月別アーカイブ: 2017年12月

オリンパス35Sのカメラ修理

今日は「クリスマスツリーの日」だそうですよ。
もう街はすっかりクリスマスの装いですね!
子供の頃はクリスマスツリーの飾り付けするのが
すごく楽しみだったけど
一人暮らしが長いとそんなこと
考えもしなくなりますね(汗)
とりあえず街に出かけて雰囲気だけでも楽しんできましょう!

さてさて

今日は「オリンパス35SⅡ」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズも種類がたくさんあって
モデルのわかりにくいカメラですね。。。
初期のオリンパス35は巻上がノブのものですが
「S」になってからは巻上がレバーになり
セルフコッキングとなります。
その「35S」でも前期型、後期型、搭載レンズやシャッターに
いろいろな種類があり
なかなか複雑な状況になってしまっています。

今回、お預かりした「35S]は
レンズはE.ズイコー4.8cmF2.8
シャッターはセイコーシャMXLを搭載したモデルです。
かなり長い間、放置されていたのではないかと思われます。
まず、シャッターが切れません。
切れないというよりはチャージができないという状況です。
おそらくそれに関連しているとは思いますが
鏡胴がかなりガタついています。
さらにピントリングは空回りしてしまっていて
後からわかりましたが一部破損しています。
そのピントリングが回すはずのヘリコイド部は
強力に固着していてビクとも動きません。
ファインダーもクモリが酷く二重像がかなり見えづらい状況です。
かなり重作業になりそうな感じですね。

シャッターユニット、レンズユニットは
フィルム室側からリングを回すと
ごろんと丸ごと外れます。
シャッターユニットの整備も行うのですが
まずはヘリコイド部の整備から行います。
鏡胴のガタつきもヘリコイド周りのネジが
かなり緩んでいたことが原因でした。
これからヘリコイドを完全に分解して
清掃・注油を行ってから最組付けします。
もちろんピント調整も行います。
その後、シャッターユニット、レンズ清掃、ファインダーと
各部点検整備一式を行います。

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マミヤ6オートマットのカメラ修理

今日は「音の日」だそうですよ。
1877年のこの日にエジソンが
自ら発明した蓄音機で
音を録音・再生することに成功したことにちなんでいるそうです。
私の家の安物のレコードプレーヤーと
とりあえずで使っているアンプも
もっとグレードアップしたいなぁ。。。
お気に入りのオンキョーのスピーカーは
半年前に修理して以来絶好調なのですが。。。

さてさて

本日は「マミヤ6オートマット」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「スプリングカメラ」(カメラ)ですね。
発売は1955年です。
マミヤ6シリーズも実はたくさんの種類がある上に
この時代のお約束でカメラ本体に詳しいモデル名表記がないこともあり
判別がいろいろ難しいのですが
この「オートマット」は他のモデルとは
明らかに異なるのでわかりやすいですね。

ネーミングからもわかるとおり「オートマット」なのです。
正確にはセミオートマットだと思いますが
現在の中判カメラと同じように
スタートマークを合わせればあとは巻き上げるだけで
きちんと正しいフィルム位置で止まってくれるのです。
「当たり前だよね?」っていう声も聞こえてきそうですが
この時代は赤窓を使ってフィルム裏紙に印刷された
番号を見ながら合わせるのが普通だったのです。
(マミヤ6オートマットにも赤窓はありますが
説明書を見てみると「フィルムが入っているか確認するため」のみに
使用すると記述されています)

おまけにセルフコッキングも装備されているので
巻き上げればシャッターも同時にチャージされます。
これもこの時代はフィルム巻上とシャッターチャージは
別操作というのが普通だったのでです。
この2点のおかげでマミヤ6オートマットは
スプリングカメラで現在と同じように使える数少ないカメラなのです。

ピント合わせはマミヤ6ではおなじみのバックフォーカス式です。
(レンズはそのままでフィルム面が移動してピントを合わせを行う)
シャッターはセイコーシャ製で最高速は1/500
レンズはオリンパス製D.ズイコー7.5cmF3.5です。

前置きが非常に長くなりましたが
お預かりしたマミヤ&オートマットは
まず自慢のセルフコッキング機構が上手く働かず
巻上ノブでのシャッターチャージができません。
さらに一旦、レンズを引き出しても
レンズ位置が上手く固定されず
なかなか畳めない状況です。
セルフコッキングのチャージ機能の部品が
外れて遊んでしまっていまっているのが原因のようです。

まずはセルフコッキング機構の修理を行い
シャッター・絞り羽根の洗浄、シャッターユニットの整備
レンズ清掃等々を一通り行いました。
見違えるように快調に動作するようになったと思います。
ファインダーも清掃し二重像も見えやすくなりました。

こうしてみると6x6判カメラとしては非常にコンパクトで
現在のカメラと比べても比較的同じように使える
マミヤ6オートマットはなかなか貴重なカメラですね。
個人的にも1台欲しくなってきました(笑)

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キヤノンFTbのカメラ修理

昨夜(正確には満月となった12/4 0:47)は
今年、月の見かけ上の大きさが最大となる
スーパームーンだったようですね。
いつからこの呼び方するようになったのかな。。。
まぁ、言うほど大きさが違って見えるわけではないのですが
この季節の月は大きさに関係なくキレイですよね!
次の次の満月(2018年1月31日)は皆既月食ですよ
そっちもまた楽しみですね!

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
ちょうど1週間くらい前にもFTbの修理を行いましたが
今でも人気が高いカメラですね。
発売開始は1971年ですが今回お預かりしているFTbは
マイナーチェンジ後の後期モデルです。
マイナーチェンジが行われたのは1973年です。
主な変更箇所は巻上レバーやシャッターボタン、
セルフタイマーレバーの形状ですが
最大の改良点はファインダー内に
シャッター速度表示が追加になった点だと思います。
(ただこれのせいで分解の難易度があがりました(苦笑))

お預かりしているFTbですが
まずバッテリーチェックの反応が全くありません。
露出計もかなり不安定なので
SW部の接触不良だと思われます。
シャッタースピードが高速でムラがあり
スローガバナは粘りが出ています。
。。。とここまでは預かり時からわかっていた点です。

整備を始めるにあたり
もうお少し現状チェックをしていくと
明らかにファインダー上でのピントがおかしい。。。
レンズの指標上で1.5mあたりで既に無限遠が出てしまっています。
おまけにファインダー上部と下部でピントに位置が異なります。
十中八九ミラーだな。。。とは思ったのですが
パッと見にはミラーがぞんなにズレている感じはありません。
もちろん、フィルム面からチェックするとピントは正しく出ています。
FTbのミラーはミラー受けに接着剤で留められた上に
上1箇所、下2箇所のツメで固定されています。
よく観察してみると上のツメの上にミラーが乗り上げているようです。
下のツメを外してみるとミラーがころんと外れてしまいました。
接着が完全に取れて上のツメに乗り上げていたのですね。
これではピントは出ないはずです。

ミラーの調整、接着は後回しにして
(接着すると数日はシャッターを切れないため)
先にシャッター・巻上げ周り、ミラー駆動部、露出計の整備を行います。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「みかんの日」だそうですよ。
この季節になるとみかんは食べちゃいますよね~
去年はみかん一箱をお店のバックヤードに置いて
休憩がてらにちょくちょく食べていたら
あっという間になくなりました(笑)
今年も用意しておこうかな。。。
栄養もあるし甘い割には低カロリーだし
ちょっとした間食にはもってこいですね!

さてさて

今日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ニコンF2はファインダーとの組み合わせで
いろいろなバリエーションがあるのですが
今回は「フォトミックAファインダー」が装着されたモデルです。
Aiレンズ対応になったフォトミックファインダーですね。
無印のフォトミックファインダーをAi化したものです。
つまり受光素子はCDSで露出計は指針式です。
F2及びF2フォトミックが発売されたのは1971年ですが
フォトミックAが発売されたのは1976年です。

今回お預かりしているF2フォトミックAは
ご依頼者様のおじいさまが使用していたものだそうです。
おそらく20年以上は使っていないとのことでしたが
保管状況は非常に良く、一緒に拝見させていただいた
レンズ数本も使用には全く問題ない状況でした。
ただし、カメラ本体は非常に露出計が不安定で
モルトは全滅、各所油切れの兆候も見受けられましたので
各部点検整備一式ということでお預かりしました。

まずフォトミックファインダーは絞り値、シャッタースピードが
ファインダー内で確認することができ
この点でアイレベルに比べても非常に便利なのですが
Ai化されたことにより絞り値はレンズに刻印されている
絞り値をプリズムとミラーを使って
直接読み取る方法に変わりました。
Ai化以前のものに比べると表示が少し小さく
元々読みづらい部分はあるのですが
今回はプリズムの汚れによって非常に見えづらい状態になっています。
接眼レンズにカビも少々見受けられるので
徹底的に清掃していきます。

露出計の電源が入らなかったりするのは
8割がたボディ側から電源が上手く供給されないのが
原因だったりします。
今回もファインダーを外してボディ側の+-端子に
テスターをあてて電圧を測ってみると
電圧がかなり不安定です。
ボディ側を分解してみると
定番の電池室端子を支えるステーの破損はなかったのですが
ハンダ付けが相当劣化しているのと
端子の根元部分にサビがかなり発生していました。
どうやらこれが原因のようです。

写真はボディ側の整備は完了し
ファインダーをある程度分解した時点でのものです。
基本的な構造はFフォトミックの頃から
そんなには変わっていません。
写真にも写っているのですがリング状の摺動抵抗の周りを
絞りやSSに応じてブラシが移動し
露出計をコントロールする仕組みになっています。
この抵抗も汚れ等でかなり値がズレてくるので
しっかり清掃していきます。
ファインダーの整備が終わったらボディにセットして
実際の露出計の値を調整していきます。

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ミノルタSRTスーパーのカメラ修理

今日は「日本人宇宙飛行記念日」だそうですよ。
1990年12月2日、TBSの秋山豊寛記者の乗った
ソ連のソユーズTM11号が打ち上げられ
日本人初の宇宙飛行に成功したそうです。
宇宙旅行って大人になってもあこがれますよねぇ
きっと想像を超える世界なんでしょうね。。。

さてさて

本日は「ミノルタSRTスーパー」のカメラ修理を行っています。
大ベストセラー機であるSRT101の後継機ですね。
基本的な構造はSRT101がベースとなっています。
ホットシューが追加され
スクリーンがスプリット+マイクロプリズムに変更
絞り値もファインダー内で確認できるようになりました。
SRT101同様に今でも人気の高いカメラですね。
発売は1973年です。

お預かりしているSRTスーパーは
まずシャッターを切るとミラーアップしたまま降りてきません。
(また巻き上げると降りてくる)
低速時のみミラーアップというのは多いですが
今回は全てのシャッター速度でほぼ100%降りてこない状況です。
シャッター後幕が走りきらないことが疑われますが
見た目はキレイに走っているように見えます。
しかしながら計測器で測定してみると
先幕に比べて後幕の速度が極端に遅く
1/1000のときには走り始めには1/750くらいのスリットを作りますが
走り終わりのときには後幕が遅いため
1/125くらいのスリットに開いてしまっています。
おそらくミラーアップもこの後幕の動きが原因の一つだと思われます。
加えて電池室に液漏れ跡があり
緑青だらけになってしまっています。
何とかバッテリーチェックはできますが
露出計に切り替えるとほとん反応がありません。

連動糸が多く、分解にちょっと手間がかかるのも
SRTシリーズ共通の部分ですね。
見慣れた光景ではありますが。。。
余談ですがSRT系の整備の際には
整備の内容、状態に関わらず
プリズム上のCDSの足を留めている
ハンダ付けは必ず一度、キレイに除去してやりなおします。
一見、キレイに見えてもハンダ付けの劣化が多いのです。
露出計の反応が鈍い場合でも
ここの処置だけで改善する場合があります。

まだ分解途中ですがこれから本格的に
シャッター・ミラー駆動部から各部点検整備を行います。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は12月1日ということで「映画の日」ですね!
昔は毎月数本は映画館で映画を観ていた時期もあるのですが
最近はほとんど行かなくなりましたね。。。
いや、観にいきたい気持ちはあるのですが。。。
最近は「この世界の片隅に」を観にいったくらいでしたね。
でっかいスクリーンで集中して観る事のできる
映画館ってやっぱりいいですよね。
また何か気になるものがあれば観にいきましょう!

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オートハーフシリーズも長く生産され続けたカメラなので
いろいろな種類があるのですが
初代オートハーフを大幅に改良したのが「オートハーフS」で
(Sはセルフタイマー付きという意味)
その後のモデルは一部を除いて基本的な構造は変わっていません。
その後、「S」からセルフタイマーを省略した「E」が発売されます。
そして「E」にセルフタイマーを装備した「SE」が発売されます。
ん?では「S」と「SE」って違いがないのでは???と思ってしまいますが
「SE」にはオートスタート機構が追加されています。
これはフィルムをセットした際に空シャッターを切らなくても
自動的に1枚目にセットされる機能です。
フィルム装填から1枚目を撮るまでの手間が随分少なくなって
思っていたよりかなり便利な機能です。
その後、「SE」にホットシューがついた「SE2」
「SE2」からセルフタイマーを省略した「E2」
エレクトロニックフラッシュが内蔵された「EF」
フラッシュがさらにボップアップ式になった「EF2」へと続きます。
オートスタート機構は「SE」移行の全機種に採用されます。

前置きが随分長くなりましたが
今回はそのオートスタート機構が装備されたSEです。
オートハーフで心配されるのはやはりセレン光電池の劣化具合ですが
今回はセレンそのものに問題はないようです。
しかしながらオートの精度は随分ずれてしまっていて
調整が必要な状態です。
加えてフィルム室のモルトはかなり劣化している状態で
ボディ本体側の塗装もかなり侵食してしまっています。
オートハーフのシャッターユニットは
限られたスペースで効率よく動作させるため
必要最小限のバネの力で駆動しています。
ほんのわずかな油が羽根に付着しただけで
簡単に固着してしまう可能性があるので
入念に清掃を行います。絞りユニットも同様です。

他、レンズ清掃、ファインダー清掃等々を行い
一通りの整備が完了したところです。
残すは最終的なテストのみです。
シンプルなメッキ仕上げの化粧板もピカピカです。
これもとてもレトロな感じがしていいですね。
私、このタイプのオートハーフを見ると
まだ幼い頃に家にあった白黒テレビを何となくイメージしちゃいます(笑)

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