日別アーカイブ: 2020年10月16日

ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ボスの日」なのだそうです。
ここでいう「ボス」とは
缶コーヒーやエフェクターではなくて
「ボス、がってんだ!」とか
「これはボスに知れるとヤバイからやっちゃいな!」とかの
「ボス」です(語彙力にかなり問題が。。。笑)
英語の「Boss」の本来の意味は
上司、社長、監督、親分、主任、実力者などの意味なのだそうです。
で、今日は従業員が職場の上司を称え感謝する日とされています。
私もここのお店の一応、ボスなのですが。。。
「ひとりでやってるから誰も称えてくれません!(ヒロシ風に)」
笑。。。まぁ冗談はともかく
私もサラリーマン時代がそれなりに長かったし
時代的に今でいうブラックな職場も多かったので
おっかない上司や
理不尽な上司もたくさんいましたねぇ。。。
もちろん尊敬できる上司もたくさんいらっしゃいましたが。。。
何にしたって団体行動が苦手で
会社勤めが向いていないから今こうやって一人で仕事しているのですよねぇ
そこは間違いなかな。。。(笑)
でもひとりでできることなんてやはりしれてます。
それは頻繁に痛感する点です。。。
でもそれはそれでしかたないのです。
今日もがんばって仕事しますよ~

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
ほんの数日前にもオートコードの修理を行いましたね。
先日も書きましたが国産最高峰の二眼レフといってよいカメラです。
今回のオートコードは何種類かあるオートコードの中でも
最終モデルとなる「オートコードⅢ」です。
オートコードの最終。。。ということは
ミノルタの二眼レフとしてもこのオートコードⅢが最終機ということです。
発売は1965年です。
基本的な構造はオートコードであればどのモデルでも同じですが
「Ⅲ」の直前に出た「オートコードCdS」から
レンズのガラス材質やコーティングが新しくなったレンズを搭載し
「ニューロッコール」と言われています。
ビューレンズのコーティングがうっすら青みがかっているのが特徴です。
さらに「Ⅲ」では220フィルム対応となっています。
まぁ、今となっては220フィルム自体がほぼなくなってしまいましたが。。。

お預かりしているオートコードⅢは
若干シャッター羽根に粘りが見られるものの
一通り動作はできています。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
ピントレバーが少し重い上に擦れ音がするということです。
確認すると確かに少し重めですね。
擦れ音はピントレバーが少し手前に変形しているようで
距離銘板にほんの少し触れてしまっていることが原因のようです。
ピントレバーの話が出たので少し触れておきますが
たまにピントレバーが折れたオートコードの修理依頼があります。
ここはさすがに折れてしまうと交換しかないのですが
当然のことながら新品部品は手に入りません。
中古の部品を手に入れようとも
オートコードはたとえジャンク品であっても結構な値段がして
とても費用的に部品取りを入手することができません。
上記の理由で当店では当面、ピントレバー破損のオートコードの修理は
残念ながらお断りしています。
ところで、このピントレバー
そんなに構造的にすぐ折れるものか?と
言われるとそれほど華奢なものではありません。
ただ製造から60年以上経っており
経年劣化で多少は脆くなっていると思います。
そこへ例えばヘリコイドが固着していて
非常に重い、あるいは動かないところへ
無理に力任せに動かそうとするとそれは簡単に折れると思います。
何にしても動きにくいものを力任せに動かすのは
古いカメラの場合は厳禁ということですね。

写真はひととおり整備が完了した状態です。
ヘリコイド部の清掃及びグリスアップを行い
ピントレバーは劇的に軽くなっています。
これならピントレバーに
余計な負荷がかかることもないと思います。
もちろん、シャッターユニット整備、巻上機構部整備
レンズ清掃、ファインダー清掃、ピント調整等々
全体の整備を整備を行っており
当分、安心して使っていただける状態になっていると思います。
ところで、後期のオートコードはストラップの留め具が
専用のものとなりここが悩みの種になる場合も多いと思います。
当店からは具体的にどうという提案はありませんが
今回のオートコードⅢはご依頼者様の工夫で
絶妙な太さのリングが留め具に通してあり
一見、「大丈夫?外れるのでは?」と思ったのですが
意外としっかり噛んでいて大丈夫そうですね。
写真では少々わかりにくいですが
こんな方法もあるのか。。。と非常に参考になりました。
この専用金具も気を付けるべきで
ストラップ側の留め具が拡がり気味で
突然外れて落下して修理にかなり費用がかかったお客様も
過去にいらっしゃいました。
ストラップ留め具はオートコードに限らず
本当に良く確認して使っていただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。