日別アーカイブ: 2020年11月19日

ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は「鉄道電化の日」だそうです。
1956(昭和31)年のこの日に
米原~京都間が電化され、
東海道本線全線の電化が完成したのだそうです
要はそれまで蒸気機関車やディーゼル機関車、ディーゼル気動車しか
走れなかった路線に架線が設けられ
いわゆる「電車」(もちろん電気機関車も)が走れるようになったわけですね。
電化に伴って電気機関車(EF58)がけん引する
特急「つばめ」が東京~大阪間を7時間30分で走ったのだそうです。
ちなみに「電車」の特急は
1958年の「こだま」が最初です(151系電車)
1964年には東海道新幹線が開業するので
この時代はめまぐるしく公共交通機関や道路が開発される
高度成長期だったのだなぁ。。と再確認してしまいますね。
話が逸れますが子供の頃、151系とか181系の
ボンネット型の特急電車にやたらと憧れました。。。
実際には今でも見たことはなくて図鑑や写真でしか
見たことないのですが。。。
(広島在住だとこういう電車にはなかなか縁がないですよねぇ)
どこかの博物館に行けば今でも見られるのかな
それよりも鉄道模型買ったほうが満足度高いかな。。。(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
昨日は同じエレクトロでも「CC」でしたね。
こうしてみると「エレクトロ35シリーズ」という括りで見ると
毎月コンスタントに数台修理していますね。
で、少し前に部品取りが必要になって
ジャンクのエレクトロ探していたのですが
最近意外と高いのですねぇ。。。エレクトロも。。。。
状態のよくわからない個体にも良い値段が付いていてびっくりしました(汗)
一部のモデル(MC)を除いては
F1.7クラスの大口径レンズと距離計を搭載し
SSは全速電子制御で絞り優先オート専用機、というのが
エレクトロ35シリーズの共通項です。
今回のGXはそんなエレクトロ35シリーズの
最終モデルとなったカメラです。
発売は1975年、初代登場から9年が経過しました。
初代に比べると随分とコンパクトなカメラになりました。
もちろん全速電子制御シャッターでレンジファインダー機です。
搭載されるレンズは40mmF1.7の大口径レンズです。
最後まで初代登場時の「ろうそく1本の光でも写る」を
メインのコンセプトととしたカメラです。

お預かりしているGXは
一応オートもシャッターも作動しているのですが
やたらと露出オーバーになってしまうようです。
値にしてLV15(晴天屋外日なたくらいの明るさ)の場合で
+4段~5段です。
これではさすがに写真は真っ白になってしまいます。
最初はオート制御が悪いのかと予想していたのですが
これだけオーバー傾向だと
F16にするとLV15であろうと1/15とか1/8で
切れていると思われるので
スロー警告(黄色の警告灯)がでるはずなのですが
それは出ないようです。
では。。。と実際にスロー警告が出るはずの明るさ
(LV9でF16)に設定すると警告灯は出ます。
つまり制御そのものは悪くないのではないかということになります。
エレクトロシリーズはレンズシャッターにありがちな
シャッター羽根油シミ等によるねばりは起こりにくいカメラです。
その代わりマグネットの力で開閉する
羽根駆動部の軸が練って動作不良を起こすことがよくあります。
今回の露出オーバー傾向の原因も
制御的には速いSSで動作しようとしているのだけど
物理的に(機械的に)駆動部が粘ってうまく動けないようです。
原因がある程度、絞り込めればあとは直していくだけです。

オート制御不良の原因は予想通り
羽根駆動部の軸粘りが原因でした
エレクトロはこのパターン多いですね。
今回はやたらオーバーになるという症状でしたが
もう少し粘りが進み動かなくなると
電源は入るのにSSが全く制御できず
全て等速で切れる、あるいはシャッター羽根が動かないという
症状になることも多々あります。
今回は半端に明るさに反応して動くので
ちょっと最初は迷ってしまいました。
シャッターユニット整備、レンズ清掃、
巻上部、レリーズ部の整備を一通り行いました。
これからオートの調整も行い
ファインダーの清掃、距離計調整を行います。
問題なく快適に使用できる状態に復活させることができそうです。

ファインダー内の矢印や警告灯は
エレクトロならではですよね。
矢印の出た方向に絞りリングを回せ。。。なんてのも
初代からの共通項ですがよく考えられていると思います。
エレクトロは初代からこのGXまで
どれも魅力的なカメラばかりです。

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