日別アーカイブ: 2020年11月23日

キヤノンAV-1のカメラ修理

今日は「勤労感謝の日」で祝日ですね。
本来、当店は祝日はお休みという設定なのですが
ここ数年、火曜日(定休日)の祝日、年末年始、GW以外の
祝日はなんだかんだと通常営業していますね(苦笑)
まぁ休みにしたとしても店に出てきて
作業はすると思うので普段の休みは
やはり休みは火曜日だけでいいのかもしれません。
手間仕事な上に一人でやっているわけだから
休むとそのまま売上ダウンに直結しますねぇ。。。
逆にどうしても休みたければ
前もって決めておけばいつでも臨時休業にはできる。。。とは
思っているのですが。。。「どうしても休みたい」が
この歳になるとあまりないのですよねぇ(笑)
今日はせっかくの勤労感謝の日なので
閉店時間が来たら何か美味いものでも買って帰ります。。。

さてさて

今日は「キヤノンAV-1」のカメラ修理を行っています。
めったに修理に入らないカメラなのですが
先週もAV-1の修理ブログ書きましたね(笑)
次はさすがに当分ないのではないかと思います。
手順としてはAE-1と同じようなものですし
共通している部分も多いので
作業する分には意外と見慣れた部分が多いカメラです。
前回のAV-1のブログでも書きましたが
北米キヤノンの非常に強い要望により
企画開発されたキヤノン唯一の絞り優先AE専用機です。
米国への輸出が売り上げのかなりの部分を占めるのは
大手のメーカーはどこも同じだと思われますが
そこの要望だとやはり断れなかったのでしょうね
当時はキヤノンといえば絞り優先機より
「わかりやすく使いやすい」という主張で
シャッター優先AE機を積極的に開発しており
Aシリーズの前身ともいえる「EF」も
Aシリーズの根幹ともなるAE-1も
当然シャッタースピード優先AE機です。
A-1で両優先+プログラムAEになったとはいえ
AE-1Pでも基本はシャッタスピード優先AE機なので
このAV-1だけが唯一異端児的な存在です。
良い意味でも悪い意味でも非常に割り切ったカメラなので
操作性は非常にシンプルです。
でも実際のエントリー層には価格も含めて
このくらいでちょうどよかったのでしょう
キヤノンだけではなく他メーカーも含めて
国内でも海外でもこの類の絞り優先AE専用機は
どれも大ヒットしました。

お預かりしているAV-1は
ご依頼者様のご実家で眠っていた個体のようです。
しっかり整備した上で
今度はご依頼者様のお子様が使われるのだそうです。
こういう使いやすいシンプルなカメラが
引き継がれていくのもとても素敵ですね。
ただ、さすがにそのままでは
とてもとてもおそらくフィルム初心者であろう
ご依頼者のお子様にお勧めできる状態ではありません。
モルトは全滅でファインダー内もカビだらけです。
露出計・シャッターは一応生きていますが
精度的には全然ダメでオートは大きくオーバー側にズレています。
定番のシャッター鳴きも盛大に起こっています。
装着されていたレンズはNewFD50mmF1.8ですが
清掃しようとしたのかマウント部が一部分解されています。
単純にネジが外されただけで
大きな問題はないように見受けられますが
分解されかけの個体は何が起こっているのかわからないので
各部点検しながら慎重に組み上げます。
もちろんその際にレンズ清掃等も一通り行います。

シャッター鳴きはAE-1と同じ原理で起こるのですが
そもそもシャッター音の印象が
AE-1とAV-1では微妙に異なります。
シャッターそのものの構造はAE-1と変わりないのですが
おそらく絞り制御機構がないからかと思われます。
絞り優先機の方が機械的な構造はシンプルになりますね
(機械的に絞りを制御する機構がないため)
その分、電子制御は少し複雑になるのでしょうが。。。
先述したように機械的整備はAE-1と手順はほぼ一緒です。
いわゆるウィークポイントやチェックすべき箇所も
同じなのでそのあたりは手慣れた作業で行えます。
快適に動作する個体に仕上げて
是非、ご依頼者様とお子様にもこのAV-1での
撮影を楽しんでいただきたいと思います。

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