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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「教師の日」だそうですよ。
小中高と何人もの学校の先生にお世話になりましたが
担任の先生はさすがに皆さん
お顔と名前がすぐにまだ浮かびますねぇ…
特に中高の担任の先生にはお世話になったというより
迷惑ばかりかけてて今思うと本当に申し訳ない…(苦笑)
特に高2・高3と続けて担任してもらったS先生には
結構な世話をかけてしまった気が…
当時、学校には来ているのに
学校やその周辺で遊びまわってばかりで
ロクに授業に出ない私を頭ごなしに怒るわけではなく
「しょうがないやっちゃのーおまえはー」と
いろいろとご指導いただいたことは今も忘れません…
私はおかげさまで子供の頃の周りの大人たちには
かなり恵まれていたほうだと思いますが
まぁこうして何とか元気にやっていることを
皆さんに感謝しなくてはいけませんねぇ
最近、やたら昔のことを思い出し始めると
止まらなくなっちゃうんですよね…これも年齢のせいか…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズの中でも特に依頼される台数の多い
ペンEEシリーズの一員です。
初代ペンEEの派生モデルで
固定焦点から3点ゾーンフォーカスに変更したカメラです。
ゾーンフォーカスになっている以外にも
レンズが変更され3cmF2.8のレンズを搭載します。
それら以外は「ペンEE」とほぼ同様です。
露出制御はセレン光電池使用の露出計に連動し
プログラムオートで制御されます。
シャッタースピードは1/30。1/250の2速切替式となります。
ハーフカメラらしく非常にコンパクトで
露出オートで撮影も気軽に行なえるカメラです。
さらにかわいらしいレトロな外観も魅力の一つで
現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ペンEES」は
光量不足の際に出る赤ベロが明るさに関わらず
常に出てしまう状態で
オートだとシャッターが切れません。
赤ベロ制御されなくなるフラッシュモードだと
なんとかシャッターは切ることができます。
オート制御は定番の露出計指針を挟み込むタイプで
露出計指針がある程度振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかる仕組みです。
つまりこの状態だと何らかの原因で
露出計が明るい場所でも全く振れない状態だと考えられます。
…となるとやはり考えられるのはセレンの劣化で
明るい場所でも全く起電されない…ということを予想するのですが…
経験上、比較的ペンEE系のセレンは
そんなに全く起電しないほど劣化しているものは多くないのですよねぇ
もしかしたら露出計本体の断線かなぁ…と思いながら
分解に取り掛かろうとしたのですが…
何だか妙に鏡胴(シャッターユニット)が
ぐらついているのに気づきました…
フィルム室側からシャッターユニットを留めているネジを確信しましたが
ここはまったく緩みなくしっかり固定されています。
「あーこれはもしかしていつものあそこかー」と
緩んでいる箇所の想像がついたので
うっかりシャッター羽根が外れないように慎重にばらしていくと
シャッター羽根駆動部を支える部分のネジ3本中2本が
外れてどこかに消えてしまっています。
残った1本もゆるゆるです。
ここのネジはペンEE系はよく緩むのです…
ここが完全に外れてしまうと
シャッター羽根も外れてしまいます。

画像はシャッターユニット側やレンズの整備を終えて
再組立てする前の段階でのもので
既にネジはしめてありますが
ネジの頭に白い塗装がされている3本のうちの
2本が外れていた状態でした。
で、ここのネジは外れても外にまでは出て行かないはずなので
内部を捜索すると1本は磁力で
メーターの外枠にくっついていて
もう1本は見事にメーターの内部にまで入り込んでいました。
…ということで露出計指針が動かないのは
この入り込んだネジが指針の邪魔をしていたせいでした。
露出計はコイル部に磁力を持っているから
外れたネジが集まるのですね…
このパターンもよくあることなので
ネジが外れているのを発見した時点で
おそらく露出計の中にいるな…と慎重に捜索して取り出しました。
精度はともかくとしてこれで何とか露出計は無事に動き出しました。
その後、一通りのシャッター周りの整備を行い
ネジはしっか締めた上で軽くロックして組み上げます。
それなりに精度の狂いは当然ながらありましたので
露出計の調整、絞り制御の調整を行って
自動露出に関しては問題ない状態になりました。
しかしながらペンEEのここのネジは本当によく外れています。
困ったものです…

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コニカC35FDのカメラ修理

今日は「徒歩の日」だそうですよ。
「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせからということです。
なかなか強引ですねぇ(笑
由来はともかくよく歩くことは健康の基本かと思います
私の場合は3年半ほど前に脳梗塞をやってしまってから
歩きが少しばかり不自由になってしまいましたが
ほぼ毎晩リハビリでそれなりの距離を歩くようにしています。
まぁ完全にはもう治らないのはわかっていますが
それでもやらないよりは確実に効果はあるようで
3日サボると明らかにより歩きにくさを感じます。
…ということは毎日必ず続けていないと
現在の少し不自由な状態さえ維持できないのでしょうねぇ
もうこればかりはしかたないです。
リハビリ云々はさておき適度な運動もしておかないと
確実に太りますし…そうなるとまた新たな不健康ネタを
呼び寄せてしまいますので
いずれにしても毎日のウオーキングは欠かせません。
今夜も仕事が終わった後で天気が酷くなければ
いつものコースを歩いてきます!

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
当時「じゃーに~コニカ」として大ヒットした
ベーシックな「C35」の上級機にあたります。
レンズは大口径のヘキサノン38mmF1.8を搭載し
露出設定も通常のC35のプログラムオートではなく
CdS使用の露出計に連動する
シャッタースピード優先オートを搭載しています。
それに伴ってシャッターユニットもコパル製に変更されており
ボディ形状や巻上機構は通常のC35と共通するものの
もはや別物のカメラに仕上がっています。
さすがに大きなレンズを搭載するので
通常のC35ほどのコンパクトさはありませんが
それでもスペックを考えれば十分にコンパクトかと思います。
距離計を搭載する「C35」は
この「FD」が最後のモデルでもあります。

露出制御は先述した通りシャッタースピード優先オートで
それ自体は通常のC35と同様に
露出計指針を挟み込むことでその指針位置に連動し
絞りをコントロールする手法です。
キヤノネット等と同じような構造です。
このタイプのシャッタスピード優先オートは
非常に小さなバネ力で絞り羽根を開放にし
露出計に連動して絞り込むわけですが
羽根の汚れ等で簡単に絞り羽根が
粘ったり固着したりしてしまいます。
今回お預かりしている「C35FD」も
シャッター羽根がほぼ問題なく動作しているのですが
絞り羽根が粘ってしまっていて
F5.6あたりから解放側へ開かないような状態です。
「C35FD」は絞り羽根がシャッター羽根より前にあるので
レンズ前面からもよく見えますが
レリーズボタンを押したとき以外は
常に開放になるはずの絞り羽根が
絞りF5.6くらいの位置で止まってしまっています。
露出計の値によってそれ以上に絞る場合は
絞る方向には動くのですが開放には戻れません。

まだ取り掛かり始めで分解していく途中ですが
これからシャッターユニットを降ろして
絞り羽根の清掃から始めていきたいと思います。
もちろん並行してシャッター羽根の清掃
シャッターユニットの各部整備、レンズ清掃も行います。
それでシャッターユニット単体での動作をある程度確認してから
巻上周りの整備を行い再組立て
露出計、オートの調整
ファインダーの清掃、距離計調整を行っていきます。
コンパクトなボディに所狭しと各駆動部が配置されていますが
整備性は比較的良好なカメラです。

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キヤノンⅡS改のカメラ修理

今日は「望遠鏡の日」だそうですよ。
1608年のこの日に
オランダの眼鏡技師ハンス・リッペルハイが
凹レンズと凸レンズを組み合わせると
遠くの物が近くに見えるという望遠鏡を発明し
特許を申請するためにオランダの国会に
書類を提示したことが由来となっています。
しかし、原理があまりにも単純で
誰にでも作れそうだという理由で
特許は受理されなかったそうで
その代わりにオランダの政府から
報酬を得ることができたのだそうです。
カメラの望遠レンズも原理としては同じですね。
望遠鏡といえば私がまだ幼稚園児だったころに
ある日、突然なにを思いついたのか
じいさんがビクセンの6cm天体望遠鏡を買ってきて
家の窓から灰ヶ峰の頂上とかを見せてくれました。
展望台に上っている人の姿まで見えて感動したのをよく覚えています。
夜になると月とかを見せてくれたなぁ…
ばあさんは「なんでこんな小さい子に望遠鏡なんよ!高いのに!」って
随分ご機嫌斜めでしたが…(笑
その天体望遠鏡のおかげで小学生高学年の頃には
星空を見上げてはいろいろな天体や惑星を追っかけてました。
ただ当時の赤道儀は全くもって使いこなせませんでしたねぇ(笑
まず極軸合わせすらできなかったし…

さてさて

本日は「キヤノンⅡS改」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「バルナックコピー」と言われるカメラですね。
キヤノンの始まりも1930年代にこのタイプのカメラからです。
1950年代にかけてキヤノンの独自性も盛り込みながら
いろいろなモデルが発売されています。
ただこれがモデル刻印等も本体にはなく
非常に判別が面倒なカメラです。
修理する立場で言えば構造的にはどのモデルもそれほど
大きくは変わらないのでモデル名はなんでもいいのですが…

今回お預かりしているのはおそらく1955年発売の
「ⅡS改」だと思われます。
このタイプのキヤノン機で最高峰とされる
「ⅣSb改」の普及モデルという位置づけのカメラです。
基本的な構造・仕様は「ⅣSb改」と同様で
SS最高速が1/1000から1/500へと変更され差別化されています。
かなり高価だった「ⅣSb改」に比べ1割程度お安い設定だったそうです。
仕様が「ⅣSb改」と同様ということで
SS最高速こそ1/500ですがスロー側は1秒まで搭載し
いわゆる倍数系列となっています。
もちろん「B」「T」も装備します。
ファインダーは一眼式でキヤノンお得意の
可変倍率ファインダーを搭載しています。

お預かりしている「ⅡS改」は
まずもってシャッターが全く切れません。
この時代のフォーカルプレーン機は大抵の場合がそうですが
やはりシャッター幕が激しく劣化+硬化しており
シャッターは全く動けない状態のようです。
何はともあれシャッター幕を交換しないとどうにもならない状況です。
もちろん幕軸を始め各部の動きも悪いですが
巻上軸にも問題があり
巻上が空回りしてしまっている問題もあるようです。

画像は一通りの修理整備が完了した後のモノです。
巻上からレリーズに至るまで非常にスムーズに
動作するようになりました。
低速から高速までシャッターの精度も全く問題ございません。
ファインダーも非常にクリアで
距離計の精度も問題ない状態です。
このタイプのカメラはフィルム装填等に面倒な部分もございますが
そういう部分も含めて使っていて非常に楽しいカメラだと思います。
キチンと整備されてスムーズに動作する機体だと
尚のこと撮影を楽しめると思います。
今回のご依頼者様にも存分にお楽しみいただければと思います。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日から10月ということで
10/1にはたくさんの記念日が制定されています。
衣替えの日、日本茶の日、メガネの日
東京都民の日、土地の日、ネクタイの日、
香水の日、醤油の日…等々まだまだたくさん…
そんな中に「日本酒の日」もありますねぇ
お酒は全般的に好きですが
やはりその中でも日本酒が好きですねぇ
一概には言えない部分もありますが
日本酒そのものの香りや味をじっくり味わうのなら
磨き上げた大吟醸、和食を引き立てるのであれば
純米酒がいいですねぇ…
私の場合、日本酒好きになってから
それまで苦手だった食べ物で
美味しく食べられるようになったものも多いのですよね
佃煮系とか煮魚とか酢の物とか…
少しは大人に成長したのか…(笑
季節的にはサンマの塩焼きとかがいいですね
純米酒に合わせると最高の組み合わせです。
お互いの味を引き立てあって至高の味わいになりますよねぇ
今夜あたりちょっと良い日本酒と美味しいサンマで
じっくり楽しみたいですねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラの代名詞ともいえる「オリンパスペン」ですが
いくつかのシリーズに大きく分けることができます。
最初に出てきたベーシックな「ペン」そして
それの高級版と言える「ペンS」
セレン露出計と連動し露出をオートとし
撮影操作をとにかく簡単にできるようにした
「ペンEE及びEESシリーズ」
そして最上級モデルとして登場した今回の「D3」を含む
「ペンDシリーズ」です。
「ペンDシリーズ」は基本はペンSと同じくマニュアルカメラですが
大口径レンズと露出計を内装しています。
露出計は内臓はされるものの直接連動する部分はなく
露出はあくまでもマニュアル操作です。
最初の「ペンD」はセレン光電池使用の露出計が搭載され
「D2」でCdS使用の露出計に変更されています。
そして「D3」では搭載レンズがそれまでのFズイコー32mmF1.9から
32mmF1.7へとグレードアップされています。
大口径レンズを搭載するため他のペンシリーズと比べると
少しだけ大きくずっしりとしていますが
その分、高級感に溢れたカメラです。

お預かりしている「D3」は一通り動作してはいるのですが
シャッターを始め各部に若干の動きの粘りがあり
レンズ・ファインダーには結構なカビが発生しています。
モルトはやはり全滅です。
露出計もそれなりに動いてはいますが
やはり配線や接点の問題で少々不安定で精度的にも調整が必要です。
致命的なトラブルこそないものの
快適に使うにはやはり全体的な整備が必要な状態です。

画像は一通りの整備を行った後の状態です。
シャッター羽根、絞り羽根の清掃及びシャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、巻上機構部の整備
露出計及び電池室周りの清掃整備、ファインダー清掃
そしてモルト交換等々、全体の整備を行っています。
お預かり時よりも明らかにスムーズに動作するようになっています。
精度的にも全く問題ない状態になりました。
動きが少し馴染むまで様子見した上で
最終テストを行い問題なければ完成となります。
これでご依頼者様にも気持ちよく使っていただけると思います。

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ペンタックスS3のカメラ修理

今夜はいわゆる「中秋の名月(十五夜)」ですね。
都内の今夜の天気は雨が降ることはなさそうですが
曇りがちかもしれません…少しでも月が見えればいいですね。
たとえ月が見えなくても
中秋の夜に雲などで月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」
中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」と呼び
月が見えないながらも
なんとなくほの明るい風情を賞するものとされているそうです。
「中秋の名月(十五夜)」は
旧暦8月15日~16日の夜(八月十五夜)の月をいいますが
個人的にはまだ夏の空気が少し残るこの季節より
少し寒いですがより空気が澄んでくる
旧暦9月13日~14日の夜「十三夜(じゅうさんや)」のほうが
美しい月が見られるような気がします。(今年は10/27)
まぁでもそんなことを言ってないで
今日は「月見酒の日」で「洋菓子の日」でもありますし
月を眺めながら(見えなくても感じながら)
お団子もいいけどケーキでも食べて
甘いものにも合う強めのお酒を味わいたいですねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスS3」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
Sシリーズは当初は普及機クラスとしての発売でしたが
S2→S3と進化していく中で
機能的にも構造的にも先行発売のトップモデル「K」を上回り
ペンタックスの主力機として定着していきます。
「S3」は発売当初から1/1000を搭載し
(S2では最初は1/500まで最終的には1/1000搭載)
スーパータクマーレンズ群との組み合わせで
完全自動絞り(レリーズに連動して
瞬間的に絞り込みところから開放に戻るまでを自動に行う)を
実現しました。
後の一眼レフでは当たり前の機能なのですが
「S2+オートタクマー」では
レリーズに連動して絞り込みは行うものの
開放はレンズ側で手動で行う形だったのです。
このあたりはこの時代に後の一般的な一眼レフと変わらない機能に
どんどん進化している過渡期にあたります。
少しレトロな外観と露出計こそ内蔵しませんが
マニュアルカメラとしての機能を一通り持つ
シンプルで使いやすいカメラです。

お預かりしている「S3」は
この時代のアサヒペンタックス系ではお馴染みですが
やはりシャッター幕の劣化・硬化が進んでしまっています。
巻上げてレリーズすると先幕は何とかズルズルッと走りますが
後幕はほとんど動くことができません。
先端が少しだけ出てくるのでそっと引っ張って助けてやると
なんとか最後まで走りきるような状態です。
先幕もそうですが後幕が出てきた状態で確認すると
シャッター幕はガチガチに硬くなっていて
波打ってしまっているような状態です。
ゴム引幕のゴムの層が完全に劣化してしまっている状態です。
破れや穴こそありませんが
こうなってしまうとシャッター幕は交換するしかありません。
未整備のAP,K,S2,S3,SVあたりはかなりの高確率で
シャッター幕交換を前提とした整備が必要になります。

まだ分解整備に取り掛かったばかりの状態です。
もちろん画像に見えている幕はまだ交換前です。
幕自体の劣化もそうですが
各部駆動部も積年の汚れや古い油脂のせいで
かなり動きの悪い状態です。
幕交換と並行して幕軸の洗浄整備
巻上部の清掃整備、ミラー駆動部の清掃整備を入念に行います。
その上で最終的に各部微調整を行い
シャッタースピード等の精度を出していきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「パソコン記念日」なのだそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に日本電気(NEC)が
パーソナルコンピュータPC-8001(PC-8000シリーズ)を
発売したことに由来しています。
PC-8000シリーズはまさに最初のパソコンブームの
火付け役でしたねぇ…
私ももう少し後になってから高校生になった頃に
後継機のPC8001mkⅡSRを無理言って買ってもらいました…
あまりうまく使いこなせなかったのですが…(苦笑)
そりゃ今のパソコンとは全く別世界のモノでした
OSはベーシックだしグラフィックは基本的に
640×200 8色だし…時代の流れを感じますね…(笑
あれから40年ほどの時間が経過し
今やパソコンは毎日の仕事に欠かせません。
このブログだってパソコンで書いていますし
納品書だって売上管理だって事務処理は全てパソコンです。
今年の2月にパソコンが壊れるトラブルがありましたが
修理の間の1週間ほどは本当にカメラ修理作業以外の
全てがストップしてしまい大変な思いをしました。
これほどまでにパソコンが不可欠な存在になるとは
40年前には思っていませんでしたねぇ…
「なんでもできる!」みたいな可能性だけは感じてはいましたが…
そう考えると時間や時代っていつのまにか経ってますねぇ…

さてさて

今日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」の登場はPC-8001登場前年の1978年です。
偶然にも同じような時代なのですね。
それまでのニコマートシリーズから
全面的に改良され新登場したのがFE/FMシリーズです。
FEはニコマートでいうところの「ELシリーズ」の後継機となります。
「EL」時代にはまだまだ発展途上のイメージがあった
電子制御機ですが「FE」になると一気に洗練されたイメージとなります。
適度にコンパクトで端正なデザインのボディに
コンデンサレンズを持たなくても十分に明るいファインダー
そして2針追伸式で現在設定のSSも一目でわかる
非常に優秀な露出計、さらにAiレンズ対応で
絞り値もレンズ刻印直読でファインダー内で確認できます。
ファインダースクリーンも下から簡単に取り外しできるようになり
用途によって交換することも可能になりました。
それでいて開放測光に連動はできませんが
Ai連動爪を畳むことによって旧非Aiレンズの装着も可能です。
電子制御機なので当然、絞り優先オート露出も搭載します。
オート時に必須な露出補正ダイヤルももちろん装備されます。
キャッチフレーズは「シンプル・ニコン」で
確かにシンプルに使うことも可能ですが
意外にこの時代で考えられる機能はてんこ盛りに搭載されていて
いろいろな場面に対応して撮影をこなせるカメラです。

お預かりしている「FE」は一通りは動作してはいるのですが
いくつか問題を抱えた状態のようです。
まず、1/1000、1/500は動作はしてもまったくシャッターが開きません。
完全に閉じた状態で動作してしまう感じです。
1/250に関しても10回切ると3~4回は完全に閉じたまま切れてしまいます。
先幕の動きが機械的に非常に悪いのかとも考えましたが
機械式1/90で測定してみると幕速のバランスは問題ありません。
…ということは電気的制御に問題があるか
マグネットの吸着に問題があるのかと思われます。
ちょっと厄介な状態かもしれません。
オート制御も問題があって露出計の表示は
まずまずの値を示しているのですが
実際の露光量はかなりアンダーです。2段前後アンダーなようですね。
絞り優先なので選択されるシャッタスピードの制御に
問題があるようです。高速シャッターはあてにならない状況なので
安定している1/125や1/60付近を選択するはずの状況で
こんな状態です。これも電気的な問題かもしれません。

電子制御シャッターは各接点の導通の安定性と
マグネットの吸着性が肝なので
そのあたりの整備を中心に行っていきます。
もちろん電子部品そのものの不調の可能性もあり
その場合には修理はほぼ不可能かとも思われますが
今回は電子部品そのものの問題ではないのではないかと思います。
もともとFEは妙な分解品や水没品でもない限り
電子部品そのものの不調は少ないカメラです。

まだこれから取り掛かるところで
いろんなトラブルの可能性はありますが
まずはひとつひとつできることkら行っていき
状況を確認しながら進めていきたいと思います。

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ニコンF2のカメラ修理

今日は「畳の日」だそうですよ。
「畳の日」は年2回設定されていて
もともと「みどりの日」であった4月29日と
「清掃の日」でもある9月24日に設定されています。
で、今日が「畳の日」だとしると
毎回、「実家がなくなってから
畳の部屋に縁がなくて寂しいなぁ…」と思い
フローリングの上に敷ける簡易的な畳を
部屋に入れようかと検討するのですよねぇ
まぁ結局踏ん切りがつかなくて見送るのですが…(苦笑)
でもあの畳の上に寝転んだ時の
適度な硬さとふんわりと漂う香りは
何ともいえず気持ち良いモノなのですよねぇ…
実家にいた頃はそれが当たり前すぎて
気にも留めていなかったのですが…
うん、やっぱり部屋の一部にだけでも畳を…
(…と今回もいろいろとついつい調べ始めてしまう…(笑))

さてさて

本日は「ニコンF2」のカメラ修理を行っています。
1971年に発売されたフラッグシップモデルです。
前モデルとなる「F」も伝説的な存在ですが
その「F」を考え方のベースとしながらも
より使いやすくより高性能へと
全面的にブラッシュアップされたのが「F2」です。
基本的な構造は「F」から引き継いでいる部分もありますが
部品ベースでは何もかも新規に設計され
「F」の後期ではすでに一部の「F2」の部品が
使われている部分があるものの
当初の「F」と「F2」は機械的には全く別のカメラとなっています。
フラッグシップモデルとしては
最後の機械制御シャッター搭載機でもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。

「F2」はF一桁機の特徴ともいえる
ファインダー交換式を採用していて
搭載されるファインダーによってモデル名も異なってくるのですが
今回、お預かりしている「F2」は
ボディ本体と合わせて「アイレベルファインダー」と
「フォトミックSファインダー」をお預かりしています。
「アイレベル」は最もベーシックなファインダーで
露出計もファインダー表示も何も装備しておらず
シンプルにファインダーのみの役目を果たすものです。
「フォトミックSファインダー」は
LED式の露出計を装備し、ファインダー内に絞りやSSの表示も追加されます。
LED式のフォトミックファインダーは(S・SB・AS)
LED制御関連にトラブルがある場合、修理不能となることが多いのですが
今回はそのあたりに問題がなさそうということで
お預かりしています。ただ露出計の動きが少々不安定であり
ファインダー内部もかなり汚れているので
できる限りの清掃整備調整を行います。

不安要素が少々多いフォトミックSファインダーから
整備を行います。動きが不安定な原因はおそらく
摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
指針式のフォトミックファインダーに比べても
見た目から少々ややこしい構造になっています。
プリズムを含む下半分は指針式のフォトミックと大差ありません。
フォトミックSファインダーの整備が一通り終わった後で
アイレベルファインダーの清掃整備
ボディ本体の整備一式を行います。
心配されるプリズムは両ファインダーとも
非常に良好な状態です。
ボディ側はやはり動きが悪いところが多く
特に高速シャッターにはその影響がももろに出ているようで
1/2000は開かず、墓の高速シャッターも精度が出ていません。
スローガバナーにも粘りが出ています。
正しい状態でスムーズで動くように
全体の整備調整を行っていきます。

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ペトリ35F2のカメラ修理

今日は「秋分の日」で祝日ですね。
秋分の日ということは秋のお彼岸の中日です。
お彼岸と言えばやはり「お墓参り」と連想してしまいますが
今日は「お墓参りの日」として記念日制定もされています。
こっちに住むようになって
お彼岸には墓参りに行くことはすっかりなくなりましたが
実家にいた頃はやはりこの日はじいさんばあさんと
墓参りに出かけていました。
うちの墓所は設備の整ったいわゆる「墓地」ではなくて
灰ヶ峰の登山道の脇にあるような墓所なので
子供の頃は遠足気分で結構墓参りは楽しみなイベントでした。
特に春や秋のお彼岸の墓参りは
気候も良くって気持ちようのですよね。
墓の掃除やお参りがある程度終わると
じいさんがよく墓所のもっと上にある湧水がある場所まで
連れて行ってくれてそこで飲む山の水が美味かった記憶がありますね
今は湧水も枯れてしまっているようですし
湧いていたとしても
とても飲めるようなものではないと思いますが…
最近は暑いお盆や寒い年末しか墓参りに行けてないので
気候の良いときにたまにはゆっくり歩いて行ってみたいものです。

さてさて

本日は「ペトリ35F2」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
この時代に多くのメーカーから出ていた
レンズ固定式のレンジファインダー搭載レンズシャッター機ですね。
搭載されるレンズはオリコール4.5cmF2です。
なかなかの大口径レンズです。
シャッターはコパルMXVを採用し
ssはB・1s~1/500です。
この時代のカメラとしては非常に高スペックなカメラです。

お預かりしているペトリ35Fは
シャッターは若干の粘りはありますが
一通りは動作しています。
ピントリングを回すためのレバーが根元で
外れ掛かっていてグラグラになってしまっています。
そのあたりも一通りの整備が必要ですが
大きな問題を抱えているのはファインダーで
盛大に曇りまくっています。
距離計二重像もほぼ見えません。
さらにその見えにくい二重像も
縦にも横にも大きくズレてしまっています。
距離計として全く使えない状態です。
できる限りの製造の上でしっかり調整が必要です。

まずはシャッターユニットを降ろして
シャッター周りの清掃整備から取り掛かっていきます。
シンプルなレンズシャッター機ですし
シャッターユニットはコパルですし
整備性自体は悪くないカメラです。
ただし、ペトリらしいというかなんというか
いろいろなところに少しアバウトな部分もあるので
整備には多少慎重さが必要なカメラかとも思います。
このカメラに関しては何度も分解の経験があるので
それほど大きな問題にはなりませんが
いつも通りに細心の注意を払って整備を行っていきます。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は特にこれといった記念日のない日ですねぇ…
9月22日…年始から数えて265日…ということは
今日が終われば今年も残り100日なのですのね。
ちなみに毎月22日は「禁煙の日」なのだそうですよ。
私もタバコ止めてもうずいぶん経ちますけど
いまだにごくたまにですが
外出先とかで「あーそうそう何か足りないと思ったら
こういうときこそタバコなんだよなぁ…」と思うことがあり
無性にタバコを吸いたくなる時があります。
普段はまったくそんな感覚忘れているのですが…
でも実際に吸ったらきっとむせまくるのでしょうねぇ(笑
まぁお高くなりましたし多少の気分転換とストレス発散になはなるでしょうが
健康的なことを考えてもあまりにもリスクしかないので
さすがにもう再び喫煙者になることはないと思います…
でも止めるまでに何十年も吸っていたので
タバコが吸いたくなる気持ちも
どうにもやめられない気持ちも一応わかるつもりです。
大半は依存と習慣だとは思いますが
確かにタバコがめちゃくちゃ美味い瞬間ってあるのですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のカメラです。
それまでの「ニコン」のイメージを覆すモデルと言えるかもしれません。
実際には中級機は存在しますが
あくまでも「質実剛健な高級機」のメーカーだったニコンが
大胆にエンプラを多用し、機能的にも非常に割り切った
初のエントリークラスのカメラとして登場したのが「EM」です。
非常に軽量コンパクトなボディに露出制御は絞り優先オート専用となっています。
この時代には物品税の関係もあって各社から
「絞り優先オート専用で40,000円」のエントリーモデルが
各社から発売されていて実際に熾烈な販売競争が繰り広げられていました。
どのモデルもよく売れていましたがそこにニコンも進出したわけです。
国内の1年前にはすでに海外で発売されており
実は海外ではかなりのヒット商品となっていました。
それもあって満を持しての国内投入となったのだと思いますが…
実は国内ではなかなか販売的には苦戦しています。
当時、特にニコンのユーザーには保守的な層が多く
それまでのニコン機とあまりに質感が異なるEMに
違和感を感じた方も多かったようです…
今でこそ中古市場では人気の高い「EM」ですが
国内で評価が高くなったのは実は生産が終わってからだったりします。
それでもエントリークラスなのでそれなりの台数は販売され
現存台数も多いカメラです。
確かに一桁機や「FE/FM」あたりと比べるとそれなりの質感だったりしますが
いろいろ制約の多いこのクラスとしては
非常によく考えて作られているカメラです。
なんといってもその軽量コンパクトさと
ジウジアーロデザインのデザインが魅力なカメラだと思います。

お預かりしている「EM」は
一応一通り動作はしているのですが
やはり経年劣化の影響もあり不具合をいくつか抱えています。
まずはモルトはフィルム室やファインダー周り
内部モルトも含めて全滅です。
ニコン機はモルトはもちろん遮光のために要所要所で使われているものの
意外とモルトが劣化していても
なかなか光線漏れが起きにくいカメラが多いのですが
EM系はフィルム室…とくに蝶番部のモルトが劣化していると
かなり高い確率で光線漏れを起こします。
このクラスだとあまり凝った裏ブタ形状にはできないですし
EM以外のカメラでもそれが当然ではありますが…
このあたりのモルトには特に注意が必要です。
そしてシャッターは一通り動作してはいるものの
オート制御や露出計にそれなるのズレがあるようです。
油切れや汚れの影響が出ている動作部分もありますので
全体的に一通りの整備を行っていきます。

この時代のカメラらしくプリズムはフレキに覆われていて
分解整備はそれなりに大変です。
でもEMはまだこの類のカメラとしては
整備性は良好な部類に入ります。
電子制御シャッター機で電子部品関係のトラブルも心配されますが
EMでは致命的なトラブルはそれほどないとも思います。
そのあたりはエントリークラスとはいえさすがニコンといったところです。
画像はまだ上カバーを外しただけの段階ですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「空の日」だそうですよ。
もともとは「航空の日」だたのですね。
1940(昭和15)年に「航空の日」として制定され
戦争中中断されていましたが
1953(昭和28)年に復活。
運輸省(現:国土交通省)航空局が
1992(平成4)年に「空の日」と改称しています。
今年はまだ夏の空気が上空に居座っていて
まだ「秋の空」とはいえない状況ですが
そろそろ秋らしい空気の澄んだ高い空がみられる季節です。
これからの季節の青空は見ているだけで
何とも気持ちよくなってきますよね。
もう少し本格的に秋めいてきたら
青空の下で気持ちよくおでかけしたいですね!

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒットしたSR-T101の改良版で後継機とも言えますが
SR-T101もそのまま併売されて
SR-Tスーパーは後にSR505へモデルチェンジ
SR-T101は後にSR101へとモデルチェンジされていきます。
基本的なシャッターや巻上機構、ミラー駆動部等は
SR-T101のものをほぼそのまま引き継ぎ
ファインダー内にレンズ絞り値を直読する窓が追加されました。
この窓の配置の関係もありSR-T101とはペンタ部のデザインも異なっています。
スクリーンはマイクロプリズム式となり
アクセサリーシューにX接点が追加されホットシューとなっています。
より使い勝手が良い方向に改良されています。

お預かりしている「SR-Tスーパー」は
精悍なブラックボディです。
スレや塗装の剝げ具合が適度に使い込まれた感を出していて
なかなかいい雰囲気を漂わせています。
ただ、この個体もながらく未整備のままで
放置されていたようで各部に動きの悪い部分が見られます。
まず高速シャッターの精度は全く出ていません。
やはり幕軸の汚れ等により動作不良が起きていて
先幕と後幕のバランスが大きく崩れています。
加えて露出計が全く動きません。
ただし、バッテリーチェックにすると指針は反応します。
しかしながら電池が新品なのにも関わらず
指針の振れは全く足りません。
メーター本体は問題ないと思われますが
SW部の接触不良やハンダの劣化等により
導通不良があるものと思われます。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
SR-T系といえば糸連動が多く
分解の際に多少の慣れと正しい手順が必須ですが
慣れてしまえばこの糸連動も難しいものではありません。
整備のために糸を緩めているときに
余計なことをしないように多少気は使いますが…
整備性自体は悪くないカメラです。
露出計周りの電気的な部分と
シャッター巻上周りの機械的部分を含めて
一通りの整備調整を行っていきます。
それで今抱えているトラブルも問題なく改善されると思われます。

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