カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ペンタックスSB2のカメラ修理

今日は4/6、語呂合わせでわかりやすく
「城の日」や「白の日」が制定されています。
「城」は姫路城にまつわる記念日で
「白」はここでは「美白」に関する記念日だそうです。
美白はあまりにも私に関係がございませんが(笑)
「白」とか「黒」とかいえば
やはりクルマの色だったりしますかね???
私は今はクルマ持っていないのですが
過去のクルマ歴を振り返ると「白」がやはり多かったですねぇ…
やはり「白」か「黒」が無難で飽きがこないのですよね
で、「黒」はより汚れが目立つから「白」を選びがち…
そんな中でも「白」じゃ面白味がないなぁ…と思って
過去にも「青」(濃紺)や「真っ赤」とかにしたことも
何度かあるのですが
車種にもよると思いますが同じ車種で
「真っ白」なクルマがならぶと
「うお?やっぱり白がよかったかー」ってなるのですよね(笑
まぁ好みの問題だとは思いますが…
クルマに限らず持ち物でも「白」の比率って結構高いと思います。
清潔感のある眩しいばかりの「白」ってやはりいいですよねぇ
でもカメラは「白」ってほとんどないですよね
(近年のプラスチック外装だとたまにありますね)
「黒」に対して「シルバー」のことを
「白」と呼ぶことは多いですが…(笑
カメラは黒もシルバーも
どちらも良さがあって甲乙つけがたいですねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスSB2」のカメラ修理を行っています。
聞きなれないモデル名ですが
要は中身は「ペンタックスS3」です。
自衛隊PX(酒保・施設内で日用品・嗜好品を提供している売店)で
発売されていたモデルです。
「SB」が一般の「S2」同等品で「SB2」が「S3」同等品だそうです。
なかなかお目にかかることはないのですが
上カバーの刻印以外は一般販売モデルと変わりはありません。
「S3(SB2)」はペンタックス一眼レフで
「完全自動絞り」を実現したモデルです
(対応するスーパータクマーレンズ以降のレンズを使用時)
前モデル「S2」ではレリーズに自動絞り込みまでは行うものの
開放に戻すには手動操作が必要な「半自動絞り」でした。
それが「S3」ではレリーズで設定した絞りまで「絞り込み」
シャッター動作後に「絞り開放」までが完全自動化されたということです。
それもこの数年後には一眼レフ機では当たり前の装備となるわけですが…
しかしながらこの自動絞り化により
マニュアル時の撮影に関してはそれ以降の現代のモデルと
ほぼ違いのない使い方ができるようになりました。
いろいろと制約や使い方に慣れが必要な昔ながらのカメラからは
脱却したモデルと言えると思います。

今回の「SB2」もかなり長い間
仕舞い込まれたままの個体と思われ
S2、S3、SVあたりでは最も懸念される
シャッター幕の状態が気になるところです。
シャッター自体も完全には動作しておらず
巻上げてシャッタレリーズまではできるものの
後幕が途中で止まってしまい
シャッターが半開きになってしまうような状態です。
この状態になる原因がシャッター幕の硬化である場合も
この時代のカメラには多いのですが
シャッター幕をチェックしてみると
幕自体の状態はよく、まだ普通にしなやかさのある状態です。
見える部分だけかもと疑ってはいたのですが
後に分解時に幕全体を確認しても
幕自体にさほどダメージはありませんでした。
もしかしたら過去に幕交換歴があるのかもしれません。
それにしてもそれはずいぶん昔の話だとは思いますが…
シャッターの動作不良は単純に幕軸の汚れや
古い油脂による粘りが原因にようです。
それであればしっかり洗浄清掃して最低限の注油を行い
本来のスムーズさが出せれば問題なく精度も出せると思います。

これから通常の分解整備一式を行っていくのですが
いつもいじょうに各ネジの固着(特に外装部)が強烈で
たったここまでの段階でもえらく時間がかかりました。
おまけにこの時代のモノはマイナスネジなので
尚のこと無茶ができません。下手なことをしてナメてしまうと
ネジはダメになるしそのリカバリーに
大きく時間をロスします…何事も無理な力任せではいけません。
(もちろんある程度の力技も必要ですが…)
こういうときに焦りや無駄なハイテンションは不要なので
深呼吸して落ち着いてから慎重に作業を進めていきます。

ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「あんぱんの日」だそうですよ。
1875(明治8)年のこの日に
明治天皇が水戸家の下屋敷を訪れた際に
お花見のお茶菓子として木村屋(現:木村屋總本店)の
「あんパン」が出されたことが由来なのだそうです。
「あんぱん」美味しいですよねぇ…
甘いもの好きで糖尿病な私は(苦笑)
餡子入っていればなんでも好きなのですが
あんぱんと牛乳(またカステラと牛乳)の組み合わせは無敵ですね。
仕事が外回りだったころにコンビに立ち寄っては
良く食べてました…(だから糖尿病に…(笑))
今でも何か甘いモノ一つだけ…と思うと
あんぱんに手が伸びることが多いですね。
それか「どらやき」かなぁ
…と思ってたら偶然にも今日は「どらやきの日」でもあるのですね。
これは何か餡子の入ったものを買ってこなければ!
餡子といえばやはりお饅頭が王道なような気もしますが
こんなことを書いていると地元の「蜜屋饅頭」が
無性に食べたくなってきました…
お取り寄せもできるのですが
GWに呉帰ったら必ず買って帰ります!

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
私たち世代には宮崎美子さんのあのCMでお馴染みのカメラです。
個人的には美子さんのCMはもちろんインパクトありましたが
それをパロディにした志村けんさんのギャグのほうが
さらに印象に残っているような気がします。
あれも現在の風潮だと
地上波ではもう放送できないのでしょうねぇ…CM自体もそうか…
それはともかくとしてX-7はCM効果もあり
ライバルの非常に多いエントリークラス一眼レフ市場で
相当ヒットしたカメラです。
コストが限られたクラスなのでプラスチッキーで安っぽい部分は
確かにありますがミノルタらしいファインダーのキレの良さと
使い心地のよさで非常に良いカメラだと思います。
ただ何度も言いますがあくまでエントリークラスのカメラなので
それほど耐久性は高くはありません。
登場から40年以上経過した現在、
現存する個体も各部の劣化は着実に進んでいて
不具合を抱えている個体も多いと思われます。

お預かりしている「X-7」は
撮影したフィルムのコマ間が安定しておらず
たまに大きなコマズレも起きているということで
お預かりしました。
まずは空シャッターでスプロケットの動きを見ていると
さほど問題のあるようには見えません。
それでは…と思い、テスト用の感光済みフィルムを装填して
コマ送りをチェックしようとしたら
フィルム装填するとそれまで軽やかだった巻上が何とも激重です。
いや、フィルム装填すれば多少は重くなるのは当たり前なのですが
そういうレベルじゃなくて
「このまま巻くとヤバいでしょ」と思うほどです。
裏ブタを開けた状態でも激重なので圧板関連ではありません。
次に当然ながら「巻き戻しクランクか?」と思ったのですが
巻き戻し側を単独で動かすと非常に軽やかで問題ありません。
どうやら巻上スプール側(スプロケットだけではなく)の
動きが非常に悪くフィルム装填するとさらに重さが増すようです。
コマズレする原因もこのあたりにありそうです。
汚れだったり油切れだったりだと思われますが
まずは巻上周り全般を清掃整備しながら
動作確認することから始めてみます。

80年代の電子制御機なのでフレキも多用されており
分解整備はなかなか大変なカメラです。
プリズム前面に貼ってあるモルトが原因で
プリズム腐食が起こるのがトラブルの定番ですが
今回の個体は樹脂部品の劣化等も含めてそのあたりの状態は良く
プリズムも問題ありませんでした。
ただ前面のモルトはかなり加水分解が進んでいて
このまま放置するとほぼ間違いなく
いずれはプリズム腐食に繋がると思われる状態だったので
そのあたりの予防策も施しておきます。
加えて接点の接触不良で露出計も不安定だったので
並行してそのあたりの整備も行います。
一通りやれることはやって仮組みしてみると
巻上はずいぶんスムーズになり
フィルム送りも問題なく進むようです。
ある程度時間もおきながらいろいろなパターンで
これからテストを行いますが
この感じなら大丈夫ではないかと思われます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「輸入洋酒の日」だそうですよ。
一昨日「ジャパニーズウイスキーの日」で
今度は「輸入洋酒の日」です。
お酒飲みたくなって困りますね(笑
輸入洋酒…となるとえらく範囲が広いですね
ビール、ワイン、ブランデー、ウイスキー
ウオッカ、ジン、ラム、ベルモット、リキュール…
ざっと思い浮かべるだけでもいろいろ出てきます。
でも洋酒というイメージからすると
スコッチやバーボンのウイスキー類をイメージしますね。
若い頃はカッコつけてジャックダニエルや
フォアローゼズなんかを部屋の棚に常備していましたが
口当たりの好みでいえばスコッチウイスキーが今でも好きです
定番ですがジョニ黒がやっぱり美味いですよねぇ…
一昨日、「ジャパニーズウイスキーの日」に触発されて
ダルマを買って帰ったばかりなのに
ジョニ黒もヒサビサに飲みたくなってきました。
まぁ、腐るものじゃないしまたジョニ黒も買って
飲み比べしてみましょううかね…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
1963年に発売されたハーフサイズの一眼レフです。
他にもハーフカメラの一眼レフはないことはないのですが
ハーフサイズ専用でさらにハーフサイズである利点を
最大限に発揮させる構造という点では
もはや代わりになるものが存在しないといえるカメラだと思います。
ペンFシリーズは最初に発売された「ペンF」
露出計とセルフタイマーが追加され
巻上がシングルストロークとなった「ペンFT」
「FT」から露出計を省略した「ペンFV」の3種が存在します。
(特殊使用向けのモデルは除く)
それぞれ一長一短ありますが
最初の「ペンF」が構造的には一番無理のない構造かと思います。
それでもかなり特殊な構造であることは変わりなく
その中身を反映して外観もかなり独特なスタイリングです。
ペンタプリズムの出っ張りのない横長で
レンズマウントがオフセットしている外観は
かなりクセがありますが個人的にはかなり魅力的だと思っています。
オリンパスらしい独自性あふれるカメラですが
その独特な構造のせいもあり
それなりに定期的なメンテナンスが必要なカメラだとも思います。
絶妙なバランス上に成り立っている部分もあるので
本来の動きができる状況でないと
比較的簡単にシャッターやミラーがスタックして
動けなくなってしまうことが多々あるイメージです。

お預かりしている「ペンF」も動きに少々問題があり
レンズを外してボディのみでシャッターを切ると
一見問題なく動作しているのですが
レンズを装着するとミラーアップしたまま
(正確に言うとミラーもアップ完了していない)状態で
固着してしまいます。
レンズを外してミラーを少し指で押さえてやると
何とかシャッターが切れてリリース状態に戻れるような状態です。
当然これでは全く撮影に使えません。
こういう場合はまずレンズ側の絞りが粘っていて
動かないあるいは非常に動きが重いことを疑うのですが
今回装着さえれている38mmF1.8標準レンズは
絞りの動きに全く問題はありません。
当店にあるテスト用レンズを装着しても症状は同様です。
カメラボディ側の絞り込みレバーにわずかな負荷がかかっただけで
ミラーを上げきれずその状態で固まってしまい
シャッターも動作しないという状態のようです。
ミラー駆動部が汚れや古い油脂類で
動きが重くなっていることが原因かと思われます。

オリンパスのカメラは小型軽量を追い求めたものが多く
そのために内部構造も他メーカでは見られない
独自性の高いものが多いと思います。
そこがまた魅力的な部分ではあるのですが
それが故に多少の華奢な部分と
常にある程度のコンディションを維持しておかないといけない
デリケートな部分を併せ持っているとも思います。
今回もミラー駆動部のみならずシャッター駆動部や
SS制御のガバナあたりにも動きの悪い部分が見られるので
そういう部分も合わせて一通りの整備を行っていきます。
しっかり整備を行ってしまえば
また当分の間、元気に撮影に使っていただける状態になると思います。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日から新年度ということで
たくさんの記念日も制定されています。
でもちょっとネタにしにくいものが多い印象が…(笑
そんな中に「ジャパニーズウイスキーの日」なんてものがありますね。
1929(昭和4)年4月1日に
日本初の本格国産ウイスキー「サントリーウヰスキー」(通称「白札」)が
発売されたことに由来しているそうです。
お酒は全般的に好きなのでウイスキーも飲みますが
強い酒は最近本当に量が呑めなくなりました。
飲んでる最中は良いのですが
ヘタに深酒すると翌日丸1日調子が悪くなってしまうので…
ウイスキーにも産地や原材料によっていろいろな種類があり
またこれがこだわり始めるとキリがないのでここでは語りません(苦笑)
ただ、ジャパニーズウイスキーと限れば
真っ先にイメージするのが昔ながらのサントリーオールドです
私の家はいろいろややこしい事情があって
親父とはほとんど一緒に暮らしたことがなくて
幼い頃は普段はじいさんばあさんと一緒に暮らしてて
週末だけ親父の家に遊びに行くってパターンだったのですが
親父の家の棚にかならずグラスと一緒に置いてあったのが
サントリーオールドだったのです
夜になるといつも水割りを作らされていました(笑)
通称「ダルマ」ですね。
昔とあまり変わらない瓶のデザインが
また何とも良い感じなのです。
妙に懐かしく思えてたまに買って飲んでますが
今でも変わらず美味いですね!
やはりロックで飲むのが味わい深くて好みです。
比較的スーパー等でも普通に売っているので
今夜はヒサビサにオールド買って帰りましょう

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
ペンタックスMシリーズの第1号機ですが
他のMシリーズのカメラは電子化による自動化を
目指す中で「MX」のみが昔アサペン時代から培ってきた
布幕横橋り機械制御シャッター搭載機です。
次期Aシリーズには後継機は設定されなかったので
ハイブリッドでもない機械制御シャッター機と言い意味では
この「MX」が最後の機種となります。
(新規開発ではなく発売時期だけで言えば
「KM」ベースの「K1000」が1986年に発売されています)
小型化という意味でも際立ったカメラで
「軽量コンパクトな機械制御一眼レフ」というジャンルで
孤高の存在だった「オリンパスOM-1」を
強烈に意識して作られたカメラだと思われます。
OM-1と比較すると幅・高さ・厚さともすべて0.5mmずつ
小さく作らています。
OM-1のことをここで書く際にもいつも言いますが
当然ながらこれだけ小さくするには
様々な工夫や独特の構造が必要となり
やはり少し大柄な他の一眼レフと比べると
多少華奢な部分が多いかとは思います。

お預かりしている「MX」は
まずはいつものように先幕・後幕のバランスが大きく
崩れていて1/1000、1/500はほとんど開かないまま
シャッターが切れる状態です。
他のSSも含めて高速シャッターは全般的に
精度が出ていません。
低速は低速でスローガバナの動作不良があり
非常に不安定な状態です。
ある程度定期的に使われていた個体かとは思われますが
さすがに何十年も使いっぱなしだと
あちこちの動きが悪くなってきます。
ただしどこかが破損してるとか致命的なトラブルがあるわけではなく
同じような状況でも
もっとへたった印象の個体が多い「MX」にしては
比較的シャキッとしているほうで
しっかり清掃整備していけばよい状態になりそうな個体でした。

画像は一通りの整備が完了した状態で
新しい油分等が馴染んで動きが落ち着くまで
少し様子見をしている状況です。
やはり積年の汚れや古い油脂分で
動きが悪い状況ではありましたが
それ以外は大きな問題はなく
各部の経年劣化もそれほど進んでいるとは思えない
良い状態の個体でした。
現在はシャッタースピードも安定して精度が出ており
露出計も全く問題ございません。
これであればこれからも
気持ちよくまだまだ長く使っていただけると思います。
これから最終的なテストを行って
動きが安定しているようであれば完成となります。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「山菜の日」だそうですよ。
日付は3月の最終日のこの日から「春ですよ」との
合図を込めるとともに
「さん(3)さ(3)い(1)」(山菜)と読む語呂合わせからだそうです。
昨日から都内は春どころか冬からいきなり
初夏が来たような気温の上昇っぷりですね…
それはそれで急激すぎて困ったものなのですが…
通常の野菜もそうですがさらに山菜となると
苦み走ったものが多いこともあり
子供の頃はやはり苦手な食べ物でした…
ここにもちょくちょく書いてますが
私、子供の頃は相当食べ物の好き嫌いが激しく
ばあさんに苦労かけていたと思います…(苦笑)
それが大人になって食べ物にお酒を合わせるようになってから
それまであまり得意でなかった魚介類や佃煮、今回の山菜等が
心の底から美味しく食べられるようになりました。
山菜のおひたしとか煮物とか本当に美味しいですよねぇ
やはり辛口の日本酒が合いますよねぇ…
まぁ今やお酒も量を飲めなくなったので
お酒もあてもほんの少しで大丈夫なのですが
少ししか必要ないからこそ
より美味しいものが食べたいですよねぇ…
今夜のおかずはなににしましょうかね…(笑

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
フォーカルプレーンシャッターのレンジファインダー機が
好調だったこともあり
一眼レフの開発にはかなり乗り遅れた感の強かったキャノンが
満を持して開発し発売した
キヤノン初のプロ志向本格派システム一眼レフ機です。
ライバルはこの分野で先行を続ける
ニコンF2が想定されています。
社運をかけて開発されただけあって
堅牢性、システム性、交換レンズ群の優秀さも含めて
当時のプロ向けの機材として文句ないカメラだと思います。
高価なカメラでしたが当然のごとく大ヒットとなり
ニコン・キヤノンの2大勢力が形成されたのは
このカメラの登場からかと思います。
ここでも散々いろいろ今までに書いているので
もう細かい説明は割愛しますが
現在でももちろん人気が高く堅牢性の高い部品を使っていることもあり
メンテナンスを行いながら長く使えるカメラでもありますね。

お預かりしているのは
1976年にモントリオールオリンピックの
公式カメラに認定されたのを記念して
同大会のシンボルマークが刻印された特別モデルです。
巻き戻し側のカバーに記念モデルの刻印が入っています。
ちなみにオリンピック記念モデルとしては
1980年にもレークプラシッド冬季オリンピックを記念した
記念モデルが発売されています。
モントリオール記念モデルのベースは前期型
レークプラシッド記念モデルのベースは後期型かと思われます。
コンディションはそれなりの状態で
やはり各部の動きは年式相応によろしくはなく
高速いシャッターではシャッターが開ききらず
低速ではミラーアップしたままになってしまう状態です。
過去に落下させた頃があると思われ
装着されているFD55mmF1.2S.S.Cレンズもそうですが
一部部品に変形も見られます。
変形している部分に関しては撮影機能上支障のない程度への
できる限りの修復で対処いたいたします。

お預かり時にシンクロ端子が欠損している状態だったので
分解品を疑っていたのですが
内部を見る限り過去に
おかしな分解をされた形跡はなく一安心でした。
ただF-1お決まりの幕ブレーキはやはり劣化が酷く
めくれあがって丸まっているような状態でした。
ここがダメだとほぼ間違いなく
シャッターバウンドが発生するので
もちろん交換で対処いたします。
他、機械的駆動部の一通りの洗浄清掃注油の上での調整
露出計関連の電気接点の清掃調整等々行っています。
画像は既にレンズ側も含めて
一通りの整備が完了した状態です。
少し動きが馴染むまで様子見をしている状態でしたが
問題もなさそうなのでこれから最終テストを行い
問題なければ完成となります。

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ミノルタレポのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですねぇ…
それなら…と過去の3/30の出来事をチェックしてみると…
1968年3月30日に「巨人の星」のアニメ版が
放送開始となっていますね。
私も幼い頃にテレビで見ていますが…
放送開始は私が生まれる前の年ですね。
さすがに実際に見ていた記憶は5歳前後かと思うので
私が見ていたのは再放送ですね。
「巨人の星」だけではないのですが
小学校低学年くらいまでに見ていたテレビアニメって
見ていたこと自体や
オープニングやエンディングの主題歌なんかは
よく覚えているのですが
肝心の内容はもうほとんど覚えていないですね(笑
そりゃ当時、1回あるいは再放送含めて数回くらいしか見ていなくて
それから50年近く経っているのですから無理もないですねぇ
もう少し大きくなってから見たものは
テレビもですがコミックで繰り返し読んでいたりするものが多いので
内容までしっかり覚えているのですが…
ところで「巨人の星」といえば
オープニングテーマの「思い込んだら→重いコンダラ」ですよね(笑
中学校に入った時にグランドに整地ローラーがあって
「うおー!さすがコンダラ!重い~」と叫びながら
必死で引っ張ったのをよく覚えています(笑

さてさて

本日は「ミノルタレポ」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「ハーフ判カメラ」です。
ミノルタは50年代から60年代にかけて
超小型カメラというジャンルでは
16mmフィルムカメラの「ミノルタ16シリーズ」が
なかなか好調なセールスを続けていて
ジャンル的に競合する「ハーフ判カメラ」への
参入にはかなり遅れました。
35mmフルサイズ判で小型カメラである
「ミノルチナシリーズ」をベースとして
ミノルチナPに該当する「レポ」を1963年に
ミノルチナSに該当する「レポS」を1964年に発売しましたが
その頃には既にハーフ判カメラブームは終わりかけていて
ミノルタもこの2機種を出したところで
ハーフ判からは撤退しています。
今回はプログラムシャッター搭載の「レポ」ですね。
セレン光電池使用の露出計を搭載し
ミノルチナPと同様にプログラムシャッターリングと連動する
指針を露出計指針に合わせて露出計決定を行います。
巻上はダイヤル式で搭載レンズはロッコール30mmF2.8です。
ベースとなるミノルチナも非常にスタイリッシュなカメラですが
レポのスタイリングもなかなか洗練されていて
非常に魅力的です。

お預かりしている「レポ」は
ご依頼者様が最近入手されたもので
セレン光電池も元気で
シャッターも一通り動作しているのですが
ご依頼者様曰く「ピントが合わない」とのことで
当店にやってきました。
おそらく過去に分解歴やレンズ清掃歴があるものと思われますが
簡単にチェックしてみても明らかにピントが狂っています。
レポのピント合わせは目測式なので
ピントリングの指標を頼りにピント合わせを行うのですが
指標上最短撮影距離の0.6mで
ほぼ無限遠に近い状態です…
これではリング上のどこで合わせてもほぼオーバーインフです。
これではたとえ露出で絞ったとしてもピントは合いません…
レポのレンズ側のピント設定は
ハーフカメラやコンパクトカメラでよくある
前玉回転式でレンズを取り外すとかならずピント設定が必要ですが
前回分解時に適当に前玉を取り付けただけかと思われます。
明らかに締め込み過ぎでお預かり時の状態でも
ピントリング上の無限遠(最もレンズを引っ込める状態)で
完全に指標上の無限遠まで締めこめないような状態でした。
ちょっと残念な状態です。

レンズは比較的キレイなのですが
ファインダーはうっすら曇り気味で
シャッターユニット等には分解整備の形跡が見当たらず
年式相応に動きが重い部分があります。
ピント調整はもちろんですが
他にも何が起こっているか不安な部分が多々ありますので
確認の意味も含めて全機能のチェックと
一通りの整備一式を行います。
不幸中の幸いで特に何かが破損してるわけでもなく
心配されるセレン光電池の状態がいいので
一通りの整備を行えば安心して長く使えるカメラになると思います。
ご依頼者様には改めて存分に
撮影をお楽しみいただきたいと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「マリモの日」だそうですよ。
1952(昭和27)年のこの日に
北海道・阿寒湖のマリモが
国の特別天然記念物に指定されたことに由来しています。
マリモというと丸い球状のモノを連想しますが
球状体一つがマリモの一個体単位というわけではなく
この球状体を構成する細い繊維(糸状体)が
マリモの個体としての単位なのだそうです。
私が幼い頃にもどこで買ってきたものか覚えてはいませんが
(当然本物ではなくお土産用の類似種の加工品かと…
昔は結構よく売られていた)
2cmにも満たないような小さなマリモが一時期いました。
数年、入っていた瓶の水を小まめに変えながら
観察していましたが全く大きくならないまま
枯れてしまいました…
阿寒湖のマリモは直径30cm程度にまで成長するそうです。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-T系(SR-TスーパーやSR505,SR101)は
整備依頼も多いカメラですが少々ひさしぶりですね。
1966年発売のカメラで
ミノルタ初のTTL及び開放測光を採用したカメラです。
開放測光に対応すりために交換レンズ群も
TTL露出計に絞り値が連動するMCロッコールレンズ群に
モデルチェンジされました。
クラスとしては中級機クラスですが
非常に丈夫な上に使いやすく
販売的にも大成功でロングセラー機となり
約7年間に渡って製造されています。
後のSR-TスーパーやSR505/101も基本的な構造は
このSR-T101がベースとなっており
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラでもあります。

お預かりしている「SR-T101」も
シャッターは一通り切れてはいるのですが
さすがに登場から50年以上経過しているカメラなので
各部の動きは非常に悪く
動きにくい状態で一生懸命健気に動いている印象です。
さすがに描くシャッタースピードの精度は出ておらず
巻上や幕軸、ミラー駆動部、SS制御カム等々含めて
各部を本来の動きに戻してやる必要があります。
ファインダーもうっすらと曇っていて
接眼レンズやコンデンサレンズにカビもかなり発生しています。
露出計も動作はするものの指針の動きは不安定で
SW部やハンダ等に接触不良があるものと思われます。
それでも致命的な破損や故障はなく
全体的にリフレッシュしてやることで本来の動きを取り戻せそうです。

SR-T系をいえば内部的にはやはり連動糸のイメージですね。
修理を始めたばかりの頃にはこの連動糸の処理に
随分苦労したイメージもありますが
さすがに今となってはなんてことはありません。
これよりも連動糸が面倒なカメラは実際ににはたくさんあって
SR-Tはまだ見えやすい位置に巻いてあり
もし連動糸になにかトラブルがあっても
復旧もさほど難しくはないほうです。
そうはいってもそれは正しい手順がわかっているからですが…
正しい手順や構造がしっかりわかってさえいれば
整備性も良いカメラです。
画像はまだまだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備に取り掛かり
各駆動部の清掃整備から行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「三ツ矢サイダーの日」だそうですよ。
「み(3)つ(2)や(8)」(三ツ矢)と読む
語呂合わせからですね。
1909(明治42)年に発売された
「三ツ矢」印の「平野シャンペンサイダー」から
始まっているのですね。
正式名称が「三ツ矢サイダー」になったのは
1968年からだそうです。
私の生まれる前年だったのですね。
子供の頃にはじいさんの瓶ビールをケースで頼むついでに
私用の瓶の三ツ矢サイダーもケースで頼み
近所の酒屋さんに持ってきてもらってきました。
だからいまだに「三ツ矢サイダー」といえば
うっすら緑色がかった小瓶のイメージです。
キンキンに冷えた瓶から直接飲むと
めちゃくちゃ美味いイメージが残っています。
今でも暑い季節になってくると
たまに無性に三ツ矢サイダーを一気に飲みたくなり
ついつい自販機やコンビニで買って
一気に飲み干してしまいます。
血糖値爆上がりするので良くないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず当店では最も修理依頼の多いカメラだと思いますが
今回は少しだけひさしぶりですね。
「軽量コンパクトな一眼レフ」というジャンルを
切り開いたパイオニアであり
「機械制御シャッター機で」という括りで言えば
「OM-1」と後に出る「ペンタックスMX」の二機種しか
ほぼ存在しないジャンルかと思います。
それだけこの大きさにまとめるには
独自の工夫や技術が必要なのだと思います。
「OM-1」はそれに加えて独特のシャリッとした
何とも気持ちよい巻上や非常に静かで上品な
シャッター音等々、使い心地の面でも
非常に優れた面を持つカメラです。
現在でも非常に人気があるのは当然かと思います。
ただし、このサイズや静粛性を実現するために
多少なりとも華奢な部分や
整備性にややこしい部分があることも事実です。
それでも現行モデルの頃にはメーカーのサポートもあり
大きな問題ではありませんでしたが
登場から50年以上経過する現代では
それなりの扱いや定期的なメンテナンスをしながら
使い続ける必要があるかと思います。

お預かりしている「OM-1」は
あまり使われない時期を挟みながらも
それなりに使用されてきた個体かと思われます。
フィルム室やミラー受け部のモルトには
比較的近年のものとみられる交換歴があり
一通りは動作もしているようです。
ただし内部までしっかりお整備されたことはないようで
各部の精度を見てみるとそれなりに問題を抱えています。
まず、シャッター幕の動き、特に先幕・後幕の
幕速バランスが大きく崩れていて
そのために1/1000、1/500はシャッタが途中で閉じてしまうようです。
この状態で撮影すると
写真の2/3近くが真っ黒になってしまう状況です。
1/250や1/125になると一応は開きますがそれでも写真両端では
露出に際が出てしまうような状態です。
加えてスローシャッターを制御すガバナにも粘りが出ています。
露出計もかなり精度にズレが出てしまっています。
やはり全体的に整備が必要な状況です。

やはり内部にはこれまで手があまり入っていないようです。
接眼レンズから見た感じでも
プリズムに目立たない程度の
わずかな腐食が見受けられていたのですが
上カバーを開けてみると「よくこの程度で済んでいた」と思うほど
プリズムと接眼部間の遮光用のモルトが
加水分解でボロボロになっていました。
ミラー受け部のモルトはキレイに交換されいる割には
ファインダー内にゴミが多いな…と思っていたのですが
ここの劣化したモルトが
次々とスクリーン上に落ちていったのですね。
もちろん劣化したモルトは除去し対策を施していきます。
相変わらずの弱点でもある露出計SW部の接点も
接触不良が起きているようです。
機械的な整備と併せてトラブルの出やすい部分にも
一通りの整備と対策をこれから行っていきます。

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ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
ここでいう「さくら」はおそらくソメイヨシノのことを
主に指すのだと思いますが
昨年や一昨年であれば既に満開だったのですが
今年は3月半ばから気温の低い日が多く
ずいぶん遅れていてまだ都内では開花宣言も出ていない状況です。
予想では本日当たり開花宣言が出そうなのですが…
さてどうでしょうね???
週末あたりからぐんぐん気温も上がりそうなので
開花し始めると一気に万回へと進みそうです。
今のところの都内の万回予想は4/5となっていますね。
ここ数年、4月には散ってしまっていることが多いのですが
今年は新年度に桜が楽しめそうですね!

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っております。
「XD」は1977年に発売された
世界初の両優先オート(絞り優先、SS優先)搭載のカメラです。
それまでは絞り優先オート搭載機、SS優先オート搭載機が
それぞれ存在し、どちらがより良いのか?が論争になったりしたのですが
XDの登場以降、両方を搭載するマルチモード機が
より一般化していくようになっていきます。
現在のデジタルだともちろん当たり前の機能ではあるのですが…
ボディも小型化され非常に凝縮感があり質感も高いデザインで
ミノルタ機らしく非常に使い心地の良いカメラです。
今回の「XD-s」はその「XD」に視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能搭載がカメラ本体に搭載されるのも
この「XD-s」が世界初なのだそうです。
ファインダーの見えやキレにこだわるミノルタらしい機能追加ですね。
視度があってないとマニュアルフォーカスが合わせにくいのも大問題ですし
ファインダー内表示も見えにくくなってしまいます。
とはいえ眼鏡をかけるとファインダー内全体が見渡しにくくなってしまいます。
それを解消するために視度補正レンズを接眼レンズに追加するのが
この頃は定番でしたがその機能をダイヤルで調整式にして
接眼レンズ部に内蔵したのがこのカメラです。
それ以外の部分は基本的にはほぼ通常の「XD」と変わりません。

お預かりしている「XD-s」は露出計の動きが不安定です。
特にSS優先時にファインダー表示が一番上の▲に振り切ってしまい
全く制御ができなることが常にではないのですが多々あります。
おそらくブラシ接点で接触する摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
XD…というよりXシリーズには比較的多いトラブルです。
XDやXD-sは現行モデルだった当時から
比較的電気回路のトラブルが多いカメラで
電子基板内でトラブルが出ると現在では修理不可能な場合も多いカメラです。
シャッター制御がままならないような状態のモノは
当店でも残念ながら修理不可能です。
ただ今回のように接点や摺動抵抗のトラブルも多く
その場合には通常の清掃整備の上での調整で
修理可能な場合もございます。
ケースバイケースなので一概に言えませんが
手も足も出ないパターンは現存している個体では
比較的少ないのではないかとも思います。
電気的な問題もそうですがやはりシャッター羽根等にも汚れがあり
機械的動作にも問題がありそうです。
メカニカルで動作する「B」や「O」でも
動きが少々不安定なのでそのあたりの整備も合わせて行っていきます。

この時代の電子制御機なので
当然ながら分解整備には手間も神経も使います。
静電気の対処もしっかり行いつつ
慎重にこれから分解整備に取り掛かっていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
明治11(1878)年3月25日に
東京虎ノ門の工部大学校(現東京大学工学部)のホールにおいて
東京電信中央局の開業祝賀会が開催され
この席上、伊藤博文工部卿の発案により
工部大学校エアトン教授の指導で
日本国内で初めて電灯(アーク灯)の点灯に成功したそうです。
昭和2年から、この日を記念して3月25日を
「電気記念日」とし、先駆者の偉業をたたえるとともに
今後の新たな発展を誓う日としているそうです。
今日もあいにくの天気で朝から薄暗いですが
こんな日にもし電灯がなかったら
日当たりのない当店なんて全く何もできません…
今や電気や電灯があるのは当たり前になってしまっていますが
現在の日常の便利さに本当に感謝ですね。

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
ニコン初のエントリークラスのカメラとして
発売された「ニコンEM」をベースに
プログラムオート、絞り優先オート、
マニュアル露出モードを追加搭載し
マルチモード機へと仕立て上げたカメラです。
ニコン機のプログラムオートは
通常レンズ側の絞りを最少絞りにセットして行いますが
それを故意に絞り値を変化させても
「プログラムシフト」と称してオート露出が行えるようになっています
これを利用してSS優先オート的に使用することもできます。
このプログラムシフトに対応するために
レンズ側の自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sニッコールレンズへと
レンズ側もモデルチェンジしました。
それでも旧来のAiニッコ-ルでも
プログラシフトを可能にするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光を搭載しています
本当にこのあたりは過保護というかユーザーを信用していないというか
この時代のニコンらしい部分だと思います。
シンプルなEMが国内市場で今一つの販売状況だったため
急遽開発されたフルスペック機とも言われています。
これだけ高機能満載となったせいで
上のクラスでもある「FE」を機能的には超えている部分もありますが
あくまでもベースは「EM」なので
機能以外の部分ではやはりエントリークラスの造りな部分もあり
華奢な部分も散見されます。
瞬間絞り込み測光を搭載した関係もあり
シャッター音(正確にはミラー駆動音)が他のモデルに比べると
少々独特でこれが何とも良いと言われることも多いようです。
(私も個人的にFGのシャッター音には何とも惹かれます)

電子制御満載なマルチモード機ということもあり
制御関連にトラブルがあると
修理不可能な場合もあるカメラです。
今回、お預かりしている「FG」は
ファインダー内LEDが明るさに関わらず「60」と「125」で点滅して
オート制御されない…という症状でお預かりしています。
「FG」では「EM」と同様にフィルムカウンターが「1」になるまでは
シャッタースピードが1/90固定となります。
これは露出モードがオートになっていて
レンズキャップをしている際にフィルムカウンターが「1」になるまでの
「空写し」の際にオートが効いて
無駄なスローシャッター制御になってしまうこと等を防ぐためです。
「EM」ではその際に露出計はオフとなっていますが
「FG」では1/90固定で切れていることを知らせるために
「125」「60」の同時点滅となります。
その制御が上手くいっておらずカウンターが「1」になっても
通常のオート制御に移行しないものと思われます。
フィルムカウンター連想のSW部の単純な接触不良かと思われましたが
それ以外にも接点の接触不良が何ヶ所かあるようで
SWの接触自体は悪くないのですが電圧不足に陥ってしまっているようです。
接触不良を起こしやすい接点はある程度把握しているので
そのあたりを中心に整備修理を行っていきます。

80年代の電子制御カメラなので
さすがに整備性は良くはなくかなり手間がかかります。
その上、静電気等の対策も行った上で
非常に慎重な作業が求められます。
電気的な不具合も対処していくのですが
機械的にもかなりシャッター羽根の動きが不安定なようです。
とりあえずメカニカルの1/90は切れていますが
シャッタースピードの精度がかなり不安定で
特に後幕の動きが悪いことが原因のようです。
おそらく劣化したモルトが入り込んでいるか
羽根に付着した油脂類等が原因かと思われます。
そのあたりの整備も並行してこれから行っていきます。

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