月別アーカイブ: 2021年4月

リコー35Lのカメラ修理

今日は「エスプレッソの日」なのだそうです。
エスプレッソマシン等の専用の器具で
豆に蒸気による圧力をかけて短時間で一気に抽出した
コーヒーのことを通常は指しますが
エスプレッソはあくまで製法の名前なので
コーヒーに限ったことではないそうです。
…まぁでも普通はコーヒーのことですよね
強い香りと濃い味わいが特徴ですね。
エスプレッソでも日本茶でもそうですが
濃くて苦い味わいには
お茶請けとして、あま~い食べ物が欲しくなるし合いますよね!
その組み合わせによってお互いの味わいが
掛け算のように膨らんでいくと思います。
日本酒(特に純米酒)と肴の関係と同じですねぇ
あぁお昼の後には濃くて苦いエスプレッソと
甘いチョコレート系のケーキなんて良いですねぇ…
いかんいかん、また血糖値が爆上がりする…(苦笑)

さてさて

本日は「リコー35L」のカメラ修理を行っています。
リコーの35mm判レンズ固定レンズシャッターカメラも
1950年代から1970年代初めにかけて生産・販売された
いろいろな種類やシリーズが存在します。
本流である「リコー35シリーズ」の他にも
「リコレットシリーズ」、「オートショット・ハイカラーシリ-ズ」
「エルニカシリーズ」、「500シリーズ」、「300シリ-ズ」
関係性が複雑かつバリエーションも豊富で
なかなか全てを把握するのは難しいですね
今回のリコー35Lは1962年発売のカメラで
当時の最先端の機能を盛り込んだカメラです。
セレン式の露出計を備えて定点合致方式で連動するタイプです。
レンズは日東光学製のコミナー40mmF2の大口径レンズ
シャッターはセイコーシャSLVで最高速1/500
巻上はこの時代に多くリコー他機種でも結構採用している
底部巻上レバー式
巻戻しは上カバー上ですがボップアップ式でなかなか凝った作りです
でも一見、クランクかと思いきやノブ式なのですね。
これは巻き戻しがちょっとおっくうかもしれません。
スペックの割には地味な存在のカメラになってしまっていますが
巻上や巻き戻しの操作感がちょっと時代にそぐわなかったのかな…と思います。
もちろんレンジダインダーでファインダー内に露出計指針も表示されます。

お預かりしている35Lは外観のコンディションはなかなか良く
非常にキレイな状態なのですが
まずシャッターが全く開きません。完全に固着してしまっているようです。
レンズには多少のカビが見受けられますが
まずまずの状態です。ファインダーの方が大きなカビが目立ちます。
セールスポイントのひとつでもあるセレン式露出計は
全く反応のない状態です。
定点合致式とはいえマニュアル露出機なので
露出計はなくても撮影はできますが…
せっかくお預かりしているので何とかしたいところですが
お預かり時にご依頼者様にもご説明はしていますが
セレン光電池本体が起電しないようであれば残念ながら修理不能です。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
セレンに関しては意外と接触不良だったり
断線だったりセレン本体以外が原因で不動の場合もあるので
できる限りのことを行ってみます。
もちろんそれ以外のシャッターのトラブルや
距離計調整・レンズ清掃等々はきっちり整備清掃いたします。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「いちご大福の日」だそうですよ。
「よ(4)いいち(1)ご(5)」と読む語呂合わせと
いちごの旬の時期であることからだそうです。
餡子がそもそも大好きですし(こし餡派)
大福ももちろん大好きですし
それに苺を入れてしまうなんて
最初にこれを思いついた人はすごいですよねぇ
比較的近年(昭和後期)に登場したにも関わらず
発祥を巡っては様々な説が存在し
全国各地で多くの店が元祖であることを表明しているのですが
いずれも定かではないのだそうです。
まぁ発祥はどうであれ
今はコンビニでも気軽に買えますし
それがまた十分美味しいのですよねぇ
調子に乗ると頻繁に買ってしまいそうになるのですが
血糖値の高い私としては食べ過ぎは厳禁です(苦笑)
渋めのお茶を入れていちご大福…
あぁ午後の気分転換に最適ですね
あとでちょっとスーパーかコンビニ行ってこようかな…

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフを代表するカメラと言っても良いと思います。
ミノルタの二眼レフの歴史は古く
最初は1937年の「ミノルタフレックスⅠ」からですが
諸説ありプリンスフレックスに約2ヶ月遅れたという説が有力ですが
量販機としてはほぼ国産初の二眼レフと言ってよいと思います。
それから改良を重ねミノルタフレックスは「Ⅲ型」まで発展し
1950年代前半にミノルタコードへとモデルチェンジされます。
(最初はミノルタコードはミノルタフレックスⅡBの普及版でした)
このミノルタコードからピント合わせがハラキリ型のレバー式となり
続くミノルタコードオートマットでは
フィルム平面性確保のためフィルム送りが通常とは逆の
「上から下」に巻く方式になり
単なるローライコピーの二眼レフではなく独自の進化を遂げていきます。
で、1955年に登場したのが「ミノルタオートコード」です、
ハラキリ型のピントレバーや上から下へのフィルム送りは
ミノルタコードから継承され
設定された絞りやSSはビューレンズ上部に集中表示されるようになり
撮影態勢のまま確認が可能となりました。
シャッターはB・1〜1/400秒でセルフタイマー付きの
シチズンMXVが採用されています。
使ってみると良くわかりますが
左手はカメラを支えることに集中させ
ほぼ右手だけで巻上から露出設定、ピント合わせ、レリーズと
上からのぞき込む態勢のまま操作することができます。
さらにレンズは写りの評価の非常に高い
テッサータイプのロッコール75mmF3.5です。
やはり国産二眼レフの中では最高峰と言えると思います。

お預かりしているオートコードはいわゆる前期モデルです。
オートコードを預かるときに一番気になるのがレンズの状態です。
後玉ユニット前部がコーティング劣化のために
曇っているものが非常に多いのです。
この症状が出ているレンズはほぼ間違いなく
清掃では状況を改善することができないため
お預かり時にチェックして状態が悪ければ
改善の見込みがないことをご依頼者様に説明しなければならないからです。
今回お預かりの個体は大きなカビが前玉ユニット内に見えてはいますが
それは清掃で除去できそうなものですし
後玉ユニット部のコーティングは比較的クリアだったので
状態としては悪くないと思われます。
(もちろんこのままでは撮影結果に影響が出る状態なので
しっかり清掃は行ってクリアにしていきます)
シャッター羽根にはお決まりの羽根粘りが少々あり
絞り羽根にも少し粘りがあるようです。
ファインダースクリーンもずいぶん汚れてしまって
見えにくい状態ですが
さらにミラーも劣化して曇ってしまっているので
ミラーに関しては交換で対処し
スクリーンはできる限りの清掃で対処します。

60年以上経過しているカメラと考えると
今回の状態はかなり良いほうだと思います。
。。。とはいえさすがにこのままでは写らないことはないでしょうが
普通に使える…とは言い難い状況ですので
しっかり整備して当時と同じように
快適に使えるような状態に整備していきます。
まだ現状チェックを行っただけのい状態で
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
外装の貼り革があちこちがめくれてきてしまっています。
うっかりすると「パリン」と割れてしまうので
慎重に取り扱った上に最後にできる限りキレイに貼り付けていきます。
この時代の貼り革は後の時代のものに比べ
非常にデリケートで脆いので取り扱いにはかなり注意が必要です。

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ニコンFE2のカメラ修理

今日は「タイタニック号の日」なのだそうです。
1912(明治45)年のこの日に
初航海中のイギリスの大型客船「タイタニック号」が
北大西洋ニューファントランド沖で氷山に激突し
翌日未明にかけて沈没したこと由来しています。
私が子供の頃から有名な事故ですし
この事故で「氷山は見えている一角より
水中に沈んでいる部分の方がずっと大きい」なんてことも習いました。
で、さらに1997(平成9)年
ジェームズ・キャメロン監督・脚本による
映画『タイタニック』として映画化もされました。
この映画「タイタニック」に私も当時はまりました。
映画館にも3回見に行きました。
ディカプリオもカッコ良かったけど
ローズを演じるケイト・ウィンスレットが
めちゃくちゃ魅力的だったのですよねぇ。。。
もちろん物語自体も素晴らしく
何回見ても号泣モノで2回目以降なんて
最初に老女となったローズが出てきた時点で泣けてしまうほどでした(笑)
そういえば最後にまともに映画を見にったのはいつだろう?
そっか…「この世界の片隅に」以来、行ってないんだな
たまには大きなスクリーンで良い映画を見て「涙活」しなくては…

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
中級機「FE」を基本としてさらにブラッシュアップを行ない
フォーカルプレーンシャッター機としては
史上初の1/250シンクロを実現したカメラです。
一般的な横走り機だと1/60シンクロが普通でしたから
縦走りとはいえ1/250は非常に画期的でした。
その副産物として当時世界最速の1/4000シャッターも実現したと言われています。
(1/4000シャッターは前年に登場したFM2が先発でしたが
FM2のシンクロ速度は1/200)
FE2は当然FEの後継なので電子制御シャッターです。
そのためFM2と異なりスピードライトTTL自動調光も可能となりました。
まさに当時の最先端を行くカメラでした。
それでも当時の流行のマルチモード機ではなく
あくまで「FE」なので露出モードはマニュアルと絞り優先AEのみという
シンプルさがまた良かったと思います。
(マルチモード機はFE2登場の半年後にFAが発売されています)
FEの最大の魅力である使いやすい2針式の露出計はFE2にも受け継がれ
メータードマニュアル機としても非常に使いやすいカメラです。
ただ、残念なのはFM2も同様ですが
Ai連動レバーが固定式となったため非Aiレンズは装着不可となりました。
たまに強引に取り付けているものを見ることが(オークション等で)ありますが
Ai連動レバー破損の原因となるので決して装着しないようにしてください。

お預かりしているFE2は随分長い間使われずに
仕舞い込まれていたもののようです。
新しい電池を入れても電源h\が入らないとお聞きしていますが
こちらでチェックしてみると全く入らないわけでもなく
入ったり入らなかったりするようです。
電池室は問題なくキレイそうなのですが
それでも汚れの接触不良も多少はありそうですし
それよりも電池室裏のハンダが劣化していることが
大きな原因となっているようです。
露出計・オートは多少ズレてしまっていますが
これは電気的調整で問題ない状態になると思われます。
シャッタースピードがやはり多少不安定なので
これはシャッターユニット周りの整備が必要かと思われます。
モルトは当然ですが全滅です。
フィルム室内もそうですが接眼レンズ下の座布団モルトも
劣化して酷い状態になっています。

画像ではわかりにくいですが
初期のFE2や「New」でないFM2
ごく初期のNewFM2ではお馴染みの
ハニカムパターンに肉抜きされたチタン羽根シャッターです。
少しでもシャッター羽根を軽量化し幕速を上げるための
苦肉の策だと思われますが
この時代ならではの貴重な技術の表れだと思います。
後期のFE2や後期NewFM2では
同じ幕速が技術の進歩で通常のアルミ羽根で
実現可能になったことということで
このハニカムパターンのチタン羽根ではなくなってしまいました。
しかしながらこのハニカムパターンのしゃった羽根は
羽根自体の強度は問題ないのですが
カシメ部分の強度に少々問題があるらしく
ある日突然バラバラになってしまうことがあるらしいです。
そうなるともちろん修理不可なのですが
預かっている間に不可抗力でそんなことになったら
どうしようもないな…といつも不安に思いながら
シャッターの整備を行っています。
(今のところそんな事態になったことはないですが…)

今回も慎重に慎重を重ねながら整備を行っていきます…

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「世界宇宙飛行の日」だそうです。
1961(昭和36)年のこの日に世界初の有人宇宙衛星船
ソビエト連邦のヴォストーク1号が打ち上げられました。
ヴォストーク1号は地球を一周し、無事に帰還。
人類初の有人宇宙飛行に成功しました。
打ち上げから帰還までは108分だったそうです。
搭乗したのは日本でも有名なユーリイ・ガガーリン少佐ですね
名言として「地球は青かった」と表現したとされてますが
どうもこれ言い回しが随分変えられているようで
直訳だと「空は非常に暗かった。
一方、地球は青みがかっていた」になるらしいです。
さらにこれが有名な名言になっているのは日本だけらしいです。
日本以外では地球周回中のガガーリンの言葉とされる
「ここに神は見当たらない」の方が有名なのだそうですが
こちらは発言自体が記録に残っていないのだそうです。
いろいろ不思議ですねぇ
何にせよこの世界初の有人宇宙飛行から
60年が経過したわけですが
こと、宇宙旅行に関しては意外とびっくりするほどの
飛躍がなかなかないですねぇ…
宇宙開発自体が莫大な費用を必要とすることと
国を挙げて今それをやっている場合か…ということになりますものねぇ
私が生きている間には残念ながら
気軽に宇宙旅行に行けるようにはなりそうにありません(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
「1N」はフラッシュ関連の機能以外は
基本的にOM-1と変わりません。
ただ、OM-1の後期からそうですが
内部はいろいろと細かい変更が加えられており
機能的には変わっていなくても中身は意外と変わっていたりします。
まぁ、それは私のような修理を行うために
内部の部品の互換性や変更点を把握する必要のある場合だけで
普通に使っている立場からすれば
「OM-1」後期も「1N」もほぼ変わりはありません。
つい数日前にも「OM-1」の修理を行いましたが
相変わらず修理依頼の非常に多いカメラです。
それだけ人気も高く非常に魅力的なカメラということですね

今回、お預かりしている「OM-1N」は
シャッターに若干の不安定さや高速時の露出ムラが
見られますが一応は動作していて
露出計もそれほど大きな問題は見られません。
定番のプリズム腐食もなくファインダーも他方の汚れ等はあるものの
撮影自体には問題のないレベルです。
それでもタイミング的にはモルトもくたびれていますし
整備一式を行ってよいタイミングだとは思われます。
…と思いきや…結構な大問題をこの個体も抱えていました。
OM系の巻き戻しボタンはちょっと独特で
通常なら底面に巻き戻しボタンがあり
それを押さないと巻き戻しができないというのが普通ですが
OMな上カバー前面に巻き戻しダイヤル(?)があり
これを「R」ポジションに回してセットすれば
巻戻しが可能になるというものです。
で、今回の個体はこの巻き戻しダイヤルがビクとも動きません。
もちろんこういう場合にあまり力回せに回そうとすると
トラブルをさらに拡大させるのが関の山なので
それほど無理はしませんがそれにしても全く動きません。
これを知らずに撮影を始めてしまっていたら
「さてフィルム終わったし巻き戻して現像に出そう!」と思っても
巻戻しが全くできず途方に暮れることになってしまいます。
たまにこの巻き戻しダイヤルが「R」にロックされず
指で「R」ポジションに押さえておかないと
巻戻しができないというものはたまに見かけますが
全く動かないというのはちょっとめずらしいですね。

全体の整備ももちろん行うのですが
まずはこの「R」のトラブル原因から探ります。
画像の隅に転がっているのは巻上部で
巻上部をごっそり外すと巻き戻しダイヤル部の全容が確認できます。
ダイヤルが「R」ポジションになると
スプロケットのロックが浮き上がって解除され
スプロケットがフリーになり巻き窓氏が可能となるというのが
良くわかります。
で、結論から言うと汚れ等で強烈に固着してる状態でした。
溶剤と油を少しずつ流し込んで時間をかけて優しく
動かしていると何とか動くようになりました。
なぜこんなにここが固着してしまっていたのかは不明ですが
破損とかでなかったのでよかったです。

「R」トラブルの解決のめどが立ったので
このままシャッター周り、ミラー駆動部の整備に移行していきます。
せっかく分解しているのですから駆動部分はすべてチェックして
一通りの整備を行っていきます。
おそらくそれで最初に少し触れた高速シャッターの不安定さや
露出ムラは解消されると思われます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「中央線開業記念日」なのだそうです。
1889(明治22)年のこの日にJR中央線の前身である
甲武鉄道・新宿駅~立川駅(約27km)が開業したのだそうです。
最初は立川までだったのですね。
少し遠いですが私のお店から
中央線中野駅は徒歩圏内ですし
昔、山によく登っていた頃は
クルマで行かなければ当然、中央線を使って
山梨・長野方面に行くので馴染みの深い路線です。
中央線を題材にした往年の名曲なんてのも多いですよね。
それこそ「あずさ2号」とか…
個人的には「THE BOOM」の原曲をカバーした
矢野顕子さんの「中央線」がイメージ強いかな…
ところで昔は「中央本線」と呼んでいたような気がするのですが
いつの間に「中央線」になったのだろうと調べてみると
国鉄時代の線路名称公告では「中央本線」と
青梅線や五日市線などの支線を指す総称として
「中央線」の名称が使用されていたのだそうです。
しかしながら、国鉄分割民営化の際に策定された
基本計画において路線の名称が「中央線」とされたため
従来は「中央本線」と呼ばれていた路線に対しても
公文書を中心に「中央線」の名称が使われるようになったのだそうです。
ふーん、「中央本線」のほうが
ちょっと偉そうな感じがしていいような気もしますが…(笑)
ほら、東海道本線とか山陽本線に対抗する感じで…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートを前身とするニコン中級機です。
中級機とは言えニコンらしくしっかり作られたカメラで
ニコマート時代はF一桁機とあまり変わらない大きさ重さで
少々取り回しの悪い部分もありましたが
FE/FMにモデルチェンジされた際に
随分コンパクト化されてF一桁機とはまた違った魅力を身に着けています。
さすがにOM-1とか軽量コンパクトを売りとする
カメラに比べると一回り大きく重いですが
そこはこの時代のニコン製品ですから
ある程度の大きさ・重さはあるレベルの信頼性・堅牢性を維持するために
必要だという考えなのだと思います。
実際に今回のFE、兄弟機で機械制御シャッターのFMともに
基本的には非常に丈夫なカメラだと思います。
さすがにF一桁機ほどに極端なオーバークオリティさではないですが…
FEは電子制御シャッター機ということで
メンテナンスの問題で少々敬遠されがちな部分もありますが
電子部品が原因で修理不可と言うパターンは非常に少ないです。
(確かに稀にはありますが)
ニコマートEL(特に初期)では電気関係のトラブルはそれなりにあったので
そのあたりは随分進歩しているのだと思います。
確かに基板を見ると時代の差が一目瞭然でわかります。
個人的にはFEの電子制御部分よりも
FMのLED式露出計のほうが整備性も取り扱いも大変で
修理不可になっている個体の可能性も高いのではないかと思ってしまいます。
ただしショック品は別の話になります。
ショックで電子部品関連に重大な障害が起こると
修理不可能になる可能性は高くなると思います。
ニコンはそれでもショックにも強いカメラが多いのですが
やはり落としたりとかはされないように
気をつけていただければと思います。

で、お預かりしているFEは上カバーに大きな凹みがあり
明らかな落下品です。
でも一通り動いているような感じではあるのですが
たまにシャッターが完全に開きっぱなしになってしまいます。
マニュアルだろうがオートだろうが関係ないようです。
で、それが起こるときには露出計指針もダウンしているのですね
ただバッテリーチェックはそのときもちゃんと点灯します。
電源が不安定で入らないのであればシャッターは開かず
ミラーアップしたままで固まるはずなので
電源が云々ではなくて制御部分に問題があると思われます。
基板が…ではなくシャッターダイヤル下の管制部が
ダメなような気がします。
逆にそこであれば中古良品の部品と交換で対処できそうな気もしますが…

意外とこの画像ではわからないのですが
「Nikon」の銘板の上部が大きく凹んでいます。
ここまで凹むということは結構な衝撃だったと思われます。
まずは不安定な動きを解消するのが第一ですが
ショックにより意外なところに問題を抱えていることもあるので
通常以上に慎重に整備を行い入念にテストを行います。

まだ現状を確認している段階だったのですが
途中でシャッターが開きっぱなしになる症状が出て
それが引っ込まないのでSSやオート精度の確認ができていません
もう少しいろいろやってみますが
ダメなようならば詳細確認は後回しにして
まずはこの開きっぱなしになる状態を何とかすることを考えます。

ちょっと苦労するかもしれないです。
でもせっかく預かっているのですから
何とかする方向でがんばってみます。

ミノルタXEのカメラ修理

今日は「フォークソングの日」なのだそうです。
「フォー(four=4)ク(9)」という語呂合わせからですね。
フォークソング…明確な位置づけってまた少々微妙なのですが
いわゆるギター1本で弾き語るスタイルというイメージですよね
日本国内でのフォークソング全盛期って
1960年代後半から1970年代にかけてだと思いますが
さすがに私も幼過ぎてリアルタイムで
体感しているとはいえないですねぇ
私が歌番組見たりレコードを買い始めたのは
1970年代末あたりからですが
その頃には「フォークソング」というよりも
「ニューミュージック」と呼ばれる
これまた明確な位置づけの難しいジャンルが盛り上がっていて
いわゆるそれまでの「歌謡曲」以外は全て
「ニューミュージック」って枠に一括りにされていたような気がします。
ソンガーソングライターだったらニューミュージックとも
言われていた気もしますがそうとも限らないのですよねぇ
まぁ、なんにしても今となっては「死語」ですね(笑)
いわゆる典型的なフォークソングはあまりないですが
レコードやラジオを聴き始めた頃に手に入れたレコードや
エアチェックしたカセットなんかは未だに手元にあって
レコードは今でも聴けますがテープはダメになってもおかしくないので
大部分をデジタル化してiPODで今でも聴いています。
当時の音楽って遠い昔の記憶を思い出すためのトリガーになるのですよねぇ
そういうものを聴くと当時の空気感を少し思い出すことができます。

さてさて

これも70年代のカメラですね。
今日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
デビューは1974年です。前年にXシリーズ最初のカメラでもある
「X-1」が発売され「XE」は「X-1」に続く中級機的位置づけで
発売されました。
「X-1」はミノルタとしては相当気合を入れたプロ用最高級機として
発売されたカメラですが個人的見解ですが正直に言うと
いろいろと「?」な部分もあり商業的にも
決して成功とは言えなかったと思います。
じゃ「XE」も「X-1」の普及版と考えれば
同じような感じなの?というとそんなことはなく
「XE」と「X-1」はキャラクターも全く異なりますし
構造的にも意外と共通点がありません。
まずシャッターが「X-1」の横走りに対して
「XE」は縦走りです。
この時代で縦走りシャッターと言えばやはりコパル製です。
それもただのコパル製ではなく
当時提携していたライツとミノルタ、そしてコパルの3社で
共同開発したライツコパルシャッターと呼ばれる
シャッターユニットが搭載されています。
「XE」のキャラクターはこのシャッターユニットで
大部分が決定されていると思われます。
このシャッターユニットはミラーチャージが独特な構造で
そのために非常に滑らかな巻上を実現しています。
さすがに登場してから50年近く経つカメラで
未整備のものは本来のフィーリングでないものも多く見かけますが
キチンと整備された「XE」は
非常に気持ちよい巻上を今でも味わえます。
言葉にするのは難しいのですが
単に「抵抗がなく軽い」ではないのですよね
巻上以外にも、さして明るくはないですが
ピントの山の非常に掴みやすいファインダー
ふわりと動く露出計指針、「X-1」とは異なり
一目瞭然で理解できるオートの設定等々
非常に使いやすい上に使い心地の良いカメラです。
短所をあげるとしたらやたら大きくて重いことくらいでしょうか…
ただ、初期の電子制御カメラということもあり
どうにも挙動が不安定で直らない個体も存在しますし
電子部品不良で全く制御ができない修理不可能な個体も存在します。
また持病であるプリズム腐食はプリズムが特殊な形状のため
交換用のキレイなプリズムの確保は既に非常に困難です。
現在、落ち着いて動作しているものは
ある意味、貴重かと思われるので大切にしてほしいと思います。

お預かりしている「XE」は基本的な動作自体は行えており
ファインダーも普通に覗いている分にはゴミの混入こそあれ
プリズム腐食は見当たりません。
ただ、ご依頼者からご指摘されているのは
巻上部の多重露光レバーが全く動かないということで
確認してみたところ確かにビクとも動きません。
こういう場合は力任せに動かすのは厳禁なので
後でしっかり分解して原因を確認していきます。
ここもトラブルの非常に多い露出計は
少しアンダー側に触れるもののネガであれば問題ないレベルです。
しかしながらこのアンダー側に振れるというのは
「XE」でよくある常に1/1000以上に振り切れてしまう…という症状の
前兆でもあるので原因となる巻き戻し側の摺動抵抗は
しっかり清掃整備しておかなければなりません。
シャッター自体の動きが一見問題ないように見えたのですが
測定器で計測してみると
1/1000は約1/400、1/500は約1/200…以下1/250は1/125
1/125は1/60と一段ずつズレてしまっているような状態です。
電気的な問題かとは思われ整備・調整で何とかなるとは思いますが
これもいろいろ整備をしながら確認していきます。

多重露光レバーはどうやら強烈に固着しているようです。
これから巻上側カバーも外していきますが
巻上軸周り整備の際に一緒に修理していきます。
これから基盤をよけておいてプリズムを降ろす手順なのですが
腐食の見えないプリズムは逆にプリズムを降ろすときに
非常に神経を使います。
…というのも腐食が見えないのはたまたまで
かなり実際は腐食が進んでいてプリズムを降ろした瞬間に
一気に蒸着が剥離してしまうことがあるからです。
腐食対策を行ってある個体などめったにないので
大部分がたまたま腐食がギリギリのところで
止まっているだけ…の状態かと予想されます。
とはいえ、プリズムを降ろさないとそれ以降の整備が進みませんし
ファインダーの清掃もできません。
慎重に慎重を重ねてこれからプリズムを降ろしていきます。
整備性の悪いカメラではないのですが
いろいろとトラブルも多く、整備修理も手間のかかるカメラです。
それでも調子のよい個体は非常に魅力的なことは間違いありません
あまりこればかり入ってくると閉口ものですが(苦笑)
たまに行う分にはしっかり慎重に整備していきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「灌仏会・花まつり」ですね。
お釈迦様の生誕を祝う行事です。
本来、クリスマスなんかより
今日の花まつりのほうが盛り上がってしかるべきなのでは?と
毎年4月8日が来るたびに思ってしまいます(笑
私が通っていた幼稚園(50年近く前の話ですが)が
浄土真宗本願寺派のお寺さんがやっている幼稚園で
(幼稚園ってお寺がやっているところ多いですよね)
お釈迦様のお話をいろいろ聞かされる時間が
結構あったのですね。
またうちのじいさんがそういうの好きだから
お釈迦様のありがたいお話をわかりやすくした
絵本とかを買ってくるのです。
さすがにもう覚えてはいませんが
当時は喜んで聴いていたような気がします。
まぁ道徳的な教育には良いのではないかと…
ありがたいお話はいいのですが
それよりも甘茶と美味しいお茶請けが欲しいですよねぇ(笑

さてさて

本日は「オリンパOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もしっかりOM-1の修理は予定されています。
相変わらずお問い合わせも修理・整備依頼も
圧倒的に多いカメラです。
やはりこのコンパクトさで機械制御シャッターというところが
人気の理由なのでしょうね。
電子制御シャッター機も含めれば
OM-1と同じように軽量コンパクトな一眼レフもいくつかありますが
やはりメンテナンスの部分等で不安なところもありますし
やはり最初にこのサイズで出したOM-1がすごいということで
現存している台数も圧倒的に多いというのもあるかと思います。
同じような機械制御機で同じような大きさの機種もあるのですが
OM-1はただ小さくて軽いということだけではなくて
巻上フィール等を含めた使い心地がまた何とも気持ちよいカメラなのです。
巻上のスムーズさだけならOM-1より上をいくカメラもありますが
あの独特のシャリっとした巻上は何とも気持ちよく
さらにシャッター音も上品で心地よいものです。
と、いろいろ考えてみるとやはりOM-1が人気なのは
よく理解できるような気がします。

お預かりしているOM-1はMD対応の後期モデルです。
定番のプリズム腐食もなくシャッターもとりあえずは動作しています。
ただ、マウント部のシャッタースピードリングを回しても
全くクリック感がなくスルスるどこにも止まらずに回ってしまいます。
これは思った以上に使いにくいですね。
クリックを出しているのはリング内側にセットされた
小さな鋼球ですが、これが何らかの理由で紛失してしまっていると思われます。
…と最初は思ったのですが
じっくりゆっくりリングを回してみると
かすかにクリックがあるような気もします。
ん~単純に鋼球がないならわかるのですが
少しでもクリック感があるということは…開けてみないとわからないですね。
で、後から実際に開けてみてわかったのですが
鋼球をリングの凸凹に抑えつけている
板バネが折れてしまっていたことが原因でした。
ここが折れるのはなかなか珍しい現象ですね
それほど負荷のかかる部分ではないのですが。。。
やはり50年近く経過していると脆くなってくるのでしょうね
板バネはしっかりしてそうな中古良品と交換しました。

露出計の精度はまずまず出ていますが
シャッタースピードは後幕の動きがかなり不安定で
シャッター切るたびに大きく値が変わります。
影響の出やすい1/1000設定時に良いときと悪いときで
1段以上露光量が変わるようなのでもう少し安定させてやらないと
安心して使える状態とは言えないと思います。
最初に語った魅力のひとつでもある独特の巻上フィールはなかなか良好です。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
ボディはなかなか良い具合に使い込まれた感のあるブラックボディです
画像には写っていませんが底部はかなり地金が出ていて
なかなか良い風合いが出ています。
まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かりますが
結構使い込まれている個体と思われますので慎重に取り掛かります。
意外とOM-1は開けてみると予期できないトラブルが
起こっていることも多いのです。
ただ、OM-1はさすがに中身もかなり見慣れている上に
資料もいろいろ揃っているので
少々何か起こっていても大抵のことが対応できるかとは思います。
ただあまり手間のかかることが起きていなければ良いのですが…

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は広島カープと読売ジャイアンツで活躍した
球界のキムタクこと木村拓也元選手の命日なのですね。
ドラフト外で日本ハムに入団したものの
出場機会に恵まれず広島カープに移籍し
強肩・俊足のユーテリティープレイヤーとして大活躍しましたが
2006年シーズン途中で巨人に移籍
巨人でも活躍しましたが2009年シーズンで現役を引退
2010年シーズンは巨人軍の一軍内野守備走塁コーチとして
第二の野球人生をスタートしたものの
2010年4月7日、マツダzoom-zoomスタジアムでの
カープとの試合前、本塁付近でシートノック中に
突如として意識を喪失しそのまま倒れ込み帰らぬ人となりました。
死因はクモ膜下出血…脳出血は本当に突然、その人の命を奪っていきますね
キムタクさんは当時37歳、あまりにも早すぎます。
球場で意識を失ってから懸命の救助が行われたのにも関わらず
一度も意識が戻ることはなかったそうです。
ただ、周りの方のお話によると
広島入り直前に「ひどい頭痛に見舞われて、2時間ぐらいしか眠れなかった」
「食べる量は変わらないのに痩せた」と話していたといいます。
わずかな前兆だったかもしれませんが
体調の異変には気をつけなければならないのかもしれませんね
キムタクさんは本当に早すぎる死でしたが
先日も知人も話していて
標準的な自然界での人間の身体の耐用年数は
きっとせいぜい50年くらいで
それ以上生きていると何が突然起こってもおかしくないよねぇ
なんて話をしていました。
そう考えると私も良い年齢だし実際にいろいろ変調もあるので
1日1日をしっかり生きていかないとなぁ…なんて考えてしまいます。
(…と思いながらも次の瞬間には
「ま、なるようにしかならないか…」と開き直りますが(苦笑))
話が逸れました…なんにせよキムタク選手は
本当に努力の人でプロに入ってからスイッチヒッターになり
入団当時は捕手だったのにピッチャー以外はどこでも守れる選手になり
当時のカープやジャイアンツでも本当に欠かせない選手でした
あなたの活躍は決して忘れません。安らかにお眠りください。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
今月もしっかりありますねぇ…エレクトロ35…
意外と…といっては失礼ですがコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
一言でエレクトロ35と言っても10年以上生産されたシリーズですので
いろいろなモデルが存在するのですが
今回は記念すべき初代エレクトロ35です。
初代の整備依頼は比較的珍しいですね
とはいってもこの初代と基本的な構造は全く変わらない
「GS」や「GSN」あたりの依頼は多いので
外観も中身もある意味見慣れた風景です。
初代と2代目の「G」(GT)まではレンズのコーティングが
旧コーティングでレンズ銘も「ヤシノンDX」です。(カラーヤシノンDXではない)
レンズの構成やスペック自体は変わらず45mmF1.7の大口径レンズです。
シャッターユニットはエレクトロ専用ユニットともいえる
「コパルエレク」で最高速は1/500、露出は基本的に絞り優先オートです。
電池もエレクト35のために開発したと言われている
HM-4N型積層水銀電池ですが、これはさすがに現在は入手不可能ですので
電池アダプタ等を使って4LR44あるいはLR44を4個使って6Vで駆動させます。

お預かりしているエレクトロ35は
まず全く電源が入りません。電源が入らないためシャッターも
一定速でしか切れずオートは効きません
バッテリーチェックも点灯しないので
根本的に電池室からの電圧供給ができていないものと思われます。
電池室を見てみると蓋側、端子側それぞれ緑青が発生しており
おそらく端子裏の配線も腐食のため断線かと思われます。
まずは電源供給できるようにすることが優先ですが
エレクトロでいつも確認する巻上時の「カタン」という
レリーズ軸の戻る音もしないので電源が入ったとしても
オートはまともに制御できないものと予想されます。
これもいつものパターンでレリーズ部のゴムブッシュの劣化によるものと
思われますので分解時に対処していきます。
それらがクリアになっても電子部品の問題で
まともに動作しないことはたまにあり
その場合は修理不可能の可能性もそれなりにあるのですが
こればかりはまずはそこまでやってみないことにはわかりません

エレクトロはやはりこの少し大柄な前期モデルで
ギランギランの独特なシルバーが良いですね。
レンズにも随分汚れカビ、
ファインダーも曇っているので
動作的な部分が修理・整備できた後に清掃を行っていきます。
まだ現状確認を行っただけの状態です、。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「オープンカーの日」なのだそうです。
日付は「4月」が桜の舞う中を走れる
オープンカーにとって最高のロケーションの時期であることと、
オープンカーは「五感」に訴えかける車であることから
4月5日になったのだそうです。
うーん、花粉症でなければこの季節もいいですが…(苦笑)
いわゆるスポーティーなオープンカーと
ジムニーの幌車を過去に所有したことがありますが
シートヒーターが付いていて
風の巻きこみの少ない今どきのオープンカーなら
間違いなく秋冬がお勧めです。
背中は超あったかで足元もヒーターで温かくて
顔にだけ冷たい風が少し当たるのはめちゃくちゃ気持ち良いです。
反対に最悪なのは真夏でもしレザーシートであれば
まず陽射しでレザーがめちゃくちゃ熱くなります。
で、まだ風を切って走っているのであれば
陽射し対策をしっかりしてサイドウィンド上げて
オープンでもエアコンをつければ何とか耐えられますが
渋滞なんかに巻き込まれたら本当に最悪です。
しかしフロントガラス&サイドウィンドウ+ドアがあるって最強ですね。
比較的ラフな格好でもオープンカーは割と気軽に
真冬でもオープンにできてしかも快適ですが
バイクはあんなに重装備に着込んでも
命に係わるほどの寒さです(苦笑)
あ、ちなみにジムニーの幌車は
四季を通じてそれなりにツラいことが多いです(笑)
乗っていた頃にあったことですが
GWに昼間は暑いほどでTシャツの上にシャツ1枚で
幌も家に置いたまま鳥取まで友達と二人で出かけたのです
で、帰りの夜に伯耆大山の麓で二人とも
寒くて寒くてたまらなくなりコンビニで新聞紙買って
シャツの下にめちゃくちゃ巻き付けてしのいだことがありました(笑
まぁそれはさておきオープンカーは確かに良いものです。
ヘルメット必須で常にしっかり着込まなくてはいけないバイクよりも
解放感では上回ります。
(バイクの魅力はそれ以外にたくさんあるのでいいのですが)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPの修理も毎月コンスタントに入ってきます。
現存台数が多い上にM42マウントでレンズ遊びに使いやすく
絞込測光で多少慣れは必要なものの
TTL露出計が装備されているということで
現在でも人気なのはわかるような気がします。
しかしながら現行モデルだった頃はすごい数が売れたのだと思われます。
(さすがにSPの最盛期は私の生まれる少し前の話なので
リアルタイムでは体験していません)
現在、これだけ中古市場でも数が溢れているということが
現行モデル時代のフィーバーぶりを表しているような気がします。
そのため中古部品であれば部品取りに苦労することもなく
比較的何でも修理に対応できるカメラでもあります
ただ、持病ともいえるプリズム腐食はちょっと困ったもので
代用できる同系のプリズムもほとんどなく
(高さが合わないものが多い)
かといって同じSPでプリズム腐食のない個体を探すのは
なかなか大変な状況です。
実は今回もファインダーを覗くと真ん中少し下に
ぶっとい黒帯が出現しており
明らかなプリズム腐食が確認できています。
今回は何とか交換用に腐食のない中古プリズムを確保できていますが
だんだんキレイなプリズムの確保も困難になっていくと思われます。

お預かりしているSPは今書いたように
まずはプリズム腐食が問題の一つですが
加えて頻繁にミラーアップしたまま降りてこない症状も出ています。
毎度、同じようなことを書きますが
これはミラー駆動部の動作不良ではなく
シャッター幕(後幕)の走行不良により
ミラーダウンレバーをシャッター幕軸リンク部分が
上手く蹴れないことによっておこる症状です。
そのためこの症状が起きている場合というのは
たまたまミラーダウンできたとしても
シャッターの精度は全く出ていないことがほとんどです。
今回も1/1000で計測してみると
走り始め(写真左端)の露光量が既に1/700
視野真ん中付近で1/500
走り終わり(写真右端)で1/300といった状況です。
後幕の動きが遅く走行しているうちに
スリットが広がっていくような状態です。
もちろんここで安易に後幕のテンションを上げるようなことをすると
無駄にバネに負荷をかけるだけで
最悪の場合、バネがバカになってしまい
その後、全くSS精度は出なくなりますので
テンション調整は最後に微調整程度にとどめ
まずは基本的に動きをよくするための
幕軸清掃をおこなうことが最優先事項です。

画像ではわかりにくいですが
プリズムはしっかり腐食して蒸着が剥離している状態です。
これもいつも書きますが
原因はプリズムの周りにぐるりと張られた
遮光材の加水分解が原因です。
プリズムは先述したように交換で対処します。
まずはここからさらに分解を進めて
シャッター周りの整備から行っていきます。
今回はこちらもトラブルの多い露出計は動作しているのですが
最後の調整の段階で1.5V電池で正しい値が出るように調整します。
現在は当然水銀電池1.3V使用の状態なので
1.5Vの電池をそのままセットすると
1.5段~2段ほどアンダーに指示してしまいます。
(要は指針が振れ過ぎな状態)

なかなか良い感じに使い込まれたブラック塗装のボディです
これからも安心して使い続けていけるように
今回もしっかり整備を行っていきます。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日は「し(4)ゅみ(3)」(趣味)と読む語呂合わせから
「趣味の日」なのだそうです。
「趣味」ですか…私の扱っているフィルムカメラなんて
正に「趣味」ですよねぇ
簡単で便利なデジタルカメラ…いやスマホ全盛の時代に
あえて扱いの難しい手間のかかるフィルムカメラで
写真を撮る行為なんて「趣味」としか言いようがないと思います。
その手順だったり全て自分でコントロールするプロセスを
考えながら行うのは楽しいですよね。
それで思った通りの結果が得られればもちろん嬉しいですし
思っていたのとはちょっとばかり違っていても
それはそれで楽しかったり…と
なかなか思い通りにいかないからいいのだと思います。
何でもかんでもボタン一つで安定した結果が得られるのは
効率的ですがその行為自体は楽しめなくなってきますものね
でもフィルム時代からカメラはそういうところを目指して
発展し家電化していったのですから皮肉なものです。
こういうことを言い始めるとややこしいのでやめましょう(笑
趣味と一言で言っても私の扱っているカメラや写真だったり
音楽だったり何かのコレクターだったり、
スポーツや舞台を見ることや行うことだったり
その人にとって楽しいことであれば趣味と言えると思うので
いろいろなことが考えられますよね
で、これが高じて気分転換の範囲を超えてしまったり
それを行うことがプレッシャーになるほどのレベルになると
もう「趣味」というよりはもう1段違ったレベルのものに
なるのではないかと思います。
それを表すうまい言葉が見つかりませんが…(苦笑)
さらに進んでそれが「仕事」になってしまうと
それはもう「趣味」ではないですものねぇ
何だか話がとっちらかってきたのでこの話はこの辺で…(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
「ペンシリーズ」といえば言わずと知れた
オリンパスが展開するハーフカメラのシリーズです。
レンズ一体型コンパクトカメラである「ペン」を中核に
一眼レフの「ペンFシリーズ」だったり
できるだけ簡単に撮れるようにオート露出・固定焦点とした
「ペンEEシリーズ」だったり
派生モデルもいろいろと存在します。
「ペンDシリーズ」は基本的なペンをベースとしながらも
露出計を装備し、レンズは高級な大口径を装備し
シャッターユニットも高品位なものを搭載した
最高級版です。「D」は「デラックス」の「D」というわけです。
「D3」その名の通り「ペンD」としては3代目にあたり
1965年に発売されたカメラです。
前身の「D2」と同じく露出計はセレンではなくCdSを使用するものとなり
電池を必要としますが反応性・安定性・低輝度時の精度が
格段にアップしました
レンズはD2の32mmF1.9から32mmF1.7へと
少しばかりですが、より大口径へとグレードアップしています。

お預かりしているD3は
まず露出計が全く動きません。
新しい電池を入れて露出計SWを押しても
全く無反応です。
さらに巻上が1枚で止まらず2枚分進んでしまいます。
露出計は電池室に腐食跡もあり
電池室内の接触不良もある上に
電池室からの配線も腐食して通電しない状態です。
電池室の接触不良は軽微なものなので
清掃と磨きで通電するようにし
配線は全て交換で対応します。
巻上の問題はペンではよくある症状ですが
根本的な原因はシャッター羽根の粘りです。
シャッターが動作しないほどの粘りではないのですが
粘りのためにシャッター羽根が最後まで
キチンと閉まらず中途半端な位置に止まっている状態で
巻上を行うことになり巻上が止まらず
行き過ぎたところでやっとシャッター羽根が
キチンと閉まり切るので巻上も止まるといった状態です。
このまま放置していくといずれシャッターも開かなくなると思われます。

画像は一通りの整備が完了した状態です。
分解時に気が付いたのですが
以前に落下歴があると見られ
妙に鏡胴全体がガタついているな…と思ったのですが
ネジの緩みはともかくとして
シャッターユニットを留めているネジの1本が
結構変形していてまともに締められない状態でした
代用品のネジを使って対処しましたが
そうなると鏡胴本体やレンズユニットに
悪影響がないかと心配されましたが
特に問題となるようなこともなくホッとしました。

レンズ・ファインダーはできる限りの清掃ですが
実用上まったく問題ないほどにはクリアになっています。
シャッターは精度も含めて
もちろん快調に動作するようになり巻上も全く問題ございません。
露出計も修理の上、しっかり調整し
精度的にも問題ない状態になりました。
安心してお使いいただける状態になったと思います。
すこしばかり様子見して最終チェック後、完成となります。

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