月別アーカイブ: 2018年3月

コニカC35のカメラ修理

今日は「春分の日」ですね!
。。。とはいえ関東は冬に逆戻りしたかのような寒さです。
箱根や髙尾では既に雪が降っているとのこと。。。
都内平野部は冷たい雨が降り続いています。
実際に外出すると大変ですが
暖かい飲み物でも飲みながら
雨の風景を窓から見ている分には
こんな天気もたまには悪くないのかなと思ってしまいます。

さてさて

本日は「じゃーに~コニカ」こと「コニカC35」の修理を行っています。
コンパクトなボディとシンプルな操作、
ヘキサノンレンズによる写りの良さ等々で大ヒットしたカメラです。
もちろん現在でも人気は高く
メンテナンスのご依頼・お問い合わせも多いカメラです。
初代C35は1968年発売開始ですが
今回、お預かりしてるのは「C35フラッシュマチック」で
1971年の発売です。「初代C35」にフラッシュマチック機構が
追加されたモデルです。

お預かりしてる「C35フラッシュマチック」は
元々はご依頼者様のおじいさまのカメラだそうです。
おそらく当時に新品でお買い上げになられたものだと
思われますが大きなアタリや目立つキズもなく
非常にキレイな外観を保っています。
このクラスのカメラだと手荒く扱われたものも多く
市場に数は溢れているのになかなか美品には
お目にかかれない場合も多いのですが
やはりワンオーナー機は丁寧に扱われているものも多いですね。

さて外観は申し分ない状態ですが
さすがに経年劣化による不具合はいろいろあります。
このタイプのコンパクトカメラは
遮光をモルトにかなりの部分で頼ることになるのですが
当然、モルトは劣化して役をなさない状態です。
レンズ・ファインダーにはカビは見られ
C35特有のシャッターの粘りも見受けられます。
(他のレンズシャッター機のような羽の粘りではなく
駆動部のプーリーが粘っている状態)
動作チェックを行ってみると
バルブが効かず普通に切れてしまいます。
これもシャッター駆動部の動作不良が原因と思われます。

しかしながら今回はC35定番の電池室腐食がありませんでした。
きちんと電池も抜いて保管してらっしゃったようです。
C35の電池室腐食は電池室交換は必須で
(端子を支えているプラ部分が破損してる場合が多い)
おまけにCDSの根元まで腐食が進む場合が多く
それなりに重作業になるのですが
今回は通常のメンテナンスで快適に使える状態に復活できそうです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
いわゆる「ダゲレオタイプ」と呼ばれるもので
世界初の実用的写真撮影法ですね。
最初期のものは日中の屋外でも
10分~20分もの露光時間が必要だったそうです。
さすがに静物にしか使えないですよね。
発明された日から179年経ちますが
いまや誰にでもボタンひとつで簡単に写真が撮れ
その場で見ることができ
その場で見せたい人に送ることもできる時代になりました。
改めて技術の進歩ってすごいなぁ。。。と思います。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
ここのところSPの修理依頼も多いですね。
今回、お預かりしているSPは
定番の「ミラーアップしたまま降りてこない」という症状と
「露出計不動」、「高速シャッターが不安定」といった感じです。
先日も書いたような気もしますが
SPのミラーアップトラブルの原因は
ミラー駆動部の動作不良だけではなく
大きな要因はシャッター幕が
スムーズに走りきらないことに起因します。
加えて今回の「高速シャッター不安定」というのも
(1/1000で1/1000出るときもあれば1/400くらいしか出ないこともある)
シャッター幕(後幕)の走行不良による原因と思われます。
シャッター幕走行不良の原因がシャッター幕の硬化等の
原因であると幕交換しか手段がなくなってしまいますが
SPの場合、ほとんどが幕軸の汚れ・油切れが原因です。

写真は分解途中のものですが
これからミラーボックスも外し
幕軸周りの清掃・注油を行っていきます。
露出計不動の原因は電池室裏の接点の
サビ・腐食が原因のようです。
外装には大きなダメージはないものの
塗装剥がれ等がそれなりにある状態です。
でもブラックボディの使いこまれた感のあるものは
またそれはそれでカッコ良いですね。
発売から50年以上経過するカメラですが
しっかり整備すればまだまだ快適に使えます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

ニコンFEのカメラ修理

今日はいわゆる「お彼岸の入り」ですね。
お彼岸といえば墓参りですが
うちの墓は灰ヶ峰という地元の山の
登山道の傍らにあり
子供の頃は墓参りに行くというと
ちょっとした遠足気分で楽しみにしていた覚えがあります。
まぁ、いまや1年に一度も行けませんが。。。(汗)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
もはやこのブログの超常連でもある「FE」です。
発売は1978年、キャッチフレーズは「シンプルニコン」です。
電子制御シャッター搭載で追針式の露出計を搭載します。
機械制御シャッター搭載で3灯LED式露出計搭載の
FMとは兄弟機とよく言われ
現在では機械式シャッターのFMのほうが中古市場では人気ですが
現行モデルだった時代には両者ともヒットしましたし
個人的には追針式露出計の使いやすいFEのほうが好みだったりします。
おまけにFEの電子制御部は
そんなに簡単に壊れる部分ではないですし
FMのLED制御部も壊れると修理不能です。
堅牢性を考えて選ぶよりは好みで選んで
致命的なトラブルのなさそうなものを探し
一度、整備を一通り行えばまだまだ長く使える相棒になると思います。

話が少々横道に逸れました
お預かりしているFEはシャッターは一通り動作していて
露出計も動いているのですが
湿度の高い場所に放置されていたらしく
あちこちにサビが発生しています。
動作しているとはいえシャッターも1/1000で1/400しか出ない状況です。
サビの影響もありますが、各部の動きが悪い状況です。
加えてプレビューボタン(絞込みボタン)が
全く押せない状況です。
相当、力を入れてみてビクともしません。
余談ですがカメラを操作していて動かない、あるいは動きが重い場合は
決して無理して動作させないようにお願いします。
致命的なトラブルに発展する可能性が非常に高いです。
無理な操作で部品を破損させた場合、
その部品が入手不可能な部品であればその時点で
修理不可能となってしまいます。
ちょっと古いカメラを使っている方は特にご注意ください。

写真は一通りの整備が完了した後に撮ったもので
レンズは当店のテスト用レンズです。
シャッター羽根の洗浄等を行いSSも精度が出るようになりました。
プレビューボタンは溶剤や油を使って
かなり時間をかけて少しずつ動くようにしていき
今では通常のスムーズな動きを取り戻しています。

特別コンパクトなカメラではありませんが
それでも前身のニコマートやF一桁機に比べると
断然小型軽量に作られています。
ニコンらしいスタイリングもカッコ良いですね。
優れた使い勝手も合わせて非常に魅力的なカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

コニカⅠのカメラ修理

今日は「漫画週刊誌の日」だそうですよ。
昭和34年3月17日に週間少年マガジンと
週間少年サンデーが発刊されたそうです。
私の生まれる10年前ですねぇ。。。
親父が毎週、マガジン、ジャンプ、サンデー、チャンピオンを
買っていたこともあって小学校低学年くらいには読んでましたねぇ。。。
大好きだったのは「サーキットの狼」や「すすめ!パイレーツ」
「マカロニほうれん荘」あたりかなぁ。。。
そういえば「けっこう仮面」を読んでたら
「お前にはまだ早すぎる!」って取り上げられたことがあったな(笑)

さてさて

本日は「コニカⅠ」のカメラ修理を行っています。
1948年に発売が開始されたモデルですが
いわゆる国内一般向けとしてはコニカブランド初のカメラとなります。
(輸出向け、米軍PXにはコニカスタンダードが既に発売されていました
もちろん、前身の六桜社、小西六としてはもっと古い時代のものも
発売されています)
シャッターユニットはコニラピッドで1~1/500を装備します。
レンズは当初はヘキサー50mmF3.5で
1950年には50mmF2.8に変更されます。

お預かりしているコニカⅠは
ヘキサノン50mmF2.8が装着されたものです。
年代を考えると非常に良い外観の状態です。
レンズにはさすがにカビが発生していて
スローガバナは粘り気味です。
加えてピントリング、SSリング等の操作部が
どれも非常に重い状態です。
。。。とはいえ、きちんとメンテナンスしてやれば
まだまだ快適に使うことのできる状態です。

写真は一通り整備が終わった状態のものです。
レンズもキレイになり操作系も軽やかに動くようになりました。
シャッターユニットももちろん清掃の上、注油を行い調整しています。

外観もさすがに貼り皮に一部傷みやハガレがありましたが
極力、補修させていただきました。
この時代のレトロさを感じさせるカメラはやはり良いですね。
それにしてもこの頃の「Konica」のロゴは洒落てます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「十六団子の日」ですね。
山の神様が「田んぼの神様」として
村に下りてくる日です。
お迎えするために小さな16個の団子をお供えする日です。
ちなみに10月16日には
神様が山に帰るため3月16日と同様に
16個のお団子をお供えするそうです。
主に東北地方で行われている行事ですが
こういう日本古来の行事ごとは大切にしたいものですね。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
ここのところAE-1の修理が妙に多いですね。
電子制御シャッター機ということで
修理を受ける業者が少ないということもあるでしょうか。。。
一世を風靡した「連写一眼」のキャッチコピーのついた
キヤノンの大ヒット作です。
このカメラの登場によってこの後の一眼レフカメラの
作られ方が変わったのではないかとも思います。
発売開始は1976年です。
このカメラからシリーズとしてもヒット作となる
「キヤノンAシリーズ」が始まりました。
「AE」は「Automateic Exposure Control」の略ですが
「AE-1」の「AE]は
「Total Automatic System By Electronic SLR Camera」の意味を持ち
「1」は電子式カメラにおける頂点を表すものだそうです。

お預かりしているカメラは店頭受付時に
一度だけシャッターが切れたのですが
それからはレリーズボタンを押しても
シャッターが切れなくなっていました。
(露出計は動作しているので電源は入っている)
そして今回、整備前に再チェックしたところ
今度はシャッターは切れるのですが
シャッターが開きっぱなしで固まってしまいました。
電池を抜くと当然、シャッターは閉じるのですが
何度試しても状況は変わりません。。。
うーん、これはちょっと苦労しそうな予感が。。。

電子基板内部はおそらく問題がなく
その周辺の接点に接触不良があるものと思われます。
ただ場所を特定するのはなかなか大変です。
まずは考えられる箇所を徹底的に清掃していきます。
もちろん並行して機械的部分の清掃整備注油も行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンEFのカメラ修理

今日は「靴の記念日」だそうですよ。
靴は大事ですよねぇ。。。
特にしっかり歩くときにはきちんとサイズの合った
それなりの靴を履いてないと色々悪影響があったりしますものね。
私の山歩きグッズなんて安物の寄せ集めだらけですが
靴だけはちょっと良いものを奮発しています。
街歩きでも靴は大事なポイントだと思います。
実用性だけでなく見た目でも靴がみすぼらしいと
他全体がおかしく見えてしまいますものね。
。。。いい加減に街歩き用の靴は新調しなくちゃな。。。(汗)

さてさて

今日は「キヤノンEF」のカメラ修理を行っています。
発売は1973年のカメラです。
他メーカーから続々と電子制御シャッター搭載機が登場し
キヤノンも革命的ともいえる「AE-1」(1976年発売)の
開発を開始していたのですが
最新装備を数多く盛り込むために開発が遅れていたようです。
そのため汎用シャッターユニットであるコパルスクエアを搭載し
開発期間を短くし発売されたのがこの「EF」です。
キヤノンFシリーズ中、唯一の縦走り金属羽根シャッター搭載機です。
シャッタースピード優先AEを搭載しますが
ちょっと変わっているのがシャッター制御部分です。
1/1000~1/2までは機械制御で電池がなくても作動します。
1秒~30秒までの低速シャッターは電子制御シャッターです。
30秒までの低速シャッター、それもSS優先AEで使えるのですね。

今回もそうなのですがEFで定番のトラブルは
「1秒以下の低速シャッターが固着して開きっぱなしになる」というものが多いですが
1秒以下なのだから電子制御がダメなのかといえばそうではなく
ほとんどが機械的なスローガバナの固着だったりします。
1/2(0.5)秒までは完全に機械制御だけで動作するのですが
例えばシャッタースピードを2秒に設定するとします。
動作としては電子制御で1.5秒シャッターを開き
残りの0.5秒は機械式スローガバナで制御する仕組みなのです。
このときにスローガバナが固着のため動作が始まらず
開きっぱなしになる。。。というパターンが多いと思います。
EFの場合、電子制御シャッターが働いている間は
上カバー部の赤ランプが点滅します。
これがきちんと点滅していて点滅が終わっても
シャッターが開きっぱなしの場合はほぼ間違いなくスローガバナ固着が原因です。

ところで、その上カバー部の
バッテリーチェックランプも兼ねている赤ランプですが
電圧変換型の電池アダプタを使うと
抵抗が干渉してしまうのか点灯しなくなります。
キヤノネットG-Ⅲやオリンパス35DCのBCランプと同様ですね。
ただし、今回お預かりしているEFは電池アダプタを使用しなくても
赤ランプが点灯しません。ランプ交換で対応します。

構造的にもなかなか面白いカメラですが
やはり一番の魅力はキヤノンらしいスタイリッシュな
デザインではないかと思います。
巻上レバー軸中心にシャッターボタンがある配置も
個人的にはかなり良いと思います。
旧F-1、FTb、EF。。。この時代のキヤノン機は
本当にどれもカッコ良いですね。

まずはさらに分解を進めて
シャッターユニットから整備を行い
全体の各部点検整備一式を行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「円周率の日」ですよ。
え?普通は「ホワイトデー」じゃないかって???
。。。そこはあえて触れたくないので(笑)「円周率の日」です。
円周率は「π(パイ)」で表しますよね。
だから今日は「パイの日」でもあるそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
発売は1964年です。
一昨日紹介した「SV」の後継機にあたるモデルです。
CDS受光素子を利用した露出計を搭載していますが
まだこの時代は「絞込み測光」が主流です。
測光を行うときには実際に絞り込んで
撮影時と同じ明るさにしてCDSで測光を行う方式です。
そのためSPに付いている露出計SWを押すと
絞り込みも同時に行います。
ただ、F11やF16に絞り込んだ状態だとそのままでは
非常にピント合わせが行いにくいので
その辺りは手順に慣れが必要です。
シャッターを切ると自動的に露出計SWはオフとなり
絞込みも解除されます。

ところで「SP」は「スポットマチック」の頭文字ですが
平均測光のSPが何故スポットマチックというネーミングなのでしょう?
調べてみると元々、スポット測光を搭載する予定で
開発が行われていたのですが
スポット測光を実現させるために測光時に
ファインダー視野内にCDSのついたアームが
出現するという仕様だったそうです。
(ライツミノルタCLのCDSアームが
ファインダー内に出てくるイメージだと思います)
テスト段階でそのファインダー内に出てくる「異物」が
テストに参加した写真家にかなり不評だったようで
スポット測光はあきらめ接岸レンズ脇にCDSを装備し
「平均測光」に落ち着いたとのことです。
ただし、モデル名は「スポットマチック」という形で
残ってしまったらしいのです。
この時代ならではの理由のような気がしますね。

お預かりしている「SP」は
そのセールスポイントのひとつである
「露出計」が全く動作しない状態です。
電池室内は問題なくキレイなのですが
電池室裏には緑青が発生し
一部ハンダ付けも劣化で断線している模様です。
加えて1/1000は全く開かない状況で
1/500もかなり露光ムラが見受けられます。
毎度のことですが前後の幕速バランスが崩れてしまっているようです。

写真は前板を外した段階でのものですが
これからミラーボックスを外し幕軸周りの清掃・注油
ミラー駆動部・巻上部の整備を行います。
組み上げる段階で露出計関連のハンダ付けのやり直し
ファインダー清掃を行い、最終的に各部の精度を調整していきます。
写真の前板のネジ穴の裏には
フランジバック調整用のワッシャが入っています。
おそらく製造段階で現場合わせだったと思われますが
不規則に2枚、3枚重なっている部分もありますので
前板を外す場合にはわからなくならないように注意が必要です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSVのカメラ修理

今日は3月12日ということで
サイフ(3・12)の日だそうです。
そう言われてみれば
今、使っているサイフ、もう10年以上経ってますね~
もちろん気に入って使っているのですが
さすがにもうボロボロです。
特に困ることはないですが
あまりボロボロなサイフからお金を取り出すのも
ちょっと恥ずかしいので
いい加減に買い換えないと。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
発売は1962年です。
ペンタックスS2、S3の後継モデルに該当します。
SVの「V」はドイツ語のVoraufwerkの頭文字からで
セルフタイマーを意味します。
S2、S3では装備されていなかったセルフタイマーを装備しています。
セルフタイマーは巻き戻しクランク下のダイヤルで
セットできるようになっており、その後一般的な前板に
装備するタイプとは全く違うので
予備知識が全くないとセルフがあることすら気づかないかもしれません。
セルフタイマーはともかく
このモデルでカウンターも自動リセットとなり、
S3から完全自動絞りとなっているため
露出計こそ装備しないものの
現在の一眼レフと変わらない操作になったともいえます。

K,S2,S3,そしてこのSVあたりまでのモデルは
ノーメンテの状態だとシャッター幕の劣化が進んでいるものがほとんどです。
今回、お預かりのSVも何とかシャッターは切れていましたが
ミラーアップしたまま降りてこないことが多く
原因はシャッター幕の走行不良でした。
なぜ走行不良が起こるかというと
幕が硬化してしまい波打ってしまっている状態で
スムーズに幕走行ができる状態ではありませんでした。
当然、シャッタースピードも全く精度の出ない状態でした。

SVは比較的、シャッター幕交換が行いやすいカメラではありますが
それでもシャッター幕交換はなかなかの重作業です。
写真は完成後ですが、
見違えるほどシャッターがスムーズに動作するようになりました。
巻上も非常に軽めになりました。
SVは比較的、安価に中古品を手に入れることができますが
ほとんどの個体でシャッター幕に問題を抱えています。
本来のスムーズさで動作してる個体は非常に数少ないと思います。
(もちろんシャッタースピードの精度が出ているものも
同様に数少ないと思われます)
レトロな外観は何とも魅力的で非常に使いやすいカメラです。
少々お金はかかりますがきちんと整備して
本来の姿で使っていただきたいカメラのひとつだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM10のカメラ修理

今日はいわゆる「3.11」ですね。
あれから7年ですか。。。
「もう7年」といった感じもあり
「まだ7年」と思うところもありますね。

さてさて

本日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
1979年発売の絞り優先AE専用機ですね。
この時期には各社絞り優先AE専用、
定価4万円以下というモデルが揃っていて
ミノルタX-7、ニコンEM、ペンタックスMV1.。。等々
魅力的なエントリーモデルがたくさん存在しました。
オリンパスには元々高級AE機、「OM-2」が存在しましたが
もっとお求め安いエントリー機を出してほしいという
主に米国販売店の希望により開発されたモデルです。
OM-2の部品点数を約半分ほどに減らし
機能を限定しさらに軽量に仕上げたカメラです。
OM-2張りのフラッシュTTL調光には未対応ですが
ダイレクト測光によるオート制御は同様です。
。。。ということは。。。ダイレクト測光周りにトラブルがあると
OM10もOM-2同様、修理不能となってしまいます。

お預かりしているOM10は
もともとご依頼者様のお父様のカメラだそうです。
かなり長い間、使われていなかったらしく
あちこちにサビやカビが散見されます。
特にファインダー内のカビが酷く
(プリズムに発生しているものがほとんど)
加えて過去にアルコールか何かで
スクリーンを拭いてしまったのか
拭き跡が残ってしまっています。

余談ですがファインダースクリーンは
プラスチック製で非常にデリケートです。
アルコール等で拭いてしまうと表面が変質してしまい
二度と元には戻りません。
指先で触ってしまうだけでもキズが付く場合もあります。
ミラー側から覗いてゴミや汚れが見えるからといって
エアブローくらいなら問題ないですが
決して触らないようにしていただければと思います。

まだ上カバーを開けただけですが
やはり70年代末期の電子制御機ということもあり
電気接点だらけです。
現状チェックの際に電源が少々不安定な症状が出ていましたので
電気的接点の清掃も隅々まで行いつつ
機械的な部分も含めて各部点検整備一式を行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタハイマチック7SⅡのカメラ修理

1975年(昭和50)のこの日(3/10)に
山陽新幹線、岡山-博多間が開業し
東海・山陽新幹線が全線開通しました。
当時、小学校に入る直前でしたが
新幹線がついに広島にもやってくる!ってことで
おぼろげながら覚えています。。。
開業してから少し後に
じいさんに連れられて新幹線見に行ったなぁ。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7SⅡ」のカメラ修理を行っています。
「7SⅡ」、聴きなれないモデル名ですが
実はこのハイマチックは輸出専用モデルです。
1977年の発売ですが
国内ではフラッシュ搭載でプラスチックボディの
ハイマチックSが発売された時期です。
距離計を搭載したハイマチックは1972年発売の
ハイマチックFで国内は最後になってしまったのですが
この輸出専用機のハイマチック7SⅡは
距離計はもちろん搭載し、
レンズはロッコール40mmF1.7の大口径レンズ
露出計と連動したシャッタースピード優先AEも使え
さらに露出計は作動しないもののマニュアル露出も使えます。
それでいてボディサイズはハイマチックFより
少しだけ大きい程度。。。
今、見ると非常に魅力的なスペック満載なのですが
何故、輸出専用だったのですかねぇ。。。
当時はフラッシュ内蔵の気軽に撮れるカメラじゃないと
コンパクトは売れなかったのかもしれません。。。

もともとレアなカメラではありますが
さらにブラック塗装はあまり」見ることがないと思います。
国内販売されていればもう少し見る機会は多くなっていたかもしれません。。。
コンパクトなボディに大口径レンズ、SS優先AE。。。
どこかで聞いたようなコンセプトですよね。
ここにもたまに登場するコニカC35FDにそっくりなのですね。
シャッターユニットはどちらもコパル製で
そこが同じなのは当然としても、
巻上周り、露出計周り、分解するたびに思うのですが
内部までC35FDそっくりです。
C35FDをベースにレンズをロッコールに置き換え
マニュアル露出モードを追加したモデルではないかと思えます。
それでもこのコンパクトな大きさで大口径レンズで
さらにC35FDにはないマニュアル露出が使えるというのは
非常に魅力的ですね!

ご依頼者様も長らく探していて
ようやく手に入れたとのことで
本格的に使う前に各部点検整備一式のご依頼です。
一通り動作はするようですが
露出計・オートともにかなりアンダー目なことと
やはりあちこちに汚れ・油切れが目立ちます。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。