコールでは装着は可能ですが
開放測光には対応できません。
反対にさらに次世代のMDレンズはSR-T系に装着しても全く問題はありません。
ミノルタらしく使いやすい上に使用感の良いカメラです
加えて基本的に丈夫なカメラです。
その良さは当時も高く評価されてかなりのヒット作となったカメラで
7年間にもわたって生産されたロングセラー機でもあります。
そのため現存数も非常に多く入手しやすいカメラですが
状態は個体によって千差万別で動作していても
本来の使用感の良さが全くない個体もあるので注意が必要です。

お預かりしている「SR-T101」はご依頼者様のところに
昔からあったものでかなり長い間仕舞い込まれていた個体のようです。
ただ保管状態はそれほど悪くなく
外観は比較的キレイです。シャッターもとりあえずは動作します。
ただしさすがに何十年も放置されているので
そのままで本来の姿というわけではなく
やはりシャッターも含めて動きは悪い状態です。
高速シャッターの精度は全く出ていませんし
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーアップしたままになってしまいます。
露出計も接触不良で動きが非常に不安定です。
ファインダーや一緒に保管されてたレンズには
それなりのカビや汚れが見受けられます。
普通に使うためには全体的な整備清掃を行い
本来の動きを取り戻す処置が必要です。

露出計の不安定さはSW部等の接触不良もありますが
ハンダの経年劣化による導通不良もあるようです。
機械的駆動部は油切れ等で動作不良な部分はあるものの
錆や腐食で固着といったことは今回はない模様です。
これから本格的に分解整備に取りかかかっていきます。
連動糸も正しい処置がわかっていれば
特に難しいこともありません。
整備性も非常に優れたカメラです。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「引っ越しの日」だそうですよ。
1868(明治元)年のこの日に
明治天皇が京都御所から江戸城(現在の皇居)に入城されました。
この日を近代の引越しの始まりとして制定された記念日だそうです。
引っ越しはいいですよねぇ…
心機一転で何だかリセットされるような気がしますものね!
でも実際には仕事等でやむを得ない場合は除いて
大変なことが多すぎてなかなか簡単には引っ越しできません
私は賃貸住みなので心機一転引っ越ししようと思えば
できなくはないですが
荷物も多いしもうできるだけ動きたくはないですね(苦笑)
まぁ今の住環境に不満もないですし…
でも環境を一変してまた新たな生活を始めるっていいですね
若い頃はその気分転換が好きで結構引越ししたものです…

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ミノルタSR-T101」から
ヴァージョンアップしたモデルで1973年発売のカメラです。
基本的な構造は「SR-T101」のモノをそのまま受け継ぎ
ファインダースクリーンがスプリットとなり
ファインダー内から直読式でレンズの絞り値を確認できるようになりました。
この機能を追加したためもありペンタ部の形状が
「SR-T101」とは変更されています。
アクセサリーシューも接点付きのホットシューとなっています。
でも反対に言えば変更されたのはこれだけです。
それだけ元となる「SR-T101」の基本設計が良かったわけですね。
小変更ともいえる範囲ではありますが従来の「SR-T101」も
「SR-Tスーパー」登場後も併売されます。
そしてSRシリーズ最終機となる「SR505/101」にバトンタッチされていきます。
「SR-T101」までの「SRシリーズ」は
結構大きな内部変更も頻繁に行われていますが
「SR-T101」以降の「SRシリーズ」は基本的構造に変更はありません。
使い勝手の部分の変更のみで「SR-Tスーパー」が登場したとも言えます。
基本的に非常に丈夫なカメラで使いやすいカメラです。
SR-T101もスーパーもかなり売れたカメラなので現存数も多く
現在でも比較的手に入れやすいカメラです。
現存数が多く年月も経っているためにコンディションはバラバラですが
きちんと手を入れればまだまだ使い続けられるカメラだと思います。

お預かりしている「SR-Tスーパー」は
今回もかなり長い間仕舞い込まれていたカメラだと思われます。
SR-T系のカメラは調子が悪くてもシャッターだけは何とか
動く個体が多いのですが今回の「SR-Tスーパー」は
シャッターが全く切れません。
幕位置から判断してチャージは完了していますが
レリーズボタンが押し込めない状態です。
そしてボディ底部を見てみると電池室に古い水銀電池が
入ったままになっていると思われ
電池室周辺の蓋に緑青が溢れています。
蓋もガッチリ固着していて相当時間をかけないと外れそうにありません。
非常にイヤな予感しかしませんが
SR-T系は蓋が外れなくても底板は外れるのでまずは底部をチェックしてみます。
イヤな予感は大正解で緑青が電池室からその周辺に広がっていて
巻上機構やレンズ絞り込み機構のあちこちがガッチリ固着してしまっています。
レリーズボタンが押せないのはレリーズロックが固着してるせいですが
そこをとりあえず強制的に解除しても
ミラーは上がるもののシャッターは走りませんし
絞り込みも行われません。幕軸も一部固着しているようです。
これはかなり難儀なことになりそうです。
とにあく緑青を落として部品を磨いてスムーズに動くように
処置していきます。磨きではどうにもならない部分は
中古部品と交換していきます。

あとでわかったのですが巻上時にスプロケットは
回るもののスプールが固着して全く回りません。
本来巻上しなくても指d背回せば回るのが正解ですが
かなり力を込めてもビクとも回りません。
これは相当手間と時間がかかりそうです。
慌ててもしかたないのでひとつひとつ動きをチェックしながら
落ち着いて問題を取り除いていきます。
底部電池室周り以外は比較的良好な状態なのが
不幸中の幸いです(苦笑)

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ヤシカエレクトロ35GSNのカメラ修理

今日は「ウィンクの日」だそうですよ。
ウィンクといってもさっちんと翔子さんではなくて
片目をつぶる「ウィンク」のことですね。
「10」と「11」を横に倒して見ると
ウィンクをしているように見えることからだそうです。
私、子供の頃からウィンクは左目(左目を閉じる)しか
できないのですよねぇ…反対もいろいろ試したのですが…
まぁカメラのファインダーは右目で見るようになってますし
効き目が左なので全く不便はないのですが…
(そもそもウィンクできなくても何の不便もないでしょうが…)
昔はどちらの目でウィンクするかとかその回数とかで
いろいろ意味があったようです。
ちなみに…一部を紹介すると…
右目のウインク=好きです・愛してる
左目のウインク=あなたなんか嫌い
…だそうです。
あれ?右目のウィンクのほうが重要じゃん(笑
まぁそんな機会ないのでいいですけど…

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロGSN」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
ちなみに「GSN」はシルバーで同時に発売された「GTN」は
全く中身は同一で「ブラック」です。
エレクトロ35のシリーズ前期はボディ色によってモデル名が異なります。
いわゆる初代のデザインを引き継いできたモデルとしては
この「GSN/GTN」が最終モデルとなります。
この後に出る「GL」では一気に小型化されデザインも一新します。
主観ですが「MC」くらい小さいとまた別の良さもあるのですが
そうではないのであれば初代からの流れを汲む
「GSN」までのデザインが好きだったりします。
基本的なスペックは初代から変わりませんが前モデル「GS」で
レンズが新コーティングとなり
「GSN」ではアクセサリーシューが接点付きのホットシューに変更されています。
反対に言うとそれ以外に大きな違いはありません。

お預かりしている「GSN」はしばらく使われなかったと見受けられますが
状態はそれほど悪くはありません。
電池もきちんと抜いて保管されていたようで
電池通や配線に腐食等はありません。
機能的にも一通りは動作するのですが
電源やオート制御が妙に不安定です。
後から確定しましたが
レンズ鏡胴内の抵抗群のハンダ付けに劣化が進んでいたようで
それが原因で導通が不安定になっていたようです。
加えてレンズ・ファインダーにはさすがにカビや汚れが発生しています。
気持ちよく安定して使うためには
やはり全体的な整備が必要な状況です。

巻き上げる際にエレクトロ特有の
「カチン」というレリーズ軸が戻る音がしていたので
(音がするのが正常)
弱点でもあるレリーズ部のゴムブッシュは
対策品かな…と思っていたのですが
実際に開けてみると対策品ではなく
かなり腐食が進んでいて厚みが半分ほどになっていました。
よく長年この状態で持ちこたえていたものです。
オートの不安定さはこれが原因の一つかとも思われます。
もちろん対策品に交換で対処いたします。
エレクトロは当店では比較的依頼の多いカメラでもあり
チェックポイントもわかっているので
そのあたりを重点的に全体の整備を行っていきます。

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