ニコンFE2のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジの日」だそうです。
首都高11号提台場線ですねぇ。。。
クルマでもバイクでも数えきれないほど通っていますが
昼も夜も眺めがいいのですよねぇ
夜はレインボーブリッジ自体も
ライトアップされてキレイですが
(少し前にも真っ赤にライトアップされましたねぇ(苦笑))
台場側から登ってくると都内の夜景がすごくキレイなのですよねぇ
止まることができないので一人では写真には撮れませんが。。。
東日本最大級の「つり橋」であるレインボーブリッジですが
力学的にはかなりバランスの悪い設計なのだそうです。
言われてみれば「あぁ、たしかに。。。」と思うのですが
ケーブルで繋がれた中央のアーチ部に比べて
陸側のケーブルアーチが非常に短いのですね。
他の同様なつり橋(明石海峡大橋等)と比べてみれば歴然です。
陸側の土地が非常に狭く
ケーブルを架けるための十分なスペースが取れないことと
海上のアーチ部分を狭めてスペースを取ろうにも
ここの海峡は船の交通量も非常に多いため
橋脚と橋脚の間を狭めるわけにもいかなかったそうなのです。
見た目にはバランスが悪いのですが
短い陸側のケーブルのテンションを強く張ることによって
バランスを取っているのだそうです。
これ今回調べていて初めて知りました。。。
身近に思えていても知らないことがたくさんあるのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に発売となったFEの後継モデルです。
フォーカルプレーンシャッター機としては史上初の
1/250シンクロを実現したカメラです。
幕速を非常に高速化することにより実現されたもので
副産物として最高速は1/4000となりました。
測定器で測っても幕速は驚異の2ms台半ばです。
(幕が端から端まで走行する時間を指します)
といってもなかなか伝わらないと思うので
同じ縦走りシャッターのFEで5ms台前半です。
横走りになると実際に走る距離も長いので
もっと遅くなり速い機種でも10ms前後
古い機種であれば13ms前後といったところでしょうか。。。
この幕速を実現するちゃめにシャッター幕(羽根)は
より軽量なチタン製とし、さらに軽量化を図るため
ハニカム状に肉抜きをした羽根になっています。
このシャッター羽根だけでもすごさが伝わります。
ただ、このハニカム加工のチタン羽根シャッターは
シャッター羽根そのものの強度に問題はないのですが
それをかしめて留めている部分の強度に問題があり
ある日、突然羽根が外れてしまうというトラブルが多発しています。
その後、別の部分の技術の進化で通常の平坦な
アルミ羽根でも幕速が確保できるようになり
(その際にカシメ部分の強度見直しも行われているようです)
メーカーでシャッタユニット交換を行うと
通常のアルミ羽根シャッターに交換されていたそうです。
。。。というわけでFE2の初期モデルと
FM2(ニューではない)の初期モデルのみで
このハニカム加工のチタン羽根が使われています。
今回、お預かりのFE2もこのタイプです。
正気言って扱いに気を遣うカメラです。
普通に使っていても羽根が外れる可能性が少しでもあるかと思うと。。。(汗)
(実際はそれほどではないとは思ってはいますが。。。)

お預かりしているFE2は一通りは動作していて
大きなトラブルはなさそうです。
ただモルトは全滅です。
FM/FE系といえばニコマート時代から
接眼レンズの下に大きな座布団のようなモルトが貼られていますが
ここも加水分解でベタベタになっています。
SSの精度はまずまずですが
露出計・オートは一段以上オーバー傾向です。
これも調整でもっと精度を出していきたいと思います。
他機械的駆動部分の整備を一通り行います。

写真は一通りの機械的部分の整備が完了して
組み立てを行い電気的な部分の調整を行う段階でのものです。
意外と見た目的には基盤回りは幾分シンプルになったとはいえ
FEとそれほど変わりません。
元々の設計が優れていたのでしょうね。
80年代の電子制御機ですが比較的この時代のものとしては
整備性が良く機械的な部分と電気的な部分のバランスが絶妙な
カメラだと思います。
個人的に好きなカメラの一つで
整備を行えば自分用に使おうと思っている個体を
1台確保しているのですが
自分のカメラはなかなか整備しないのですよねぇ(汗)
いい加減に使える状態にしてやらないと
カメラがかわいそうですね。。。近日中にそれも行います(苦笑)

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