日別アーカイブ: 2020年11月9日

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「119番の日」だそうですよ。
いざという時には非常に頼りになりますが
(私も2月にお世話になりましたが)
あまりお世話になる機会はないほうが良いですね。
ちなみに2月に救急車を呼んだ時には
救急車が来てくれるまで約5分
到着して現状を確認し救急車に乗り込み
搬送先を探すのに約5分
実際に病院まで搬送されるのに約5分。。。といった感じで
呼んでから15分程度で病院まで到着することができました。
まともに体も動かず不安な状況で
この素早さは本当に助かりました。
ところで119番は元々は112番だったそうです。
当時はダイヤル電話でできるだけ短いダイヤルで
かけられるように112番だったそうですが
意外と間違い電話が多く
最後にダイヤルを回す時間の長い「9」を入れることによって
落ち着きを取り戻してほしいとのことで
「119番」に変更されたそうです。
「110番」も同じ理由で最後が「0」なのだそうです。
「0」はダイヤル式電話では「9」の後ろで
実際には10回パルスを打ちます。
。。。っていうのがぱっとイメージできるのも
私みたいなおじさん世代以上限定なのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売された「キヤノンAシリーズ初代機」です。
キヤノンのカメラ部門だけではなく
電卓やコピー機で培った各部門の技術を集結して
開発されたカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載の
中央集中制御方式のカメラです
TTL開放測光シャッタースピード優先AEを搭載し
同じようなスペックであった1973年のEF以上の性能を
コンピュータで実現し約300点の部品削減と
生産の効率化によりコストダウンを成功させています。
AE-1の登場により
他メーカーも含めたカメラの電子制御化が一気に進んだと思います。
そしてそれについていけない一部のメーカーが淘汰されていきました。
まるで初代キャノネットのデビュー時のようですね。
キヤノンのカメラはこういう時代の節目に
ターニングポイントとなるカメラを開発することが多いですね。

当時の最新鋭の電子技術を駆使したAE-1ですが
意外と電子部品のトラブルは少ないカメラです。
それよりも最近見かけることの多いのは
無理な分解によるフレキの破損とかで
修理不能となっている個体のほうが多いような気がします。
お預かりしているAE-1は
ご依頼者様が長年愛用されている個体とのことですが
どのSSに設定してもシャッターが
開きっぱなしになってしまうということで
お預かりしました。
これも電子部品の不良ではなく接点の汚れによるものでした。
それよりも分解し始めてすぐに発覚したのが
SSダイヤル連動糸が切れてしまっていることです。
分解時には連動糸のテンションが一番緩くなる位置に
ダイヤルを設定してから外さないと
大概の場合、ダイヤルを外した瞬間に一発で糸が切れます。
分解しようとしない限りは
そう簡単に切れるような糸ではないのですが。。。

連動糸のみを張りなおしたり、糸を繋ぎ合わせるのは
後々のことを考えると非常にリスクが高いので
糸が繋げられている部品ごと中古良品のものと交換します。
ある程度まともにシャッターが動くようになったところで
再チェックを行うと、ある意味予想通りですが
盛大に定番のシャッター鳴きが確認できました。
シャッター幕軸やミラー駆動部等々
動作部は念入りに清掃を行い最小限の注油を行います。
今回も何とか修理不能ということもなく
無事に問題なく動作する状態に直せそうです。
でもやはり何台かに1台は電子部品の問題で
どうにも修理不可能な状態なものもあるのも事実です。
ちょっと厄介なのはある程度分解してみないと
それがわからないことも多いのです。。。
でもAE-1はまだまだ比較的直せる可能性が高いと思います。
そういう意味ではAE-1の跡に出るA-1のほうが
修理不可能な個体は多いような気がします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。