今日は「録音文化の日」だそうですよ。
そういわれてみれば
小学4年生あたりから中学生・高校生にかけては
録音することに手間と時間をかけてましたねぇ(笑)
最初は家にあったラジカセの内蔵マイクで
テレビの「ベストテン」や「トップテン」で歌っている
アイドルの歌を録音することから始まり
そのうちじいさんの協力もあって
イヤホン端子にコードを繋いでラインインで録音できるようになり
「じいちゃん、ばあちゃん、
今から録音するけん、静かにしちょいて!」って言わなくてよくなり(笑)
そのうちFM放送エアチェックで安定した音質と
フルコーラスで録れるようになり
高校生になるころには「レンタルレコード」なんて
画期的な音源入手方法が出現し
ダビングも楽になったことで一気に世界がひろがりました(笑)
今から考えるとなんて面倒くさい。。。(笑)
でも今でもたまにレコード買いますが
レコードからパソコン経由でiPODに落とすには
未だに当時と変わらない手間がかかるのですよねぇ。。。
まぁ、歌詞カードやジャケット見ながら
そういう時間と手間をかけるのも楽しいのですが。。。
そういえば、昔は録音することを「吹き込む」って言ってましたよね(笑)
さてさて
今日は「キヤノンAV-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノンはマルチモード機であるA-1が発売されるまでは
自動露出はシャッタースピード優先派で
絞り優先AEには全く目もくれていなかったのですが
海外市場では絞り優先AE専用のエントリー機の人気が高く
キヤノンUSAの強い要望で作られたのが
このAV-1ともいわれています。
もちろんベースはAE-1で
AE-1は基本的にはシャッター優先AE機とはいえ
マニュアル露出も可能な仕様でしたが
AV-1は絞り優先AE専用のカメラです。
そのかわり徹底的にコストも絞り込んで
ライバル機に負けないお求めやすい価格を実現しました。
組み合わせるレンズもAV-1用に廉価な
50mmF2も用意されました。
ちなみにこのAV-1が出たタイミングで
従来のFDレンズからNewFDレンズ群へとモデルチェンジされています。
お預かりしているAV-1は露出計がほぼ動きません。
「ほぼ」というのはいろいろ弄っていると
たまに反応するのです。
電源が根本的に入らないわけではなく
シャッターは一応切れます
AV-1は全速電子制御シャッターなので
電池を入れて電源がちゃんと入らないとシャッターすら切れません。
ただし露出計が動作しないので「Auto」モードだと
常に最長2秒でシャッターが動作してしまいます。
このAV-1はご依頼者様のお父様が使っていたものだそうですが
それをご依頼者様が引き継いで露出計は動かないので
フラッシュ用の1/60固定で露出計も使わず
とりあえず1本撮り切って何とか写っていたそうです。
いくら最近のフィルムと現像技術は進んでいるとはいえ
なかなかの猛者ですね
。。。とはいえ、現実的に不安なく使える状態ではありません。
定番のシャッター鳴きもたまに発生しているようです。
機械的な部分はやはり基本的にAE-1です。
ただコストを削れる部分はやはるいとことん削っている印象です。
ちょっと変わっているのは表皮はいわゆるビニックスレザーではなく
分厚いゴムの板です。言われなければゴムだとわからないのは
さすがキヤノンという感じです。
ただ、絞り優先AE機なのだからレンズ側では
オート(SS優先時に主に使う)ポジションには入らないように
何か一工夫あってもよいのではないかと個人的には思います。
露出計不動の原因は接点の汚れや配線の劣化が
複合的に絡んでいるようです。
電池室から基板へのリード線やハンダ付けをやりなおし
レリーズ部接点を念入りに清掃すると露出計は操作するようになりました。
もちろんミラー駆動部や幕軸の清掃等々、一通りの整備を行います。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。