月別アーカイブ: 2021年12月

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は12月13日…
「正月事始め・煤払い・松迎えの日」ですね
煤払い(すすはらい)などをして
年神様を迎える準備を始める日です。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など
お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があったのだそうです。
「煤払い」に関連して今日は「大掃除の日」でもあるようです。
そんな年末年始の準備どころじゃないですよねぇ
年末ってことはいろんなことの〆でもあるわけだから
まだまだ年内の仕事のスパートをかけている時期ですよね!
私だって一応そうですよ~(笑
サラリーマン時代は12月がメーカーの決算だったこともあって
何とかして実績を年内に押し込むために大変だったなぁ…
今だって集計はもちろん取っているし
数字はある意味追いかけてはいますが
あの頃は「向くよう」という名のキッツいノルマがあったしなぁ(遠い目)
まぁ働いている方はいろいろと大変な時期ですよね!
テンション上げて頑張る分にはいいですが
追い込まれ過ぎないように気を付けながらがんばっていきましょー!

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
超ベストセラー機、「SP」を開放測光対応としたカメラです。
ユニバーサルマウントでシンプルでなくてはいけない
M42マウントをそのままでは開放測光に対応するのは無理なので
絞り情報を使えるピンを備えた「SMCタクマー」レンズ群使用時にのみ
開放測光に対応できます。
従来の「スーパータクマー」やペンタックス製以外の
通常のM42レンズ群を使用するときには
従来の「SP」と同じく「絞込測光」で露出計を使用します。
露出計関係以外は従来のSPとそれほど変更点もありませんが
アクセサリーシューに接点が付きホットシューとなっています。

露出計周りだけの変更と一言でいえば簡単そうですが
開放測光に対応するために
これまでレンズ側からは何も情報のリンクがなかったものを
絞り伝達機構が追加になっています。
これをボディ側で電気情報に変換し露出計と連動させるため
マウント周りに抵抗や接点・配線がかなり追加されています。
それに伴い露出計制御基板はSPと比べると
かなり複雑になっています。
それからこのSPFの露出計はちょっと変わった構造で
何も負荷がかからない状態だと指針は真ん中にあるのですね
通常は最も下とか最も上にくる場合が多いと思いますが…
で、CdS(受光体)経由からの電流で下に引っ張り
SS・絞り情報からの電流で指針を上に引っ張ります。
で、バランスが取れて真ん中に指針が指す
SS・絞りの状態が適正露出となるわけです。
この形式の利点は電池の電圧が少々上がろうが下がろうが
露出値が変わらないことですね、
つまり水銀電池の1.3Vだろうと現在のLR44の1.5Vだろうと
引っ張り合うだけなので値が変わらないのですね
他の露出計だと電圧が0.2V異なると
指針が降り過ぎて1.5段~2.5段くらいアンダー目を指示してしまうのですが
SPFの場合はその心配が不要です。
あるいはLR44使用時に少々電圧が落ちてきても
露出計の値は変わらないのです。
その反面、調整が少々微妙でトラブルも少し多めですね(苦笑)

お預かりしているSPFはそのウリのひとつでもある
露出計が明るさに関わらず
常にめいっぱいアンダー側に振ってしまっている状態です。
つまりSS・絞り情報側からの電圧がかかっていない状態だと思われます。
加えてアクササリーシューに大きなガタがあったり
ファインダーにかなり汚れがあったりという状態です。
シャッターの動きはあまり大きな問題はありませんが
もちろん駆動部は一通りの整備を行います。

整備・修理は一通り終わって少し様子見の段階です。
最終チェックを行って問題なければ完成となります。
配線や接点にはやはり経年劣化の影響もあり
複数個所で断線が合ったり接触不良がある状態でした。
現在は精度も含めて全く問題がない状態です。
シャッター・巻上も非常にスムーズになり
ファインダーもクリアです。
これで全く問題なく
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。
整備済みで本来の状態のSP・SPFの巻上は
非常に官能的で基地良いものです。

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は「漢字の日」だそうですよ。
「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」(いい字一字)と読む
語呂合わせからですね。
「漢字の日」といえば毎年恒例の
その年の世相を象徴する「今年を表現する漢字」を全国から募集して
一番多かった漢字を、この日に「今年の漢字」として
京都の清水寺で発表しています。
今年は今日が日曜日なので明日の14時30分頃に発表される予定だそうです。
うーん、やっぱりオリンピック開催年ですから「金」ですかね?
(ロンドン五輪、リオ五輪の年はいずれも「金」でした)
何だかもっと他にあるような気がするのですが…(苦笑)
まぁ、「今年の漢字」はともかくとして
紙に書くことが少なくなってきたので
意外と漢字が書けなくなっていますよねぇ…読むことができても…
おまけに私、年賀状も全く書かない人なので
本当にメモくらいしか書かなくなってしまいました…
頭がトラブる前…一昨年あたりに百人一首を覚えようと思って
筆ペンで一生懸命書いていたのですが
それも頭がおかしくなったりで中途半端なとこで挫折してるなぁ
そのうち再開しなくては…(苦笑)
せっかく日本人なのですからキレイな日本語と漢字くらいは
ある程度、正しく使えるようになっておきたいですよね!

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスシリーズは
1950年代の爆発的な二眼レフブームをけん引したカメラです。
プレスボディの軽量コンパクトなボディに
必要最小限の機能を搭載し非常にお求めやすい価格で売り出し
ピーク時には国産カメラ生産の半分以上が
リコーフレックスだったと言われています。
特徴的な前玉回転式ピントギアを搭載して
いわゆる「リコーフレックス」らしい仕様になり大ヒットしたのは
1950年発売の「Ⅲ」からで
そこから「Ⅳ」→「Ⅵ」とモデルチェンジされ
1954年に今回お預かりの「Ⅶ」が発売されます。
フードにアイレベルのコンツールファインダーが組み込まれたりしたのが
変更点ですが基本的にⅢ以降のリコーフレックスは
それほど大きな変更はされておりません。
それよりも同じモデルコードの中でも搭載シャッターユニットが
異なるヴァージョンが存在するものがあり
そちらのほうがスペック的にも大きな違いとなってきます。

お預かりしている「リコフレⅦ」は
シャッターは大きな問題なく動作しているものの
レンズの状態があまりよろしくなく
特に前玉のコーティング傷みが激しい状態です。
清掃ではちょっと厳しいな…という状況でしたが
今回はご依頼者様から
部品取用の個体の提供もあり
そちらからレンズユニットを移植する方法をとりたいと思います。
過去に修復歴が何度かあるようで
ファインダールーペに簡単な加工が行われていたりします
今回はその加工も少々頼りないので元に戻して
別の方法でルーペを安定して固定できるように対処していきます。
リコーフレックスといえば例のピントギアが大きな特徴で
そこにトラブルを抱えていることも多いのですが
今回は回らないとかいうほどの大きな問題はなく
軽く動くように普通に処置すればOKかと思われたのですが
実際に整備に取り掛かってみると
ビューレンズ側のギアにかなりの変形があることが判明し
最短から無限に向かって回していくうちに
テイクレンズ側とビューレンズ側のピントが
ズレてしまうことがわかりました。
これでは話になりません。
今回はレンズ用に部品取りが提供されていたので
その個体からビューレンズ側のピントギアも
移植することで対処します。

他、シャッター、レンズ清掃、ファインダー清掃
ピント調整等々、一通りの整備完了の状態です。
もちろんファインダーミラーは毎度のごとく
劣化が酷いので交換いたしました。
リコフレがヒットした要因は
やはりそのお求めやすさだとは思いますが
コストカットの方法が現在とは全く違って
まだ生産工法に詰める余地がたくさんあった頃の話です。
そのためこのリコフレもコストカットを進めて
お求めやすい価格になってはいますが
その造りや素材に安っぽい部分は全くありません
こうやってみても気品あふれる50年代の立派な高級カメラです。
やはりこの時代の国産レンズシャッター機はいいですね!

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ニコンEL2のカメラ修理

今日は「百円玉記念日」だそうですよ。
1957(昭和32)年のこの日に
日本で初めて百円硬貨が発行されたことが由来となっています。
戦後初めての銀貨だったそうです。
素材は主に銀(銀60%・銅30%・亜鉛10%)で
図柄は表面に鳳凰、裏面に旭日と桜花、直径は今と同じ22.6mm。
それまでは板垣退助の肖像の百円紙幣が使われていました。
初代百円玉は銀貨だったのですよねぇ
1967(昭和42)年、現行の百円硬貨が発行されますが
素材は銀から白銅(銅75%・ニッケル25%)に変更され
図柄も桜の花三輪へと変更されました。
素材の変更は銀の値段が高くなったことが理由として挙げられています。
私の生まれる2年前に現行に切り替わっているのですよねぇ
子供の頃に昔の百円玉は銀でできていて
価値が高いって何度も聞いたことがありました…
でも現行の百円玉や五十円玉ももう50年以上変わってないのですよねぇ
もっと長いのは十円玉かな、
ギザなしになってからも60年以上経ってますね
週に一度、百円玉1枚お小遣いにもらって
小学校の近くの駄菓子屋によく行きました…
その頃は意外と百円でそれなりに買えるのですよねぇ~懐かしい…

さてさて

本日は「ニコンEL2」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラです。
ニコンブランドになっていますが
要はニコマートELの最終モデルです。
ニコマートELWをベースにAi化されたモデルです。
同じ年にはニコンFMが登場し
翌年にはELの後継となる「ニコンFE」も登場します。
「EL2」は機能的・外観的には「ELW」がAi化されたというくらいしか
大きな変更点がないように見えますが
中身はかなり大きく変更されていて
受光素子はCdSからSPDに変更され
制御回路はもはやFEに近い回路になっています。
翌年デビューの「FE」と並行して開発されたのは明らかです。
1年程度の短命なモデルですが
初期のニコマートELに比べると回路的にかなり進歩しているので
電子制御の安定性はかなり信頼できるレベルです。
このEL2でも回路内トラブルがあると修理不可能な可能性が高いですが
それでも初期のELに比べるとトラブルの頻度はかなり低いと思われます。
それでも翌年登場する「FE」は
当然のごとくもっと安定しているのですが…

お預かりしている「EL2」は
かなり長い間、動かされることもなく仕舞い込まれていたようです。
外観やボディの状態は多少のキズや
わずかな凹み等はありますが概ね良好な状態です。キレイな部類だと思います。
ただし、眠っていた時間がかなり長いため
乱暴に起こすわけにはいかない状態のようです。
シャッターは電子シャッターも含めて動作していますが
シャッター羽根の粘りが若干あるようで
高速シャッターでは精度が全く出ていません。
1/1000だと写真両端で1/5段以上の露光差が出ています。
後幕の動きがかなり悪いようです
先幕の動きが悪くて開かないよりはマシですが
羽根清掃の上で調整が必要な状態です。
ファインダー内にはかなりカビが散見され
あまり影響はありませんがプリズムの腐食もあるようです。
今回は腐食がわずかなのでプリズム交換は行わずに
できる限りの清掃で対処いたします。
露出計やバッテリーチェックも不安定で
各接点の接触不良があるようです。
内部モルトも含めモルトはもちろん全滅で
モルト屑がいたるところに入り込んでいます。
いずれにしても各動作部・接点の清掃が全般的に必要な状態です。

装着されているレンズはニッコールオートの28mmF3.5ですが
純正でAi改造されている個体です。
こちらもカビ・クモリ・汚れが散見されるので
できる限りの清掃を行っていきます。
まずは一通りの動作チェックのみ行った状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「ベルトの日」らしいですよ
ベルトの留める位置が気になりますよねぇ…
まぁここのところ多少締めるほうに少しだけズレましたが
たいして変わってないなぁ
実は先月にいろいろ思うところもあって
結構本気で体重を減らしにかかっているのですが
まぁなかなか減りませんな(苦笑)
まずそれなりにハードに運動しても筋肉が全くつかなくなりました
すなわち代謝が全く上がりません…
一生懸命運動してもしんどいばかりで効果がほぼありません(汗)
これも年齢のせいなのですよねぇ
痩せるには食事療法しか効き目がないようです。
これがまた難しいのですよねぇ…なにしろ代謝が上がんないから…
ただ見た目とかそういうのじゃなくて
しっかり健康でいるためにも大きく減らしたいところなのですが…うーん…
…とか考えながらここのところあまり留め位置の変わらない
ベルトを今日も締めあげて仕事しています(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
当店で修理・整備を扱うカメラとしては最も新しい部類のカメラとなります。
1981年発売のカメラです。
これより前に出たものでも修理不能なカメラも正直なところ
たくさんあるのですが
これより新しいものは残念ながらまずできません、
AE-1プログラムもかなり電子制御の進んだカメラで
その電子制御周りのトラブルが起こると修理不能なことも多々あるのですが
大部分は単純に接触不良だったり機械的な動作不良だったりする場合が多く
修理可能な場合も多くあります。

キヤノンAシリーズのカメラなので基本的には
最初に登場したAE-1が機械的なベースとなっています。
しかしながらAE-1が登場して5年後に登場した
AE-1プログラムになると電子制御部はもはや完全に別ものです。
この時代の電子制御技術の進歩はすごく速いです。
まず上カバーを開けてみて目に入るしの景色が
AE-1とAE-1Pでは全く異なる世界です。
ファインダー内の景色も全く変わりましたし
AE-1Pは単にAE-1にプログラムモードが追加された機種ではありません。
ありとあらゆるところが進歩した全く別のカメラといってもいいと思います。

でも機械的にはAE-1がベースなので
相変わらずシャッター鳴きとかは起こるのです(苦笑)

お預かりしているAE-1Pはご依頼者様が長年使用しているカメラです。
定期的に整備に出しているのだそうですが
やはり数年に1回くらいは何らかのトラブルもある
整備や修理に出されているのだそうですが
今回はこれまで出していた業者さんで
もうAE-1Pの整備は行っていないとのことで
当店にやってくることになりました。

まず電源が全く入りません。当然シャッターも切れません。
電源が入らないこと自体はSW部の接触不良で
比較的すぐに原因も判明してとりあえず応急処置で
電源は安定して入るようになったのですが…
シャッターは引き続き全く切れません。
マグネットの汚れか何かかと予想してしましたがそうでもないようです。
ファインダー内では露出計は正常に動作しているのですが
レリーズボタンを押しても何も反応がない状態です。
機械的に強引にシャッターを切ると問題なく切れるので
機械的な問題ではなくレリーズして最初のアクションが
起こせない状態のようです。
おそらくレリーズ周りの電気接点の接触不良か何かだと思われます。

現時点でははっきりとしたことは言えませんが
たぶん何とかなるのではないかと思われます。
簡単にチェックできる部分は確認できたので
これから本格的に分解を進めて原因を探っていきます。
この季節、この類の電子制御カメラを扱うときは
静電気に細心の注意を払います。
帯電した手でうっかり基板を触ろうもんなら
「パチ!」といった瞬間に全てが終わります。
小まめに静電気は逃がして作業を行っていきます。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は12月8日「御事納め」ですねぇ
毎年、このブログで「御事納め」のことを書くと
「あぁ、今年もラストスパートだ」という気がします
この「おことおさめ」って言葉の響きが
何とも心地よいのですよねぇ
何だか1年が静かに終わろうとしている感じがして…(笑)
この日は農作業など一年の作業が終わる日であり
農事が終わることを祝って行った行事のことも意味するのだそうです。
で、この日には、里芋・こんにゃく・にんじん・小豆を入れた
「御事汁」を食べる風習があったそうです。
江戸時代や関東の一部では、
12月8日を正月の儀式を始める「御事始め」とし
2月8日を正月の儀式を終える「御事納め」としていたのだそうです。
「御事汁」も何だか優しそうな味がしそうで美味しそうですよねぇ
これから来年2月初めの御事始めまでが
やたらと店内が底冷えして
作業中に寒く感じる季節でもあるのですよねぇ
今日も冷たい雨が降っていてなかなかの寒さですが
毎年のことなので底冷え対策は完璧で
(やたらと厚着している…静電気に注意!!!)
今のところぬくぬくと仕事できています(笑
ただ、電子制御カメラを触るときは静電気は天敵なので
細心の注意を払います。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行ってます。
「買ったその日から、
ボタンさえ押せばだれにでも写真が撮れるカメラ」というコンセプトで
造られた「ペンEE」の派生モデルで
「ペンEE」では固定焦点だったピントを
ゾーンフォーカスにしたモデルです。
初期の「ペンEE」はシャッタスピードも1/60固定でしたが
発売翌年から1/30、1/250の2速切替となり
「ペンEE」発売の翌年1962年発売の「EES」は
当初から1/30、1/250の2速切替となっています
SS切替や絞り制御は露出計指針挟み込み式でオート制御します。
露出計の指針自体はファインダにもどこにも表示はありませんが
中ではセレン光電池で起電されて
通常の指針式の露出計が動作しています。
オリンパスお得意の赤ベロも露出計に連動して動作しています。
裏蓋は取り外し式です。底部のモルトは遮光にかなり重要な部分で
キチンと新しいモルトが貼ってあっても
厚みの薄いものでは確実に光漏れを起こします。
劣化していると論外です。
フィルムカウンターは手動で最初に枚数セットを行い
そこからカウントダウンしていく方式です。
ASA感度は200までの設定です。

お預かりしている「EES」は
まずシャッターが2/3くらい開いたところで固まっています。
巻上も何もできません。
単なる羽根固着なら巻上は動きそうなものですが…
羽根が開いているのを過去に何とかしようとしたのか
羽根にもキズがついていしまっています。
羽根のキズはそれほど問題はなさそうですが
固着の仕方がちょっと普通ではないような気がします。
露出計がどうなのかオート制御がどうなのかのも
この状態では全く判断ができないので
まずはある程度分解して原因を探っていきます。

何となく予感はしていたのですが
シャッター速度切替部から駆動部へリンクしている部分に
外れたネジが挟まっていました。
ペンEE系は外れたネジが内部で悪さをしていることが多いカメラです
なんでこんなにあちこちのネジが緩むのでしょうねぇ
よく外れるのはシャッタ羽根を挟み込んでいる
ユニットのネジですが今回挟み込んでいたのは
金色の真鍮ネジでそれではありません
どこかのネジが外れているはずなので
どこのものかをゆっくり探してみます。
心配されたセレン&露出計は精度はともかく動作はしています。
セレンの起電もある程度しっかりしているようなので
調整でなんとかなるそうです。
しかし絞り制御は随分粘っていてまともに動作していません。
ここもペンEE系で問題の多い部分ですね。
ネジの件をよく調べてから各部の整備調整に取り掛かりたいと思います。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「アルバムの日」だそうですよ。
「フエルアルバム」でお馴染みの
(お馴染みなのは私らの世代だけかも(苦笑))
ナカバヤシ株式会社が制定しています。
一年最後の月の12月は
その年の思い出をアルバムにまとめる月。
そして「いつか時間が出来たら」
「いつか子どもが大きくなったら」
「いつか、いつか…」と後回しにされることなく
アルバムづくりをしてもらいたいとの願いを込めて、
その5日(いつか)を記念日としたものだそうです。
写真撮りっぱなしで整理が後回しになりがちですものねぇ(苦笑)
紙のアルバムはもはや時代遅れかもしれませんが
やはりあれば嬉しいものですよ
私も実家を引き払った際に幼少期のアルバムを
引き取ってきましたが
まぁ、自分の幼い姿はともかくとして
一緒に移っている友人や家族、そしてその時代の服装や背景
いろんなものが目に留まって本当に眺めるのが止まらなくなります
電子データでPC内に整理しておくのが効率は良いですが
それを見つければ誰でも手に取って気軽に眺めることのできる
紙のアルバムもやはり貴重だと思います。
こういう文化はなくなってほしくないですよねぇ

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」の
カメラ修理を行っています
ハイマチックシリーズはミノルタを代表する
レンズ一体型コンパクトカメラのシリーズですが
1960年代初頭に登場した記念すべき初代ハイマチックから
2代目にして大きくリニューアルしたハイマチック7
「7」をベースとした「9」や「11」あたりまでは
コンパクトカメラとは言えないほどの大柄なボディに
大口径レンズ+レンジファインダーを搭載したモデルでした
それが1971年の「ハイマチックE」で大口径レンズはそのままに
ボディ側が小型化され
さらにその弟分ともいえる小柄なF2.8レンズを搭載した
「ハイマチックF」が1972年に登場します。
個人的にはこのサイズになってやっと自然に
「コンパクトカメラ」といえるような気がします。
この「ハイマチックF」も先行し大ヒットを続けていた
「コニカC35」の対抗機種です。
C35が機械式シャッター+指針挟み込みプログラムシャッターで
とにかくシンプルな構造であることに対して
「ハイマチックF」はセイコーESL電子制御シャッターによる
プログラムAEを搭載します。
光量の不足するスローシャッターを必要とする場面では
C35に対してかなり大きなアドバンテージがありますが
そもそも三脚を必要とする場面でこの類のカメラが
どれほど使われるか?という疑問もあるところです。
逆に手振れ写真を量産してしまいそうな気もするので
低光量時には周囲が必要です。
当時は非常に正確な露出を得られる電子制御シャッターの
優位性はかなり高かったと思われます。
今となってはなかなかメンテナンスが難しい部分もありますが…

お預かりしている「ハイマチックF」は
電池室の腐食もなく保存状態も良く
全体的に非常に切れな個体です。
ただし、電池を入れてシャッター切っても
明るさに関係なくシャッターが全く開きません。
不安定ながらバッテリーチェックは動作していて
シャッター動作音の様子から判断する分には
オート制御回路も動作しようとしている風にはあるのですが
肝心のシャッターが全く動かない状況です。
セイコーESLシャッターはその構造上
レンズシャッターではありがちな羽根の油付着による
粘りや固着は起こりにくいと思われます。
固着・不動の原因は大元のシャッター羽根駆動部の不具合か
マグネット関連の不具合かと思われます。

電子制御シャッターなので
制御部の電子部品の不具合があると
修理不可能な場合ももちろん多いのですが
今回は何とかなりそうな気配です。
同じセイコーシャッターでも「ハイマチF」の
ESLシャッターは比較的何とかある場合も多いのですが
「ESFシャッター」を搭載するカメラは
もうどうにも整備できない場合が多いです。
分解することすらリスクが高すぎて無理な場合がほとんどです。
そのため当店でも「F」は修理をお受けできる場合が多いですが
「ハイマチE」の修理は既に全くお受けできない状況です。

話が逸れてしまいました。
これから本格的にシャッター駆動部のチェックを行いながら
不具合修理と各部整備に取り掛かっていきます。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「E.T.の日」だそうですよ。
1982(昭和57)年のこの日に
アメリカのSF映画『E.T.』(イーティー)が日本で公開されました。
全世界では1993年(平成5年)公開の『ジュラシック・パーク』、
日本では1997年(平成9年)公開の『もののけ姫』に抜かれるまで
映画の配給収入の歴代1位だったそうです。
空前のヒット作だったのですねぇ
私が中学1年の頃ですねぇ
映画館でも見た覚えはあるし、その後、テレビとかでも
何度か見てるはずなのですが…
「全く内容を覚えていません(笑」
映画って相当何度も見てるものじゃないと
いつの間にか記憶から消えちゃうのですよねぇ
中学生あたりから社会人になるまでは
相当な数の映画見ているはずなのですが
もうほとんど覚えていません…ちょっと悲しいな(苦笑)
「E.T」の翌年の1983年に「フラシュダンス」が公開されているのですが
こっちのほうがまだ覚えてるな…
サントラ盤のレコードも買って散々聴いているし…
ジェニファービールス、キュートだったよねぇ~

さてさて

今日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカの35mm判レンズシャッター機は
1947年の「コニカスタンダード」から始まり
それが一般用として「コニカⅠ」となり
「Ⅱ」、「Ⅲ」と続いていくわけですね。
「Ⅲ」でいわゆるセルフコッキングとなり
レンズ鏡胴脇から出ている巻上レバーをダブルストロークすることで
フィルム巻上と同時にシャッターチャージもされるようになりました。
その後のカメラでは当たり前なのですが
セルフコッキングのない50年代のレンジファインダー機や
スプリングカメラ、二眼レフなんかを使っていると
本当にセルフコッキングの便利さがわかります。
ついつい、意図しない多重露光とか
未露光のコマ作ってしまいますもの…(苦笑)
「Ⅲ」はこの招き猫みたいな押し下げるタイプの巻上レバーで
また軽快にダブルストロークなのがいいですよね
シングルでもできなくはなかったのでしょうが
きっともっと巻上は重くなるでしょうし
こんなリズミカルに気持ちよく巻き上げる(巻き下げる?)ことは
できなかったと思います。
「Ⅲ」はその後に出る等倍ファインダーの「ⅢA」が
注目されがちですが
デザイン的にすっきりした無印の「Ⅲ」もかなり良いと思います。
出番がなかなかないのですが
個人的に使う個体で「Ⅲ」を1台、私も持っています。

お預かりしているコニカⅢは
まずシャッターが全く開きません…
レンズシャッター機にありがちな
いつもの羽根固着かと思ったのですが
シャッターユニットを降ろしたところでわかったのですが
どうやら今回は羽根自体は問題なくて
チャージリングが汚れか油で動けなくなっているようです。
一旦チャージした位置からレリーズしても
進めないわけですね。指である程度押してやると
そこからは一気に進みシャッターもキレイに開閉します。
シャッターユニット内は他にもスローガバナー等
いろいろと動きの悪いところがあるようすです。
羽根も含めて一旦きれいに洗浄した後で
最低限の注油を行う必要がありそうです。
その上で調整を行えば精度的にも大丈夫でそうです。
加えて「Ⅲ」の魅力に一つでもある
軽快な巻上(巻き下げ?)がかなり鈍重になってしまっています。
この状態で無理に動かしていれば
間違いなく底部リンク部品の変形とかを起こしそうなので
まずは無駄に動かさずにこちらも清掃とグリスアップを行っていきます。
無理に動作させていてリンク部品の変形を起こしてしまうと
最悪の場合、修理不可能となります。
そうでなくても本来の軽やかな巻上は期待できなくなります。
今回はそんな状態になる前かと思われますので
通常の整備で本来の姿を取り戻すことができそうです。

まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。
シャッターユニットの分離はリンク部分もシンプルで
かなりやりやすい部類に入ります。
シャッターユニット側が終わったらレンズ清掃も行い
巻上リンク側の整備を行っていきます。
その後でファインダー清掃に距離計の調整です。
「Ⅲ」は使い勝手の良さとそのレトロな風貌のバランスが
非常に良いカメラだと思います。
個人的にもおすすめな1台です。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「カレンダーの日」なのだそうですよ。
1872(明治5)年に太政官布告で太陽暦が採用されることとなり
明治5年12月3日(旧暦)が1873年(明治6年)年1月1日(新暦)となりました。
この改暦により、日本は太陽暦を採用している諸外国と
外交上の足並みを揃えられることになったのだそうです。
いきなり12月3日が1月1日なるなんて大変なことですよね(苦笑
旧暦も風情があってよいものではありますが
やはりどう考えても太陽暦が自然で便利ですよ
少し調べただけですが旧暦もこれがまたいろいろ変遷していて
かなりややこしいのですよ
それでなくても「太陰太陽暦」そのものがかなりややこしい…
そのあたりはまた何か気づいたときにでも
もっとよく調べてみます。
カレンダーといえばもう来年のカレンダーは準備されていますか?
店内ではいつも当月と翌月の壁掛けカレンダーを提げているので
翌月はもう来年のカレンダーになっています。
ん?もちろん来年もカープカレンダーです!
1月は大地と誠也です!
(誠也はたぶん来シーズンはメジャーでしょうが…)
来年こそは頼むよー!!!!(笑

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
MEスーパーもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
パンエタックスMシリーズの基本形ともいえる
「ME」をベースにマニュアル露出モードと
1/2000シャッターを追加し
スクリーンも明るくてキレの良い
ブライトマットスクリーンに変更したたモデルです。
絞り優先AE専用のエントリー機から
これで一気に何でもできる中級機に生まれ変わったわけです。
もともとのMEの素性が良いので
巻上感触やシャッター音等の使い心地は元々優秀な上に
明るくてピントのキレの良いファインダーまで備わり
なかなか魅力的なモデルに変身したのではないかと思います。
ただ。毎回言いますがプッシュボタン式の
シャッタースピード設定は好みがわかれるところだと思います。
構造上…というかコンパクトにまとめられているため
ダイヤルを付けるためにはかなり構造変更が必要だったため
この形になったのではないかと思います。
でも意外と好評だったのか後のAシリーズや645にも採用されます。

基本的な部分はMEと同じ構造なので
MEと同じくミラーアップの持病は多発します。
今回のMEスーパーも完全いミラーアップしたままの状態で
お預かりしました。
原因は…これもいつもこのとですが
ミラー駆動部のゴムブッシュへ劣化・変質による固着です。
完全に溶けたゴム状態になっていて
回転軸にこれが付着していてはバネの力ごときでは
とてもとてもまともに動けるとは思えません。
今回も軸の奥深くまで粘着質が入りこんでいるのか
駆動軸分解前にあらかた劣化したゴムを取り除いても
全く駆動軸が動きそうな気配もありませんでした。
どちらにしても完全に分解するので\いいのですが…

今回のNEスーパーはそれ以外にも
電池室蓋側に腐食跡が残っていて
露出計やオートにどれほど影響が出ているか
かなり心配だったのですが
分解時に確認してみたところ
それほど配線や基板には緑青や腐食はなく
精度はもちろん再調整ですが
根本的な電気的異常個所はありませんでした。
ミラアップしているとその辺りが
最初に全く確認できないので
分解しているまで毎回結構不安なのです。

ME系にはミラーアップ以外にも
将来的なトラブル予防も含めて
チェック項目や整備項目がいろいろあります。
まずはシャッター-回り、ミラー周り
巻上駆動部等の整備を一通り行っていきます。
機械的な部分を一通り整備した後で
仮組して電気的な調整も行っていきます。
あ、もちろん、いたるところに大量に使われている
内部モルトも交換していきます。
これもどこもかしこもベッタベタです(苦笑)

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日はなかなかから見易い記念日がないのですが…
あ、昨年もこれやったかな…「デーツの日」ですね。
「デーツ」とはナツメヤシの実を完熟させたドライフルーツのことで
なんでこれを取り上げるかというと
この記念日を制定したのが広島ではお馴染みの
お好みソースなど様々なソースや調味料などを開発・製造・販売する
オタフクソース株式会社だからなのですね(笑
「デーツ」をお好みソースの甘みとコクを出す
原材料としても使うのですね。
ちなみにヨーロッパでは
クリスマスのお菓子の材料に使われるのだそうです。
あぁ~お好み焼き…食べたいですよねぇ
こっち(東京)でも高田馬場あたりに
お好み焼きのお店はいろいろあるのですが
やはり地元に帰って食べたいですよねぇ…
でも年丸年始には墓参りを兼ねて呉に行ってくるので
お好み焼きも飽きるほど食べてきます!!!
あ、HPトップページでは昨日からお知らせしていますが
12/28(火)~1/4(火)は年末年始休業といたします。
もううかうかしていると年末ですね…

さてさて

本日は「コニカオートレフレックスT3」の
カメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
コニカARマウントレンズの一眼レフは
1965年発売の35mm判ハーフ/フル切替器の
オートレックスに始まり
その当時から指針挟み込み式のSS優先AEを搭載します。
オートレックスからFTAを経て
今回の「T3」となりさらに小型化されたAcom-1へと
繋がっていく系譜ですね。
指針挟み込み式SS優先オートはその構造上
シャッターレリーズが深くなるのが特徴なことと同時に
デメリットとも言われるのですが
「T3」ではそのレリーズストロークも改善されています。
…とはいえ…やはりレリーズストロークは長めではありますが…
このレベルなら好みの問題かな…といえるとは思います。
(個人的な主観では気にならないレベルです)
シャッターはオートレックス時代から引き続き
コパル製金属羽根縦走りシャッターです。
他のカメラでもお馴染みですが
非常に安定した動作を誇る堅牢性の高いシャッターユニットです。

お預かりしている「T3」はホットシューを装備したタイプで
いわゆる後期型かと思われます。
電池室でかなり激しい電池液漏れがあったと見られ
電池室を中心にあらゆる部分に腐食が広がっています。
液漏れ自体は電池室で留まりますが
その際に腐食ガスがかなり発生するのでそれが
あらゆる部分に広がっていったものと思われます。
配線はもちろん全滅でシャッターユニットまで
腐食が広がっていてあらゆる部分に緑青が付着してる状態です。
露出計はもちろん不動の状態で
さらにシャッターユニットにまで広がった腐食の影響で
シャッタースピードも非常に不安定な状態です。
とにもかくにもできる限り清掃して
シャッターユニット・露出計周りの接点・SW類の
緑青・錆落としを行った上で
駆動部分には注油を行っていきます。
配線はもちろん全て交換です。

装着されているレンズはヘキサノンAR50mmF1.7ですが
こちらもカビが酷くできる限りの清掃を行っています。
カビは全て除去できましたが
コーティング腐食劣化が発生しており後玉表面には
腐食跡が多少残ってしまいました。
実際の撮影にはそれほど影響のないレベルかとは思います。
露出計もそうですが
シャッターの動きがなかなか安定せず
かなり苦労して調整を繰り返しました。
現在は精度も含めて全く問題ない動きになっています。
すでに完成してから少し時間を経過している状態で
これから最終チェックを行い
問題なければ完成となります。

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ミノルタALのカメラ修理

今日は「一万円札発行の日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
最高額紙幣の一万円札が日本銀行から発行されました。
聖徳太子の一万円札ですねぇ~懐かしいなぁ
私はいいかげんジジイなので
やはりこの聖徳太子の一万円札のイメージがいまだに強いですねぇ
福沢諭吉さんになったのは1984年で
もう気づけば37年前なのです
で、2004年に表は福沢諭吉さんのままで
最新の偽造防止技術を駆使し
裏面のデザインがそれまでの雉から
京都・平等院の鳳凰像に変更されています。
で、最近、ニュースにもなりましたが
2024年に渋沢栄一さんの新一万円札が発行予定です。
大丈夫かな…生きてるかな(苦笑)
大病を患ったこともあって
最近数年後の話題が出ると
「あれ?私、そのとき生きてるかな?」って
ついつい思ってしまうのですよねぇ
いけんいけん、何事も前向きに。。。(笑
そういえば、そろそろ十万円札とかもあってもいいような気もしますが…
いや、このキャッシュレスに向かう時代の中、不要かな…
そういえば二千円札ってまだあるの???(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタAL」のカメラ修理を行っています。
先日、同じくミノルタの「A5」の修理を行いましたが
「AL」は「A5」をベースに
セレン光電池使用の露出計を追加し
フィルムカウンターを自動復帰タイプにしたものです。
そのフィルムカウンターは底部に移動しています。
露出計はミノルチナやALSと同じく
絞りリング、SSリングと連動して中心に指針合わせを行うタイプのものです。
まだファインダー内表まではなく
上カバー上の指針窓で設定・確認します。
「A5」がベースなのでシャッターは同じく
シチズンMLTシャッターで最高速1/1000を誇ります。
搭載レンズはレンズはロッコールPF45mmF2に統一されています。
1961年発売のカメラです。
この年の年末には初代ハイマチックが発売されます。
年代から考えるとなかなかコンパクトにまとまって
使い勝手の良いカメラです。
ただしこの時代ですから総金属製なので
重さは非常にずっしりとしています。
まぁ、そこが良いところでもあります。

お預かりしている「AL」はファインダーにクモリが少々
距離計連動部の動きが悪いのか
ピントリングにたまに二重像が付いてこないような
動きをすることがあるようです。
レンズにもカビが散見されます。
シャッター一通り動作しています。
セールスポイントのひとつでもあるセレン式露出計は
セレンそのものは十分に元気でしっかり起電していますが
SSリング・絞りリングの摺動抵抗に劣化か汚れがあるようで
露出計がかなり不安定な動きをしています。
ALSやミノルチナでもそうですが
このタイプの絞り・SS連動型の露出計だと
セレンよりもこの連動部の摺動抵抗のほうが問題になることが多いです。
交換といってもなかなか程度の良いものが
手に入りにくい部分です。
シャッターユニットは動作しているとはいえ
羽根粘りの予防も兼ねて一通りの整備を行います。
油切れの部分や逆に出てはいけないところへの
油滲み等もこの年代のカメラなら間違いなくあると思われるからです。

まだ現状チェックを行って上カバーを外しただけの段階です。
「A5」と同じくプリズムを使用した独特の構造の
ファインダー部が見えていますね
これからまずはシャッターユニットを分離し
シャッター周りの整備、露出計関連の摺動抵抗部の
清掃・調整あたりから行っていきます。
それにしてもこの時代のミノルタ機は
整備性も良く造りもしっかりしています。

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